日体大に快勝!満を持して決勝へ

男子バレーボール

5月5日 黒鷲旗全日本選抜大会 大阪・Asueアリーナ

 黒鷲旗全日本選抜大会(黒鷲旗)準決勝は春季関東大学リーグ戦に先立ち、日体大と対戦した。1セット目は緩いボールを落とす場面はありながらもMB麻野堅斗(スポ3=京都・東山)のクイックとブロックを柱に先制する。2セット目を隙のない攻撃でダブルスコアで奪取すると、相手ミスも目立ちセットカウント3-0(25-21、25-12、25-17)で勝利。明日の決勝戦に満を持して挑む。

 1セット目は序盤から攻守ともにミドル陣の活躍が光った。MB菅原啓(教3=山形南)が相手の不完全な攻撃を逃さずブロックで仕留めると、次のサーブのターンでは相手を崩し、OH佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)がバックアタックを打ち込む。麻野のブロックやクイックもあり4点差を維持してテクニカルタイムアウト。OH徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)は強烈なサーブを体勢を崩しながら返すと、すぐに起き上がりスパイクを打ち込む。途中、相手に穴を突かれたり、緩いボールを落とす場面があったが、セット後半には佐藤の身を呈したディグや徳留のパンケーキレシーブでボールをつなぎ、好機を逃さなかった。最後はブロックを大きく弾く徳留のスパイクでセットを先取した。

ブロックをする徳留、菅原

 第2セット序盤もミドル陣が活躍。セッター前田凌吾主将(スポ4=大阪・清風)がサーブで崩し、菅原がブロックを決めるサーブアンドブロックが決まる。菅原のクイック、麻野のダイレクトとブロックなどでテンポよく試合を進めていくと、徳留のスパイク4点を含む6連続得点で13-5と大きく前に出る。その後も佐藤やOP川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)のスパイクでブレイクを重ねて20点に乗せると、22点目ではリベロ布台聖(スポ3=東京・駿台学園)のオーバートスを川野が決め、会場を沸かせる。早大の勢いは衰えることなく、ダブルスコアで2セット目も取り切った。

トスをあげる前田

 勢いこのまま取り切りたい第3セット。菅原、佐藤のブロックや前田の平行トスからの徳留のスパイク、麻野のクイックなどでブレイクを重ねていく。崩れた場面でコート後方から前田がトスを送ると、佐藤が冷静にブロックアウトを狙う。徹底した攻守でセット中盤に突入すると、相手に綻びが出始める。16-9と点差を離し、セット後半へ。尚も攻撃の手を緩めず、川野のバックライトからの力のこもったスパイクや佐藤のノータッチエースで日体大は2度目のタイムアウトを要求。タイムアウト明けも早大ペースを渡さず、前田が乱れたレセプションを麻野のクイックにつなげる。後半に投入された中上烈(スポ1=京都・洛南)のブロックポイントでマッチポイントを握ると、最後も中上のスパイクが相手を崩し、そのボールは返らず早大の決勝点となった。

スパイクを打つ川野

 日体大との対戦は今年度初。同じ大学生、さらには昨年度の全日本インカレ準決勝で苦杯を喫した相手だからこそ負けられない戦いであった。そんな中連携を見せ、どんな状況でも冷静かつ積極的に試合を進めることができたのは大きな収穫である。明日はいよいよ決勝。相手は昨年度の黒鷲旗でフルセットの末に敗北を喫した富士通カワサキレッドスピリッツだが、最後まで早大らしいバレーを展開し、リベンジを果たしてほしい。

(記事 町田知穂、写真 井口瞳)

セットカウント
早大 25-21
25-12
25-17
日体大
スタメン
アウトサイドヒッター 佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)
アウトサイドヒッター 徳留巧大(スポ2=長野・松本国際)
ミドルブロッカー 麻野堅斗(スポ3=京都・東山)
ミドルブロッカー 菅原啓(教3=山形南)
オポジット 川野琢磨(スポ1=東京・駿台学園)
セッター 前田凌吾(スポ4=大阪・清風)
リベロ 布台聖(スポ3=東京・駿台学園)
途中出場
梶村颯汰(スポ4=東京・安田学園)
畑虎太郎(スポ4=福井工大福井)
伊東昌輝(商3=山梨・日本航空)
瀬川桜輝(スポ1=宮城・東北)
中上烈(スポ1=京都・洛南)

コメント

麻野堅斗(スポ3=京都・東山)
ーーここまでの試合を振り返って
 1日目のダブルヘッダーの日はみんな硬さもまだあって動きが良くなかったと思います。2日目は自分が体調不良で試合に出ることができず、配信で試合を見ていたのですが2日目の方が良くて、3日目の今日も2日目よりも良くなっていったので明日も頑張りたいです。
ーークイックとブロックの調子はいかがですか
 病み上がりで最初は不安だったのですが、意外と体を動かすことができたのでトータルではよかったなと思います。
ーー決勝への意気込み
 決勝という舞台はどの大会においても貴重な経験なのでしっかりと自分たちのバレーを展開しながら優勝できるように頑張りたいと思います。

佐藤遥斗(スポ3=東京・駿台学園)
ーー試合を振り返って

 個人としては全カレ(全日本インカレ)以来の対戦ということで、リベンジというか借りを返してやるぞくらいの気持ちで望んでいました。試合が続いてて少し難しいところもあったのですが、その日の全て100パーセントを出し切るというところで出し切れたように感じました。

ーー決勝への意気込み
 明日は富士通戦で去年の黒鷲旗でも戦った相手でこういう大きい舞台で決勝に出れるのは貴重な機会だと思います。気負いすぎず、自分たちのやるべくことをやれたらと思います。

布台聖(スポ3=東京・駿台学園)
ーーここまでの試合を振り返って
 最初の黒鷲旗に入る段階で自分たちの持てる力を発揮していくというところで予選から結構難しい試合が多くて、相手ではなくて自分たちのミスでゲームに入れていないことが多かったです。試合を追うごとに改善されているので良いと思います。
ーー今試合を振り返って
 チームとしては相手の軟打を拾うところで最初の入りで全然拾えなかったのが1セット目でした。そこをしっかりやっていけば楽に1セット目を取れたのかなと思います。でも2、3セット目は良いプレーが増えてきてブロックの位置どりとかも良くて自分も拾いやすかったですし、良かったです。個人としては正面に来たディグはちゃんと上げれたかなと思うので引き続き頑張りたいです。
ーー2戦連続、大学との対戦でしたが
 大学との戦いということで、Vリーグのチームももちろんなんですが負けられないなとは思っていました。専修大学さんに関しては春季リーグ戦で対戦していて分かり切ってる相手だったのですが、まだやっていない日体大さんに関してはデータが無く難しいところではあったのですが、大学生に負けられないという強い思いを出して頑張れた2日間でした。
ーーオーバートスが増えたように思いますが
 アンダートスは得意ですがオーバートスは苦手で練習してきたというのはあって、琢磨(川野琢磨、スポ1=東京・駿台学園)が高いボールよりも早いトスが打ちやすいということで早いトスをあげて琢磨が打ちやすい状況を作れたらと思って日々練習しています。
ーーブロックとフロアの関係はどうですか
 ミドルブロッカーやサイドブロッカーが今日形をしっかり出してくれて、見えやすくなって良い感じのブロックができているのでレシーブしやすかったです。
ーー決勝への意気込み
 去年予選で富士通さんと当たって、フルセットで負けてしまったというところもあって悔しさを晴らすために自分たちの力を全部出して勝ち切りたいと思います。