【特集】航空部早慶戦&全日本学生グライダー競技大会直前対談第3回 平川陶子×森裕翔×宮田航太郎

特集中面

第3回は平川陶子(政経M1=神奈川・横浜雙葉)、森裕翔(法4=佐賀西)、宮田航太郎(政経3=東京・早大学院)の3人に早慶戦、全国大会と短い期間に連続して行われる2つの大会について様々なお話を伺った。
第1回【特集】航空部早慶戦&全日本学生グライダー競技大会直前対談第1回 細川航希×牧野航太郎×松尾大雅 | 早稲田スポーツ新聞会

第2回【特集】航空部早慶戦&全日本学生グライダー競技大会直前対談第2回 鈴木風真×平本大貴×川島旭陽 | 早稲田スポーツ新聞会

※この対談は2月5日に行われたものです

 

――自己紹介をお願いします

宮田 政治経済学部3年の宮田航太郎です。役職は機体主任をやっています。マイブーム…ちょっと思いつかないので後回しでお願いします。

平川 大学院の政治学研究科修士1年で航空部は4年生の平川陶子です。役職は前主務で今は無職です(笑)。マイブームは『SASUKE』を7年分くらい録り貯めてあるんですけど、あれを毎日見て自分がもしクリフハンガーをやったらどう飛び移るかを考えてます(笑)。

 森裕翔と言います。法学部4年で役職は今は無職で前主将をやっていました。マイブームは、好きでやっている訳ではないんですけど、英語の勉強の必要性が出ているので休日は英語の勉強をしています。

平川 どこがマイブームなんだ(笑)。

 それ以外ないんだもん(笑)。アニメも観れないし。

宮田 マイブームは学部1年の時に統計学っていう最悪な激重授業があって(笑)、今になってそれが悔しくなって勝手に統計学を勉強しています。

――役職の仕事内容を教えてください

宮田 機体係は部がもっている機体を管理する仕事をやっているんですけど、毎日の点検であったり機体関係で使う消耗品を管理していて、機体主任はそれを統括しつつ整備計画とか隔年で来る大きい整備の計画を立てたり、後は外部の業者や航空局とのやり取りをするのが機体主任の大きな仕事かなと思います。

平川 主務は航空部以外の人とのやり取りが多くて、競技スポーツセンターやOBの人たちとかとの連絡や調整、後は航空部は主務と会計が一緒で、航空部がもっているお金をどのように動かすかとか、機体が何年かごとに大きな点検が来て200万とか300万とかかかるのでそういう予算計画を立てたりするのが主務の仕事でした。

 主将の仕事は部のマネージメントが大きな役割で、部の方向性を決めるのが一番大きいです。監督と部員との間を色々取り持って調整します。また平川はOBや外部の人との調整がありましたけど、僕も外部との調整があって他校との調整を担当していました。

――高校までに航空部の経験がある人は少ないと思いますが、航空部に入部した理由を教えてください

宮田 高校の友達と体験搭乗に行って、誘った側なんですけど、高校はコロナ禍とかもあってあんまり人と喋っていないというか(笑)、このままだとやばいって思ってちゃんとしたところに入ろうっていう漠然とした思いがあった中で、サッカーをやっていたんですけどサッカーは走るのがきつすぎて辞めて、それで叔父の影響が強いんですけど航空系が昔から好きだったのでそういうところで航空部は元から知っていて、調べたら熊谷で活動していると出てきて、熊谷と言えばあいつ(川島旭陽 教3=東京・早大学院)だとなって誘って、あいつが入るなら入るかとなってそれくらいのノリで決めたので、特段飛びたかったとかそういう話ではないのかもしれないです。

平川 私はSASUKEとかめちゃめちゃ観ているので体を張る系の何かが好きなんですけど、壊滅的に運動神経がなくて、球技とかもやばいし持久走もクラスで最下位だったし、運動部系のものを経験してきてなかったんですけど、そういう人でも入れそうだなと思って、航空部って競技自体は走る訳ではないしっていうのと、直接的なきっかけは政経のラウンジの貼っちゃいけないところにすごくでかでかと航空部のポスターがあって(笑)

全員 (笑)

