史上初の実業団VS大学生! フレッシュな戦力が経験を積んだ

駅伝

大阪・関西万博開催記念 ACN EXPO EKIDEN 2025 3月16日 大阪・万博記念公園~夢洲

 3月16日、万博記念公園~夢洲のコースにて大阪・関西万博開催記念 ACN EXPO EKIDEN 2025(ACNエキスポ駅伝)が開催された。今大会は史上初となる、実業団と大学が共に戦うという新しい形式の駅伝であり、実業団が6チーム、大学が8チームと全14チームによる戦いが繰り広げられた。大阪の地での万博開催を記念したまさに祭典のような本駅伝。早大は、チームとしての経験値を高めるため、主力は出さず、半分以上が初の大学駅伝となるフレッシュな顔ぶれで臨んだ。

 1区を任されたのは1年生の瀬間元輔(スポ1=群馬・東農大二)。今回のレースが大学駅伝初出走となった。未経験の1区に、どこか緊張した面持ちで走り出した瀬間だが、最初から飛び出しや揺さぶりがあり難しい展開となる。最初の1キロは想定よりも速く、自分の持ち味が出せないまま区間12位でのタスキリレーとなった。

 タスキを受けたのは瀬間と同級生の立迫大徳(スポ1=鹿児島城西)。こちらも初の大学駅伝となった。昨年は走れず、年明けから徐々に走れるようになったが、まだ復活途中。ハイレベルなレースに適応するには至らず、順位を1つ下げ、区間15位で初めての大学駅伝を終えた。

 普段は人の通ることができない新御堂筋がコースに含まれる最長区間・3区には伊藤幸太郎(スポ3=埼玉・春日部)が登場。エンジのタスキをかけるのは初となった今回、直前での区間変更などもあり楽しみと不安を抱えて挑んだ。設定ペースを守り難しいコースに食らいつくも、後半の上りでは失速してしまい、区間16位でタスキを4区へと渡した。

 4区には東京箱根間往復大学駅伝(箱根)の6区で鮮やかな下りを見せた山﨑一吹(スポ2=福島・学法石川)が出走した。大阪城を望むコースであるこの区間だが、4区終盤で山﨑は苦しそうな顔を見せ、もがきながら大阪城を通過。3区に続き、区間16位で次の区間へとタスキをつないだ。

 5区の武田知典(法2=東京・早実)も初の大学駅伝となった。最下位でタスキを渡されるという厳しい展開であったが、懸命に前を追う。持ち味の粘りは出し切れずとも、落ち着いた走りをし、前のチームとの差をじわじわと詰めた。順位変動はなかったが区間13位と前の背中を追える位置まで持っていき、6区へと望みをつないだ。

 劣勢の展開となりながらも、昨年の全日本大学駅伝対校選手権(全日本)以来の駅伝出走となった藤本進次郎(教3=大阪・清風)が6区で好走を見せる。少しずつ降り出した雨にも気を取られることなく、ひたすらに前を追った。途中で前方を走っていた立大の背中を捉え、13位へと浮上。走り終えてみれば区間4位と、区間賞まであと6秒の力走となった。

 アンカーを務めたのは、次の箱根でもアンカーを狙う小平敦之(政経2=東京・早実)。アップダウンの激しいコースでの単独走だったが、しっかり勝負をする中で後半まで粘った。後ろには抜かれまいと順位を死守し、早大はそのまま13位でゴール。区間順位は9位で、設定タイムをクリアしたものの、少し悔しい結果となった。

 今回のACNエキスポ駅伝は、4月13日から始まる大阪・関西万博を記念して開催された記念駅伝ということもあり、早大はあえて主力を使わず、新戦力を試す大会となった。「当初予定していた選手たちの故障もあってメンバーを組むのがギリギリで、先週に立川ハーフを走った者も出走するかたちとなってしまった」と花田勝彦駅伝監督(平6人卒=滋賀・彦根東)も話している。苦い駅伝デビューとなった者も多かっただろうが、これから始まるトラックシーズンに向けて、現在地を確認することができた大会となった。トラックシーズンの早大にも、多大な期待を寄せていきたい。

(記事 會川実佑、写真 會川実佑、加藤志保、佐藤結、戸祭華子)

※掲載が遅くなり大変申し訳ありません。

※監督・選手コメントは別記事にて、後日掲載いたします。

結果

大阪・関西万博開催記念 ACN EXPO EKIDEN 2025

区間

距離

名前

記録

区間順位

 

1区

8・9キロ

瀬間元輔

26分38秒

12位

 

2区

5・1キロ

立迫大徳

15分13秒

15位

 

3区

12・5キロ

伊藤幸太郎

37分04秒

16位

 

4区

5・4キロ

山﨑一吹

16分28秒

16位

 

5区

10・1キロ

武田知典

30分27秒

13位

 

6区

4・7キロ

藤本進次郎

13分06秒

4位

 

7区

7・8キロ

小平敦之

22分36秒

9位

 

早大 2時間41分32秒 13位