全国大学選手権 1月13日 対帝京大 秩父宮ラグビー場
1月13日に行われた全国大学選手権の決勝。5大会ぶりの優勝に大手をかけた早大でしたが、4連覇を狙う王者・帝京大に一歩及ばず、準優勝という結果でチーム佐藤の挑戦は幕を閉じた。シーズンを締めくくる舞台で全力を尽くした選手たちに、チームへの想いと、この1年間の歩みに込めた胸の内を伺った。
(※一部記者会見から抜粋)
大田尾竜彦監督(平 16 人卒=佐賀工)
――今日の試合を振り返っていかがですか
我々としては素晴らしい環境で、素晴らしい帝京さんという相手と試合できて非常にうれしかったです。結果は残念でしたが、ここまで引っ張ってきた佐藤健次や以下4年生にほんとに感謝したいです。帝京大学さんは素晴らしかったと思います。去年の大敗からここまで立て直してくれた健次と4年生には感謝していますし、決勝は負けましたけど、去年のウィークポイントを克服しながらやってくれて、それは彼らの力だと思います。
――帝京大のどんなところが脅威でしたか
小村君が入ったことによって精神的に安定したと思います。森山君が非常に本来のポテンシャルをボールキャリーなどで出していたので、マークするというかこちらがしっかりロータックルをして止めないといけなくなりました。秋やったときは青木君だけしっかり止めればよかったですが、ポイントとなる選手が複数いたこと、ロータックルに入っているんですけど足を止めきれなかったこと、そのあたりだと思います。
――佐藤キャプテンはどういうキャプテンで、この1年間をどう見ていますか
スタートは一昨年準々決勝で京都産業大学に大敗して、そこから日本一を本当に目指せるのかっていうのが150人全員の中で少なからずあったと思うんですが、そこに対して自分たちがやらないといけないんじゃないかっていうのを体でしっかり示して、それに芯を通してくれて、1年間成長させてくれていました。3年生の時には見られなかった声のかけ方だったり、もともと持ってるものもそうですが、ベスト8のチームを学年が変わることで人が変わり、日本一を目指せるようなところまで連れて行ってくれたのは健次のおかげです。ラグビーに対しても仲間に対しても本気で向き合うし、そういうことができるキャプテンだったのでチームはここまで来れました。歴代の中でも本当に素晴らしいキャプテンだったなと思います。
HO佐藤健次主将(スポ4=神奈川・桐蔭学園)
――今日の試合を振り返っていかがですか
このような素晴らしい舞台で最後の試合をできてうれしく思います。コーチ陣含め、多くの方に支えられながらこの1年やってきたので、最後は不甲斐ないキャプテンだったかもしれないですけど、早稲田のラグビー部でキャプテンをやらせていただいて幸せでした。最後の1年はラグビー人生の中でも素晴らしい1年だったと思いますし、1年生から4年生全員で最後優勝という結果をつかみたかったんですけど、やっぱり帝京さんは強かったです。自分たちが持っている力は全部出しましたし、準備していたことでうまくいかなかったところも多少なりともありますが、僕たちの勝ちたい気持ち以上に、主将のところで恵斗の方がチームをうまく引っ張れたと思うので、もっともっと自分自身成長していかないとと思いますし、1年生から3年生まで大田尾監督の下でやってきましたし、最後の一年間大田尾監督を胴上げするためだけにラグビーをやってきたので、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
――帝京大の青木主将と何か話ましたか
優勝おめでとうということをまずは伝えて、僕自身、恵斗がいなかったらここまでのプレーはできてないですし、ここまで二人で切磋琢磨してやってきたからこそ、大学がお互い違う中で、決勝の舞台でやれたと思うので、おめでとうということがすべてです。リーグワンとかでやり返そうかなと思ってます。
――後半を振り返ってうまくいかなかったことはなんでしょうか
風上でエリアをとっていこうということだったんですが、22メートルライン入ってからの精度とかスコアしきるところとかが甘く、接点の部分で焦ってしまって何回も22メートル内入ってスコアできなかったのが原因だったと思います。
――帝京大のパフォーマンスの感触はいかがでしたか
相手は試合の最初に自分たちで流れをつかめたのでいい流れでしたけど、逆に最初のスクラムでペナルティーをとっていたら試合を作れていたと思いますし、本当に僕の責任なのかなと思いますし、主将以外は全員勝ててたと思います。本当に申し訳ないなという気持ちです。