平川 3日くらいでなくなったらしいんですけど、それを見て初めて知って入りました。

 僕は元々航空系にすごく興味があって、大学の航空系のサークルって何があるんだろうって調べた時に、鳥人間がやっぱり有名なのでそれが出てきて、それと一緒に航空部が出てきて、鳥人間と違って本当の飛行機を飛ばしている、厳密に言えばグライダーで飛行機ではないんですけど、飛行機を飛ばしているような部活があって、自分は航空系に興味があってパイロットになりたかったので、学生のうちからそういうことができるのはすごくいいなと思って入りました。

――ご自身から見て同期(それぞれ3年生・4年生)はどんな代ですか

宮田 3年生は似たり寄ったりだなと。本当にそのままで悪く言えば自己中心的なんですけど、同期の部員は人数が少なくてやりたいことをやっていたらたどり着いてしまった人が多いのかなと思います。そんな感じです。

平川 4年生は色々な人がいると思います。色々なタイプの人間を取り揃えている感じがあります。

 確かに。本当に色々な系統の人がいて、ある人は大学院に行っているし、ある人は2年生で入って大学院に行っているし、ある人は3卒して大学院に行っているし、

宮田 動物園みたい。

平川 動物園(笑)

 確かにそうかも(笑)。色々な人がいて楽しいみたいな感じですかね。

平川 興味のベクトルがみんな違う。多分バランスがいい。

 僕らの代は、昨年卒業した人たちもいるんですけど、みんな一応最後まで誰も辞めずに大学卒業までやり遂げていて、そういった面では仲がいいっていうところもあってそういうような世代だったかなと思います。

――六大学戦、関東大会とこれまでの大会を振り返って

宮田 六大学戦はそもそも競技できたのが2日とかで、前提として昨年の9月に新人研修大会があって、結構自信をもって出た大会で慶大に完膚なきまでに叩きのめされて、ここまで差があるんだというのを痛感したのが1年前で、雪辱を果たすという思いで臨んだんですけど、あまり選手が出られなくて残念だったなというのが競技の感想で、デュオディスカスっていう複座の高性能の練習機があって前の3月から自分が一番乗せてもらっていて、滞空すらできない状態から周回できる状態まで半年かからずに成長を実感できていて、3年の4月の時に監督に六大学戦まであと4カ月だけどお前はどうするんだと言われて、そこでもう周回する立場だなと自分で実感して、そこでどうにかして周回できる選手にならなければいけないと思って練習していたところがあったので気合が入った状態で大会に臨んだんですけど、実力が出たかといえばちょっと運がよかったかなという部分もあって、結果は準優勝で悔しいところもあるんですけど悔やみきれないというか、競技できていないなという印象があります。関東大会は連覇がかかっている大会で、自分は3番手で有効周回数がかかっている状態だったので、確実に周回しないといけない状況で臨んだので結構力が入っていたんですけど、初日に色々失敗して自分の責任でビハインドを生んだ状態で臨んだので自分の責任を感じつつ、周回しないと始まらないのでとりあえず周回するっていうことを、1年間確実に周回できる選手っていうのを目指してやってきたので、チームがどうこうというよりもそこで貢献することしか考えていなかったのが六大学戦と関東大会でした。

平川 私は六大学戦は天気が悪かったので回ってこなくて個人としてのフライトはなかったんですけど、いつ飛んでもいいように準備をしていて早く降りてきた機体で平川を飛ばそうっていう瞬間があって、結局時間を過ぎてしまって飛ぶ機会はなかったんですけど、そういうところで今まで私はうまい方ではなくて最初の1、2年生の頃もうまくなるのにかなり時間がかかった方だし、初ソロ1人で初めて飛ぶやつも4、50回チェックに落ちてっていう感じだったので、自分が大会で飛ぶっていう段階まで来られたんだなっていう感慨を覚えて、でも結局飛べなかったのが六大学戦でした。関東大会はフライトの機会が回ってきて、その時は優勝がかかっている状況で慶大が2周して3人目が飛んでいて早大は3周していて、慶大に周回されたら前日までの得点の関係で3周で抜かれてしまうっていう状況で、4番手で飛んだ私は前3人の結果を上回って早稲田の得点を更新しなければいけないっていう立場で飛んだんですけど、それが航空部人生で一番プレッシャーがかかった状態だったなと思います。結局条件もあまり良くなくなってきていて慶大も私も周回できなかったんですけど、終わったときに、ちょっとでも頑張って浮いていたのが慶大にプレッシャーをかけられて良かったんじゃないかってコーチに言われて、うれしかったのが個人としての感想です。関東大会は選手数が絞られている中で、自分に求められている役割はかなり大きくなるのでそういうところを意識して臨んでいました。

