一進一退の攻防制した中島竜!強豪・日体大打ち破りベスト8進出

柔道

全日本学生柔道優勝大会 6月22、23日 東京・日本武道館

 団体戦で学生柔道日本一を争う全日本学生柔道優勝大会(以下、全日本)が22、23日、日本武道館にて行われた。初日では、早大女子部は一回戦で激突した筑波大に敗れ、惜しくも入賞を逃した。一方男子部は、四回戦にて優勝候補でもある強豪・日本体育大と激突。競り合いが続く中、五将・中島竜生(文構3=東京・早実)が見事に一本収め、その勢いのまま中将・中島瑞貴(スポ4=福岡・西日本短大附属)が技ありを奪い試合の流れを決定づける。2-1で激戦を制しベスト8進出を決め、5位入賞を果たす好成績となった。

日体大戦にて勝利をもたらした中島竜の一本

 早大男子部はシード権によって三回戦からの試合開始となった。迎えた相手は流通経済大。先鋒、次鋒と一進一退の攻防となり引き分けで終わる。その後五将・中堅と早大は階級上の相手との争いとなり、積極的に攻撃を試みるが抑え込まれ共に一本負けを喫する。0‐2、ここで負けると後がない劣勢の状態で迎えた三将戦は主将・飯田健介(社4=福岡・南筑)。相手から反則負けを引き出し一本収めた飯田は、主将の貫禄を見せつけチームにその後の勢いをつけた。続く副将・長澤篤希(スポ3=静岡学園)、大将・笠井雄太(スポ3=愛知・桜丘) も破竹の勢いでそれぞれ一本を収め、早大の底力を見せ四回戦へ進んだ。

長澤は天理大戦にて執念の得点を獲得した

 四回戦で挑む相手は強豪・日体大。優勝候補として表彰台にも絡んでおり、早大としてはここを勝ち切ればベスト4進出も狙える大会の分水嶺であった。先鋒で引き分け、次鋒で技ありを取られ試合展開としては厳しい状況が見える中、五将・中島竜が日体大を迎え撃つ。中島竜は序盤から積極的に技をかけ、勢いを示す。試合開始2分前、袖釣込腰で一気に勝負をかけて一本収め、早大初の得点をもたらし逆転。続く中堅・中島瑞貴(スポ4=福岡・西日本短大附属)も激しい競り合いを見せる中で試合開始3分払腰を決め、技あり。その後の試合でも早大は日体大の得点を許さず2-1で見事勝利。強豪を破りベスト8進出を果たした。

ベスト8進出を果たした早大男子柔道部

 日体大を破り準々決勝で迎えたのは多数のメダリストを輩出する関西の強豪・天理大。早大は序盤から厳しい試合展開を迫られ、先鋒で技あり、次鋒で一本を奪われる。それぞれ得点王である五将・中野智博(スポ4=神奈川・桐蔭学園)、中堅・笠井が続くが激しい攻防の末共に引き分け、得点はなし。三将戦でも技ありを奪われ、敗退が決まる中でも奮闘したのが、副将・長澤だ。三試合全ての出場の疲れを諸共せず、積極的に仕掛ける。試合が動いたのは終了10秒前、相手の隙を逃さず抑え込み、横四方固を決め一本収めた。本試合で早大唯一の得点を掴み取る粘り強さを見せつける。結果として天理大には1ー3で敗北を喫し、ベスト4進出はならなかった。

筑波大戦にて池田湖は隅返しを見事に決めた

 都学(=東京都学生柔道優勝大会)での激戦から一か月、女子部が迎えた初戦の相手は難敵・筑波大。昨年度でも対決した末に辛酸をなめた因縁の相手であり、リベンジを誓う。先鋒から激しい競り合いを演じるも、階級上の相手に組み止められる厳しい展開となり、早大は無念の一本負けを喫する。続くは次鋒・池田湖音(スポ2=埼玉栄)。お互いに技をかけあう一進一退の攻防を演じるも、試合終盤まで競り合いが続く。試合終了10秒前で池田の起死回生の隅返しが決まり、技ありを奪取。早大に得点をもたらした。だが、その後中堅から大将に至るまで激しい競り合いが続きいずれも得点を挙げることは出来ず、引き分けに終わる。結果は1ー1だが内容差により筑波大が勝利、女子部は悔しい惜敗となった。

