第65回全日本学生グライダー競技大会 3月10日~3月15日 埼玉・妻沼滑空場
第65回全日本学生グライダー競技大会が開催され、3月10日~3月15日の6日間に渡って競技が行われた。昨年の準優勝という結果と、直前に開催された早慶戦での敗北を胸に優勝を目指し戦った今大会。初日に早大が唯一2人の周回を達成し1位でスタートを切ると、その後も3日目まで首位を維持。4日目に慶大に逆転され順位を落とすも、5日目に森裕翔(法4=佐賀西)の得点で再び首位へ返り咲き、最終日は得点変動が起こらず早大が優勝を決めた。この大会で早大は11年ぶりの団体優勝と7年ぶりの個人優勝を達成。団体・個人の同時優勝は36年ぶりとなり、早大航空部の歴史に残る偉業を成し遂げた。

発航する森
大会初日、森がこの日のトップの記録で周回し個人1位と活躍。更に他大が1人の周回にとどまる中で小島健人(基理4=東京・渋谷教育学園渋谷)が続けて得点し、団体1位として差を大きく広げ順調なスタートを切った。2日目も難しい条件となる中、森が個人2位の得点を記録し総合で団体、個人ともに首位をキープし大会を優位に進める。3日目は条件が厳しく慶大のみ得点する展開となるも、依然として早大は差を詰めさせずに大会は後半へ突入。

団体表彰を受ける早大の選手たち
しかし4日目、早大の得点者が2人となる中慶大はこの日3人が得点し、初日から維持してきた団体、個人の首位の座をともに慶大に譲ることとなった。5日目、逆転したい早大だが迎えた天候は強風の厳しい条件。そんな中で森が粘りのフライトを行い得点し団体、個人ともに首位へ返り咲くことに成功する。そして迎えた最終日、気象条件の難しさから得点校は現れず、順位変動がないまま競技が終了。早大は11年ぶりの団体優勝と7年ぶりの個人優勝、そして36年ぶりのその同時達成という輝かしい結果で大会を終えた。

大会終了後に記念撮影を行う選手たち
団体、個人ともに栄冠に輝き、航空部の歴史に残る記録を達成した早大。昨年の全国大会では準優勝と好成績ながら、あと一歩及ばなかった悔しさを今大会の結果で晴らせたのではないだろうか。早大は今年度、関東大会の連覇や、全国大会での36年ぶりの団体・個人のダブル優勝を達成するなど飛躍の1年として締めくくった。しかし、選手たちは今年度の結果を喜びながらも、決して早大が更に強くなることへの探求を怠らない。早大が来年度以降も勝ち続ける黄金期を築くことを目指して、今年度の経験を糧に選手たちは更なる高みへの挑戦を続ける。
(記事、写真 井口そら)
結果
団体
1位 早大 3945点
個人
1位 森裕翔 2429点
7位 小島健人 1516点
コメント
宗裕雄監督
――大会を振り返って
Day1はうまくいって優勢で、その後2日目となんとか点差を広げてキープして、Day4に逆転を許してしまって、Day5に森がなんとか盛り返して最終日につなげてくれたところは本当に良かったなと思います。最終日、慶大の玉木選手が本当に上手だったので最後まで苦しめられて、何とか勝ち取れて良かったなと思います。後は早慶戦の後の大会ということで、飛ばし順に関して選手の状態をしっかりと見極めて全国大会でどのように飛ばすかということを考えた上で大会を迎えて、早慶戦までは小島、森という順番だったのですが、今大会で森、小島という順番に変えて、それが見事にはまった感じになって初日得点差を広げることができたのかなと思います。Day2とDay5で森が得点したというのもあって、何とかリードして最終日まで行けたことが良かったと思います。
――団体、個人ともに優勝を達成することができた要因は
森(元主将)が本当に1年間よく頑張ったところが、周りにもしっかりと伝わって成果に表れたところがあるんじゃないかと思います。日本一を目指す大学航空部の主将という重責を担いながら、時には厳しく指導し、もがき苦しみながらやってきた1年間だったと思うので、最後に本人にとっても最高の成果が出たことは、監督としてもこの上ない喜びです。
――優勝した感想
もう本当にうれしいですね。悲願の優勝だったわけで、2年前早大が団体最下位という結果に終わってしまって、そこからどうやって立ち直らせていくかというところで、去年の大会も最後の最後で優勝を逃してしまったんですけど、確実に選手の実力も上がっていい成績も出るようになって、そうした中で今年慶大と最後まで結果が分からない中で競り勝ったというところが本当にすごくうれしいですし、確実に優勝が狙えるようになってきたというのはすごく大きな成長の部分だと思います。一方で早慶戦の時にあったように、今大会ではDay4で差をつけられた時の選手の状態が、精神的な部分がすごく結果にあらわれるスポーツなので、そうして良かったり悪かったりする中で結果的には勝てたというところに関して率直にうれしいですし、今年は新人戦と関東大会と全国大会という主要な大会で優勝することができたということと、最後の全国大会で個人と団体ともに優勝できたというのは本当に大きいことで、部としてもこれからの原動力にさらになっていくと思います。