 六大学戦に関しては、僕が3年生の時に出た六大学戦ではその時チームがいい調子で団体優勝を狙えるんじゃないかっていう大会だったんですけど、そこで僕がサーマル(上昇気流)をつかむことができなくて、サーマルをつかんでも弾き出されちゃって上がれなくて、僕が得点を稼げなかったことで団体優勝ができなかったっていうことがあって、後で得点差を見てみたら僕が1回でも周回していたら勝っていたのに負けてしまったというのがすごく悔しくて、今年度の六大学戦に関しては自分が1番手で飛ぶっていうこともあって、すごく昨年の屈辱を晴らしたかったっていうのもありますし、僕がチームリーダーを務め始めて初めての大会だったのでここでいい結果を出したいっていうような思いで臨んだんですけど、結果は僕がまたミスをやらかして慶大に遅れを取る形になってしまって、そこでまた同じ失敗をしてしまったのですごく悔しかったというか、1年前から何も変わっていなかったことに他の人にも申し訳ないというかここまでみんな頑張ってくれたのに、宮田とかも3年生で周回をしてくれて他の選手もバックアップをしてくれていたのにそれを生かせなかったのが本当に悔しかったです。関東大会では、六大学戦のこともあって、六大学戦から関東大会まで自分に訓練のリソースを割いてもらって、具体的には選手用の複座機を僕が独占して教官からコーチングを受けるっていうようにしてもらって、そういう意味でも絶対に勝たなければいけない大会だったなという風に思っています。みんなが言ってくれているように、連覇がかかった大会で意味の大きい大会だったんですけど結果的には優勝できて良かったなと思います。ただ優勝に関しても運が良かったっていうところもあって、慶大とのフライトを比べてみた時に慶大に及んでいないところもありましたし、最終日は特にくじ運で僕らが勝ったようなものだったので、まだまだ油断ができないというか、慶大よりも強くなったかと言われたらそれは分からないし、それはここからまた関東大会を経て更に強くなっていかなければいけないなという風に感じました。

――関東大会が終わってから強化してきた点を教えてください

宮田 関東大会まではさっき言った通り確実に周回してくる選手を目指していたんですけど、周回するだけでは運任せというか、周回の精度を上げる、具体的にはいいサーマルをつかんで早く周回するっていうことと、後はタイムを上げるっていうのが強化すべきポイントとしてやってきていて、間にオーストラリア遠征があって日本のサーマルとかなり異なって、そこから帰って今回の合宿ということでサーマルの違いに苦しんでいるところで、オーストラリア遠征で強化できた部分はサーマルの選び方で、弱いサーマルで周っているとクロスカントリーの長いタスクを周り切ることができないのでいいサーマルを選んで速くセンタリングして速く出ていくっていうことが必要だったんですけど、そういうことを妻沼の24キロ周回とか39キロ周回とかで生かしていかないといけないというところで、サーマルを選ぶ力や感覚は身に着けたんですけど、それを妻沼の狭いタスクで強風が吹いてサーマルのコアが狭い中でその感覚を転用する、オーストラリアで培ったサーマルを選ぶ力や経験を今日本のサーマルでどう生かすかっていうことを今まさに今合宿でやっている中なので、その点を強化しきって実戦で使えるところまでもっていって今合宿を終えて早慶戦に臨みたいと思います。

