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トラックゲームズ in TOKOROZAWA 3月22日 埼玉・織田幹雄記念陸上競技場
強い日差しが降り注ぐ埼玉・織田幹雄記念陸上競技場にて、トラックゲームズ in TOKOROZAWAが開催された。1日目のこの日は、長距離ブロック、中距離ブロック、跳躍ブロック、投擲ブロックの選手ら総勢17名が出場。好記録が相次ぎ、東京六大学対校(六大学)に向けて弾みをつけた。
男子3000メートル2組には安江悠登(法2=埼玉・西武学園文理)と舩生颯太(先理1=静岡・韮山)が出場した。レース序盤、集団の中央でレースを進めた二人は、1200メートル過ぎに集団が2つにわかれると、第1集団の後方へ。2000メートル手前で徐々にスピードを上げた安江がそのまま先頭へ躍り出ると、舩生もすかさずそれに続く。後続との差を引き離した安江は単独でトップを走り抜き、1着でゴール。舩生も終盤は数名の選手を引っ張る走りを見せ、組4着でフィニッシュした。中大の吉居や創価大の小池ら他大の主力選手が姿を見せた最終4組には山口竣平(スポ1=長野・佐久長聖)が登場。山口竣は「自分のペースで走ろう」とレースプランを立てていたが、先頭の最初の400メートルが63秒01と、序盤からハイペースな展開に。山口竣はついていくことはしなかったものの、後ろの集団で徐々に先頭集団との差を詰める。2400メートル付近で先頭集団と合流し、ラスト勝負へ。トップは高校歴代2位、U20日本歴代4位となる7分55秒08のタイムを叩き出した新入生の鈴木琉胤(八千代松陰高)。山口竣も最後の力を振り絞り、7分59秒52という好タイムでゴールした。レース前は「箱根(東京箱根間往復大学駅伝)ぶりのレースだったので、不安は結構あった」というが、「久々に自分の思ってる以上の走りができた」とレースを振り返った。

レースを走る山口竣
男子3000メートル障害には、大和田春(スポ1=高知追手前)、佐藤広人(創理1=埼玉・早大本庄)の2名が出場。スタート直後から前方でレースを進めた両選手は埼玉大の樋熊らと共に先頭集団を形成する。しかし、2度目の水濠を通過する際に佐藤が転倒。足を負傷し無念の途中棄権となった。一方の大和田は、動じることなく上位に食らいつく。樋熊には10秒ほど離されたものの、拓大の鎗田と2位争いを展開しつつ、レース終盤を迎える。残り400メートルを切ると、鎗田を引き離して単独2位に浮上し、そのままフィニッシュ。9分35秒をマークしてシーズン初レースを終えた。

レースを走る大和田
男子1500メートルは、3組に地案尚宏(スポ1=愛知・旭野)と水嶋優斗(スポ2=東京・高輪)、4組に立迫大徳(スポ1=鹿児島城西)と岩下和史(スポ2=神奈川・神大附)が出場。3組では、序盤東洋大の3選手が集団を引っ張るかたちに。地案は集団後方、水嶋は東洋大の選手たちの真後ろに位置し、スパートの機を伺った。そして1000メートル付近、地案が一気にロングスパートをかけ先頭に立ち、そのまま後方との差を広げた。ラスト1周、後方の集団に再び差を縮められながらも、何とか振り切って先頭のまま1着でゴール。タイムは3分54秒41と、自己ベストを記録した。水嶋は19着でのゴールとなった。4組では、最初から立迫が積極的な走りを見せた。立迫は先頭に立つと、「自分で行こう」と、自らがレースを引っ張るかたちへ。岩下も3番手付近で冷静にレースを進める。1000メートル付近で熾烈(しれつ)な先頭争いが繰り広げられるが、ラスト1周で立迫が鮮やかなスパートをかけて集団から抜け出し、そのまま先頭でフィニッシュ。3分47秒54と自己ベストに迫る好記録でシーズンインを飾った。岩下もスパート合戦で負けじと力を発揮し、3分49秒14の4着と好位置でゴール。どちらの組もこれからのシーズンに期待できる結果となった。

レースを引っ張る立迫
男子5000メートルには鈴木翔瑛(人1=群馬・富岡)が出場。スタート後すぐに集団は2つにわかれ、鈴木は城西大や創価大の選手と、6人から成る第2集団の後方でペースを刻んだ。2000メートル付近で第2集団から2名の選手が抜け、4名の集団になったが、3000メートル手前から徐々に位置を前へ移し、3600メートル付近では第2集団先頭へ。自己ベストには及ばなかったが、後半ペースを上げてからも粘り、5着でフィニッシュした。

