金丸のサヨナラ打で接戦を制す/春季リーグ5回戦

男子ソフトボール

東京都大学連盟春季リーグ戦 4月27日 東京・国士舘多摩キャンパス 

TEAM合計
慶大
早大

バッテリー

佐藤-鈴木

二塁打

鈴木

三塁打

なし

本塁打

なし

 前日の2連敗から立て直しを図り、迎えた春季リーグ戦最終戦。早大は、昨年度の秋季リーグ戦や定期戦で接戦を繰り広げたライバル・慶大と対戦した。試合は、初回に両者が1点を挙げる幕開けとなる。3回には早大が一時勝ち越しに成功したが、終盤に慶大の猛追を受け、7回には逆転を許した。しかしその裏、打線が粘りを見せ、最後は金丸佳史(人3=東京・佼成学園)の安打でサヨナラ勝利。最終戦を勝利で締めくくり、次週の2次予選に向けて弾みをつけた。

 先発は、リーグ戦全試合でマウンドに立ってきた佐藤玲弥副将(社4=静岡・飛龍)。初回、先頭打者に安打を許すと、内野安打の間に1点を失う。だが、その後はテンポの良い投球で最少失点で抑えた。2回以降は、連投の疲れを感じさせない好投を披露。走者を出しつつも、飛球、ゴロ、三振を織り交ぜ、慶大に得点の機会を与えない。しかし5回、この回の先頭に左越えの本塁打を浴び、点差を詰められる。さらに四球で走者を背負ったが、続く打者を併殺に打ち取り、流れを断ち切った。

ピンチを迎え、マウンドに集まる内野陣

 6回を無失点で抑え、1点リードで迎えた最終回。勝利まであと一歩の場面で相手打線につかまり、逆転を許してしまう。だが、すぐに走者をタッチアウトに仕留め、それ以上の追加点を許さず。7回を完投した佐藤副将は、裏の早大の攻撃に望みを託してマウンドを降りた。

7回を完投した佐藤副将

 一方の打線は、初回、福永隆稀(スポ3=大阪・北野)と鈴木寬汰朗(文構3=東京都市大付)が安打で出塁するが、得点に繋げられない。それでも齋藤拓哉(スポ3=青森・弘前学院聖愛)が四球で出塁すると、金丸が左前適時打を放ち、試合を振り出しに戻した。2回には、西村優汰(法2=神奈川・桐光学園)と田中雄輔主将(スポ4=東京・筑波大附)にそれぞれ安打が生まれるが、得点に結びつかず。続く3回、先頭の鈴木が左前二塁打を放つと、齋藤と佐藤副将が四球で繋ぎ、無死満塁の好機を作る。金丸と髙岡信太郎(法2=大阪・清風南海)の犠飛で2点を加え、勝ち越しに成功した。しかし、4回、5回は、交代した慶大の投手を前に打線が沈黙。6回、追加点が欲しい場面で代打の高木海征(文2=東京・早実)が中前安打を放つが、後続が倒れ、慶大を引き離すことはできなかった。

2安打を放った鈴木

 1点を追いかける最終回、先頭の福永が相手の失策も絡み出塁。続く打者も四球とゴロで繋ぎ、1死満塁の好機を演出する。暴投の間に1点を返して同点とすると、直後、金丸が左前に打球を運び、三塁走者の齋藤が生還。打者全員が鋭い選球眼を発揮して粘りを見せ、サヨナラ勝利へと導いた。

サヨナラ安打を放った金丸

 最終戦で接戦をものにし、2勝3敗で春季リーグ戦を終えた早大。強敵相手にリーグ4位という成績に終わり、次週は全日本大学選手権(インカレ)出場をかけた2次予選に進むこととなった。勝利の勢いそのままに、インカレへの切符をつかみ取りたい。

(記事、写真 早崎静)

試合後コメント

齋藤拓哉(スポ3=青森・弘前学院聖愛)

ーー今日の試合を振り返って
 序盤、もっと得点が取れる場面がたくさんあったのですが、そこで取り切れなかったことが、ロースコアというか、最後サヨナラまでもつれ込んだ結果になりました。もっと(得点を)取るべき時に取りたかった、というのが正直な感想です。

ーー昨日なかなか安打が生まれませんでしたが、今日に向けて準備したことは
 全日本インカレ(全日本大学選手権)に出場するための2次予選が来週ある、ということが確定してる状況なので、いかにその2次予選で勝ち切れるようにするか、ということに重点を置きました。今日の試合が2次予選に向けての勢いづけになるようにしたいなとは思ってました。

ーー1回と3回にそれぞれ四球で出塁し、得点に結びつけました。何か意識したことは
 後ろの打者の佐藤玲弥さん(社4=静岡・飛龍)と金丸(佳史、人3=東京・佼成学園)が2人とも頼れる打者なので、僕は後ろに繋ぎたい、という思いがありました。もちろん、いい球が来たら打ちに行こうと思っていましたが、繋ぐという意識が強かったので、結果的に四球になって良かったなと思います。

ーー最終打席も粘って出塁しました。サヨナラ勝利に繋げる上で、何を意識して打席に入りましたか
 本当は僕が決めたいな、とは思っていましたが、追い込まれてしまったので、最低限ランナーを進める意識で入りました。後ろにいる打者に繋がってくれればいいなと思ったので、併殺だけは避けて、あわよくば自分が決められればいいな、という意識でした。

ーー今試合がリーグ戦最終戦でした。リーグ全体を振り返って
 自分たちの勝ち方が見えたかな、とは思います。でも、うまくいった時にはその勝ち方ができるのですが、うまく試合運びができない中でも、自分たちらしさ、自分たちの得点の取り方、というのはもっと追求できるかなと思います。来週の2次予選もそうですが、残りの大会、東日本(東日本大学選手権)とかインカレでは、それを体現できるように、残りの期間もう一回集中し直して、まずは2次予選を勝ち切りたいなと思います。

ーー次戦への意気込みをお願いします
 実は、今のところリーグ(戦)で2本しか安打を打っていないので、来週こそはもっとたくさん打てればな、と思います。

金丸佳史(人3=東京・佼成学園)

ーーサヨナラ安打を放った時の感触は
 ベンチの雰囲気も良くて、リラックスできていました。芯でしっかり捉えて、いい打球を振り切れたなと思います。

ーー最終回、どんな気持ちで打席に入りましたか
 自分に回ってくると思っていたので、自分が打つしかない、と。少し緊張はしたのですが、勝負を楽しめた打席だったのかな、と思います。

ーー途中、ピンチの際には内野陣がマウンドに集まる場面もありました。投手にはどんな声をかけましたか
 玲弥さん(佐藤玲弥副将、社4=静岡・飛龍)が少しでも楽になるように、リラックスして、ということと、勝負を楽しんでほしかったので、楽しんで、と声をかけました。

ーーリーグ戦全体を振り返って
 正直あまり成長が見られなかったな、と思います。昨年の秋季リーグ戦以降、他の大学と力の差が詰まっていないな、現状維持だったな、と思いました。そこが大きな課題だと自分は思いました。
 
ーー次戦への意気込みをお願いします
 来週はインカレ(出場)を決める2次予選があるので、2つきれいに勝って、しっかりと出場を決めたいです。少しでも長くみんなと(プレー)できるようにしたいな、と思います。