平川 1つはメンタル面で、基本的に毎回周回してくる自信がないんですけど、自信がない状態で不安なまま飛んでも絶対にうまくはいかないので、絶対に周回するとは言わないまでも自分ができることをやり切る自信はつけておこうと思ったのが関東大会から今まで取り組んでいることです。後は一番いい条件で飛ぶのが森や宮田の2、3番手が飛ぶところで、それ以降になると私が飛ぶ順番では弱い中でも周回してこなければいけないというところになるので、私は今まで、今もかもしれないんですけど、誰でも周回できる条件の日は周回できるけど、ちょっと難しいうまい人しか周回できない条件では全然周回できないようなところがあって、それを克服するために普段のあまりみんなが周回していないような条件でも、ちょっとでも浮けるのであれば、なるべく沈下が少ない方向に寄せるっていうのを普段の全然条件のない日に飛ぶときは意識していました。後は2月にオーストラリア遠征があるので、そこで宮田は感覚を失って帰ってきてしまったみたいなんですけど(笑)、私は遠征が終わってそのまま早慶戦に入るので、オーストラリアでも妻沼でよく使う丁寧な舵を意識しながら飛んでいきたいと思います。

 僕は意識してきたこととしては、舵の使い方と二つの機種の両方で乗る練習の2つですね。1つ目に関しては、グライダーは上昇気流を捕まえて高度を上げていくんですけど、サーマルの中やサーマルから出ていくときは舵の使い方がすごく重要で、舵の使い方が荒いと、自分の舵でグライダーが動いているのかそれとも上昇気流に煽られてグライダーが動いているのかが分からなくて、どこに上昇気流があるのかが分からなくなってしまうんですけど、六大学戦で上昇気流に入れなかった理由もそれで、課題でもあるので大会の中で感覚が鈍らないように、舵が荒くなって自滅することがないように舵の使い方は常に丁寧にするように心掛けていました。もう一つは、二つの機種に両方乗れるようにというところで、LS4という機体とASK23という機体で早慶戦に出場することになるんですけど、LS4の方は僕は結構乗っていてASK23の方はライセンスを取ってからすぐに乗る機会が結構減っていたので、その中で大会に出ないといけないということで舵の利きも違うので、どちらの機体に乗っても適切に上昇気流に乗せたり、効率良く上がって飛べるように、なおかつ誰よりも速いスピードでフライトをすること、両方の機体の良さを理解して良さを引き出すようなフライトをする練習していました。

――今年度の活動の中で印象に残っているシーンはありますか

平川 関東大会の3日目で同期の平本(大貴 基理4=神奈川・桐蔭学園)が、周囲があまり上がれていない状況の中で、背水の陣みたいな、その前に同期の小島(健人 基理4=東京・渋谷教育学園渋谷)がもしかしたら減点になって得点が一切なくなるかもしれないっていうフライトがあって、それを受けての平本がすごい頑張って、これしかないだろうみたいなサーマルをつかんでぐんぐん上がって行ったところがすごく印象に残っていて、地上で見ていて同期の頑張りっていう面で一番感動した場面ですね。その後平本は減点されて得点がなくなってしまったんですけど、張り詰めた状況の中であのフライトができるのはすごいなと思って印象に残っています。

 小島の得点がなくなると思っていたので、お通夜モードだったというか雰囲気が良くなかった中で平本が飛んで平本だけが上がって1個目の旋回点をクリアして、すごく盛り上がって次の日につなげてくれたいいフライトでした。

平川 あれでまた頑張ろうとなった感じがしました。感情の波が一番大きかったなと思います。

宮田 自分は4月26日の妻沼合宿で、デュオディスカスに乗っけてもらって、普通の複座機だと乗れる人が少ないんですけど、自分で組んで自分で乗って自分でバラすっていう自分しか乗っていない状況でうまくなるために環境を整えてくれていたんですけど、4月は全く上がれなくて、どうすれば周回できるのかとかそういう方に心が傾倒している中で、自分は操作せずに監督に北25キロまで、妻沼から伊勢崎の方まで連れて行ってもらったフライトがあって印象に残っているんですけど、グライダーって楽しいんだってその時に気づいたというか、楽しまないと駄目だなって思ったのが、サーマルで上がって旋回点目指して周回してっていうのが大会の内容なんですけど、結局グライダーをやっているなら楽しまなければいけないなとここで初めて気づいたフライトで、それがなかったらここまで成長できなかった、楽しむっていう観点に気づけたフライトだったので印象に残っているし、航空部人生の中でも影響の強い瞬間だったなと思います。

