【連載】野球部 春季リーグ戦開幕直前特集『覚悟』 第5回 田村康介

特集中面

<<特集表紙に戻る

 第5回に登場するのは、チームを勝利へ導く打撃が期待される田村康介(商4=東京・早大学院)。昨年は輝きを放つことができなかったが、大学ラストイヤーとなる今年は全試合スタメンでの出場を狙う。オープン戦から好調を維持している田村に春季リーグ戦への意気込みを伺った。

※この取材は4月5日にオンラインで行われたものです。

全てにおいてレベルアップ 粘り強さを意識

―― 浦添キャンプを振り返っていかがですか
 総合的に見て、全てにおいてレベルアップというか、良い調整ができたと思います。

―― 浦添キャンプで重点的にやってきたことはありますか
 粘り強い打撃だと思っていて、追い込まれた後のボール球は振らないで、自分のいいカウントまで持っていって打つみたいな。粘り強さを意識してやってきました。

――キャンプで一緒にいることが多い人はいますか
 自分は山口力樹(スポ4=早稲田佐賀)かなと思います。ホテルに戻った後もそうですし、お風呂もご飯も一緒にいたかなって感じます。

――キャンプ中にチーム全体で食事をすることが多かったと思いますが、一番ご飯の量を食べる人はどなたですか。
 自分的にはもちろん前田(健伸副将、商4=大阪桐蔭)なんですけど、2年のピッチャーの岡村(​​遼太郎、教2=東京・早大学院)がめっちゃ食べてましたね。

――浦添キャンプが終わってから大阪に行かれましたが、その時期の調子はどうでしたか
 変わらずですね。打率も3割超えてて、結構いい感じかなと思います。

――それから東京に戻ってきて、社会人・東京六大学対抗戦やオープン戦が中止になってしまいましたが、その間はどのように過ごされてきましたか
 まず第一に体を休めること。結構ハードな練習とか試合とかが続いていたので、体を休めながら、やるべきことはやっていた感じですね。

とにかく強く振りきること

――どのようなことを考えながら打席に入りますか
 まずその場面において自分がどこにどのような打球を打たないといけないのかということをまず確認するというのが一つ。それを踏まえて結果を気にせず振りきる、とにかく振り切るということを意識していますね。

――打席の映像を確認するときに、見る部分や気にするポイントはありますか
 自分の状態が悪い時はバットの出方とかではなくて、タイミングそのものが遅れてしまったり早まったりみたいになります。タイミングの取り方が悪い時は結果が出ていない時なので、客観的に見てタイミングはどうなっているのかを見ています。

――その時に誰かからフィードバックをもらったりとかはありますか
 自分ではわからないことがたくさんあるので、みんなに聞きますね。基本的に吉田(瑞樹副将、スポ4=埼玉・浦和学院)が多いですね。

――どのような打球を打つように心掛けていますか
 基本はセカンドの頭の上を越す打球がベストで、強く振りきって打球を飛ばすというイメージで打席に入っています。

――ドライブがかからず、まっすぐの打球ということですか
 そうですね。多少詰まってもいいので、ポテンヒットでもいいので、セカンドの頭の上という感じですね。

――オープン戦では三塁に盗塁を決めていた場面もありましたが、走塁の意識に変化などはありましたか
 あれは思いつきで、そこまでは意識はしていないです。ケースを考慮してやっています。

――オフシーズンで体の変化や成長はありましたか
 沖縄に行く前は一番筋肉量があったと思うんですけど、それが徐々に落ちてきてしまっている感じです。まず沖縄で筋トレの時間が取れなくて。今更トレーニングするのも、張りとかが気になるのであまりやっていないというのもあります。

――リーグ戦が始まったらトレーニングはどのように予定を組んで行きますか
 自分はどちらかというと、体幹トレーニングでインナーマッスルを鍛える方なので、リーグ戦期間はそれがメインになると思います。

――これから一年はどのように体を管理されていきますか
 オフシーズンで仕上げて、シーズンで少し落ちていく感じだと思います。オフの間に筋肉量を増やしてという感じですね。

チームはまだまだ伸び代がある

――内野手の中ではどのような役回りをされることが多いですか
 優秀な投手が多いので、あまり声をかけることはないです。邪魔をしないような、必要最低限の声がけをしています。ショートとは連携をとっていますね。特に渋谷(泰生、スポ4=静岡)とのポジションの位置関係は連動していないといけないので、そこの声がけはよくしています。

