今年も平塚の地で開催された日本学生個人選手権(学生個人)。ワールドユニバーシティゲームズの代表権が懸かった今年は、よりいっそう熱い戦いが繰り広げられた。本記事では、学生個人にて優秀な成績を収めた選手たちの声をお届けする。
森田陽樹(創理3=埼玉・早大本庄)

ーー1日目のコンディションはいかがでしたか
学生個人の大会に合わせて体の調子も含めて調整してきていました。予選も良かったですし、準決勝では自己ベストも出せたので、コンディション的には良かったと思います。
ーー自己記録の更新は狙っていましたか
狙ってはいましたが、体の状態的には、自分のやりたいレースができればタイムが自然とついてくるかなという感じで臨んだ次第でした。
ーー予選と準決勝の走りを総合して、どのように振り返りますか
予選は走りを確認するというか、準決勝、決勝に向けたレースの確認をしてという感じでした。準決勝は、展開自体はベストなものではなかったのですが、結果的にタイムも出たので、決勝に向けた意識づけというか、いいレースプランで走れていたのかなと思います。
ーー準決勝で自己記録を更新した要因はどのようなところにあると思いますか
体の状態的が良かったので、出せるかなとは思っていたのですが、僕的にはもう少し早いタイムを出したかったなというのがあります。前半の250メートルくらいまでは精度よく、再現性高く走れたかなと思うのですが、後半のところで少し課題が残ったレースではあったので、もう少し(良いタイムが)出たかなと思います。
ーー決勝に向けてどのような調整をしましたか
決勝がハイレベルなレース展開になることはわかっていたので、その中で、準決勝で出た課題を克服できるよう意識しました。
ーー具体的にどのような部分を意識されましたか
250メートルから300メートルの間で体が硬くなってしまうということが課題で、その後半の部分が400メートルのレースでのウィークポイントなので、決勝ではそこを意識しようと臨みました。
ーー実際のレースを振り返っていかがですか
全体的に動きが硬かったなというのはあるのですが、250メートル、300メートル付近で勝負できる距離感というものは感じながら走れました。ラストで勝負できなかったところに関しては、実力不足かなと思うところが正直な感想です。
ーー今後の目標を教えてください
次は静岡国際と関東インカレの勝負になってくるのですが、対校戦は学校ごとの勝負で、早稲田のために走らなければならない大会なので、そこできちんと優勝する、というのが目標です。
鈴木琉胤(スポ1=千葉・八千代松陰)★ユニバ代表内定★

ーーコンディションはいかがでしたか
この大会はユニバーシアードにつながる大会だったので、自分としてはコンディションを合わせて、しっかりと準備できた大会でした。
ーー今日のレースプランを教えてください
積極的に前に出て引っ張り、そのまま勝ち切るというレースプランでした。勝ち切ることはできませんでしたが、最後まで前でレースをつくれたことは、一つ収穫かなと思います。ただ、やはり課題として勝ち切れなかったという点があるので、ここからまた取り組んでいきたいと思います。
ーー序盤から先頭を引っ張っていましたが、意識して先頭に立とうと思っていましたか
そうですね。そこは自分のスタイルだと思っているので、変えずにいこうと考えていました。
ーー終盤は東洋大の松井選手との競り合いになりましたが、終盤のレース展開を振り返っていかがですか
2人に絞られたときに、少し溜めをつくることができました。ただ、後ろにも2人ほど選手が残っていて、そこで緩めてしまうと後ろに追いつかれる可能性も考えられたため、緩めることはできませんでした。今持っている力を出し切って、そのまま走り切りました。
ーータイムは13分44秒でしたが、手ごたえはいかがですか
自分が想定していたタイムよりも少し遅くなってしまいました。そこは後ろの選手たちに少し余裕を持たせてしまったかなと感じています。ただ、今のスピード感ではまだ足りないということも見えたので、これからのレースに向けて、しっかり調整していきたいと思います。
ーー今回のレースの収穫と課題をそれぞれ教えてください
収穫としては、この大学のステージに上がって初めての大会で、自分の走りができたことです。周りには同学年以上の選手が多かったのですが、その中で自分の走りを貫けたことは良かった点だと思います。課題としては、やはり勝ち切れなかったこと、最後の詰めの甘さが出てしまったことです。これからはその甘さをしっかりと詰めていきたいです。
ーー最後に今後の目標を教えてください
まずは大学4年間、競技だけでなく学業も含めて充実した生活を送れるようにしたいです。その上で、競技成績も着実に伸ばしていければと思っています。
佐々木哲(スポ1=長野・佐久長聖)★ユニバ代表内定★