 僕は、早稲田で国内で数年ぶりに50キロトライを成功したっていうのがあって、50キロトライっていうのは妻沼から50キロ先のポイントまでフライトをするっていうものなんですけど、オーストラリアでもやってはいたんですけど、オーストラリアは色々なところにグライダーが下りられる場所があって、遠くに飛ぶことに抵抗がないんですけど、日本って結構土地が狭くてグライダーが下りられる場所がそんなにない中で、低くなった時に場外着陸ができない状況で高度を維持しながら遠くまで飛ぶっていうことをしたんですけど、50キロって上からみてもどこにあるか見えなくて、自分が行く場所は僕らがよく訓練している妻沼から関宿の近くまで行くんですよ。そこはもう見えなくて、上昇気流をつないで前に出していって自分が関宿で飛ぶ時に見るような景色と同じものが見えてきた時にすごく安心したというか、オーストラリアではできて当たり前のことだったんですけど、日本ではそれが難しいという中でトライをちゃんと成功できたということは自分の自信にもなりましたし、その日の景色もすごく良くていいフライトができたというか、これから先のグライダーとの関わり方とか色々なものが見えて楽しい印象に残るフライトだったなと思います。

――慶大の印象を教えてください

 慶大の印象は、数年間ずっと早慶戦に勝って全国大会でも優勝していてやっぱりすごい相手というか、周回しないといけないところではしっかり周回するし、上昇気流に乗らなければいけないところは乗るし、選手層も厚くて手強い相手というか戦いがいがあるいいチームだなという印象です。

平川 慶大の印象は選手層がとにかく厚い。1、2番手はもちろん強いんですけど、他の大学だと1番手同士だったら拮抗するところはあるかもしれないんですけど5、6番まで考えた時に、慶大は実力をもっている選手が多いから全体としてのレベルが高いと思います。後は失敗が少ないなという風に思います。減点とかも少ないし確実に点を取ってくる印象です。

宮田 サイボーグみたいな集団だなって思います。慶大の同じ代の動向は結構気にして見たりとかしているんですけど、六大学戦の時とかは新人戦でははるか上にいた相手に追いついたかなと思ったんですけど、最近になるとみんな周回できていてサイボーグ製造機みたいな、そんなイメージですね。全員が周回できるみんな強いチームなのでサイボーグです。

――早慶戦での自分の役割をどのように考えていますか

 自分は1番手として多分飛ぶと思うので早く次にバトンを渡すこと。僕が時間がかかっていたら周回数に響くので、早く周回して帰ってきて流れをつくることが僕の役割なのかなと思います。

平川 私は確実に周回することが大事かなと思います。3、4番手とかで慶大が4人周回できたのに早大は3人しか周回できないとかそういうことがあると、得点がざっくり1000点変わってきてしまうので、確実に減点なく周回してくるっていうのが役割かなと思います。

宮田 恐らく出るとしたら2番手くらいで出ると思うんですけど、1番手が周回してバトンが回って2番手っていうのが一番よくある流れだと思って、早大が1番手が回っているということは慶大も回るので、やることはそんなに他の選手と変わらなくて、1番手のタイムよりもいいタイムで確実に周回するっていうのが2番手がやることなのかなと思います。

――全国大会は4年生が引退する場になりますが、4年生はどんな存在ですか

宮田 入部当初の教育担当だったんですよ(平川)。単純に学部が一緒だから教育担当になって、飛び級しててすごって思って、そのすごいなっていうのをそれぞれに思っていて、単純に今幹部になっている身としてもいなくなった後が難しいなって思います。人数的なところもありますしやっている仕事量とかもあって、全国にかこつけて言うなら4年生みんながもっている経験量っていうのが膨大で、例えば大会で言うと1番手2番手で飛んでいる選手の役割を全うしてきた経験はプレッシャーに打ち勝つ力になるし、他にも今年は1日に130発飛ばしたりとか、普段の平均は70発くらいで他の学校だったら40発とかのところを130発飛ばしたっていう実績を作っていて、もっている経験とかアイデアを動かす力とかが4年生全員で14人もいるっていうこともありますし、そういう部を動かす力みたいなものがあった代なのかなと思います。

