【連載】全日本大学女子選手権直前特集 第4回 築地育×大山愛笑×﨑岡由真 

特集中面

 第4回はMF築地育(スポ4=静岡・常葉大橘)、MF大山愛笑(スポ2=日テレ・東京ヴェルディベレーザ)、FW﨑岡由真(スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)の3人。ア女の攻撃の要となる3選手に今季の振り返りとインカレへの想いを伺いました。

※この取材は11月28日に行われたものです。

「自分たちはどこに入っても挑戦者としてやらないといけない立ち位置」(築地)

他己紹介をする築地

――まず築地選手の他己紹介からお願いします

大山 一言で言ったら元気な人です。常に明るくて1番元気があって、育さん見てたら笑える、笑顔になれるなっていうのが1番イメージが強いです。ピッチ外ではそういう面が際立っているからこそ、1番メリハリがある人だなっていうのは感じていて、チームに必要な言葉、その時に言わないといけないことを的確にチームのために言葉でもプレーでも示してくれる人だなと思います。

﨑岡 育さんは明るくて面白い性格です(笑)。いろんな人を巻き込んで笑顔にしたりチームのムードメーカーで明るい雰囲気にしてくれる存在で、ピッチ内ではチームのためを思って発信したり、高いレベルでやるべきだということを常に示してくれる存在です。

――お2人の紹介を聞いていかがですか

築地 自分が意識している部分や、性格の部分を的確に話してくれて、でも改めてこうやって言われると恥ずかしいなっていうのはあります(笑)。

――次に大山選手の紹介をお願いします

﨑岡 愛笑は意外とフワフワしてて、よく笑う。同期といても、愛笑の笑いにつられてみんな笑うみたいな時があって一緒にいて楽しい存在です、ピッチ内では、目が後ろについてるんじゃないかってくらい広い視野でいろんな所に配球してくれたり、ゴールにつながるプレーをしているところが1番尊敬する部分です。

築地 由真が言ったように、愛笑はフワフワしててピッチ内でもフワフワしてるなっていう部分があるけど(笑)、世界と戦ってる愛笑の技術だったり感覚の部分がすごく高いのはプレーを見ていれば分かるので、そういう部分でチームにどういうサッカーをしなければいけないか示してくれているなというのはあります。あんまり感情を表に出さないタイプだけどサッカーに関する思いというのはすごく持っていて、それがたまに見えた時に自分も愛笑の思ってるものに応えたいなとか、チームとしてもっとより良い方向に持っていきたいなと刺激をくれる選手でもあるから、誰もが思っていると思うけどチームに欠かせない存在です。

――お2人の紹介を聞いていかがですか

大山 そんなに自分の思っていることだったり感情を外に出さないけど、由真も育さんも自分のことを限られている出ているものから認識してくれていて嬉しかったです(笑)。

――最後に﨑岡選手の紹介をお願いします

築地 由真もあまり感情は外に出ないし、ピッチ内外でチームに対してどういう矢印が向いてるか分かりにくい部分もあるけど、由真は関カレの試合に出ることも多いし、去年に比べてプレーの部分で、「負けたくない」とか「チームのためにやらなきゃ」というのが出てきてるっていう成長が見られるのが自分は嬉しいなって思うし、それを逆にもっともっと周りにも伝えられるような選手になって欲しいのが自分の希望で(笑)、ピッチ外でも同じように何考えているかあんまり分からないけど、2年生になって学年が上がった中での責任感っていうのは徐々に感じてきてくれてるのかなっていうのは思っています。あと、1番かわいい(笑)。みんな言うけど、ア女のアイドルです(笑)。

大山 小学生の頃から知ってるんですけど、その時からあまり変わっていないというか、優しくて自分と似ている部分というか、人との距離感が近くて、一緒にいたら気づいたら近いみたいな時が結構あります(笑)。あとは、同期で一緒にいる時にぱって目があって、めっちゃ笑ったり、急に笑っちゃうというか…(笑)。

