関カレ開幕戦 最後まで得点を奪えず黒星スタートに/神奈川大戦

ア式蹴球女子

関東大学女子サッカーリーグ

2025年4月5日(土)16:00 Kickoff

@東伏見サッカーグラウンド

試合結果

チーム 前半 後半 合計
早大 0 0 0
神奈川大 1 0 1

得点者

前半

15分 江藤 里桜奈

 ア式蹴球部女子(ア女)の関東大学女子サッカーリーグ(関カレ)が開幕した。昨季3位に終わったア女は、ホーム・東伏見サッカーで神奈川大との一戦に臨んだ。試合は立ち上がりから、相手ペースで進むことになる。15分に相手の左サイドの攻撃から先制点を奪われ、試合はハーフタイムへ。ビハインドで迎えた後半は、ア女が攻勢に出たが、最後までゴールネットは揺らせずに試合は終了。悔しい黒星スタートとなった。

パスを出す宗形

 序盤は、神奈川大が積極的な攻撃を見せる展開となった。7分には、相手の右サイドからのクロスをペナルティーエリア内で合わせられ、最初の決定機をつくられる。その後も相手が縦に速い攻撃でア女陣内へと迫ると、15分に相手が細かいパスを繋いで左サイドからじわじわとペナルティーエリア内へ侵入。するとゴール前でボールを受けた相手FWに前を向かせてしまう。すかさず足を振り抜いた相手のシュートがネットを揺らし、先制点を奪われることに。いち早く同点弾がほしいア女は、21分に相手DFの背後を取ったFW生田七彩(スポ4=岡山・作陽)が相手GKとの一対一の場面を迎えたが、シュートを決めきれない。相手リードのまま試合を折り返すことになった。

戦況を見つめる生田

 後半に入り、ビハインドのア女は前半とは一転して立ち上がりから攻勢に出る。MF宗形みなみ主将(スポ4=マイナビ仙台レディースユース)を中心に自陣からパスを繋ぎ、敵陣へと入り込むと両サイドを使いながら、相手の隙をうかがう。56分には最前線でパスを受けた生田がスピードを生かした突破で一気に相手ゴール前へと迫ったが、相手GKの好判断に遭い、シュートを打てず。66分には右サイドからワンタッチでパスを繋ぎ、DF佐溝愛唯(社2=大阪・大商学園)がペナルティーエリア内から強烈なシュートを放つ。しかし、またしても相手GKの好セーブによってゴールを奪えない。その後も選手交代を利用して、攻勢を続けたア女だったが、最後までネットを揺らすことはできず、0-1のまま試合は終了した。

試合後のスタンドに向けて挨拶をする選手たち

 立ち上がりに相手の勢いに押し込まれることで奪われたゴールが、勝敗を分けた。「球際に絶対負けないっていう気持ちだったり、走り勝つんだっていう気持ちが圧倒的に神奈川大学の方が強かった」と語ったのは後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)。主将の宗形も「戦うベースのところがまだ気持ちの部分で、相手の方が強かった」と試合を振り返った。ホームでの開幕戦という条件の中、相手に勢いで負けてしまった内容から、両者ともにチームの精神面に危機感を持っていることが分かる。例年激しい優勝争いが起きる関カレにて頂点を目指すには、いち早く勝利をあげることが必要不可欠。次戦アウェイでの筑波大戦は、ア女のリバウンドメンタリティが試される。

(記事 荒川聡吾、写真 石垣拓也)

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スターティングメンバー

早大メンバー(数字は背番号、◎はキャプテン)

GK 1 田村亜沙美(スポ3=ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)
DF 3 杉山遥菜(スポ3=東京・十文字)
DF 13 佐溝愛唯(社2=大阪・大商学園)
DF 30 吉田玲音(社2=新潟・帝京長岡)
MF 6 千葉梨々花(スポ3=東京・十文字)
→72分、今野杏凪(1=宮城・聖和)
MF 7 﨑岡由真(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)
MF 8 佐藤美海(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)
MF 10 宗形みなみ(スポ3=マイナビ仙台レディースユース)
MF 11 三宅万尋(スポ2=東京・十文字)
→92分、新井みゆき(スポ3=埼玉・浦和レッズレディースユース)
MF 17 米村歩夏(スポ2=宮城・聖和)
FW 9 生田七彩(スポ3=岡山・作陽)