これから4月を迎えるにあたって新人が入ってくる訳ですけど、まさにそういった結果が追い風になってあらわれるので、毎年の大会を迎えるにあたってその時の選手がどのような選手なのかというのが大きなところでは、4年間かけて選手を育てていくという点でどんな新人がいるかというのはものすごく大きな要素になるので、今年は新人勧誘を始める時にはそういった意気込みをもっていい人材をたくさん集められるようにしていくことで、これから先の4年後にどのような戦い方ができるかというのは既にここから始まっていると思うので、ここでしっかりと新人勧誘をして部としての更なる成長を目指してやっていきたいと思います。
――4年生へのメッセージ
この1年間、私も監督2年目でやってきた中で、本当に頑張ってやってくれたと思います。本当にありがとうの一言です。楽しいこともあったと思いますけど、辛いこともあった中では、最後こうしていい結果で卒業できるというのは本当にすごく幸せなことだと思いますし、これからの社会に出た時に航空部で培った経験をうまく生かして活躍してもらえることを期待したいと思います。
森裕翔(法4=佐賀西)
――大会を振り返って
初日に慶大に一周差をつけることができていい滑り出しだったのですが、徐々に慶大に詰められて一昨日逆転をされました。ただ、5日目慶大が周回できなかった中で早大では僕が周回することができて、そこで点差が開いてリードすることができて、最終日に慶大の玉木選手がすごくいいフライトをしていたんですけど、最終的に旋回点には届かなかったので早大が優勝に決まったという形です。
――個人のフライトを振り返って
Day1はすごく良くて、その日の中で一番高い得点を取ることができて、そこからも周回しなければいけないタイミングでは周回できていたので、1番手としての役割は務められたんじゃないかと思います。ただ、最終日のフライトに関しては、慶大が上がっている中で僕は上がることができなかったので、やっぱりまだ慶大との技量差があるなという風に思いました。
――団体、個人ともに優勝を達成することができた要因は
昨年の1年間大会で周回できないという悔しい思いをしました。その後に昨年から今年にかけて1年間自分の中で目標意識をもってフライトをして技量を高めていけたこと。いいライバルが早大の中にも慶大にもいたので、そういった目的意識をもってフライトができたことと、ライバルがいたことが要因かなと思います。また、僕らを支えてくれたクルー、部員が50人くらいいるんですけど、たくさん盛り上げてくれたおかげでもあると思います。
――優勝した感想
もちろんうれしいんですけど、やっぱり最終日のフライトがあまりにも不甲斐なさ過ぎたので、ちょっと消化不良という感じもあります。
――航空部として活動した4年間を振り返って
本当に入部して良かったなと思います。いい仲間にも恵まれて、いい教官方にも恵まれて。未熟だった高校生のころから大分成長もできて、いい友人ができたのもそうですし、人間的にも成長できたことは非常に航空部に入って良かったのかなと思います。
――後輩へのメッセージ
全国大会で優勝はしましたけど、六大学戦と早慶戦は今年は取り逃してしまったので、来年は僕らが勝った大会も含め、取れなかった六大学戦と早慶戦も優勝していい1年にしてほしいなと思います。
小島健人(基理4=東京・渋谷教育学園渋谷)
――大会を振り返って
総じて運に恵まれたところもあって、かつ実力も伴ったので終始いい雰囲気で過ごせた大会だったなと思います。減点がなかったことも、早慶戦からの反省を生かせていた点だと思うので、チームとして強くなっていい雰囲気で臨めたと思います。
――個人のフライトを振り返って
あんまり飛んでいないんですけど、2番手で基本は飛んで、条件がいいタイミングでしっかり周回することができたのと、後は1番手で森の代わりに飛んだ時もそれなりにしっかり周回することができたので、団体優勝に貢献できたというところは良かったのかなと思います。個人はあまり伸びなかったですけど、そこはチームのためだと思って飛んでいたので、とにかく団体優勝に貢献できて良かったです。
――団体優勝を達成することができた要因は
一番大きかったのは森が慶大の玉木に5日目に勝ったことだと思います。初日のリードももちろんそうなんですけど、そこは半分運みたいなところもありつつ、ただ5日目はしっかり勝ったのでそこが一番優勝に近づいた理由かなと思います。
――優勝した感想
正直今は優勝した実感があまり沸いていないです。ただ、勝つべくして勝てたなというのが感想です。どちらが勝つかわからないくらい実力が拮抗していたと思うので、後は運が味方してくれて勝てて良かったです。
――航空部として活動した4年間を振り返って
基本的にずっと楽しくやれて、それは仲間のおかげだったなと思います。もちろん大変なこともありましたけど、それ以上にたくさん楽しいことがあったから4年間続けられて、結果にもそれがつながっていたのかなと思うので、4年間本当に楽しかったです。
