全日本ローイング選手権 6月20日~23日 東京・海の森水上競技場
隅田川での激戦から早2ヵ月。2021年に東京オリンピックで使用された海の森水上競技場で、全日本ローイング選手権(全日本)が開催された。社会人チームも出場する今大会は、9月に開催される全日本大学ローイング選手権(インカレ)の試金石ともなる重要な大会である。早大からは男女合わせて12種目に出場。男子フォアと女子ダブルスカルで全体3位に輝いた。
ラストスパートをかける男子エイト
男子では、小山知起(創理3=東京・早実)、中舛蒼士(社4=東京・早大学院)、松並大智主将(基理4=静岡・沼津東)、沢目真直(スポ3=東京・江北)が出場したフォアで、予選、準決勝ともに1着で通過。予選は10秒差、準決勝は4秒差と後続と大きく差をつけて決勝の舞台に進出した。決勝では社会人チームにこそ追いつくことができなかったが、大学チームには8秒差をつけ、クルー結成当初の目標であった全体3位で表彰台に上がった。社会人チームの壁は高く、最終的な目標であった全日本での優勝には届かなかったが、大学生チームに差をつけて勝利したことは、インカレに向けて大きな成果を得たと言える。松並主将は「やり切ったので次のインカレに向けて頑張りたい」と総括した。
全体3位入賞を果たした男子フォアのクルー
女子では、ダブルスカル、軽量級ペア、シングルスカルで決勝Aに進出。ダブルスカルには猪野日向子(スポ4=岐阜・加茂)と加藤真奈(スポ3=静岡・浜松西)が出場した。エイトにもダブルエントリーしていたため、2人で練習する時間はあまり多くなかったというが、猪野は「ダブルスカルは予選の時より一番良いパフォーマンスが出せた」と振り返った。結果は社会人チームも下して全体3位に輝いた。軽量級ペアには吉田紗英(商3=埼玉・早大本庄)と横田紗弥(スポ3=岐阜・加茂)の3年生コンビが出場。予選を1位で通過し早々と決勝A進出を決めたが、決勝では表彰台圏内のチームには大きく差をつけられての4位となった。シングルスカルには1年生の小野寺紗耶(スポ1=福井・美方)が出場。予選では敗れたものの、敗者復活戦に勝利すると準決勝を3位で通過し決勝Aへ進出した。しかし、決勝ではスタートからの差を縮めることができず全体6位で終えた。
全体3位入賞を果たした女子ダブルスカルのクルー
男女ともに全日本の舞台で2種目で入賞と一定の成果を残した早大。しかし、花形とも言えるエイトでは男女ともに決勝Aには進めず、その他の種目でも悔しさの残る結果となった。次なる舞台は9月のインカレ。全日本での経験をを生かし、さらにレベルアップした姿に期待したい。
(記事、小島大典 写真、権藤彩乃・長屋咲希)
※掲載が遅くなり申し訳ありません。
結果
M8+ 全体10位
C 前田蓮(文3=東京・早実)
S 川上拓海(スポ2=愛媛・今治北)
7 岡山凜之(スポ3=愛媛・松山東)
6 丸山渓太(スポ4=神奈川・逗子開成)
5 青木洋樹(スポ4=東京・成立学園)
4 上路達也(基理4=東京・世田谷学園)
3 遠矢陸人(スポ4・熊学大付)
2 原田燿輔(スポ3=静岡・浜松北)
B 滿園脩吾(スポ3=福岡・東筑)
M4+ 全体10位
C 片岡凌(スポ2=東京・小松川)
S 亀田純一郎(スポ3=東京・小松川)
3 佐藤淳平(法2=埼玉・早大本庄)
2 林田颯月(スポ1=熊学大付)
B 谷口俊之輔(政経4=東京・早大学院)
M4+ 全体3位
S 小山知起(創理3=東京・早実)
3 中舛蒼士(社4=東京・早大学院)
2 松並大智主将(基理4=静岡・沼津東)
B 沢目真直(スポ3=東京・江北)
M4× 敗者復活戦2組 4着
S 平賀俊丞(スポ1=東京・小松川)
3 白山惺之(政経1=東京・早大学院)
2 青山純也(スポ1=静岡・浜松西)
B 齋藤智規(先理3=東京・早大学院)
LM2ー 全体7位
S 榎本拓海(商4=東京・早大学院)
B 宮澤光樹(スポ1=長野・諏訪清陵)
M1× 全体14位
S 柘植充(スポ4=岐阜・加茂)
W8+ 全体7位
C 仙田早紀(文4=埼玉・浦和一女)
