“ガチンコ勝負”の春リーグ開幕 磯村・舟山が待望の勝ち星!

卓球男子

春季関東学生リーグ戦 5月15日 埼玉・所沢市民体育館

 春季関東学生リーグ戦(春リーグ)が開幕した。8校の総当たり戦を行い、シングルス1~3番、ダブルス4番、シングルス5~7番で計4点を取ったチームが勝利となる今大会。昨秋王者の早大男子は2連覇を目指し、名だたる強豪との“ガチンコ勝負”に挑む。1日目は筑波大、中大の2校と対戦した。初戦の筑波大戦では、磯村拓夢(社3=福岡・希望が丘)、舟山真弘(文3=東京・早大学院)が貴重な勝ち点を奪取し4-2で勝利。続く中大戦では濵田一輝主将(スポ3=愛知・愛工大名電)が1番でその実力を見せつけるも、相手のスーパールーキーに阻まれ2-4で敗北。1勝1敗で1日目を終えた。

 開幕戦・対筑波大の1番に起用されたのは磯村。出だしから力強いフォアハンドが冴え渡り、2ゲームを連取する。第3ゲームでは相手にゲームポイントを握られたが、デュースに持ち込み12-10で勝利した。ここまで思うように勝ち点を挙げられていなかった磯村にとって、そしてそんな磯村に期待を寄せていたチームにとって大きな価値のある一勝。「涙が出るくらいうれしい」と久々の勝利を噛みしめた。2番の濵田一主将も相手のエース格を撃破し、勢い付いた早大。昨季全勝の3番・濵田尚人(社2=高知小津)は強敵相手に惜しくも敗れたが、濵田一・徳田幹太(スポ3=山口・野田学園)組が危なげなく勝利を収める。続く5番の徳田が一進一退の攻防を繰り広げる中、6番のパリパラリンピック日本代表・舟山が積極的に仕掛ける卓球でストレート勝ち。リーグ戦初勝利を挙げ、チームの白星を決定付けた。

フォアドライブを放つ舟山。リーグ戦初勝利を挙げた

 中大戦では濵田一主将が1番に登場した。相手は昨季の濵田一主将に唯一土を付けた難敵だが、この日は早大のエースが隙の無い卓球で終始圧倒。相手を全く寄せ付けない圧巻の試合運びを見せ、3-0で勝利した。2番に起用されたのは櫻井大地(スポ2=北海道留萌)。1ゲームを先取された後も、持ち前の果敢に攻める卓球で競り勝ち第2ゲームを奪う。続く第3、4ゲームもコートを駆け回り好プレーを演出するが、経験豊富な相手を前に1-3で敗れた。続く3番・濵田尚、4番の濵田一・徳田組がそれぞれ0-3で一蹴され、あとがなくなった早大。5番の徳田は同世代のペンドラと、6番の舟山は新人戦を制したスーパールーキーと対戦した。舟山は要所で激しいラリー戦を制し得点を重ねたものの、相手のパワフルなプレーを止められず無念の0-3負け。先に早大の敗北が決定した中、最後に全日学王者・徳田が意地を見せる。Tリーグや国際大会で経験を積んだ徳田は、中陣からでも鋭い両ハンドをコートに突き刺しフルゲームの末勝利。2-4でチームは敗れたが、濵田一・徳田の2枚看板がシングルスでそれぞれ勝ち点を挙げた。

バックドライブを放つ徳田。昨季からTリーグ・金沢ポートでもプレーしている

 新チームで挑む初のリーグ戦だったこの日。磯村・舟山が待望の勝利を挙げ、粒ぞろいの実力者がそろう筑波大に見事勝利した。新たに強力な面々が集った中大には敗れたが、最後に徳田が意地を見せ、次につながるかたちで試合を終えることができた。濵田一主将が「本当に一生懸命な新人たちが入ってきてくれて、良いチームになってきている」と話すように、試合中にはベンチやスタンドから力強い声援が会場に響いていた。「心強い仲間」と共に、残りの5試合を全力で戦い抜く。

(記事 三浦佑亮 写真 辻岡真波、牧咲良、森若葉)

秋季関東学生リーグ第1戦
早大 ○4-2 筑波大
磯村 ○3-0 波多間
濵田一 ○3-1 三浦
濵田尚 ●2-3 鈴木
濵田一・徳田 ○3-0 田原・三浦
徳田 ●2-3 田原
舟山 ○3-0
櫻井 藤元

秋季関東学生リーグ第2戦
早大 ●2-4 中大
濵田一 ○3-0 道廣
櫻井 ●1-3 青山
濵田尚 ●0-3 小野
濵田一・徳田 ●0-3 前出・小野
徳田 ○3-2 前出
舟山 ●0-3 石山
磯村 菅沼

コメント
濵田一輝主将(スポ4=愛知・愛工大名電)

ーー今日の試合を振り返って
 筑波大戦は非常に厳しい戦いになると予想していましたが、1番・磯村が良い入りをして勝ち点を取ってくれました。磯村が久しぶりに勝利できたのはチームとしてもすごく良かったと思います。僕自身も特にダブルスがすごく良くて、対策してきたものを試合で発揮することができました。
 中大は小野選手など強い選手が加入してきて良い戦力がそろっている中で、個人としてはダブルスで悔いが残るかたちになりました。あそこで試合の流れをもう一度こっちに持ってくるような働きをするべきだったと思います。それでも徳田が最後にシングルスで勝ってくれて、明日以降につながるかたちで終わることができました。最後の最後であの勝ち点一つが生きてくるので、あの一勝は大きかったと思います。

ーー春休み期間には多くの国際大会に出場され、世界ランクも二桁まで伸ばしました。そこで得た経験や今日の手応えは
 海外の選手たちとたくさん対戦して、「この技術は世界でも通用する」と実感することができました。そこを今日の試合でも出すことができて、強化してきたところを発揮できたと思います。

ーー今年度からキャプテンに就任されました。新チームの雰囲気はいかがですか
 本当に一生懸命な新人たちが入ってきてくれて、良いチームになってきていると思います。前回の秋で優勝して、もう一回優勝しようということでこの新チームが始まりましたが、個人個人ができることをやれています。特にサポートメンバーは本当に良い動きをしてくれて、スタンドからもずっと応援してくれていました。心強い仲間が増えたと思います。

ーー明日以降への意気込みをお願いします
 一敗はしましたが、まだまだチャンスはあるので。チャレンジャーとして、目の前の一戦一戦を大事に戦っていきたいです。個人としては、仲間のために単複で2点取ってくる働きをしたいです。

磯村拓夢(社3=福岡・希望が丘)

ーーリーグ戦で久々の勝利を挙げました。今のお気持ちは
 本当にうれしいというか・・・ありがたいという気持ちです。涙が出るくらいうれしかったです。

ーーオーダーを知らされた時の心境は
 きのうの夜の時点で(1番に起用されると)言われていて。開幕戦での1番シングルスということもあって、めちゃくちゃ緊張しました。

ーー第3ゲーム、8-10の場面ではどのようなことを考えていましたか
 自分がサービスを持っていたので、とにかく自信があることをしようと思い切ってプレーしました。

ーー明日以降への意気込みをお願いします
 今日の久しぶりの一勝に満足せず、勝ちを重ねられたらいいなと思います。頑張ります!