築地 大丈夫?これ記事になる?(笑)

大山 あとピッチ内は、チームのために守備とか前から追ってくれたりしますし、苦しい時に点を取ったり、チームを救ってくれて助かる部分があるなっていうのと、個人的に自分がボールを持ったら信じて動き出してくれるのでパス出す側としてありがたいというか、やりやすい選手だなと思います。

――お2人の紹介を聞いていかがですか

﨑岡 自分の中でも学年が上がって、より「チームのために」という気持ちを強く持っていたので、その部分が伝わっているのはすごく嬉しいけど、その上でもっと発信するという点では成長していきたいなと思いました。

――次に、先ほども少しお話がありましたが、お互いの初対面の時のことをお伺いしたいです

築地 あんまりなんか1年生として入ってきた時に「由真!」とか「愛笑!」って意識して見なかったから全体の雰囲気で言うと、すごい物怖じせずに環境に慣れようという姿勢が自分たちからしたらあり得なくて(笑)、史さん(後藤史監督、平21教卒=宮城・常盤木学園)とかにもグイグイ話しかけられるし、でもその割に練習中にプレーのことを言ったりはしないっていうか。向上心で自分はどうしたらいいかっていう吸収力はすごいけど、周りにどうしてほしいかっていうのはあまりなかったから、すごい変わった学年に入ってきたなと思いました。自分たちの1個上の先輩たちが出す雰囲気っていうのはもちろんあったと思うけど、自分たちが1年生の時は絶対こんなに話しかけられないとか、そういう部分の壁を1年生の方から超えに来てくれる空気があったから、そういった部分は印象的です。個人個人というよりかは学年の色はそんな感じだったなって思います。

大山 由真は、小学校の時は…小さかったよね(笑)?

一同 (笑)

大山 自分が小学生の時大きかったのもあるんですけど、小さいイメージです。

――小学生の時は何をきっかけに初めて会われたんですか

大山 トレセンが一緒でした。

――プレーのイメージとかはありますか

大山 フォワードじゃなかったよね?

﨑岡 うん、フォワードは中学生から。

大山 イメージは、速い。まあ今も速いんですけど、速いイメージはありました。

――﨑岡選手は大山選手の初対面でのイメージは何かありますか

﨑岡 小学生の時から、蛍光マウスピースで(笑)。

築地 え、マウスピースしてたの?なんで止めちゃったの(笑)?

大山 矯正しててそれを守るためにやってたんで(笑)。

﨑岡 でもその印象が強くて、すごく存在感がその時からあって、一緒にやってたけどなんかすごいオーラがありました。

――大山選手、﨑岡選手は築地選手の初対面での印象は覚えていますか

大山 マジで元気な人、今と変わらず(笑)。

築地 あまり自分から後輩にいくことがなかったから、1対1で話すとかはそんなになかったよね。

――オフだったり、普段部員の方と過ごす時は誰と交流が多いですか

﨑岡 美羽(川本美羽、スポ2=新潟・帝京長岡)とかはよく一緒にいて。空気感が合うというか話とかもしやすいし、美羽のすごく芯をしっかり持っているところとかを尊敬しているので、よく一緒にいることが多いです。

大山 同期だったらみゆき(新井みゆき、スポ2=埼玉・浦和レッズレディースユース)と一緒にいることが多いかなと思います。

築地 自分は心菜(石田心菜、スポ4=大阪学芸)が多いけど、基本的にはオフの日とかもア女の人とはいないし、グラウンドに来ても近くにいた人に絡むことが多いから、ずっと一緒にいるかって言ったらそうでもないし、面白そうなところに引き寄せられていくから(笑)、その時の自分のアンテナで移ってるから、この人っていうのはあんまりないです。

