雨天でも一貫性を保った早大 明学大相手に103点を奪い快勝

ラグビー男子

春季オープン戦 5月17日 対明治学院大 早大・上井草グラウンド

 大粒の雨が降りしきる早大・上井草グラウンド。早大は明学大40分のゲームを3本行う特殊な形式で対戦した。試合開始直後、SO池山昂佑(商3=東京・早実)のキックを軸に試合を組み立てる。天候の影響もあり、堅実なゲームメイクで攻勢に出た。素早い展開から先制点を奪うと、攻撃の手を緩めることなく、プレッシャーをかけ続ける。ボールが滑りやすくミスも見られたが、接点での激しい攻防で優位を保ち、1本目を38-0で終えた。続く2本目、早くも開始1分で早大が追加点を挙げると、その勢いのまま得点を重ね、69-7と大差を広げて3本目に突入。ラストの40分ではルーキーたちが躍動し、34点を追加。早大は明学大を103-12で圧倒し、試合を締めくくった。

ディフェンスに仕掛けるFL髙橋

 試合開始と同時に雨足が強まる中、明学大のキックオフで試合が幕を開けた。早大があいにくの天候を考慮してか、池山のキックを軸に堅実な試合運びを展開する。先制点が生まれたのは開始5分。素早い展開からCTB佐々木豪正(文3=東京・早実)が切り込むと明学大がたまらずペナルティー。敵陣深くまで攻め込むと、PR勝矢紘史(スポ4=長崎北陽台)がラックサイドを抜け出してグラウンディングし、先手を打った。雨の影響でボールが手につかない場面も見られたが、その度にLO龍康之助(文構2=東京・早大学院)とFL狭間大介(スポ3=福岡)が球際で体を張り、再三ボールを再獲得。追加点が生まれたのは15分、狭間が明学大のアタックに強烈なプレッシャーをかけ、CTB森田倫太朗(スポ3=兵庫・報徳)がボールを奪取。WTB山下一吹(教4=東京・早実)が起点を作る。フェーズを重ねながらゴール前まで攻め込むと、最後はSH渡邊晃樹(スポ2=神奈川・桐蔭学園)がトライラインにボールを置き、得点を重ねた。28分には龍が相手のミスボールに素早く反応し、渡邊が鋭い球捌きを見せる。FL髙橋松大郎(スポ3=愛媛・松山東)がボールを受け取ると、冷静に相手ディフェンスをかわしながらインゴールに飛び込んだ。池山のゴールも決まり、スコアは19-0に。33分には狭間、38分には森田がそれぞれトライを奪取。さらに終了間際、HO杉村利朗(社2=東福岡)がゴールラインを突破。池山が確実にゴールを沈め、早大は最初の40分を38-0で終えた。

ラインブレイクするLO龍

 続く2本目も早大は前半の勢いそのままに攻撃の手を緩めず、開始1分で早々に追加点を挙げた。7分にはCTB若林海翔(社1=東海大大阪仰星)がディフェンスの間を割ってトライ。19分にはFB宮下羚(文構2=東京・早実)がキックカウンターから相手の背後にボールを転がして相手のミスを誘うと、若林とFL淺沼大智(文構2=埼玉・早大本庄)が素早く反応して起点を作り、素早く展開。CTB山口滉太郎(教1=東京・早実)のショートパスを受けたWTB高栁壮史(創理4=東京・早大学院)がインゴールに滑り込み、点差は60点に。23分、この日初めての失点を許すが、30分と35分に宮下が2本のトライを奪い、69-7と大きくリードして2本目を終える。

