第74回関東大学選手権 5月4日 東京・代々木第二体育館
GW真っただ中の5月4日、関東大学選手権(スプリングトーナメント)は大会最終日を迎えた。7位決定戦に回った早大の相手は青学大。共に今年から1部に復帰する古豪同士の1戦となった。試合は序盤から早大の3Pシュートがさく裂する。展開の速いバスケットでも得点を重ね、前半で33点の大量リードを築いた。早くも試合を決定づけた早大は、後半からベンチメンバーを起用。G堀田尚秀副将(スポ4=京都・東山)、C初宮嘉一(スポ4=東京・頴明館)、F南川陸斗(文1=京都・東山)らが活躍を見せ、しっかりとリードを守りきった。試合は111-77で終了。ライバルを相手に100点ゲームで圧倒し、今大会を7位で終えた。
2試合連続で第1Qにリードを許して敗戦している早大。しかしこの日は試合開始から高い集中力を見せた。F三浦健一(スポ3=京都・洛南)とG城戸賢心(スポ3=福岡第一)の3Pシュートで先制すると、F堀陽稀副将(スポ4=京都・東山)が連続でバスケットカウントを獲得しリードを広げる。ディフェンスでは2線からのスティールを連発し、課題のリバウンドも相手に渡さない。好守からペースの速いバスケットを繰り広げ、更に点差を離し続ける早大。第1Qを34-17のダブルスコアで終える最高の滑り出しを見せた。
第2Qも早大の勢いが止まらない。F松本秦(スポ1=京都・洛南)が3Pシュートを沈めると、その直後にスティールから一気にボールプッシュしてフリースローを獲得。バスケットカウントとはならなかったものの、チームの士気を大きく上げるプレーとなった。その後も攻守に圧倒し点差を広げると、締めくくりはこの日放った6本の3Pシュートを全て沈めた三浦の長距離砲。前半で試合を決定づける、大幅33点のリードを奪って試合を折り返した。

ダンクシュートをする松本
第3Qからはベンチメンバーが躍動する。堀田副将がいきなり2本の3Pシュートを沈めると、公式戦初出場を果たした南川もドライブからフリースローを獲得して初得点。ディフェンスでもブロックショットが飛び出し、自身が盛り上げ続けたベンチを今度はコート上から沸かしてみせた。
最終第4Qは初宮の独壇場。持ち味のシュート力を生かし、ミドルやフックシュートで3連続得点を含む8得点。早大は全ベンチメンバーが出場を果たす中、それぞれが持ち味を発揮して後半も大量のリードを守りきった。最終スコアは111-77。青学大を相手に大勝収め、昨年を上回る7位でスプリングトーナメントを終えた。

シュートを放つ初宮
関東の強豪との死闘を繰り広げ、5連戦を戦い抜いた早大。大会終了後に発表された個人賞では、三浦が3ポイント王、堀副将がリバウンドランキングで日本人1位に輝いた。早大旋風とはならなかったものの、今年のチームが持つ確かな力を証明したスプリングトーナメント。手にした課題、収穫、そして自信を胸に、秋でのリベンジを誓う。1年で1部復帰を果たし、最高峰の舞台へ舞い戻る今シーズン。一昨年流した涙は、もうこのチームに似合わないだろう。
(記事:石澤直幸 写真:三浦佑亮)
第74回関東学生選手権 5月4日(vs青学大)
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
早大 | 34 | 29 | 28 | 20 | 111 |
青学大 | 17 | 13 | 23 | 24 | 77 |
◇早大スターティングメンバー◇
#4 G城戸賢心(スポ3=福岡第一)
#5 F堀陽稀(スポ4=京都・東山)
#6 F三浦健一(スポ3=京都・洛南)
#12 F松本秦(スポ1=京都・洛南)
#18 G岩屋頼(スポ4=京都・洛南)
コメント
三浦健一(スポ3=京都・洛南)

ーー試合を振り返って
最終日で疲労もある中でしたが、出だしから自分たちのペースでやりたいバスケットができて良かったと思います。
ーー3Pシュートが6/6と大当たりでした
きのうはあんまり自分のシュートが打てなくて。今日は思い切って打とうと決めていました。去年何回も対戦している相手なので、お互い手の内は知っているし、守ってくるだろうなというのも分かっていました。自分の強みはアウトサイドなので、そこを出せたのは良かったです。一本二本連続で入ったので、「これ入るな」と思って打ち続けるように意識していました。
ーーきのうの試合後は「外角のシュートを打っていきたい」と話していましたが、今日の試合ではうまくいきましたか
そうですね。バランスよく攻めるのが自分の強みでもありますし、そういうプレーをしたいです。どちらかに頼るのではなく、外が入り出したら相手が(外を)警戒して中もいきやすくなるので。その部分に関しては、今日はバランス良く攻めることができました。
ーー最終戦を大勝で飾ることができました
相手も疲れていたと思うので、その中で走って自分たちのペースでバスケができたことは大きな成長にもつながったと思います。監督の方にも言われましたが、今大会はまだまだ春だし、メインは秋のリーグ戦なので。今大会ではベスト8以降の試合で良いサンプルが取れたので、それを持ち帰って、リーグ戦に向けて完成度を高めないといけないと感じました。
ーー今大会を総括してのコメントをお願いします
きのう(中大戦)もそうですけど、接戦で負けてしまって。7位という数字にはあまりこだわっていないです。自分たちはどこにでも勝てるけれど、その分どこにでも負けるチームだというように認識しています。自分たちの強みを出せば、秋は中大や日体大相手にもチャンスがあると思っています。留学生がいないので練習では難しい面もありますが、そこをつめていきたいです。やっぱりディフェンスが重要となるので、もっとインテンシティを上げてリーグ戦につなげたいと思います。
南川陸斗(文1=京都・東山)

ーー本日の試合を振り返っていかがですか
先輩方が良い流れを作ってくれて、全員出場という良いかたちで終われたかなと思います。
ーー主にドライブで得点を重ねましたがオフェンス面を振り返っていかがですか
3Pシュートも決めたかったですが、僕の持ち味は様々なプレーができることだと思うので、その中の1つが出たことは良かったと思います。
ーーベンチの盛り上げ役としても活躍していますがこちらに関してはいかがですか
チームの中でも役割というものがあると思います。僕がまだプレーで貢献できていないということは自分でも思っているので、ベンチの盛り上げや雰囲気作りというのは率先してできていると思います。
ーー背番号は1番を選ばれましたが、その理由を教えてください
自分は中学時代から1番を着けていましたが、単純に1番が好きという理由です。
ーー早大に入ってまだ日が浅いですが、ここまでの大学バスケ生活を振り返っていかがですか
特にフィジカル面で高校との差を痛感していて、足りないことが多いです。まだまだ先輩から学ぶべきことが多く、すごく良い日々だと思います。
ーー1年目の目標をお願いします
チームとしてはリーグ戦(関東大学リーグ戦)で勝ってインカレ(全日本大学選手権)に繋げていくことが目標ですが、僕個人としてはそのチーム目標に少しでも絡んでいきたいと思います。