――ア女に入ってから、高校と大学のサッカーの違いはどのように感じましたか

築地 自分は高校が部活だったから、部活っぽい感じの部分は変わらずにというか、より洗礼されたのがア女って感じで、でも大学の部活っていうよりかは「ア女」としての色っていうのがすごく濃いから、そういう点では高校と違って頭を使わなければいけない部分がたくさんあって、全然違うなって思います。

大山 6年間ずっとクラブチームでサッカーしてたので、部活に入ってきて最初は部活っていう雰囲気に慣れていくのが大変だった部分はありました。それまでは、サッカーしかしないというか、サッカーするためにグラウンドに行って試合してっていうのを繰り返してました。ア女に来てピッチ内でも人として成長できる部分があると思うし、早稲田を背負って戦うところ、今まで何かを背負って試合に臨んだことはあまりなかったのでその部分は大学に来て新しく得られたものだったかなと思います。

﨑岡 私も6年間クラブチームで、部活っていうが新しい挑戦だったので緊張してて、「どんな空気感なんだろう、怖いんじゃないか」って思っていたんですけど、ア女の雰囲気は全く違ってフレンドリーで、先輩後輩関係なく仲良くてすごく明るい雰囲気が1番感じられました。さっきもあったんですけど、その時から自分から発信するっていうのはしてこなかったんですけど、ア女の先輩たちが自分が思ってることだったり、チームに対して感じることだったりを常に直接自分の言葉で全体に伝えるっていうことをしていて、それがすごく刺激的だったなと思っています。

「(﨑岡は)自分がボールを持ったら信じて動き出してくれる」(大山)

対談中の大山(左)と﨑岡(右)

――ではここからは今シーズンのサッカーについてお聞きしたいのですが、怪我で離脱していた期間なども含めてそれぞれ印象に残っている試合はありますか

築地 自分は去年はパッと思いついたけど、今シーズンは勝っても、負けたり引き分けの後もその結果よりも内容をすぐに振り返ることが多くて、学年が上がったからなのか分からないけど、これが1番印象に残っているというのがすぐに出てこないです。自分の感情よりもチームがどうだったかを考える試合の方が圧倒的に多かったから…。強いていうなら皇后杯の関東予選(9月1日、第46回全日本女子サッカー選手権大会関東予選1回戦東京国際大戦、●0-1)。1回戦の半分もやっていなくて、試合の内容もだし、40分で終わるっていうのも初めての経験だったし、それで皇后杯が終わったというのが、自分の感情が大きく動いた試合だったのかなと思います。全部できなかったことにも、皇后杯が終わったということにも、それまでの試合の中で起きたハプニングにも怒りが湧いてきて、でもそれをぶつける場所はないし、それをぶつけたとしても変わらない結果というのに自分が1番感情的だったかなと思います。

――レギュレーションの関係もあり、皇后杯1回戦で敗退となりましたが、チームとしてそこからどう切り替えたのですか

築地 正直そこから立て直せたかと言われたらそんなことなくて、フルでできなかったっていうこともあるけど、それ以前に中断の段階で失点していて、自分たちは点を取れていなくて、そこまでの入りはどうだったかとか、挙げたらキリが無かったし、すぐに切り替えてどうしたら良かったかとかチームで話し合えていたかとか、1回中断している時にチームでその状況を改善できていたかっていったら、それができていなくて、チームも個人もそれぞれ1番弱いところが出たなっていうのがあります。それが今シーズンのチームの1番の課題だったからこそ、その瞬間に改善できたかといったらそうではなくて、今もそういう課題と向き合ってインカレに向けて準備しているなっていうのが自分の中ではあります。

――﨑岡選手の印象に残っている試合はいかがですか

﨑岡 後期の東洋大戦(10月26日、関カレ後期10節、●3-4)です。結果としては敗れてしまったんですけど、1回逆転をして、また相手に逆転されてしまって、1番は勝ちきれなかったことがすごく悔しかったので印象に残っていて、あとはキャプテンの分まで頑張りたいって思っていたからこそ、より悔しい気持ちが大きかったです。この試合は、敗れてはしまったんですけど、自然とピッチの中で声が多く出てたかなと思っていて、チームとしてチーム全員で戦えていたなっていうのは実感しました。だからこそ、最後の勝ちきる部分というのを詰めていかなければいけないなと感じた試合でした。