――改めて4年間を振り返ってみて、どういう大学ラグビーでしたか
多くの方に出会えて、多くの先輩方と後輩とラグビーができて、大学ラグビーでしか感じられないものを感じられて、僕自身有意義な4年間でした。前主将のように一人で打開とかできないので、今シーズンもみんなに頼りっぱなしだったけど、最後の主将になった1年は日本代表だったり、いろんなものでチームを離れることが多かったり、うまくチームをまとめられないときにいろいろしてくれた先輩や同期だったり、主務であったり、そういう人たちに感謝して大学生活終われたので良かったと思います。結果は出なかったのでトータルで見たら悔しい4年間でした。
――今後の意気込みをお願いします
大学ラグビーで得たことを、今日の試合の悔しさを一生忘れずに、27年(2027年のW杯で)スタメンで出ます。
SH細矢聖樹(スポ4=国学院栃木)
ーー今日の個人のコンセプトをお願いします
4年間というか、今年1年というか、今までやってきたことを出し切るという気持ちを持ってこの試合に臨みました。
ーーご自身のディフェンスが光る場面が多かったですが、いかがでしたか
ディフェンスは僕の強みでもあって、全面的に出していこうと思っていたので、そこはよかった部分かなと思います。
ーー今日のアタックはいかがでしたか
やっぱりブレイクダウンでプレッシャーを受けてなかなか前に出れない場面が続いたので、そこは厳しかったところかなと思います。
ーー今までの4年間を振り返ってみていかがですか
今までのラグビー人生の中で1番成長した4年間だと思うので、これを次に活かして頑張っていきたいと思います。
NO・8鈴木風詩(社4=国学院栃木)
ーー試合を終えて、どんなお気持ちですか
悔しいですね。自分の中であの時こうすればよかったって思うことが多くて、いつもだったら上井草でレビューできるのにそれが出来ないことも悲しいです。
ーー4年間辛いこともあったと思いますが、そういうことも踏まえて決勝はいかがでしたか
ここの舞台に立てたというのは環境に支えられて勇気を出して挑戦できたことなので、すごく周りに感謝しています。
ーー率直に帝京大とどこに差があったと感じますか
プレッシャーの部分です。僕たちも色んなサインやパスワークを使えるはずだったのに帝京大から強いプレッシャーがかけられていて。僕たちが100%でいかないと勝てない状況で正しい判断ができずいっぱいいっぱいになってしまったのだと思います。
ーー帝京大は11月となにを変えたことで早大を攻めづらい状況にしたのでしょうか
ディフェンスラインの前に上がってくるプレッシャーが違っていて、僕たちが圧を受けているから、後ろでボールを回しているだけになったり、前でのオプションが使えなくて前に出れなかったです。前に出れなかったことが敗因なのだと思います。もっと強気にいければよかったと思います。
PR亀山昇太郎(スポ4=茨城・茗溪学園)
ーー試合のコンセプトを教えてください
今日は帝京大学さんに対してサインプレーなども用意してはいたのですが、結局ちゃんと一対一のバトルで勝つ、相手をしっかり倒しきるというのをコンセプトにやっていました。けれどもセットプレーの部分でやっぱりプレッシャーを受けてしまって、うまくいけなかったというのが大きかったです。
ーー今日の結果を振り返って、率直な感想をお願をお願いします
自分たちの中でも決勝というのは今まで全く見られなかった景色で、そこでやっぱり勝ち切れなかったというのはすごく悔しいですし、そこで勝ち切る、トライを取り切る帝京大学さんと、22メートルラインに入って取り切れなかった自分たちという部分で、そこですごく大きい差があったんじゃないかなっていう風に思います。
ーー先ほどお話にもありましたが、セットプレー、特にスクラムを押されてしまう場面もあったと思うのですが、改めて振り返っていかがですか
やっぱり自信にしていたスクラムであれだけいかれてしまったというのは、チームにとってもすごく引っかかる部分になってしまったなと思います。秋に比べて(帝京大は)メンバーも変えてすごく対策をしてきていて、そこに対してやっぱり自分たちの組み方で組み切ることができなかったというのがすごく大きいと思うので、そこはしっかり自分たちの立ち返る場所というのに立ち返れなかったっていうセットプレーが、今回敗因としてすごくあったのではないかなと思います。
