危なげなく中大Bに勝利 成長の春が始まる

ラグビー男子

春季オープン戦 4月6日 対中大B 早大・上井草グラウンド



 曇天の空模様の中行われた中大B戦。早大Bは試合開始早々からコンタクトで優位に立ち、8分に先制トライを挙げる。その後も次々とトライを重ねるかに思われたがノックフォワードなどアタックでのミスが目立ち、すべてのチャンスを得点に繋げることができない。内容ほど点差をつけることができず、26ー0で最初の40分を終えた。大きくメンバーを変えて臨んだ後半は開始3分に中大Bのインゴールをこじ開けると、その後も早大Bの勢いは衰えることがなかった。後半だけで5トライを追加する猛攻を見せ、中大Bに得点の隙を与えることなく完封。59ー0で春の第一戦を危なげなく勝利した。

ライン際を駆けあがるWTB小貫

 キックオフから両チームはキックを蹴り合い、膠着(こうちゃく)した陣取り合戦を見せた。しかし、WTB小澤アンディ(法4=千葉・流経大柏)がライン際でゲインに成功するなど、着実に中大Bを押し込んだ早大B。待望の先制点は8分、ラインアウトからのアタックだった。「自分の強みである突破ができた」と自身も語ったように、CTB足立慎太郎(人3=大分舞鶴)が二次攻撃でブレイク。フォローに走っていたWTB小貫壮太(教3=東京・早大学院)がトライラインを駆け抜け、先に試合を動かした。次の得点は23分。中大Bゴール前で何度も組んだモールは早大Bが優位に立ち、ゴール中央に向かって進み始めた。そのままインゴールまで押し切るかに思えたが、SH宮下羚(文構2=東京・早実)が選択したのは逆目へのアタック。少し広くなったブラインドサイドをWTB小澤ジョージィ(スポ4=千葉・流経大柏)と2人で攻め込み、そのままトライ。キックも成功しスコアは12ー0となった。続く32分にはLO松澤慶(スポ2=早稲田佐賀)がゴール前で強烈なボールキャリーを見せてグラウンディング、リードを広げた。さらに前半ノータイム、早大Bが蹴ったハイパントキックを小貫が果敢に競りにいくと、ボールは早大Bに収まる。中大Bの反則を誘発しながら前進し、最後はCTB能町光(スポ2=神奈川・日大藤沢)がインゴールを叩き割って前半が終了した。26ー0とリードを保った状態で試合はセカンドハーフへ。

ボールを持って走るSO池山

 後半は大きくメンバーを変えた早大B。フレッシュなメンバーたちがファーストプレーから躍動を見せると、後半最初のトライは3分にHO丸橋怜央(商3=埼玉・早大本庄)がマーク。続く8分には鋭いステップで守備を引き裂いたSO寺田結(スポ2=広島・尾道)からWTB早乙女遼(人3=東京・国学院久我山)へとボールが繋がると、最後はFL狭間大介(スポ3=福岡)がゴール中央にグラウンディング、38ー0とさらに点差を広げた。試合を決定づけたのは20分。早大の自陣ラインアウトから始まった攻防は切れることなく続き、選手たちの体力を奪っていく。次第に足が止まってきた中大Bに対し、早大BのSO池山昂佑(商3=東京・早実)がキレの良いランでラインブレイクに成功。早いテンポでボールを回し、最後はWTB細田悠介(スポ2=福岡・修猷館)がトライした。その後は早大Bペースのまま2トライを追加し、最終スコアは59ー0と大きく差をつけて中大Bに勝利した。

ディフェンスを引きずりながら前進するFL狭間

 中大Bを圧倒し、危なげない勝利を飾った今試合。コンタクトに加え、フィットネスでも強さを見せつけた早大Bだったが、トライラインを目前にボールを落としてしまうなどチャンスを仕留めきれないシーンも見られた。チャンスの一つ一つを『One Shot』で確実に得点に結びつけ、リードを広げていくことができれば早大はさらに高いレベルのチームとなれることだろう。春シーズンは始まったばかり。目の前に転がる好機を逃さず、着実に歩を進めていく選手たちの成長から目が離せない。

(記事 村上結太 写真 大林祐太、堀内遥寿)

コメント

◆NO・8玉川皇一(創理4=東京・青山学院)

ーー今試合のチームコンセプトを教えてください
 「やりきる」ということがテーマでした。今までやってきたことを中途半端にせずに最後までやりきることを意識していました。

ーー4年生となった最初の試合でしたが、手応えはいかがでしたか
 無失点で抑えられたことは良かったと思いますが、練習でできていたことができなかったシーンもいくつかあったのでもっとこだわっていきたいです。

ーーディフェンスの良かった点はありますか
 昨年から意識していることをしっかりやりきれたので、無失点で抑えられたと思います。

ーーどんな春シーズンにしていきたいですか
 Aチームに絡んでいけるシーズンにしていきたいと思います。ジュニアチームのキャプテンに甘んじるのではなく、赤黒目指して戦いたいと思います。

◆HO丸橋怜央(商3=埼玉・早大本庄)

 

ーー個人としてのゲームコンセプトを教えてください
 初めてHOに挑戦するということで、プレシーズンで練習してきたスクラム、スローを安定させることを意識していました。

ーーHOをやってみていかがでしたか
 強烈なプレッシャーを受ける中で、安定したパフォーマンスを見せることの難しさを感じました。

ーースクラムはどうでしたか
 練習で積み重ねてきたところを出せた部分はあるので、悪くはなかったと思います。

ーー今年度最初の対外試合となりましたが、手応えはいかがでしたか
 これまでもこだわってきたコリジョンのところでは自分の強みを出せたと思うので、これからも継続していきたいです。

ーーこの春シーズンでどんな成長をしていきたいですか
 いち早く新しいポジションに慣れて、上のチームに食い込んでいきたいです。

◆CTB足立慎太郎(人3=大分舞鶴)


ーー個人としてのゲームコンセプトを教えてください
 強いコンタクトで自分がラインブレイクすることを目標にしていました。

ーー今年度最初の対外試合となりましたが、手応えはいかがでしたか
 アタックの場面では自分の強みである縦のプレーができたのですが、もっと周りを生かしたプレーができるようになりたいです。

ーー積極的に自分からいくアタックが印象的でした、なにか意識していたことはありますか
 直前でのメンバー変更など、安定しない部分があり、BK全体ではひとまずゲインラインを切ることを目標にしていました。なので、まずは自分がどんどん前に出ることを意識してプレーしていました。

ーー今後の意気込みをお願いします
 自分の強みのコンタクトを伸ばしつつも、周りを生かすプレーができる選手になりたいです。

 

早大メンバー