――これまで対談した選手も東洋大戦は前半すごく苦しかったと話していましたが、後半はすごく立ち上がりが良かったと思います。実際やっていて盛り返せるという雰囲気があったのですか

﨑岡 後半の入りからペースも掴んで、前半の反省点を後半で切り替えてできたと思います。

――大山選手の印象に残っている試合はいかがですか

大山 後期に関しては多分半分くらい出れてないと思うので、自分の中でも由真が言ってたように1番となると東洋大戦が頭に浮かんできていて、結果的には負けてしまったんですけど、今までで1番と言ってもいいくらい自分たちがやりたいサッカーができていて、自分たちが練習でやってたことも試合の中で発揮できていたから、勝ちきるところだったり、最後のところはもっとやらなきゃいけないと実感したけど、それ以上に自分たちのやりたいサッカーがちゃんと通用することっていうのはその試合で1番感じられたので、結果は負けちゃたけど、前向きに捉えられる試合だったかなと思います。

――インカレの組み合わせも発表されて東洋大が反対のブロックになりましたが、帝京平成大や山梨学院大は同じブロックということで、その点についてはどういう風に感じられていますか

築地 自分たちはどこに入っても挑戦者としてやらないといけない立ち位置にいて、現状自分たちがやってるサッカーも完成度的にはまだまだどこに入ったから有利とか言える状況じゃないなと思っていたから、どの山に入ってどことやってというところはあまり気にならなかったです。

﨑岡 山梨学院大と同じ山ということで、やっぱり前回敗れた悔しさは大きかったので絶対に勝ちたいなと思っています。

大山 相手がどこだとしても自分たちがやるサッカーは変わらないですし、日本一を取るために1試合1試合勝って、東京に戻ってきて最後までやることっていうのはみんなが共通して思ってることだと思うので、相手はそんなに気にならなかったです。

――築地選手と大山選手は中盤のポジションで近いと思いますが、試合中はどういったコミュニケーションを取られているのですか

築地 そんなにだよね(笑)。悪いのか良いのか分からないけどそんなにお互いのプレーについて言うことはなくて、でもチームとして大事なところだけはお互い話すようにしています。攻撃中どっちが残っておいたほうがいいかとか、どっちかのサイドに追い込んだ時にここにはいてほしいとか本当に必要最低限で、中盤が個性が強いのもあるからお互いの持っているものを最大限引き出すためには、そのやり方が今はまってきてるのかなって。持ってる感覚とかイメージをそれぞれが出していって、その都度戦術として組織として合わせないといけない部分は話してるなとは思います。自分は自然とお互いの動きを見ながらちょっとずつ調整できているという感覚はあります。

大山 確かにそんないろいろ喋るとかはないんですけど育さんのプレーというか、育さんがこういうことしたら自分はここに動いてこういうプレーした方がいいのかなっていうのを自分の中で考えてプレーするっていう、喋らなくてもプレーが完結できているので分かり合えてるのかなって思います。

――﨑岡選手は今シーズン最初はトップで、後期はサイドの方でプレーされていましたが、それはご自身で役割というか、どういったところが求められていたと思いますか

﨑岡 サイドでは、私は結構スピードにのってどんどん仕掛けるようなタイプではないので、収める基点になるとか、時間を作るっていうことを意識していてその中でもやっぱりフォワードをやっていたこともあって得点という部分は自分の中でも意識していて、サイドであっても得点で貢献できるようにしています。