――後輩へのメッセージ
慶大にあって早大にないものがまだまだたくさんあると思っていて。全部慶大と一緒にする必要はないと思うんですけど、いいところは吸収して、自分たちでここはいいところだと思う点を伸ばしてほしいと思います。特に、慶大に比べて早大の方が全員が楽しくやるというところは勝っているのかなと思うので、そこを軸にもっともっと来年以降強くなってくれればいいかなと思います。
平川陶子(政経M1=神奈川・横浜雙葉)
――大会を振り返って
今大会は早慶戦に続いて来る大会で、私は早慶戦で結果を残せたので自信をもった状態で臨めて、結果的には私は2回くらいしか飛ぶ機会がなかったんですけど、その2回もこれから活躍するためのウォーミングアップっていう風に監督に位置付けられていた1回と、最終日は現役ラストフライトで一発目に飛ばせてもらって、すごく思い出に残る大会だったし、上位番手の森や小島と一緒になって戦えたというのがとてもうれしかったというような大会でした。
――団体優勝を達成することができた要因は
全国大会は機体数が多いので1回1回の飛べるチャンスを確実につかまなければいけないところで、発航順の運も良かったしそれをつかみきった森や小島の集中力っていうのと、後は選手以外が選手がフライトに集中できる環境を整えてくれたことが大きいなと思います。
――優勝した感想
ちょっとまだ実感が湧いていないです。慶大に早慶戦で実力差を見せつけられて、かなり強い敵だと感じてはいたんですけど、それを倒して最後終われたことはすごくうれしいです。
――航空部として活動した4年間を振り返って
私は元々うまい方ではなくてなんなら下手な方だったので、それでもこうやってゼッケンをもらえるくらいになれて、4年間グライダーが好きだという気持ちだけはなくならなかったので、それでたくさんの仲間がいて頑張れたので、4年間頑張ってきて良かったなと思います。
――後輩へのメッセージ
後輩は私たちの何倍も強くなれると思うので、特に宮田とかも大会でずっといい結果を残しているし、まだ来年があるのが恐ろしいっていう感じなので、ここからは私たちができなかった、早慶戦や六大学戦もずっと優勝できていないので、そこの2つも取って全部の大会で優勝する黄金時代をつくりあげていってほしいなと思います。
宮田航太郎(政経3=東京・早大学院)
――大会を振り返って
関東大会程は条件が卓越していない中で、確実に3周というのが難しい日もあったんですけど、Day1とDay4で3番手として飛ぶ機会があって、Day1は結構条件が萎んでいる中で同時に飛んでいる慶大の機体を見つつ、その中では一番いいフライトができたかなと思います。千代田手前500メートルまで迫るフライトだったんですけど、厳しい条件の中で粘って3周を狙っていくといういいフライトができたと思います。一方Day4は条件が卓越して3周が絶対に欲しいという中で飛んだんですけど、あまり調子が出なくて3周できず、慶大が1周で早大は2周という中で飛んだんですけど、飛んでいる間に慶大に周回されてしまって自分は周回できなかったので、そこで3周していればもっと楽に大会を運べたので悔しいし申し訳ない気持ちです。
――団体優勝を達成することができた要因は
入部した頃から見ていて優勝するにはどうしたらいいかということが分かっていて、それを着実にこなしていくっていうような戦術の立て方や飛び方ができていたのが大きな要因だと思います。全国大会は機体数も多くて運もあるんですけど、運もこちらに向いてくれて、チャンスを逃さずに確実に周回して得点につなげていたのが団体優勝できた理由になると思います。
――優勝した感想
貢献できていないので複雑な気持ちなんですけど、関東大会から戦ってきたチーム5人で優勝できて非常にうれしいです。11年ぶりの団体優勝ということでまだちょっと実感が湧いていないんですけど、関東大会から全国大会までずっと僅差で苦しい大会運びをしているので、来年に向けてという意味でも、団体優勝の連覇に向けてしっかりイメージをもって動いていくことが大事だと思いますし、圧倒的な成績で優勝できるチームにしていきたいなと思います。
――来年度の目標
来年おそらく番手が上がって1番手、戦術によって変わるとは思うんですけど、絶対に周回しないといけないポジションで、周回できないコンディションでもできるだけポイントを取るっていう立ち回りが求められるんですけど、慶大と早大の1番手、2番手を見ていると、大会で飛ぶときのマインドセットというかメンタルの部分を改善しないと残すべきところで結果を残せる選手になれないのかなと思うので、メンタルというところを部としても研究して臨みたいと思います。後はこれで学連の大会は優勝できたんですけど、今年落とした六大学戦と早慶戦があるのでそれを全部取れるような準備を、部をけん引していく立場として動いていきたいなと思います。