ライン際でタックルをかわすWTB高栁

  試合は最後の40分へ。5分、CTB菊川迪(スポ2=兵庫・報徳学園)が内側に切り込み、FB小貫壮太(教3=東京・早大学院)へボールを繋ぐ。さらに浅沼が受け取り、敵陣深くまで前進。その後のスクラムで相手の反則を誘発すると、早大は速攻を仕掛け、最後はWTB小澤アンディ(法4=千葉・流経大柏)がフィニッシュ。スコアは74-7に。18分にはルーキーSH川端隆馬(スポ1=大阪桐蔭)がピッチに立ち、攻撃のテンポを一気に加速させる。SO寺田結(スポ2=広島・尾道)のキックで陣地を押し込み、川端がディフェンスを切り裂いてビッグゲイン。21分にはNO・8山下広一朗(創理4=東京・早大学院)が得点。30分にはラインアウトモールからHO真田稜大(教4=東京・早実)が押し込み、さらに35分には菊川の突破からCTB佐々木篤真(法3=福島)がトライ。38分には再び川端が切れ味鋭い突破でスコアを重ね、終了間際にはFL丸橋怜央(商3=埼玉・早大本庄)のパスを受けたLO佐藤一道(商1=東京・早実)が大きくゲイン。川端のパスを受けたWTB小澤ジョージィ(スポ4=千葉・流経大柏)がインゴールをこじ開け、川端のゴールも成功。スコアは103-12。合計120分間におよぶ激闘で早大が明学大を圧倒した。

スクラムから球出しするSH川端

 普段とは異なる雨天のコンディションに見舞われた中での一戦。寺田は「天候が悪かったので縦に強いプレーを意識した。疲れた場面でも前に出ることができてよかった」と振り返り、試合への適応力を示した。また、中でも活躍が目立ったのは龍だ。こぼれ球には素早く反応し、接点では果敢に体を張り続けた。103点もの大量得点は龍のような泥臭いプレーが支えていたに違いない。合計120分の中で多くのカテゴリーの選手が出場したが、一貫性のあるプレーを続けられたことも大きな収穫だろう。1つでも上のカテゴリーで戦うために、彼らの挑戦は続く。

(記事 大林祐太、写真 村上結太、吉田さとみ)

コメント

◆LO龍康之助(文構2=東京・早大学院)

ーー個人のゲームテーマを教えてください
 個人のテーマはワークです。運動量はもちろん、セットプレーでもワークし続けることに拘りました。

ーー雨の中でのプレーでしたが意識したことはありますか
 雨というコンディションの中で、自分たちでコントロール部分にこだわりを持ち、セットプレーをはじめとした細かい部分での意識を強くしました。

ーー球際や接点でのプレッシャーで目立つ場面が多くありましたが、自身のプレーをふりかえっていかがですか
 球際でのセービングやディフェンスでのプレッシャーは早稲田が最も大切にしているものだからこそ、そこでプライドを見せることができてよかったです。

ーー今後の意気込みをお願いします
 チーム内での競争が激しくなる中で、自分の強みをアピールし続けていきます。

◆FB宮下羚(文構2=東京・早実)

ーー個人のゲームテーマを教えてください
 アタックで、ゲインラインを超えることをテーマにしました。

ーー雨の中でのプレーでしたが意識したことはありますか
 アタックではコリジョンバトル、ディフェンスでは相手がミスした後のボールへの反応に特に拘ってプレーすることを意識しました。

ーーBKのアタックはいかがでしたか
 雨ということでゴール前での取り切る場面でのミスが何個か起きてしまい、そこは改善していきたいです。

ーー今後の意気込みをお願いします
 一つでも上のチームに上がれるように自分の強みをたくさんアピールしていきたいです。

◆CTB寺田結(スポ2=広島・尾道)

ーー個人のゲームテーマを教えてください
 個人では自分から仕掛けてチームを前に出すというところを意識しました。

ーー雨の中でのプレーでしたが意識したことはありますか
 ボールが滑ったりグラウンドの状況が悪いのでパスの距離を短くしたり縦のプレーに強く入ること、また、風を見ながらキックも混ぜて試合を組み立てようと意識しました。

ーーBKのアタックはいかがでしたか
 天候が悪かったので展開と言うよりかは縦に強いプレーを意識しようとチーム内で話し合っていました。後半の疲れた時にBKの縦のプレーで前に出ることが出来たのは良かったと思います。

ーー今後の意気込みをお願いします
 この春シーズンという試合に出場できる機会が多い時期に練習でやってきたことをしっかりと出して1つでも上のカテゴリーでプレーできるように頑張っていきます。

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