ーー今日のコンディションはいかがでしたか
ワールドユニバーシティゲームズに向けて優勝を目指していた中で、いいかたちで調整することができて、コンディションも良かったかなと思います。
ーー本日のレースプランはどのようなものでしたか
みんなが優勝を目指している中で、けん制し合いながらのレース展開というか、ラスト勝負のレースになると思っていました。
ーー実際のレースを振り返っていかがですか
順天堂大学の永原さんがいいかたちで引っ張ってくれて、いいリズムで集団も推移していきました。ラスト勝負ではなく中間走での勝負という、自分の得意なレース展開になったので、自分としても良かったです。
ーー残り1周で一気にスピードを上げられましたが、終盤の手応えは大きかったですか
自分がペースを上げたことで、後ろとの差が開いていく感覚はあったのですが、やはり最後まで気が抜けないレースだったので、最後まで本当に走り切るという気持ちが大きかったです。
ーー大会記録の更新となりましたが、タイムについてはいかがですか
あまりタイムは狙っていなかったのですが、結果的にこうして大会記録を更新することができました。ただ、もう少しタイムを上げていかないとやはり世界で戦うことはできないというか、シニアのレベルでは戦うにはまだまだです。どんなレース展開でも、ベースのタイムをもう少し上げていけるようにこれから頑張っていきたいと思います。
ーー今後の目標を教えてください
5月は試合も多いので、一戦一戦を大事にしながら、特に関東インカレではチームのためにも頑張っていきたいと思います。
大川寿美香(スポ4=東京・三田国際学園)

ーー今日のコンディションはいかがでしたか
体のコンディション的には今までで一番いいのではないかというくらいには良かったので、いい状態で挑めたと思います。
ーー予選と準決勝のレースをそれぞれ振り返っていかがですか
予選は朝イチというのもあって、あまり足が思うように動かなかったのですが、その中でもトータルでまとめて59秒を出すことができました。なので、準決勝でも58、57秒を狙っていくという理論で、準決勝に関しては結構前半からも楽に速くいけていたのですが、8台目で少し止まってしまいました。そこが後半の失速につながってしまったかなと思い、そこを決勝に生かすように走りました。
ーー決勝のレースプランを教えてください
やはり風もあったので、前半で遠い風を使っていかに楽に早くできるか、後半から追い上げてくるのを想定して、自分の走りで走ることを目標としていました。
ーー決勝は序盤からハイペースで走ったように見えましたが、どのような意識でしたか
オーバーペースではないなと今振り返ってみて思っています。自分の強みである前半からも攻めた走りというのは殺さずにできたかなと思います。風もあってか、完全に10台目で自分の動きが崩れてしまい、横に瀧野(立命館大)が来た時に少し焦ってしまって、力感が出てきてしまいました。最後まで耐える、自分の走りをトータルでまとめきる力というのは今後培っていきたいなと思います。
ーー順位とタイムの手ごたえはどのように感じていますか
正直この(良い)コンディションではあったので、もちろん57秒台を狙っていたのですが、タイムというよりはもう順位にこだわることを今回していました。今回準優勝ということでとても悔しい結果になったので、もうここからはリベンジで、全カレで勝負したいなと思います。
ーー今後の目標を教えてください
まずは関東インカレがあるので、関東インカレでヨンパーとマイルともに優勝して、その流れで1カ月後にある全日本インカレでも56秒台を狙って優勝したいなと考えています。
千葉史織(スポ2=宮城・仙台一)

ーー今日のコンディションはいかがでしたか
体がなかなか最近上がっておらず、調整して上がってきた中でのレースでした。昨日の予選、準決勝とやってきて、ラウンドを積みながら、自分のやりたいことを明確にして調子を上げてこれたかなと思います。
ーー予選と準決勝のレースを振り返って
予選は久しぶりにバックが向かい風で間延びしながらの動きになってしまって、そこの部分が次の課題にしないといけないなというところです。準決勝は結構走りやすいポディションではありましたが、前半に力を使いすぎたというか、ガツガツ行きすぎてしまいました。前半ガツガツ行くのは大事ですが、もう少し余裕を持ちながらいければなと思います。
ーー決勝のレースプランはどのように考えていましたか
前半は余裕を持ちながら、周りに遅れを取らないようにある程度攻めつつ、ラストコーナー明けから上げていければなというイメージでした。
ーー実際のレースを振り返っていかがですか
前半200メートルまでと、そのあと6・7台目あたりまではイメージ通りに進められたかなという感じでした。最後は向かい風が強くて、8台目で1歩歩数が増えてしまい、そこのところで足を回して前に進まない動きになってしまったので、今回のレースではラストのところがあまりうまくできなかったです。
ーー今後の目標を教えてください
世界で戦うことを目標にしているのですが、まずそのために今シーズン中に56秒台を出せるように頑張りたいと思います。
上島周子(スポ3=東京・富士 )