インタビュー

後藤史監督(平21教卒=宮城・常盤木学園)

ーー無得点に終わりました。攻撃面にてどのような課題があると思いますか
 プレシーズンにレベルの高い相手との練習試合では得点を積み重ねられなかったので、得点の部分に関しては、試合前から不安を持ってた部分はあったのかなとは思います。ただ、今日もシュートがゼロ本だったわけではないので。タイミングだったり、精神的な部分がネガティブな方向に出てしまったのかなとは思います。どうしてもそこにはしっかりこだわらなければいけないですが、そこにフォーカスしすぎると得点の部分に囚われてもプラスなことはないので、その辺は個人のところとチーム全体でよりチャンス、可能性を生み出せる形を積み重ねていかなければいけないなと思います。

ーー昨季からメンバーも変わるなかで、メンバーの組み合わせはどういうことを意識しましたか
 中盤の部分でメンバーが変わったりしましたが、今日の試合に関してはメンバーやシステム、中盤といったことよりも、勝ちたいっていう気持ちだったり、球際に絶対負けないっていう気持ちだったり、走り勝つんだっていう気持ちが圧倒的に神奈川大学の方が強かったです。サッカーで早稲田が一番負けてはいけない部分で負けてしまっていたっていうところが、シンプルに敗因だと思います。

ーー次戦・筑波大戦に向けた意気込みをお願いします
 (気持ちで負けたことは)選手も頭ではわかっていると思いますし、言葉が交わされている中で、行動に移していくっていう部分を、どれだけの選手が目の色を変えて、当たり前の基準を上げることができるのか。ただ試合で気持ち入れればできるもんじゃないので、日々の練習の中でやっていかないと、当たり前の基準は上がっていかないので。今日現在地が突き付けられたなかで、フィジカル的にも強く走り勝ってくる筑波大相手に、サッカーで一番大事なこと、当たり前のことを自分たちがやる必要があると思います。

 

MF宗形みなみ主将(スポ4=マイナビ仙台レディースユース)

ーーシーズンオフはどういったことに取り組んできましたか
 自分たちは例年と違って比較的体格が大きい選手が少ないので、去年もインカレなどでやはりフィジカルの部分で負けることが多かったので、二部練をやって、走り込みとウエイトで、基礎のフィジカルの部分をベースでオフはやっていました。

ーー練習試合ではとても点を取れていたなか、今日は無得点でした。どういったところに違いがあったと思いますか
 練習試合でも一点は簡単に取れてたんですけど、二点目、三点目がなかなか取れないことはギリギリの練習試合までそうだったので、その一点っていうのが今回は遠かったと思います。

ーー今日の試合の振り返りをお願いします
 まず見に来てくださったたくさん人がいた中、開幕戦っていうこともあって勝ちきれなかったのは本当に申し訳ないなと思います。自分たちも何か収穫があったかと言われたら、まず戦うところ、戦うベースのところがまだ気持ちの部分で相手の方が強かったと素直に感じました。

ーー得点を奪うためにはどのような課題を感じますか
 神大さんの結構蹴ってくるサッカーに対して自分たちはつないでやるっていう部分だったんですけど、やっぱり相手の応援もあって、マンツーマンっていうところにビルドアップで少し苦しんで蹴り合いになってしまったことが、ゴールへいけなかった一番の課題かと思います。

ーー次の試合の意気込みをお願いします
 落ち込んでる暇はないと思うので、優勝を掲げている以上はやっぱり勝ちっていうのは欲しいので、1週間しかないんですけど、もっと厳しく高め合っていかなきゃいけないなと思います。