――お2人から見て﨑岡選手のプレーはいかがですか

築地 さっき愛笑も言ってたけど由真の動きだしっていうのは、由真にしかないタイミングがあって、自分がボールを持ってなくてパスを受けた後に由真が3人目っていうイメージがすごくできることが多くて、ただそれは自分が受けなかったら由真に出せないから結構、「今見えてたよ。」「今のナイスランだったから自分がもし受けれてたら出せてたよ。」っていうコミュニケーションをとることは多くて、試合映像とか見てても相手の最終ラインの逆をつくような抜け出しとかタイミングっていうのがあるから、そこは由真の武器なのかなって思ってます。ア女は結構細かいパスを繋ぐことが多いから足元で収めるっていう役割が多くなりがちだけど、そういう由真の抜け出しの部分も使えたらもっとチャンスが作れるなというのはいつも思っています。

大山 自分がボールを持ったら信じて動き出してくれますし、自分のプレーの特徴としてパスを出す前は見てるんですけど、トラップしてとかダイレクトで出すって決めた時は前の人を見ないことが多いので、時にはそれが難しくなってしまう部分が受ける側からしたらあると思うのでそれは申し訳ないなと思うんですけど(笑)、出したいところにいつもいてくれるのでやりやすいです。

――﨑岡選手はお2人とプレーしていてどのように感じますか

﨑岡 育さんとはプレーが合わなかったり、繋がらなかった後でも、「分かってたよ。」って言ってくれたりコミュニケーションをとっているので何回も動き出そうって思えるし、繋がれてる分、決定的なゴールにつながるパスを受けて育さんからのアシストでゴールを決めたいなっていうのは思っています。愛笑も言ってたんですけど、「愛笑だったらパスが出る」って信頼していて、目が合わなくても「愛笑なら出るだろう」ってタイミングで動き出しをすることは絶対に止めないって決めているので…そう(笑)。

一同 (笑)

――実際にシーズン中築地選手は教育実習だったりWEリーグの活動、大山選手はW杯もあり離脱した期間がありましたが、合流した時にチームに対して変わったと思ったことや、こういうところを伝えようと思っていたことはありますか

築地 チームを離れていてもチーム内の状況が今どういう雰囲気なのとか、どういうサッカーで課題が出ているのかっていうことは同期ともだし、自分でも確認するようにしていて、場所は違うけど一緒に戦ってるってところは自分がそう思っているのもそうだし、チームにいる人にも感じてもらえるように、理解してもらえるようにっていうのは自分の中でもずっと意識していました。自分は普段から結構厳しいことをチームに伝えているからこそ、何が変わったかっていう部分よりかは、どこが変わっていないかっていうのを離れて見れる部分が離脱期間はあったから、それを戻ってきた時に見て伝えるっていうのは結構やり続けました。

大山 皇后杯の関東予選だったり、関カレの延期した分は試合の時にいなかったのでチームが勝てていない状況なのも時差はあったんですけどできる限り試合を見て、場所は違うけどどういう状況でっていうのをみんななから話を聞いたりもしていて現状は理解していたので帰ってきた時に言葉で伝えるのは苦手なのでプレーで何か変えられたらいいなと思っていました。

――大山選手は、U20ワールドカップが開催された8月の中旬から1ヶ月近くコロンビアでの滞在でしたが、海外での生活はいかがでしたか

大山 標高が高くて富士山の5合目くらいらしいんですけど、行った時はホテルの階段を3階分登るだけでも息が切れたり、ジョギングだけでもきついみたいな過酷な環境で、8月とかだったけど朝晩に関してはベンチコートが必要なくらい寒かったので日本とは真逆って言っていいような環境で、中2日で7試合やったのは正直きつかったです。1日の生活で見たら比較的自由な時間は多かったんですけど、世界一を目指して日本を背負って戦わなきゃいけないっていう責任だったり前回の悔しさを背負いながら過ごした1ヶ月だったので、体も心もちゃんと疲れてたなと思います。