S 猪野日向子(スポ4=岐阜・加茂)
7 加藤真奈(スポ3=静岡・浜松西)
6 緒方美奈(スポ2=熊学大付)
5 小野紗耶果(スポ2=長野・諏訪清陵)
4 村田友佳(スポ3=東京・墨田川)
3 藤倉望妃(スポ2=栃木・佐野)
2 横田紗弥(スポ3=岐阜・加茂)
B 吉田紗英(商3=埼玉・早大本庄)
W4+ 全体8位
C 仙田早紀(文4=埼玉・浦和一女)
S 緒方美奈(スポ2=熊学大付)
3 小野紗耶果(スポ2=長野・諏訪清陵)
2 村田友佳(スポ3=東京・墨田川)
B藤倉望妃(スポ2=栃木・佐野)
OW2× 全体3位
S 猪野日向子(スポ4=岐阜・加茂)
B 加藤真奈(スポ3=静岡・浜松西)
LW2ー 全体4位
S 吉田紗英(商3=埼玉・早大本庄)
B 横田紗弥(スポ3=岐阜・加茂)
OW2ー 全体9位
S 近藤果凜(スポ2=東京・小松川)
B 岡本心奈(スポ2=東京・小松川)
W1× 全体6位
S 小野寺紗耶(スポ1=福井・美方)
コメント
ーー全日本で3位に入賞した今のお気持ちは
加藤 短い(練習期間で)あまり一緒に乗れなかったので、1回1回の練習を優勝目指して頑張ってきました。前半から攻めたレースにしようと思っていたのですが、ラスト差し切れなかったのがすごく悔しいです。
猪野 正直なところ、ずっと金(メダル)を狙ってたので悔しい思いはあります。この悔しさをバネにインカレもまたこの2人でダブル(スカル)を組む予定なので、そこでしっかりとリベンジしたいと思います。
ーー早慶戦から全日本までの間の練習はどのようにやってきたか
猪野 エイトとのダブルエントリーだったのですが、ダブルスカルの練習と半分半分くらいでやってました。
ーー4日間のレースを振り返って
猪野 予選の時は2本で中日がエイト、最後がダブル(スカルの決勝)となってたのですが、ダブルは予選の時より一番良いパフォーマンスが出せたなって思います。
ーー今朝は大雨でしたが水上のコンディションは
加藤 涼しくてよかったです(笑)。
猪野 雨が降っていたからといって、特にコンディションは変わらなかったです。順風だったので風に乗る感じが良かったです。
ーー決勝に挑む前にお二人でどんな話されましたか
加藤 すごい2人とも緊張しちゃうほうなので、「大丈夫大丈夫」って声かけあってました。
ーーインカレに向けて意気込みをお願いします
猪野必ず優勝したいと思っています。私は日本代表で海外に行ってしまうので、2人で練習する期間が1週間ぐらいしかないのですが、お互い離れてても1人1人がレベルアップした上で、8月の終わりから練習をして必ず金メダルを取ります!
――3位入賞した今のお気持ちは
松並 優勝はできなかったのでゴールした時はやっぱり悔しいと思いましたが、やり切ったので次のインカレに向けて頑張りたいという気持ちです。
小山 そもそもこの大会が始まる前は3位が目標で、 大会が進むにつれて1位を目指そうという方向性に変わっていったのですが、それでは1位を狙って来ているチームには敵わないなというのを改めて感じました。自分は来年があるので、来年こそは1位を目指して練習をしていければいいかなと思います。
中舛 まず全日本でメダルを取れたことはすごくうれしいです。この4人はエイト(のメンバー)から漏れたというか、技術的なところで課題があってまとめられて組んだメンバーだったので、ここまで来れるっていうのは組んだ当時はあまり思っていませんでした。練習していくうちにものすごく仲も良くなって、しっかり話し合って高め合いながら、ここまで来れたというのはすごく楽しかったです。
沢目 この4人でやれて良かったというのが一番です。僕は本当にエイトに乗りたいとかはそんなに思っていなかったです。 この4人でこうやってできたことが良かったし、表彰台に登るという最低限の目標を達成できたことは僕らの自信につながったと思います。インカレでもエイトに乗るとは思っていませんが、早稲田の勝利に向けてみんなで頑張っていきたいです。
中舛 できるならこの4人でインカレで金メダルを目指したいです。