ーーアタック面に関してはいかがですか
今までサインプレーなどもすごく練習はしてきたのですが、さっきも言ったようにやっぱり一対一で勝たないと勝てない相手ということで、すごくそこを意識していたので、相手に対してプレッシャーをかけられて、その分サインプレーも上手くいったという部分で、そこは評価できる場所ではないかなと思います。
ーー改めて早稲田での4年間を振り返っていかがですか
いろいろなことがあって、すごくきつかったり、 時にはちょっとくじけそうになってしまったりしたこともあるのですが、自分の中でも今日4年間がやっと終わって、この4年間が有意義だったかというのは、これからのプレーや社会に出てどう生きていくかという部分で、僕らの4年間の価値が出ると思うので、そこをしっかり改めて考えながら頑張りたいと思います。
ーー最後に同期、後輩へのメッセージをお願いします
いろいろなところで迷惑をかけてしまったのですが、僕のような人間でも受け入れてくれて、 様々な背景を持った人たちが集まる良い環境でラグビーできたのはすごく楽しかったですし、そういう機会とかも滅多に経験できることではないので、やっぱりもう後輩たちにはその環境を思いっきり楽しんでほしいし、同期にはすごく感謝しかないので、ありがとうございましたという風に伝えたいです。
HO安恒直人(スポ4=福岡)
ーー率直に今日の結果を振り返っていかがですか
やっぱりもう悔しいの一言です。自分たちが今年こだわってきたスクラムでやられてしまったところが非常に悔しかったなと思います。
ーー今、お話があったようにスクラムで押されてしまう場面も多かったと思うのですが、どのような声かけがありましたか
ヒットのところを意識しようと言って今シーズン始まったので、やっぱりそこに立ち返って、毎回そのヒットのところで圧倒しようという声かけをしました。
ーー改めて早稲田での4年間はいかがでしたか
本当にすごく充実した4年間だったなと思います。ポジションが変わったり、いろいろな試合に出させてもらったりして、本当に人としてもラグビー選手としてもすごく成長できたなと思います。
ーー佐藤主将を始め、一緒に戦ってきた4年生、同期への思いはいかがですか
本当に4年間ありがとうという気持ちです。いろいろなことがあって、辛いこともあったのですが僕自身本当に同期に支えてもらってどの試合も頑張ることができたので、本当にありがとうと、これからもよろしくという感じです。
ーー最後にファンの方と後輩へのメッセージをお願いします
ファンの方にはいつも会場で応援していただいて、本当にありがとうございますの一言で、やっぱり校歌斉唱の時などにファンの皆さんが腕を振ってくれているのを見て、こんな多くの人に支えられているんだなと感じることができましたし、すごく支えになりました。後輩は、今日メンバーだった人もノンメンバーだった人も今日の悔しさというのは全員持っていると思うので、僕たちのようにというわけではないのですが、自分たちがこだわることを一年間本当にやり抜いて、ぜひ『荒ぶる』をつかんでほしいなと思います。
FL田中勇成(教3=東京・早実)
ーー今日の試合を振り返っていかがですか
力負けというか、1年間やってきたことを証明したかったけど、それができなかったことが悔しいです。
ーー4年生への思いは何かありますか
昨年負けてから、いろんな苦しい時もあって、それを4年生がずっと支えてくれて、それに自分は何もできなかったなと思います。
ーー自身のパフォーマンスを振り返っていかがですか
弱かったです。ボールキャリーでも、フィジカルの部分でも課題が残った試合でした。
ーーディフェンスリーダーとして自身の役割は果たせましたか
最後にトライを取られて、自分たちがやってきたディフェンスが通じなかったというか、それを次の1年間で見つけていくのかなと思います。
ーー来年に向けて今思っていることはありますか
4年生の年なので、この試合を経験している今の3年生がしっかり受け継いでやるしかないなと思います。
ーー来年もおそらくリーダー陣としてチームの中心になると思いますが、今日の経験をどう還元できると考えますか
この1年間も全てが間違いでは無いと思います。絶対に。何が良くて、何が悪かったのか、今後探していって、下級生に伝えていけたらなと思います。
LO栗田文介(スポ3=愛知・千種)
ーー今日の試合のコンセプトをお願いします
