創部史上初の快挙!副将・中島瑞貴が講道館杯にて表彰台に登る

柔道

講道館杯全日本学生柔道体重別選手権大会 11月3日 群馬・高崎アリーナ

日本柔道の頂点を決する講道館杯全日本体重別選手権大会(以下、講道館杯)が11月3日、群馬・高崎アリーナにて開催された。早大からは主将・飯田健介(社4=福岡・南筑)、副将・中島瑞貴(スポ4=福岡・西日本短大付)が出場。その内66㎏級で中島瑞が3位入賞。中島瑞は講道館杯において早大柔道部創立以来史上初の表彰台となる快挙を果たした。

創部史上初の快挙を成し遂げ、表彰台に登る副将・中島瑞

中島は2週間前の全日本学生柔道体重別優勝大会(以下、尼崎)で、自身の黒星が早大の敗北につながったばかりだった。「この悔しさをなんとしても返したかった。」そう語る中島瑞は講道館杯に並々ならぬ想いで臨んだ。二回戦で対峙した山梨学院大・吉田を相手に序盤で消極的指導を一つ取られるが、その後ペースを取り戻し体落で一本。駒を進め東海大・福田と三回戦に挑む。序盤で技ありを奪われるものの、その後形勢を立て直した。試合開始1分半で大内刈を決め4回戦進出を決めた。パーク24(株)・藤坂を相手に激しい攻防を繰り広げるが技ありを取られ惜しくも敗退。敗者復活戦に挑んだ中島、GS(ゴールデンスコア)に持ち込まれる一進一退の展開となるがGS開始30秒、相手の隙をつき横車で一本収める。早大史上初となる講道館杯表彰台の座を争う試合へと進んだ中島瑞は開始より勢いを見せ、ペースを奪い畳を支配する。そして試合開始から2分過ぎ、小外刈で勝利を見事決めた。早大初の栄冠をつかみ、尼崎の雪辱を晴らした。

小外刈を決め、栄冠を掴んだ中島瑞

  飯田は講道館杯に三度目の出場となり、ベスト8の座も過去獲得している。最後の講道館杯、目指すは表彰台であった。初戦から激戦となり、GSにもつれこむ。一歩も譲らぬ攻防が続く中、GS開始から5分が過ぎようとする中、払巻込で技ありを奪い激戦を制した。続く二回戦も指導を互いに二つ取られ一進一退の展開の中、再び飯田の払巻込で技ありが決まる。次に挑んだ東海大・天野にGS約4分半で隅落で技ありを収められ、惜しくも敗退。「全力を出し切って負けたので後悔はない。」こう語る飯田の目は澄んでいて、柔道人生をやり抜いた自信に満ち溢れていた。

主将・飯田ベスト16進出を果たした

尼崎での雪辱を見事果たし、早大史上初の表彰台へと上り詰めた中島瑞。主将としては知り抜き、最後の個人戦を戦い切った飯田。二人の雄姿は今年の早大柔道部の勢いを象徴していた。今回の講道館杯での彼らの活躍は後輩へ想いとして伝わった。最後の舞台である早慶戦まで残り一か月を切る中、有終の美を飾るであろう。

試合後笑顔で大団円を迎える早大柔道部

(記事、写真 今村奎太)

結果

副将・中島瑞貴(スポ4=福岡・西日本短大付)  3位入賞 主将・飯田健介(社4=福岡・南筑)  ベスト16 コメント

副将・中島瑞貴(スポ4=福岡・西日本短大付)

――まず今回の全体の結果を振り返ってみていかがでしたか

 講道館杯は憧れの大会というか出場するだけでもすごい大会っていう位置付けで自分の中にありました。そこで入賞できたってとこに自分やったんだみたいな、後々感じる実感があります。めちゃくちゃ嬉しいです。

――今大会での目標は

 尼崎で悔しい結果に終わって、それも自分が黒星になってしまったのが本当に悔しくて、申し訳なくて、それをどうにか払拭しようという気持ちが強くて、それを今回返すために頑張りました。目標は、1回戦の相手が中高ですごいライバルだった相手で、何十戦負け越してるぐらいの相手でした。目標としてはその因縁の相手に勝つってことがありました。個人戦としては現役最後の試合だから、悔いなくやりきるようことを目標にしました。

――本日の試合で印象的なシーンはありますか

 2回戦目ですね。2回戦は密着戦の中で勝負にいけて、自分の最近練習していた内股の入りも大きく出せたのでその練習の成果がしっかり出たのが自分自身で印象的でした。

――大学4年間の集大成となりました。この4年間振り返っていかがですか

 最初の1、2年は結果は出ずに、苦しんで自分としてはパッとしない柔道でした。だけどコツコツやって、自分なりに早稲田の環境で取り上げられることで、人よりはやってきたつもりだって自信はつきましたね。そこから3年生で結果が出て、きつい時でも腐らずにコツコツやって常に一生懸命取り組む積み重ねをすることが大事だなってすごい思いました。

――最後の大学柔道となりますが、今後の目標はありますか

 社会人になって仕事と両立っていうとこが大変になってくると思いますが、今までこの早稲田での柔道生活で培ってきたノウハウを忘れずに植えつけて、自分の中で定着させて社会人でも続けたいと思います。目標としては、企業の名前を背負って講道館杯のこの舞台で入賞することです。

主将・飯田健介(社4=福岡・南筑)

――今大会での目標は

 目標としてはベスト4に入って、4月の地元福岡である選手権に出場することでした。

――今回の大会の全体を振り返ってみていかがでしたか

 結構普段から練習の成果を出すことができて、一試合目から簡単な試合じゃないってことはわかっていたんですけど、そこを勝ち切れて、二回戦の相手は1年前に負けた選手で苦手イメージだったんですけど、そこを勝てたのもよかったですね。三回戦の選手は手強い選手というのは知ってて、動画とか見ながら研究して臨んだんですけど惜しくも負けました。だけど、やってきたことを思い切って出した上で負けたので、悔いはないです。

――今回で三回目の講道館杯出場となりましたがこれまでと比較してみるといかがですか

 結果的に言うと、2年生の時が1番良くてベスト8で、だけど内容で言うと今年が1番良かったと思います。試合の運び方、技が2年前と比べたら全然違うって実感できました。その点はすごく成長できたなって思いました。

――早稲田、またこれまでの柔道生活4年間を振り返ってみていかがですか

 早稲田柔道部に入ってよかった、その想いが1番強いです。あとはやっぱり同級生に 強い選手たちがいて、そういった人と切磋琢磨しながら高め合いながら成長できたので、この4年間振り返ってよかったなって思います。 柔道をやって、本当に人として成長できたなって感じます。中学の時は本当に勝てない時期が続いたんですけど、 その悔しい思いが募って高校大学で頑張れて結果としては自分自身の納得する結果が得られたのでその過程で人として成長できました。

――最後の早慶戦、意気込みをお願いします

出場する全選手が普段の練習の成果をしっかり出せるようにすることが目標です。主将として盛り上げて、その上で勝ちます。