冬季オープン戦 12月7日 対東海大C 早大・上井草グラウンド
雲一つない青空の下、冬の深まりを感じさせる冷たい風が吹く早大・上井草グラウンドで、早大Cと東海大Cのトレーニングマッチが行われた。ゲームはロースコアの接戦に。序盤から東海大Cの力強いコンタクトに押され、エリアマネジメントに苦戦する早大C。拮抗した試合展開の中、先に2トライを奪われた。前半終了間際に1トライを返し、7ー10となんとか点差を縮めて試合を折り返した。後半に入ると早大Cの攻撃が繋がり始める。ポゼッションで優位に立ち流れをつかむと、序盤で逆転に成功する。しかし、東海大Cの圧力を前に、連続得点を挙げられず再びリードを奪われてしまった。それでも集中を切らさず、粘り強く敵陣で攻撃を継続し、終盤に再逆転。そのまま逃げ切り、17ー15と僅か2点差の接戦を制した。
試合は東海大Cのキックオフで開始。早大はSO田中大斗(教1=東京・早実)を中心にキックを使ったエリア戦術を仕掛ける。しかし上手く陣地を広げられず、東海大Cの勢いあるキャリーに押し込まれていく。ゴール前で立て続けにラインアウトのピンチを招き、最後は連続攻撃からディフェンスを崩され先制トライを許した。その後も東海大Cの攻撃は続き、セットプレーでも押し込まれる苦しい立ち上がりの早大C。粘り強い守備で我慢の時間を過ごすも、30分にはゴール前のモールからついに追加点を奪われリードは10点に広がった。迎えた前半終了間際、粘り強い守備から徐々にエリアを回復していくと、敵陣で攻撃を重ねる。勢いそのままにゴール前まで侵入すると、最後はLO小松輝也(スポ2=大阪・常翔学園)が反撃のトライを挙げた。SO田中のゴールキックも決まり、7ー10と点差を縮めて試合を折り返した。
後半に入ると早大はボールを保持しアタックを継続する戦術に切り替える。横に広く攻撃を展開し、東海大Cの陣地に襲いかかった。フェイズを重ねインゴールに迫ると、BKが大外まで巧みに繋ぎきり、CTB佐々木豪正(文2=東京・早実)がゴールラインを割る。後半8分と早い時間帯で逆転に成功した。流れに乗った早大Cは高いポゼッションを保ちながらエリアの攻防でも優位に立った。しかし、東海大Cの激しさは衰えず、攻め込まれながらも堅いコンタクトでインゴールを明け渡さない。試合は前半同様に硬直状態に入った。試合を動かしたのは東海大C。後半22分のモールを起点に早大Cは陣地深くまで一気に攻め込まれ、力強い突進を止めきれずに12ー15と再びリードを奪われてしまった。しかし集中を切らさなかった早大Cは、その後も持ち味の連続攻撃で着実にゴールラインに迫り、ゴール前で東海大Cディフェンスを翻弄。後半33分のチャンスの場面でCTB藤井雄士(社1=北海道・札幌山の手)が左サイドへキックパスを送ると、大外で待つWTB小澤アンディ(法3=千葉・流経大柏)が受け取りそのままインゴールに飛び込んだ。17ー15と再逆転に成功し迎えた最終盤。東海大Cの執念の反撃を受ける。ゴール前でラインアウトから東海大Cがモールを形成し早大Cのインゴールに迫った。このピンチにFWが奮起し東海大Cの反則を誘うと、続くスクラムでもペナルティーを獲得し、危険なエリアを脱した。その後も攻め込む東海大Cを止めきり、17ー15で接戦に幕を下ろした。
翌日に4年早明戦が控える影響で、若い顔ぶれとなった今試合のメンバー。フィジカルで上回る相手に対し、粘り強いディフェンスで最小失点に抑えた経験は、確かな自信につながっただろう。一方で選手たちからは反省の声がいくつも挙げられた。常に高みを目指す執念が下級生にも根付いている様子がうかがえる。シーズンも終盤を迎え、赤黒への挑戦も激化していく師走。少しでも上へ、赤黒を着て全国大学選手権に。早大の選手たちの戦いはまだまだ終わらない。
(記事 西川龍佑 写真 安藤香穂)
コメント
WTB山下一吹(教3=東京・早実)
ーー今日のチームのゲームテーマを教えてください
ハードワークです。『All Time Attack』を体現するために全員が動き続ける。自分たちよりも大きい相手に対して、相手よりも動き続けて勝つということです。
ーー4年生がいない中、ゲームキャプテンとして何を意識していましたか
この試合の重要性を伝えることです。