レースを走る鈴木
男子やり投では、鶴澤元基(スポ3=東京・富士森)が1投目で66メートル95を記録し、自己記録を更新。守屋浩睦(人1=大阪・寝屋川)も同じく1投目で自己ベストとなる52メートル12を記録し、冬季練習の成果が目に見える結果となった。女子棒高跳で宮﨑瑛子(商3=静岡・浜松市立)が大学ベストの3メートル30を記録するなど、その他の選手も、良いスタートを切り、今シーズンの飛躍をうかがわせた。
7名が自己記録をマークするなど、ブロックを問わず順調な滑り出しを見せた早大の選手たち。本記録会でシーズンインとなった選手も多いが、まもなく今季最初の対校戦である六大学を迎える。昨年に続き男女総合アベック優勝を果たすべく、それぞれが『One早稲田』を体現する走りを見せてほしい。
(記事・写真 會川実佑、植村皓大、佐藤結)
男子結果
▽3000メートル
安江悠登(法2=埼玉・西武学園文理) 8分41秒11(2組1着)
舩生颯太(先理1=静岡・韮山) 8分44秒85(2組4着)
山口竣平(スポ1=長野・佐久長聖) 7分59秒52(4組3着)
辻陽介(スポ1=愛知・岡崎) DNS
高橋優喜(スポ2=静岡・浜松北) DNS
工藤慎作(スポ2=千葉・八千代松陰) DNS
小平敦之(政経2=東京・早実) DNS
瀬間元輔(スポ1=群馬・東農大二) DNS
伊藤幸太郎(スポ3=埼玉・春日部) DNS
藤本進次郎(教3=大阪・清風) DNS
宮本優希(人2=智辯学園和歌山 ) DNS
武田知典(法2=東京・早実) DNS
吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実) DNS
間瀬田純平(スポ3=佐賀・鳥栖工) DNS
▽5000メートル
鈴木翔瑛(人1=群馬・富岡) 15分14秒53(5着)
川端春叶(スポ2=北海道・北見北斗) DNS
栗原周平(創理2=栃木・真岡) DNS
▽3000メートル障害
大和田春(スポ1=高知追手前) 9分35秒65(2着)
佐藤広人(創理1=埼玉・早大本庄) DNF
山﨑一吹(スポ2=福島・学法石川) DNS
▽棒高跳
佐々木秀晟(スポ1=香川・高松一) 4メートル60(1等)
▽走幅跳
佐々木悠人(人2=岩手・一関一) DNS
片山大地(スポ2=東京・八王子) DNS
▽やり投
鶴澤元基(スポ3=東京・富士森) 66メートル95(1等)
梅澤祥吾(スポ3=神奈川・金沢) 64メートル04(2等)
守屋浩睦(人1=大阪・寝屋川) 52メートル12(4等)
女子結果
▽棒高跳
宮﨑瑛子(商3=静岡・浜松市立) 3メートル30(1等)
▽走幅跳
内藤香乃(スポ2=兵庫・北摂三田) 5メートル59(+0・3)(1等)
▽三段跳
伊藤凜(スポ3=福岡・明善) 11メートル14(0・0)(2等)
▽やり投
鈴木真帆(スポ2=茨城・水戸一) 38メートル86(1等)
コメント
山口竣平(スポ1=長野・佐久長聖)
--本日のコンディションはいかがでしたか
1・2週間ぐらい前にケガをしていたので、この競技会に出るかどうかを悩んでいました。コンディション的には本当に良くなかったです。
--レースの位置づけを教えてください
来週に日体大記録会に出るので、そこに向けたレースというのと、トラックシーズンインという位置づけで今回出ました。
--レースプランはどのように考えていましたか
最初の1000メートルを2分45秒ぐらいで入って、(次の1000メートルを)2分45秒、(次の1000メートルを)2分40秒、(トータルで)8分10秒あたりを目指していたのですが、1周目の400メートルがかなりハイペースだったので、最初に考えていたレースプランとはかけ離れた感じで走りました。
--吉居選手(中大)や小池選手(創価大)ら先頭集団が飛び出した際、ついていきませんでしたが、何を考えていましたか
1周目を66秒で入ろうかなと思っていて、先頭は早いということはもう分かっていたので、あえてつかずに自分のペースで走ろうと思っていました。
--まもなく入学予定の鈴木琉胤選手(八千代松陰高)や佐久長聖高の先輩である小池選手は意識していましたか
ケガから復帰後で、自分のレースに集中しようと思っていたので、全く意識はしてませんでした。
--本日の走りを全体的に振り返っていかがですか
久々に自分の思ってる以上の走りができたかなと思います。箱根(東京箱根間往復大学駅伝)ぶりのレースだったので、不安は結構あったのですが、その割には走れたのでよかったかなと思います。
立迫大徳(スポ1=鹿児島城西)
--本日のコンディションはいかがでしたか
急に暑くなったのもあって少し不安もありましたが、意外と暖かくて体が動いたかなと思います。
--本日の目標を教えてください
今日は自己ベストとはいかなくても、3分50秒切りを狙っていたので思った通りのタイムで良かったと思います。
--レースプランはどのように考えていましたか
プランとしては最初はついていく予定でしたが、前に出てしまったのでもう自分で行こうと思いました。
--今回のタイムについてはどのようにお考えですか
シーズン1発目で(3分)47秒というのは結構いいタイムだと思うので、これを自信にしていけたらと思います。
--本日のレース全体を振り返っていかがですか
ラスト少し(前に)出るのに体力を使ってしまったので、そういうもったいないところを改善していければよいと思います。
ーーこのトラックシーズンではどの種目を主戦場としていく予定ですか
想定としては1500メートル、5000メートルの2つで上位を目指していけたらと思っています。
ーー1500メートル、5000メートルそれぞれの目標があったら教えてください
1500メートルは関カレ(関東学生対校選手権)、全カレ(日本学生対校選手権)で入賞、あわよくば優勝を狙っていきます。また、5000メートルでは13分40秒台を目標に頑張っていきたいと思います。