第2回早大競技会 5月17日 埼玉・織田幹雄記念陸上競技場
湿度の高い曇天の中開催された第2回早大競技会。この日は、1500メートル、5000メートル、1万メートルのレースが行われ、早大勢は5000メートルと1万メートルに計12名が出場した。5000メートル1組に登場した鈴木翔瑛(人2=群馬・富岡)が自己ベストを更新。また、1万メートルに登場した山﨑一吹(スポ3=福島・学法石川)が東京箱根間往復大学駅伝(箱根)後の不調から復調の兆しを見せ、1着でゴールするなど、各々が現状を把握した競技会となった。

レースを走る鈴木翔
5000メートル1組には鈴木翔、舩生颯太(先理2=静岡・韮山)、安食光翔(スポ1=山形南)の3名が出場した。トラック1周あたり70秒前後で推移する縦長の大集団。鈴木翔は3番手、船生は中央、1年生の安食は後方に位置取り、落ち着いてレースに入る。先頭は最初の1000メートルを2分57秒で通過。2000メートル手前で徐々に集団が3つに分かれると、鈴木翔は第1集団、安食は第2集団、1000メートルすぎから後方へ位置を移した舩生は第3集団へ。3000メートルを過ぎても一定したペースでレースを運ぶ第1集団で余裕を見せていたのは鈴木翔だ。4月に行われた第1回早大競技会では、3000メートルから急に力が入らなくなってしまっていた鈴木翔。この日のレースでは後半でも勢いが衰えることなく、3200メートル付近で先頭に躍り出る。ラスト2周に入ると、さらに後続との差を広げた。鈴木翔はラスト1周の鐘でもう1段階ギアチェンジし、組トップの14分50秒12でフィニッシュ。僅かに自己記録を更新した。安食と船生は、後半単独走になりながらも粘り、安食は10着、舩生は14着でゴールした。

レースを走る安江
城西大の斎藤将也がペースメーカーを務めた5000メートル2組。早大からは、門馬海成(政経4=福島・会津)、安江悠登(法3=埼玉・西武学園文理)、冨田拓臣(スポ1=茨城・水城)、神先強志(スポ1=東京・駒澤大学)の4名が姿を見せた。「ある程度自信を持ってスタートラインに立てた」という安江は、序盤3番手につけ、レースを進めていく。冨田、神先は集団の中央、門馬は後方で集団に続いた。先頭が最初の1000メートルを2分53秒で通過すると、1200メートル付近で門馬が集団からこぼれ、単独走に。2000メートル過ぎには集団が2つに分かれた。安江は第1集団に果敢に挑み、冨田、神先は第2集団を2人で引っ張る。しかし、3000メートルを過ぎたところで、ペースメーカーの斎藤が一気にペースアップ。それに安江はついていけず、冨田、神先も第2集団からこぼれる。安江は後半単独走になったが、早大トップの14分53秒72 でフィニッシュした。冨田と神先は集団から離れた後も、徐々に前との差を詰め、冨田は9着、神先は11着でゴール。門馬は終始苦しい走りで18着フィニッシュとなった。

