相撲部初の女子部員!「来年は全部優勝」相撲部インカレ直前対談2024 第3回 篠原茜×黒木香菜子【連載】

相撲特集

 全4回でお送りする、相撲部インカレ直前対談(注:インカレとは、全国学生選手権のこと。ことしは東京・両国国技館で開催)。第3回に登場するのは、篠原茜(社1=東京・大妻)と黒木香菜子マネージャー(教2=福岡・県立筑紫丘)の2人。創部初の女子部員として入部した篠原は、早くも複数のタイトルを記録。入部理由やここまでの成績、インカレの注目ポイントについてまで伺った。

――まずは、お互いのことを紹介してください

黒木 篠原茜ちゃんです。初めての女子部員で、しかも最初からいろんな大会に出て結果を残しています。女子部員は1人しかいないし練習しにくい部分もあると思うんですけど、OBの方が土日の練習に来てくださることもあるので、そのときに相撲を取ったりとか、個人のつながりで外部の人に来てもらったりしてすごく頑張っています。

篠原 黒木香菜子さんです。自分が相撲部で初めての女子部員ということで、いろいろやりにくいことも多かったり、馴染めるかなという不安もあったのですが、すごく私に寄り添ってくださる優しい先輩です。大会にも付いてきてくださったりして、本当に心の支えになってます。

ーー改めて、現在の相撲部の雰囲気を教えていただきたいです

黒木 薄っぺらい言い方になるかもしれませんが、仲は良いのかなって思います。あとは茜ちゃんが大会で結果を残しているのを刺激に感じている人もいたり、ただ仲が良いというだけではなくて、良いライバル意識みたいなものを持っているのかなと思います。

篠原 自分は1年生なので、去年のことは分からないですけどみんな優しい。体が大きい人が多いので、怖い人が多いのかなって想像していたんですけど、みんな優しかったです(笑)。

ーー篠原さんにお聞きします。大学で相撲をしようと思ったのはなぜですか

篠原 高校2年生の時に全国大会で優勝したのですが、そのときに頭を切っていたので全然記憶が無くて。いつか記憶がある状態で優勝したいなと思っていました。それで続けてみたらこうなってました(笑)。

ーー今年度が始まってから、ここまでのご自身の成績や大会を振り返っていかがでしょうか

篠原 めちゃくちゃ上出来だと思います(笑)。こんなにできるなんて正直思ってなかったっていうくらい、ことしはよくできていたかなと思います。

ーーご自身の強みやについて教えてください

篠原 スピードだと思っています。あとは、型にはまっていないというか、何をしだすか分からないようなところも自分の強みだと感じています。技については、奥富夕夏さんという世界で優勝している方が来てくれて教えてくれるので、それを実践するのが今の楽しみです。

ーー黒木さんにお聞きします。マネージャーとしての仕事は1年前と変わりましたか

黒木 特にいままでと変わりないです。主務の仕事もやっているんですけど、いままで主務がやっていた日本相撲連盟との連絡を部員に任せたり、仕事内容の見直しをしました。それ以外のマネージャーの仕事は変わりないです。

ーーマネージャーとして活動する中で、日々意識していることがあれば教えてください

黒木 今までの大会では、動画を撮ってLINEグループにあげていたのですが、Googleドライブに個人のフォルダーを作って、1人1人の試合中の動画をまとめる取り組みをはじめました。なにかしたいと思って始めたことなので、それが役に立っていればうれしいし、また新しいことも探してやっていければなと思っています。

ーー2年間ちゃんこを作り続けていらっしゃるかと思いますが、腕は上達したと思いますか

黒木 どうでしょう(笑)

篠原 いつもおいしいですよ!

黒木 ありがとうございます(笑)

篠原 (近くで談笑していた内田京汰(社2=静岡・飛龍)に)ちゃんこっておいしくなりました?

内田 おいしいです。大変おいしゅうございます。

黒木 いろいろ新しくチャレンジしてみたいなと思いつつ、現状維持って感じです。

ーーインカレに向けて、黒木さんの視点からなにか意識されていることはありますか

黒木 私個人では何ができるかと言われれば何もないんですけど、稽古を見ていると、選手たちの気持ちは固まってきていると思います。期待することしかできないですけど、頑張ってほしいなと思います。

ーー相撲部唯一の4年生である大村さん(晃央、社4=静岡・飛龍)と共にする、最初の最後のインカレです

黒木 部の円滑な雰囲気というか、そういうところは間違いなく大村さんが作ってくれていると思うので。来年の心配もありつつ、本当にありがとうございましたという思いです。

篠原 全く同感です。大村さんは周りへの気遣いがすごくて、みんなに目を配っている感じがします。いるだけで周りが明るくなるし盛り上がる。たこ焼きパーティーも開いてくださって、部員の交流も促してくださいました。個人的には、大村さんの相撲がすごくいいなと思っていたので、来年からいなくなるのがめちゃくちゃ悲しいです。ぜひとも最後いい形で締めくくってほしいと思います。

ーー黒木さんにお聞きします。1年生に期待するところを伺いたいです

黒木 結構実力のある子たちだと思うので、毎試合変わらずその力を発揮してもらって、Aクラスにずっととどまれるようなチームに持っていってくれたらなと思います。

ーー篠原さんにお聞きします。次の大会に向けての意気込みを教えてください

篠原 今肩をケガしていまして。9月に手術したばかりで全治9カ月くらいなんですけど、反対の肩も11月に手術します(笑)。大学受験で相撲を休んでいたのに、いきなりハードに練習を始めちゃって体をいたわるのを忘れてました。来年の最後くらいの大会には出られるかなと思っています。

ーーそこでの目標は

篠原 もちろん優勝です。自分が早稲田の相撲部ということで注目してくれる人も結構いたりするので、来年は全部優勝するくらいの気持ちでいきたいです。気持ちは強く、頑張りたいと思います。

ーーさいごに、インカレでの注目してほしいポイントを教えてください

黒木 団体戦はAクラスからのスタートで、リーグ戦でも割と点を取れていた大学と当たります。まず1勝、あわよくば2勝して、選抜大会にも行ってほしいなと思います。

篠原 身長的にも体重的にも、みんながみんな体が大きいわけではないので。Aクラスは縦も横も大きい選手が多いですから、そういう人たちに技とかスピードでどういう風に勝っていくか、というところを見てほしいです。

(取材・編集 上野慶太郎、中村環為、写真 田部井駿平)

◆篠原茜(しのはら・あかね)※写真左
東京都・大妻高校出身。社会科学部1年。早大相撲部創部初の女子部員。6月に開催された全国学生女子選手権・個人戦超軽量級、7月の全日本女子岐阜大会・一般の部55kg未満級でともに優勝。まさに「前人未踏」の記録を刻み続けています!

◆黒木香菜子(くろき・かなこ)※写真右
福岡県・県立筑紫丘高校出身。教育学部2年。早スポが取材をさせていただく際、いつも大変お世話になっております!黒木さんからご提供いただいた写真を本連載でも使用させていただきました!