ーー今大会での目標を教えてください
自分の中では、学生個人の標準を切ることができて嬉しかったのもあって、出場自体を嬉しいなと思っていました。自分の持ちタイムを他の人と比べると200メートルも400メートルも全然良くなかったので、400メートルでは準決に行ければいいな、もしくは自己ベストを出せればいいな、くらいの気持ちでした。200メートルは準決で速い人たちと力比べができればいいなと思っていました。
ーー全体を通して、コンディションはいかがでしたか
ハムストリングスが気になってはいたのですが、調子を合わせてはこれたのかなという感じでした。
ーー400メートルでは予選と準決勝それぞれで自己ベストを更新されましたが、狙っていましたか
今までずっと、コーチ陣に54秒台出るよと言われていて。でも自分の中では、54秒なんて出ないよみたいな感じで思っていました。予選は最後の直線の100メートルを気持ちよく走った状態での55秒81というベストのタイムだったので、準決ではもがいて最後までちゃんと走ればまたベストが出るのかなと思っていました。そしたら準決では54秒90で、自分でもびっくりするようなタイムが出ました。
ーーどのようなレース展開を想定して走りましたか
今大会は特に、バックストレートの追い風が強かったので、そこでいかに自分がスピードに乗れるか、どこまでスピードを維持したまま走れるか、ということを意識していました。今回はそれがうまくはまったという感想です。
ーー決勝のレースでは、どのような点を意識していましたか
決勝はタイムより順位、と思っていて、決勝を走るからには表彰台に乗りたかったです。結局表彰台には届かなかったのですが、緊張と戦いながら自分に勝つということを目標にしていました。
ーー400メートルのレースを全体的に振り返っていかがですか
冬季に積み重ねたことが身になっている、ということが現れたレースでした。冬季400メートルの練習をしていたわけではないのですが、スピードを維持しながら走ることなどを練習していたので、そういったことが再現できた感じでした。
ーー200メートルでも自己ベストを更新されましたが、その要因はどこにあったとお考えですか
200メートルは初戦でもベストを出せていたので、調子は悪くなくて、この大きい舞台でもう一度自分の力を試そうと思っていました。400メートルのいいアップになればいいなと思って走ったら、風も良くて、ベストが出ました。
ーーレースプランはどのようなものを描いていましたか 400メートルよりも距離が半分になった分、スタートダッシュも大切になったりするので、そこからの加速を特に大切にしたいなと思っていました。コーナーからの2次加速など、自分のしたいレースがまだ体現できていないことが多かったので、それが課題となっていて。そこも意識していました。
ーーレースを振り返っていかがですか
予選でベストは出たのですが、走りがまだまだで、もっとうまく走ればさらにベストを更新できるだろうなと思っていました。準決勝では、風がとにかく強かった分、自分がしたい動きができなくて、それが悔しい部分です。
ーー今大会を通して収穫があれば教えていただきたいです
結構自分はネガティブに考えて今大会に挑んだのですが、ちゃんと練習をしてきたことが成果になっているということが感じられました。このままずっとこの練習を続けていければ良くなる、もっと速くなれると思いましたし、さらにいろんな視点から練習を捉えていけば、もう1も2もギアを上げられるなと思いました。
ーー今後の試合の目標をお願いします
400メートルでは日本選手権の標準も突破できたので、自分が思い描いていたよりもハイレベルな試合が続いていくと思います。自己新記録を更新することはもちろんですが、勝つレースというのをしていきたいなと思っています。
盛岡優喜(スポ4=千葉・八千代松陰)