――﨑岡選手は大山選手が帰ってこられて、何か感じたことはありましたか

﨑岡 長い間いなかったので愛笑が帰ってきてくれた時には嬉しいって感情が1番にあって、愛笑がさっきプレーで示すって言ってたんですけど、個人的にはスピード感だったり守備の強度が上がっててすごく刺激になりました。

――それを聞いていかがですか

大山 嬉しいです。守備の部分は自分の中でも苦手というか短所だと思っていて、でもW杯でそこの成長した部分を見せるために半年間ずっとやっていて、あっちで努力した成果が出せたなと思う部分もあったので、それを帰ってきてみんなに感じてもらえたのは嬉しいです。

「決勝の舞台で去年の悔しさを晴らすために必ず日本一になりたい」(﨑岡)

インカレへの意気込みを語る大山

――ここからはインカレについてお伺いしたいと思います。率直にインカレについてどういう思いや印象がありますか

﨑岡 まずは今まで積み上げてきたことを最後に出す大きな大会で、トーナメントですし負けたら終わりなので、一瞬でも気を緩めることはできない戦いが始まる中で、チームとしても個人としてももっと強くなった状態でインカレに臨みたいっていうのがまずあります。去年の悔しさもあって、やっぱり日本一になりたいから日々の積み重ねを、残り少ない時間ですけど、こだわってやっていかないといけないなと思っています。

築地 由真が言ってた通り、1年積み上げてきたものを出す場所でもありますし、何よりも結果の部分が1番求められる大会なのかなと思います。

――築地選手は1年生の時にインカレ優勝も経験されていると思いますが、その点についてはいかがですか

築地 1年生の時は優勝したし、一応少しだけピッチに立たせてもらえてその瞬間を味わえたけど、正直自分が日本一に貢献したかって言われたら何にもしてないなって思ったから、まだ自分の中では日本一になったことがない感覚の方が強くて、それを踏まえても最後のチャンスっていうのは自分の中で思っています。今シーズンのチームの積み上げが本当に日本一に向けて近づいているのかっていうのがなかなか感じられないシーズンだったからこそ、「まだこれもやらなきゃ」「あれもやらなきゃ」っていう足りない部分の方が自分の中ではまだまだあるから、そういった部分で、不安まではいかないけど焦りっていうのはまだこの段階でもあって。でもそれを何回考えても、最終的にインカレになった時に100%出せる状態じゃなかったら、どんなに積み上げられていても意味ないと思うから、その日になってみないと分からないなっていうのが正直な気持ちです。個人としては、4年生とかそういうのを取っ払った時に自分に対して「良かった」って思えるプレーをして終わりたいなって思うし、早稲田のユニフォームを着るのも最後だと思ったら、今はチーム全体のバランスとかを考えてやってる部分が大きいけど、自分がいつも言ってる「ワクワクドキドキするプレー」っていうのはぶらしちゃいけないなって思うので、その部分をしっかり出して暴れたいなっていうのが今1番あります。

――大山選手も去年のインカレでは大活躍をされていた印象がありますが、大山選手個人としてインカレに対する印象はありますか

大山 去年に関しては、1つの大会で何点も取るのもそうですし、全得点に絡むのも初めてだったし、正直奇跡だと思っているので(笑)。去年、その目に見える結果を個人として出せたっていうのをあまり気にせず、チームのために、みんなで日本一を取るために戦わなければいけないっていうのはあります。今年は代表もあったので、自分は目立つタイプじゃないと思うんですけど、代表に選ばれていたからにはそれに値するプレーをちゃんと示さないといけないなと思います。

――今回のインカレの注目選手をそれぞれ教えてください

築地 はる(杉山遥菜、スポ2=東京・十文字)。今2年生っていう立場だけど、最終ラインで真ん中をやってて、自分もプレーしていて練習でも守備の統率っていう部分ではるにいろいろ頼んだり、責任の大きい役割を任せることが多いです。それこそさっき言った皇后杯の関東予選では、はる自身がどうかは分からないけど、自分から見たら緊張とかプレッシャーでいつものプレーができていない部分があったから、そこの成長っていうのを個人的に期待しています。これを言うとまたプレッシャーかけるみたいになっちゃうけど(笑)。でも自分が卒業してからも、きっとチームを引っ張っていく存在になるなって思うから、それをプレーでもプレー以外の部分でも思いっきり出していってほしいなという期待も込めて、はるです。