レースを走る山﨑
日が傾き始めた中スタートした1万メートル。山口智規駅伝主将(スポ4=福島・学法石川)がペースメーカーを務める中、山﨑一吹(スポ3=福島・学法石川)、堀野正太(スポ1=兵庫・須磨学園)、小平敦之(政経3=東京・早実)、武田知典(法3=東京・早実)の4名がレースに挑んだ。1周目の400メートルを68秒40で通過すると、その後は1周70秒から71秒程度のペースでレースが展開していく。3000メートル付近まで早大勢が先頭集団を形成。3000メートルを8分48秒で通過すると、徐々に小平が集団から遅れを取り始めた。また、4000メートルを通過すると武田も先頭集団からこぼれた。小平、武田が単独走となり、5000メートルを通過すると先頭集団は山口智、堀野、山﨑の3人となった。しばらく3人で71秒前後のペースで走り続けるも、7000メートル付近で山﨑が少し離れる。8000メートルで淡々とペースを刻み続けていた山口智が抜けると、堀野が単独走となった。これまでペースを刻んでいた堀野だったが、ここで1周80秒50までペースダウン。ラスト3周で体勢を立て直し徐々に上がってきた山﨑が堀野を捉え、先頭に躍り出ると30分切りを目指しペースアップ。そのまま29分57秒16の1着でゴールした。初の1万メートル出走となった堀野は30分10秒69の2着でフィニッシュ。小平は7着、武田は11着だった。
関東インカレへの出場がかなわなかったメンバー各々が現在地を確認した今回の早大競技会。現状に満足せず、ここからさらに鍛錬を重ね強くなっていくことだろう。己の目標を目指し、記録更新に挑み続ける。
(記事 會川実佑、佐藤結 写真 會川実佑、佐藤結、鈴木拓紀、石本遥希)
結果
▽男子1500メートル
地案尚宏(スポ2=愛知・旭野) DNS
▽男子5000メートル
鈴木翔瑛(人2=群馬・富岡) 14分50秒12 (1組1着)自己新
安食光翔(スポ1=山形南) 15分29秒60 (1組10着)
舩生颯太(先理2=静岡・韮山) 15分42秒60 (1組14着)
安江悠登(法3=埼玉・西武学園文理) 14分53秒72 (2組5着)
冨田拓臣(スポ1=茨城・水城) 14分57秒00 (2組9着)
神先強志(スポ1=東京・駒澤大学) 15分02秒53 (2組11着)
門馬海成(政経4=福島・会津) 15分52秒66 (2組18着)
▽男子1万メートル
山﨑一吹(スポ3=福島・学法石川) 29分57秒16(1着)
堀野正太(スポ1=兵庫・須磨学園) 30分10秒69(2着)自己新
小平敦之(政経3=東京・早実) 30分41秒72(7着)
武田知典(法3=東京・早実) 30分50秒47 (11着)
山口智規駅伝主将(スポ4=福島・学法石川) DNF
山口竣平(スポ2=長野・佐久長聖) DNS
コメント
山﨑一吹(スポ3=福島・学法石川)
--直近は日体大記録会とTokyo : Speed : Raceに出場されましたが、最近の状況を教えてください
箱根が終わってから結構不調が続いていて、手応えがあるレースがなかったのですが、前回の日体、今回と、少しずつ復調できているので、少しずつ段階を踏んでいけているかなというふうに思います。
--今日のコンディションはいかがでしたか
ずっと不調が続いていましたが、今回の刺激の練習でいろいろ戻ってきているなというのを感じているので、そこそこ走れるかなというコンディションでこれました。
--レースの位置づけを教えてください
練習の一環としてそこそこしっかり走って、それでタイムを狙えるかという位置づけでした。
--目標タイムはありましたか
最高目標にしたのが29分05秒で、全カレの標準を切れたらなと思ったのですが、途中で切り替えて、30分を切るように、というふうに考えて走っていました。
--7000メートル過ぎで先頭から離れたときはどのように考えて走っていましたか
腹筋の力が抜けて腰が反ってしまうというのが課題だと思っているのですが、それが出てきて。厳しいかなと思ったのですが、もう1回吹っ切り直して途中から綺麗に走れました。
--ご自身の走りを改めて全体的に振り返っていかがですか
途中きついところもありましたが、しっかり最後までまとめることができたので、割と良かったかなと思います。
--次のレースの目標や意気込みをお願いします
次のレースはまだ決まっていないですが、何か出るとしたら、復調して、しっかり走れるようにまとめたいと思います。
安江悠登(法3=埼玉・西武学園文理)
--本日のレースに向けて、思ったような練習は積めていましたか
直近は練習量を落としていたのですが、大事なポイント練習はしっかり勝負していたので、ある程度自信を持ってスタートラインに立てました。
--本日のコンディションはいかがでしたか
調子が良かったわけでもないですが、悪くもなく、いい意味でいつも通りの状態で走れたかなと思います。
--目標タイムとレースプランはどのように考えていましたか
城西大の選手がかなりいいペースで引っ張ってくれるということだったので、それにいけるところまでガンガンついて、14分30秒台でゴールをしたかったのですが、後半ラスト3・4周は少し崩れてしまったかなという印象です。
--中盤から単独走になりましたが、どのような意識で走られましたか
後半1人になってから結構きつくて。あまり考えられてなかったですが、いつもよりは崩れ幅というのは小さく抑えられたのではないかなと思います。
--ラストスパートでは、余力はどれぐらいありましたか
いやもう本当に全然なくて。思い切っていったのですが、結局最後まで持たなかったです。
--ご自身のレース全体の走りについて、改めて振り返りをお願いします
良かったところも悪かったところもしっかりあったので、後半の粘りというのをもっと改善して、14分30秒切りというのを次は狙って走りたいと思います。