――2年生のリーグ戦デビュー時と現在で心持ちの違いはありますか
 あの時は本当に失うものがなくて、「イケイケ」という感じでした。それが功を奏していたと思うんですけど、今は優秀な選手が後ろに控えていて、ポジション確立させるためのプレッシャーはいつもあります。

――打席に立つときの緊張に関しては当時と現在を比較するといかがですか
 リーグ戦デビューの時は本当に緊張する間も無く打席に立ったので。いきなり「田村代打行くぞ」という感じでした。

――現在、リーグ戦の打席に立つ時はどうですか
 今はある程度慣れてきて、打席では緊張しないようになりましたね。

――チーム全体として現在までに何か手応えはありますか
 まだまだ完成形ではないと思っています。それでもここまで勝ち切れている試合も多いので、すごく伸び代みたいなものは感じています。

――チームの雰囲気はどうですか
 本当に各々が準備してリーグ戦に挑んでいる感じです。

――新チームにベンチで声が目立つ人はいますか
 自分の中では岡西(佑弥、スポ3=智弁和歌山)と清宮(福太郎、社4=東京・早実)だと思っていて。ベンチからよく声が聞こえるのはこの2人かな。あと井櫻(悠人、スポ3=香川・高松商業)もですかね。この3人はムードメーカーだと思います。

――他の大学のオープン戦の結果などは気にされますか
 そうですね。誰が出てるかくらいですけど。慶応はまた常松(広太郎、4年)出てきたかみたいな。

――以前の取材で立大の大越怜選手(4年)と交流があるという話がありましたが、まだ続いていますか
 そうですね。それこそ今年の1年生に大越の弟の大越塁(人1=福岡・東筑)が入ってきたので。塁に色々話しているのに付随して連絡したりしてます。

――慶大の宮原慶太郎(3年)とは同じシニア出身ですが、現在やり取りなどはありますか
 彼(宮原)は自分の一歳下で、二遊間を組んでいました。やり取りはあまりないですけど、早慶戦で塁上で話したりしてみたいですね。

――六大学の中で注目選手はいますか
 対戦が楽しみな投手は外丸(東眞、慶大4年)ですね。2年生の時に対決して楽しかったし、思い出のある選手なので外丸です。打者は坪田(大郎、慶大4年)、田上夏衣(明大2年)、宮原で。

――早大の中で注目選手はいますか
 これは4年生の苦労人4人ですね。黒﨑将太(文4=東京・國学院久我山)、椎名丈(教4=東京・早大学院)、山口力樹、清宮福太郎です。Bチームの時期が長かったり、試合に出ない時期が続いたりした4人なので。

――早大の中で期待の若手はいますか
 2年の佐藤寛也(政経2=東京・早大学院)です。

――同じシニア出身ですよね
 そうです。よく打っていると聞くので、頑張って欲しいです。

大学ラストイヤー 「目標を高く持って頑張りたい」

――新チームで注目して欲しいところはありますか
 自分の役割をそれぞれが自覚して、打席に立ったり守備位置についたりしているので、個性を見ていただきたいです。

――個人として春季リーグ戦の目標を教えてください
 これは常々言っているのですが、全試合スタメン出場。沖縄では10安打15打点と言ったのですが、もう少しプラスして15安打10打点で。目標を高く持って頑張りたいと思います。

――ここまでのオープン戦では6番打者として打順に入ることが多いですが、どのように感じていますか
 本当に1番から5番まで皆が強打者なので、チャンスでそのままの流れで回ってくるみたいなのがあります。常に塁に誰かがいるという状況が結構あるので、ホームにかえすことと進めることをしっかりやっていきたいと思います。

――大学ラストイヤーへの意気込みを教えてください
 早稲田で野球をしたいと思って大学に入りました。本当に憧れの早稲田で野球をするのもあと一年ということで、本当に悔いのないようにやりきりたいです。これまで関わってくれた人たちに良い姿を見せて、大学野球を締めることができるように頑張りたいと思います。

ーーありがとうございました!

(取材・編集 土橋俊介)

◆田村康介(たむら・こうすけ)
2003(平15)年12月17日生まれ。178㌢、80㌔。東京・早大学院出身。商学部4年。中学生の時に早大野球部に興味を持ち、試合を見始めた田村選手。当時、一番印象に残ったのは柴田迅氏(令3社卒=東京・早大学院)だったとのことです。