﨑岡 キャプテンの田頭花菜さん(スポ4=東京・十文字)。1年間を通して誰よりもチームのことを思ってたと思うし、熱い気持ちを持っていると思います。プレーでも1番後ろからチームを支える存在なので、花菜さんの体を張ったプレーとか、チームを鼓舞する姿勢に注目してほしいです。

大山 万尋(三宅万尋、スポ1=東京・十文字)かなと思います。自分たちがボールをしっかり繋いで、細かいパスワークでゴールまでいくっていうサッカーをしたい中で、万尋のスピードだったり突破力の部分は、繋ぐサッカーを最後仕留めるところでもあるかなと思います。自分でゴールにもいけると思うし、最後にクロスをあげたり得点につながる部分でも仕事をしてくれると思っているので注目してほしいです。

――最後にインカレの意気込みと自分のプレーで注目してほしいところを教えてください

﨑岡 まずは1戦1戦、目の前の戦いに集中して勝利を積み重ねて、最後決勝の舞台で去年の悔しさを晴らすために必ず日本一になりたいです。個人としては、去年と比べるわけではないけど、去年は1得点だったので、今年はそれを超えて多く点を取ってチームの勝利に貢献したいなと思っています。

大山 今まで積み上げてきたことを存分に発揮して、自分たちが自信を持ってプレーすれば結果はついてくると思うので、そこは1番こだわりたい部分です。でも、去年目の前で日本一を逃しているので、今年こそは頂点を取って、最後みんなで笑いたいなと思っています。プレーの部分では、見ている人も想像できないようなパスに注目してほしいなと思います。

築地 シーズンを通して日本一の基準を求め続けてきました。それを自分が表現し続けてきて、最後にそれを表現できる場がこのインカレだと思うので、今まで通り変わらず日本一という目標を試合が終わるまで求め続けるのが自分の役割だと思っています。そこは最後までぶらさずにやりたいです。プレーの部分では、今シーズンは守備を重視することが多く、これまでのようにゴール前に絡むことが少なかったですが、攻撃の部分でも関われるタイミングを自分の中で増やしたいなと思っています。あとは、見ている人が「面白いな」「ア女ってすごいな」と思ってもらえるようなプレーをしたいです。今年の4年生が決めたスローガン「翔頂(しょうちょう)」にはその想いが込められています。日本一になった時に、その結果だけじゃなくて、「ア女だったから良かった」「ア女だったから日本一になったんだ」と思えるような瞬間を、自分たちもチームで作りたいです。

 ーーありがとうございました!

(取材 熊谷桃花、荒川聡吾)

インカレへの意気込みを書いていただきました!

 ♦大山愛笑(おおやま・あえむ)写真右
2004(平16)年9月19日生まれ。158センチ。日テレ・東京ヴェルディベレーザ出身。スポーツ科学部2年。オフの日にはお出かけにいくという大山選手。家族と一緒にお出かけすることが多いそうです!

♦築地育(つきじ・いく)写真中央
2002(平14)年11月13日生まれ。161センチ。静岡・常葉大橘高出身。スポーツ科学部4年。オフの日は一歩も家から外に出ないこともあるという築地選手。動くと疲れてしまうため、極力動かないようにしているそうです!

♦﨑岡由真(さきおか・ゆま)写真左
2004(平16)年6月15日生まれ。163センチ。埼玉・浦和レッズレディースユース出身。スポーツ科学部2年。温泉が好きだという﨑岡選手。家族や友人と温泉へ出かけることが多いそうです!