ーー前半かなり押されていた印象ですが、その要因は何でしょうか
キックゲームで負けてしまい、エリアを取れなかったこと。アタックでは、2人目が、キルしきれずブレイクダウンでプレッシャーを受けたこと。ディフェンスでは、リロードが遅く、東海さんの振り戻しのアタックに対しゲインを許していたことが原因です。
ーー個人的な出来はいかがですか
自分のペナルティやキックミスが、失点に直結したので反省点ばかりです。アタックの場面では、強気にもっと勝負していくべきでした。
ーー今後の意気込みをお願いします
赤黒を着るために、自分の目の色を変えて取り組んでいきたいと思います。
FL狭間大介(スポ2=福岡)
ーー今日の試合に向けた個人的なテーマを教えてください
今日の個人的なテーマは、「激しさ」です。前回の立大戦、不完全燃焼で終わってしまって、今回は後悔しないために自分らしく、荒々しく、激しく行こうと思っていました。
ーーそれを踏まえて試合を振り返っていかがですか
個人的な出来としては、いい場面もいくつかありましたが、それ以上に悪い場面が多く、これでは上に上がるどころかコーチ陣からの信頼も得られないなと感じました。
ーーチームのディフェンスを振り返っていかがですか
チームのディフェンスは、苦しいときにみんなが走ってくれたおかげで、失点を抑えることができたと思っています。今日このようなロースコアのゲームを制することができて、本当に一緒にグラウンドで戦ったみんなに感謝したいです。
ーー課題は何か見つかりましたか
課題は、試合中に何度も脚をつってしまい、思うように動けない場面がいくつもあったため、80分間動き続けられるフィットネスの部分かなと感じました。
ーー今後の意気込みをお願いします
今後の意気込みは、自分の強みである激しさを全面に出していきながら、センターもできるバックローとして唯一無二の存在になれるように上井草での毎日の練習を大事にしていきたいと思います。また、残り少ない4年生とラグビーができる時間に感謝し、全力で残りの日々を駆け抜けようと思います。本日は応援ありがとうございました。
PR成戸風太(スポ3=埼玉・川越東)
ーー今日の試合に向けた個人的なテーマを教えてください
ブレイクダウンワンキルです。
ーースクラム感触はいかがでしたか
バインドのプレッシャーが強い相手に対して自分達の形を崩さずに組めたと思います。
ーー後半、巻き返せた要因はなんだと考えますか
継続してボールを回せたことだと思います。
ーー課題は何か見つかりましたか
疲れた状況でのタックル、ボールキャリーの粘り強さに課題が残りました。
ーー今後の意気込みをお願いします
シーズン最後まで上のチームを目指して足掻きます。
CTB藤井雄士(社1=北海道・札幌山の手)
ーー今日の試合に向けた個人的なテーマを教えてください
個人的なテーマは、強みのディフェンスでインパクトを残すこと、アタックは強みのキャリーと外展開をどう使い分けるかの判断でした。
ーーそれを踏まえて今日の試合を振り返っていかがですか
出来は、ディフェンスではあまり機会がなくインパクトを残しきれず、ジャッカルも何度か試みましたが取りきれませんでした。アタックは、徐々に良い判断が出来る回数が増えてきましたが、まだまだ判断ミスがあるので上のチームでやっていくためにはそこが課題と感じています。
ーーコンタクトの部分で前に出る印象がありますが、そのあたりの感触はいかがですか
今日はボールのもらい方やボディコントロールが上手くいかず、持ち味のラインブレイクができませんでした。
ーーバックスのアタックを振り返っていかがですか
バックスは、勢いのある際にボールを後ろに下げてアタックプレッシャーが失われるシーンが何度かあったのと、スペースを生かしてバックスで縦のプレーで前に出ることができなかった点があります。所々、外展開で取り切れた部分は成長した点ではありますが課題が多く見つかったので、これから焦点を当ててやっていきたいです。
ーー今後の意気込みをお願いします
センターとして通用するプレイヤーになるために、まずは長所の強いプレーとディフェンスをさらに磨き上げます。さらにもう一段階上のチームに行くために、アタックのプレー選択の正確性を上げていきたいです。
スコア
早大メンバー