――4年生から下級生に向けてどういったことを残していきたいですか

 僕は意外と不可能はないというのが学んだことで、それを残したいというかみんなに分かってほしいと思っているんですけど、割と何かやろうとしている時ってなんか無理そうだなってやめることってたまにあるじゃないですか。ただ、そういう風に諦めていると何も進まなくて、人間が空を飛びましょうとかは無理ですけど、そういった大それたことじゃなくて、できそうだけどできなかったことってやる方法を考えたら大体できるんですよ。最初から諦めるんじゃなくて何かやれる方法ってないのかなって探って、そういう風に探していけば絶対にできる方法ってあるので、安易に諦めるんじゃなくてできる方法を常に探して、自分たちでハードルを作らないようにやってみてほしいなと思っていて、今もそういうことが分かるように頑張っているつもりです。

平川 勝ちの気運というか。私たちが1、2年の時って慶大にボコボコにされて全国大会とかもほぼ最下位みたいな順位を取ったりして、あまり大会が面白くなかったんですけど私たちの1個上の代がその雰囲気を変えてくれて、グライダーの競技が楽しいっていう、当たり前なんですけど勝てば楽しいっていうのが上の代から伝わってきたことだったので、競技だけじゃなくて今回とかも対岸に慶大がいる状態で訓練をやっているんですけど、対岸の慶大よりも今この一発を早く上げるとか、慶大よりも効率よく何かをやるとか、そういうところで言うと今早大のクルーワークは競技以外のところの実力だったり、訓練を如何に効率よく安全にやるかっていう面に関しては早大は今慶大に勝っていると思うので、そのいい流れを今の3年生の幹部になった代にも引き継いでいってほしいです。

――大会に向けてチームの状況はいかがですか

 各々課題は分かっていてそれを克服しようとしている状況で、早慶戦が近いっていうところでみんなコンディションも上がってきて、すごくいい雰囲気で早慶戦に入れるんじゃないかと思っています。全国大会に関しても僕らは早慶戦に勝つつもりでいるので、早慶戦に勝って最高の入りで全国大会に向かえるんじゃないかと思いますし、選手の面としては全員個々の技量もあるのでそういう感じで入れるんじゃないかと思っています。選手だけで戦う訳ではなくてクルーと一緒に戦うんですけど、さっき平川からあった通り効率よく訓練するっていう面ではクルーの質も本当に日本一だと思いますし、すごくいい準備ができているのではないかなと思います。

平川 全国大会は早慶戦からの流れで来るんですけど、やっぱり慶大が全国大会でも一番の敵になることは間違いないので、普段から慶大を意識して選手だけではなくて1年生2年生くらいの人たちも慶大を意識して、慶大に勝つんだっていうことで同じ方向を向いているなと思います。

宮田 全国大会に向けて、クルーの動きとかは関東大会もそうでしたけどすごく良くて、そこだけ見れば全国でもトップレベルだと思っていますし、部全体で見ると全国大会で勝つイメージができている段階まで来ているのかなと思っていて、選手全員がベストを出し切ることを実現できれば絶対に優勝できるというイメージができています。それを実現できるように頑張っていくことを部全体で、残り合宿は少ないですけど進めていけたら勝てるのかなと思っています。

――全国大会への意気込みをお願いします

 これまでやってきたことは間違っていない。昨年僅差で負けた全国大会なので今年は必ず団体も個人も早稲田で取って最高の思い出で航空部生活を締めくくれればなと思います。頑張ります。

平川 4年の3月ということでこのチームでやれるのも最後だし、学生としてグライダーの競技をすることも最後なので、実力を全部出し切って優勝に貢献できるように頑張ります。

宮田 勝つことは絶対にやらなければいけないことだと思うので、必ず勝つ。さっきも言った通りイメージはできていて、どう実現していくかはここからの過ごし方によると思うので、実現する方向に少しでも近づけるようにして優勝したいなと思っています。3年生なので来年がある中なんですけど、来年は優勝旗を守る立場になれるように絶対に優勝したいと思います。

(取材、写真、編集 井口そら) 

◆平川陶子 ※写真中央
神奈川・横浜雙葉高出身。政治経済学部修士1年。積み重ねてきた努力で勝利を掴みます!

◆森裕翔 ※写真右
佐賀西高出身。法学部4年。「優勝」して大学生活を締めくくります!

◆宮田航太郎 ※写真左
東京・早大学院出身。政治経済学部3年。「速く遠くへ」鍛えたフライトで優勝を目指します!