今日はコリジョンバトルというところで、コンタクトのところで負けないことを意識して試合に臨みました。
ーー今日のセットプレーについてはいかがでしたか
正直スクラムでは僕が滑ってしまうところがあって、そこでスクラムで負けてしまったのは僕の責任でもあるのかなと思います。
ーー帝京大との接点の部分はいかがですか
圧力はあったんですけど、戦えるところは戦えたのかなと思います。しかし最後の方はゴール前でのFWのところで負けてしまったのは、本当に反省しなければなりませんし、来季に繋げていきたいと思います。
ーー今年1年振り返ってみていかがですか
自分自身は正直怪我が多くて、本当にチームに迷惑ばかりかけていました。また、チームがいい状態の時に試合に出れない時には不甲斐なさがあったんですけど、決勝という舞台に立てたことには嬉しさもありますし、そこで勝ちきれなかったことには悔しさがあります。来年はこの悔しさを晴らさなければならないと思いました。
ーー今後の意気込みをお願いします
この悔しさを忘れてはならないと思いますし、来年こそは優勝して荒ぶるを獲って今年の借りを返したいと思います。
FB矢崎由高(スポ2=神奈川・桐蔭学園)
ーー試合を振り返って、よかったところと改善点を教えてください
最初に2本取られたけど2本を取り返せたところはよかったと思います。しかしディフェンスが機能しなかった部分があったので、そこが敗因かなと思います。
ーー2本取られてから2本を取り返す時、チームではどのように話し合っていましたか
相手に合わせるのではなくて、自分たちがやってきたことしか出せないので、やってきたことを出し切ろうと話していました。
ーー帝京大のディフェンスの圧力は前の試合と比べていかがでしたか
前ももちろん圧力はあったんですけど、今日は何本もいいタックルを決められて、早稲田が後手に回ってしまったのかなと思います。
ーー前の帝京大戦とは何が違いましたか
コリジョンのところで、帝京大が凄かったというよりか、早稲田が悪かったのかなと思います。
ーー今年1年を振り返ってどうでしたか
ラグビーに取り組む姿勢は日本代表に行ってエディーさんから教わった部分なんですけど、結果として大学選手権の決勝という舞台で勝ち切ることができなかったのは僕が全てを還元できなかったことでもありますし、来年はどうなるかは分かりませんが、チームにもっといい影響を与えていきたいです。
ーー4年生から学んだことは何ですか
今シーズンは健次くんや僕、服部に注目が集まっていたとは思うのですが、それを支えてくれていたのは4年生たちでした。下のカテゴリーの選手も身体を一生懸命張ってくれて、言葉だけではなくて姿勢でも示す部分はチームにいい影響をもたらしてくれたと思います。
ーー来年からは上級生になりますが、いかがですか
来年からは下の学年の選手のいい手本にならなければなりませんし、早稲田大学としても注目が集まると思うので、自分が持つ影響力を考えて行動しようと思います。
ーー今日の決勝で学んだことは何ですか
やはり決勝で勝ち切ることの難しさも学びましたし、自分たちに何が足りないのかをしっかり精査して、来シーズン以降の活動に繋げていけたらなと思います。
ーーファンの声援はいかがでしたか
80分間を通して本当に声援は力になったのですが、それを結果という形で恩返しをすることができなかったので、悔やまれるばかりです。
SO服部亮太(スポ1=佐賀工)
ーー今日の試合のコンセプトは何ですか
自分の武器であるキックを使いながら、早稲田のアタックの強みである展開ラグビーができればなと思っていました。
ーー前半、強い向かい風が吹いていましたが、ゲームメイクはどうでしたか
とりあえず奥に蹴ることを意識したり、自陣だったらしっかり脱出するところを考えていました。思ったよりも風が強くて、自分のキックを上手く活かせなかったので、そこはかなり悔やまれるところです。
ーーご自身のランが光る場面が多かったですが、いかがですか
前のスペースがしっかり見えていたので、そこでランを選択できたことは自信がついたということなのかなと思います。
ーー今年の1年間を振り返ってみていかがですか
かなり濃い1年間で、1年生からこのような大舞台に出させて頂いて嬉しく思いますし、またこの大舞台を経験したことは来年にもつながると思うので、来年は自信を持ってプレーしようと思います。
ーー最後に今後の意気込みをお願いします
来年もこの場にしっかり帰ってきて、必ず優勝をして荒ぶるを獲りたいと思います。