全日本大学選手権2次予選会 5月3日 福生野球場
春季リーグ戦を4位で終え、全日本大学選手権(インカレ)出場権獲得をかけて2次予選に挑んだ早大。1戦目には、今春2部リーグ戦で優勝を果たし、波に乗る東大を相手取った。試合は序盤から両者譲らない展開が続くが、中盤以降早大が猛攻し、6回コールド勝ちを収める。2戦目では、前週のリーグ最終戦で接戦を演じた慶大と対戦。相手の隙を突く攻撃で6安打7得点を挙げ、インカレ出場を決定づけた。
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
東大 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | |
早大 | 0 | 0 | 0 | 4 | 2 | 2× | 8 |
※規定により6回コールド
バッテリー
佐藤-鈴木
二塁打
田中
三塁打
なし
本塁打
金丸
春季リーグ戦に続き先発を任されたのは、佐藤玲弥副将(社4=静岡・飛龍)。初回と2回は東大打線を三者凡退に抑え、好調な立ち上がりを見せる。3回には、1死から連続四球でピンチを招くが、後続を併殺に仕留めて無失点で切り抜けた。続く4回、初めて安打を許すが、ここでも得点を与えず。しかし5回に、1死からソロ本塁打を被弾し、1点を返されてしまう。さらに安打を浴びたが、その後は冷静に流れを断ち、最少失点にとどめた。6回には投球を立て直し、上位打線を相手に出塁を許さず。佐藤副将は東大打線を3安打に抑え、6回完投でマウンドを降りた。

6回1失点の好投を見せた佐藤副将
一方の打線は、3回まで武晃平(スポ3=東京・狛江)の安打1本に抑え込まれ、攻撃の流れをつかめない。しかし4回、先頭の鈴木寬汰朗(文構3=東京都市大付)と齋藤拓哉(スポ3=青森・弘前学院聖愛)が連続安打で口火を切る。後続が倒れ、なおも2死一、二塁の好機で髙岡信太郎(法2=大阪・清風南海)に適時打が飛び出し、1点を先制。さらに、金丸佳史(人3=東京・佼成学園)が中越えの3ラン本塁打を放ち、この回一挙4得点。高木海征(文2=東京・早実)と田中雄輔主将(スポ4=東京・筑波大附)にも安打が生まれ、打線に流れを呼び込んだ。5回にも、鈴木が四球で出塁すると、齋藤が犠打を決め、好機を演出する。2死から武と金丸の適時打で2点を追加し、東大を引き離した。6回、田中主将の安打を福永隆稀(スポ3=大阪・北野)がつなぎ、鈴木の内野安打で1点を追加。さらに齋藤の適時打でもう1点を加え、コールド勝ちを決定づけた。

先制点を挙げた髙岡

3ラン本塁打を放ち、笑顔を見せる金丸
序盤こそ思うような攻撃ができなかったが、中盤から複数得点を重ね、勝利をつかんだ早大。守っては内野陣の安定した守備もあり、インカレ出場に向けてひとつ駒を進めた。
TEAM | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
早大 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1 | 3 | 0 | 7 |
慶大 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 2 |
バッテリー
佐藤-鈴木
二塁打
なし
三塁打
なし
本塁打
なし
先攻の早大は初回、四球と守備の乱れで好機を得るが、得点にはつなげられず。だが2回、先頭の武が中前安打で出塁すると、死球と捕逸で三塁を陥れる。ここで髙岡が犠飛を放ち、1点を先制した。3回にも、鈴木が安打で出塁すると、続く齋藤が内野ゴロでつなぎ、得点圏に走者を進める。その後、再び捕逸、暴投の隙を突いて、さらに2点を追加した。4回は、この試合初めて三者凡退に抑えられ無得点。それでも5回、齋藤が四球で出塁し、佐藤副将が安打でつなぐと、田中主将の内野ゴロの間に1点を追加した。2点差に詰め寄られ迎えた6回にも、先頭の金丸が四球で流れを作ると、代打の高木が勝負強さを発揮し無死一、三塁のチャンスメイク。高岡の打球が野選となる間に1点を加える。さらに、福永の左前適時打と斎藤の犠飛で2点を挙げ、慶大を突き放した。7回は金丸の安打1本にとどまったが、強敵相手に7点を奪った。

適時打を放った福永

犠飛で7点目を得点した斎藤
守っては、前戦に続いて先発した佐藤が初回を3人で抑える。2回と3回には安打を許したが、後続を打ち取り無失点。だが4回、慶大の中軸に2本の安打を浴びて1死一、三塁のピンチを背負うと、暴投の間に1点を返された。5回にも連続四球と守備の乱れで1点を献上。しかし6、7回は被安打1で切り抜け、7回完投2失点の力投で試合を締めた。

試合後、インカレ出場認定証を受け取る田中主将
着実に得点を重ね、ライバル・慶大に点差をつけて勝利をもぎ取った早大。この試合の勝利で、インカレ出場への切符をつかんだ。次に迎えるのは、全日本総合選手権予選会。春からの課題と収穫を糧に、万全の体制で次戦に臨みたい。
(記事、写真 早崎静)
試合後コメント
佐藤玲弥副将(社4=静岡・飛龍)
ーー今日の2試合を振り返って
2試合とも、とにかく最初失点で抑えようと思っていたので、それが体現できて良かったと思います。
ーー今日のご自身の投球を振り返って
前回、ゾーンでまとめて慶大といい試合をしていて、東大もそのように打ってくるチームだったので、とにかくゾーンの中でも丁寧に投げていく、ということを意識して投球しました。
ーー失点にはどのように対応しましたか
とにかくもう試合の中で、(得点を)取られたことはしょうがないので、その場で切り替えてできたので良かったです。
ーー打撃はいかがでしたか
1試合目(東大戦)では全部打ち取られたのですが、2試合目(慶大戦)はきちんと打てました。気持ちを切り替えてできたのでよかったです。
ーーベンチからはどのような声かけをしましたか
試合に勝つための声かけを常に考えて、声を出していました
ーー次戦の全日本総合選手権予選会(全総戦予選)への意気込みをお願いします
(対戦相手の国士舘大には)リーグ(春季リーグ戦)で負けていますが、2回目(の対戦)ということもあって、自分の中で相手の強みや弱みも分かっています。うまくメリットとデメリットを考えて、自分の投球に生かせるように頑張りたいと思います。
武晃平(スポ3=東京・狛江)
ーー今日の2試合を振り返って
前提として、どちらも勝たないといけない試合だったので、2勝できて良かったと思います。
ーー回の先頭で出塁する場面もありましたが、どのような意識で打席に入りましたか
自分の役割はそんなに大きい安打を打つのではなくて、つないでいくことだったので、絶対出塁する、ということを意識しました。
ーー先週の春季リーグ戦が終わって、今週に向けて何か準備したことは
個人的に、主にバッティングの面で、通用した部分と、国士舘大や日体大などの強豪に通用しなかった部分が見えました。今日は、自分の持ち味を発揮してやることをやれば結果が出るかなと思い、一生懸命やりました。
ーー内野ゴロで打ち取る場面も多かったですが、守備で意識したことはありますか
自分はそれほど守備がうまい方ではないので、基本的に内野手と連携を取りながら、「こういう打球が来そう」など声かけすることを意識しました。
ーー次戦への意気込みをお願いします
インカレ(出場)は決まりましたが、次(全総戦予選)はもう1回国士舘(大)とやるので、しっかり以前よりもいい試合で勝てるように、練習含めて個人的にもチームとしてもレベルアップしていきたいと思います。