ーー今大会のコンディションはいかがでしたか
元々風が強いというのはわかっていたので、いかにその中で自分のレースができるかというところで、体としてはとても悪いコンディションではなかったなというのは試合前からありました。勝負できる立ち位置にはいたと思いますが、ちょっと自分の読みが甘かったかなと感じました。
ーー今大会の目標を教えてください
今大会はやはりユニバがかかっていたので、ユニバ出場を目指してはいましたが、少し届かなかったです。完全に完敗したなという感じでした。
ーー予選、準決勝から決勝に向けて修正した点はありましたか
予選はただただ勝つためのレースというかたちになってしまったので、タイムを出していかないといけないというところから、予選から準決勝は前半から後半のつなぎという部分でしっかりタッチを落とさずに踏み切るというところを変化させました。準決勝から決勝も、こちらはもう一気にタイムを上げなければいけない状況だったので、自分が今できるであろう前半のタッチを想定しつつ、後半、向かい風の中で武器を作るハードルの技術であったり、走りの中の技術をないがしろにしないという点において、大きく意識を変えました。
ーー予選、準決勝を振り返っていかがですか
しっかり決勝に残らないといけないというところからとても緊張はしていましたが、どちらも1着で通過できたというのは、自分の心的に少し余裕ができたなっていうのがありました。タイムは予選、準決勝では出なかったにしろ、1着でしっかり勝ち勝って通過したっていうのはとても大きかったかなと思います。
ーー決勝ではどのようなレースプランを立てていましたか
前半、隣の髙橋(遼将、法大)が前に行くというのは元々分かっていたので、そこの自分と遼将の位置を最後しっかり勝ち切れる位置に置き、後半その1から後半勝負して、ラストゴールで勝ち切るというレースプランは想定していました。
ーー決勝を振り返っていかがですか
一言で言うと、ほんとに完敗だなと思います。こういう大きな大会の決勝でしっかり勝ち切った2人、遼将と渕上には本当に僕からしたら完敗です。2番以内に入らないといけない状況の中で、負けてしまった事実は変わらないので、今後負けないようにも関東インカレ、日本インカレ、日本選手権、そこに向けて一緒に渕上とも練習するので一緒にお互い削り合いつつ上を目指していけたらなと思っています。
ーー関東インカレへの意気込みをお願いします
関東インカレは110メートル障害と400メートル障害どちらも出場する予定なので、まずは最低でも2種目で入賞というかたちは必須として、110メートル障害はまだ今シーズンやってないので、少しずつこの2週間で慣らしていくかたちにはなりますが、しっかり1人で10点以上獲得して大きくチームに貢献するポイントゲッターになることを大きな目標として掲げています。
渕上翔太(スポ2=東福岡)★ユニバ代表内定★

ーー今大会のコンディションはいかがでしたか
体調的にもすごく良くてかなりいい状態で臨めたかなと思います。
ーー今大会の目標を教えてください
やはりユニバーシアードがかかっていたので、代表権獲得というのはまず第一にありましたが、その上でしっかりまず48秒台を狙っていくというところを意識して、その中で代表権がついてくれば良いというところを目標としていました。
ーー予選、準決勝から決勝に向けて修正した点はありましたか
準決勝は自分のレースをかき乱され、タイム的にも良くないレースをしてしまったので、しっかり自分のレースを冷静に展開するというところを1番修正したポイントとして決勝に臨みました。
ーー予選、準決勝を振り返っていかがですか
予選はグラウンドコンディション的にも良かったので、主観と客観がかなり合ったレースでしたが、準決勝はさっきも言ったように外側に小川さん(大輝、東洋大)っていうオリンピアンの方がいらっしゃたところを少し意識しすぎて力んでしまったかなと思います。端的に良くないレースを準決勝はしたなというかたちでした。
ーー決勝ではどのようなレースプランを立てていましたか
髙橋くんがいたので、前半いかれるだろうなということはわかっていたので昨年の全カレ同様、しっかり最後で勝つというところで1周をトータルして考えていました。またホームストレートもかなり向かい風があったので、そこでもしっかり走りきることで勝負するということを展開としては考えていました。
ーー決勝を振り返っていかがですか
準決勝のところから力感もかなり改善ができて、走りながら正直いいなと思ってはいましたが、ラストのところで射程圏内であったにも関わらず刺せなかったというところが1番悔しいです。
ーー今大会全体を振り返っていかがですか
今シーズン1番大きな試合としてまず第1戦目でしたが、その中での立ち位置が確認できて、自分の現状を知るいい機会になったかなと思いました。それと同時に、冬季の成果が出てる反面、まだまだだなと思う部分があったので、そこも確認できたいいレースだったかなと思います。
ーー関東インカレへの意気込みをお願いします
関東インカレではもちろん優勝というところと、さっき言ったタイムっていうところ、まず個人においては達成したいです。そしてやはり4×400メートルリレーは、昨年自分の責任も含めて負けてしまった部分があるので、そこをしっかり昨年の分まで今年はやり返すというところを見せていきたいなと思います。