笑顔で大団円を迎えるチーム早大柔道部

 男子部は強豪を打ち破り、厳しい展開の試合乗り越え、ベスト8、5位入賞という好成績で大会を終えた。一方、男女部共に難敵相手に追い込まれ、勝ち切れなかった部分は今後の課題でもある。主将は今回の結果を「天理大に勝ち切れなかったのは率直に悔しい。10月の尼崎(=全日本学生体重別団体優勝大会)ではベスト4を勝ち取る。」(飯田)と語り、好成績に甘んじる事なく更に高い目標達成を誓う。早大の粘り強さ、持ち前のチーム力で今大会の勢いを生かし、選手たちの挑戦は続いていく。

(記事、写真 今村奎太)

結果

男子

準々決勝敗退 ベスト8 5位入賞

女子

二回戦敗退 


コメント

中島竜生(文構3=東京・早実)

――本日の試合を振り返っていかがでしたか

 自分としては四回戦の日体大戦がすごい勝負だと思うし、印象的でした。自分の役割は引き分けること、もしくはそれ以上だと思ってたんですけど、オーダーが発表された時に自分が取らないといけないなみたいと決意が出て、頑張りました。チームとしても流れも1個前が負けた後だったので、流れを変えないとなと思いながら本番前は挑みました。

――どういった目標で今回出場されましたか

 トーナメント表が出た際、日体大はベスト8にかけての一番大変な相手だったのは承知してました。ですがベスト4は今回狙える場所だと信じていたので、日体大に勝って、その後の天理大にも勝ち切る気持ちで目標を決めました。

――天理大の試合において改善点はありますか

 大将戦で正直チームの負けが決まっていた状況だったので、最後はちょっと妥協して引き分けでいいかなと考えたた部分があったので、それは反省です。

――昨年の現シーズンと比較されて今年で変化があれば教えてください

 今年になって自分がちゃんと7人のメンバーに入っているという自覚が出たので、それで自分自身がより頑張らないとなっていう気持ちが強くなったのは去年と違った点だと思います。

――今後に向けての意気込みをお願いします!

 来年はベスト4を勝ち取ります。

主将・飯田健介(社4=福岡・南筑)

――本日の試合を振り返っていかがでしたか

 11月に新チームが始まって以来全国大会ベスト4を目標に頑張ってきた中で、今回日本体育大学に競り勝って、そのあと一歩のところで天理大学に負けてしまったので、そこがすごく悔しいです。

――今回強豪である日体大に競り勝てた所はどのように感じられていますか

 日頃の練習の成果をみんな出せたかなっていう風に感じています。例えば、橋本[橋本虎弥(社3=北海道・東海大札幌)]で言うと、自分から練習中でかい相手にどんどんお願いしに行って、それが今日の試合で発揮できたっていう部分は大きいのかなっていう風に 感じてます、凄く良い姿勢だと思います。

――天理大戦での反省点があればお願いします

 日体大に勝ったけど天理大に勝ち切れなかった部分としては、
結構日体大ばかり考えすぎたっていうのもあったと思ってます。日体大は動画を見ながら、研究や対策をしたんですけど、天理大は関西というのもあってあまり研究ができなかったです。四回戦と準々決勝は間が短い中で臨んで対策が出来なかったのが3-1っていった結果に繋がったと考えてます。

――今回の大会での成果があれば教えてください

 得られたこととしては、そのチームとして例えば橋本とか中島竜により自信が身についたのかなって思っています。これは今後の個人戦、また早慶戦にも活かせるので、そういったところはこれまで試合出てかなかったメンバーが活躍できたっていう経験値を得られたっていうのは大きいかなと思います。

――今後に向けての意気込みをお願いします!

 個人としては、秋にそれぞれ都学、全国大会があるので優勝したいです。団体としては、体重別の全国大会が尼崎であるので、今回の悔いを晴らせるためにもベスト4へ入れるよう頑張っていきます。