苦戦を強いられるも見せた地力 大体大に辛勝し準々決勝に駒を進める

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第76回全日本大学選手権 12月5日 エスフォルタアリーナ八王子

最終盤の3連勝で1部残留を決めた関東大学女子リーグ戦(リーグ戦)の激戦から約1カ月。4年生にとっては最後の舞台である、日本大学選手権(インカレ)が開幕した。関東6位である早大は、負けたら敗退の決勝トーナメントからの出場。1回戦の相手は2度のインカレ優勝を誇る関西の強豪、大体大だ。試合序盤、早大がスムーズなボールムーブからイージーバスケットを量産しリードを奪う。しかし、ファウルトラブルとシュートタッチに苦しみ徐々に点差を縮められると、第3Q(クオーター)開始直後に連続得点を許し逆転される。1点リードで迎えた最終第4Q、6-0のランを作り早大が再逆転。徐々に点差を広げ、ダメ押しはこの日チーム初のスリーポイントとなったF西ファトゥマ七南(スポ3=千葉・昭和学院)の一撃。72-58で勝利し、準々決勝へ駒を進めた。

リバウンドから得点する福王

前半、早大はF衣川璃来(スポ2=埼玉栄)とC福王伶奈(スポ1=愛知・桜花学園)の連携から得点を量産。G山宮好葉(スポ2=東京成徳大)を中心に対人ディフェンスでも相手のターンオーバーを誘発し、最大14点のリードを奪った。試合の主導権を握った早大であったが、衣川、山宮、F菊地実蘭(スポ2=愛知・桜花学園)がファウルトラブルに陥る。シュートタッチにも苦しみ、チーム全体でスリーポイントの成功が1本もないまま徐々に点差を縮められ、37-30で試合を折り返した。

シュートを放つ衣川

後半は大体大の猛攻で幕を開ける。3連続失点で逆転を許した上、衣川が4つ目のファウルを犯してしまい早大は窮地に追い込まれる。オフェンスでの突破口が見いだせない中、G中村真都(教2=長崎西)を中心にディフェンスで食らいつき第3Qを47-46で終えた。1点差で迎えた最終第4Q、中村、福王の連続得点でリードを奪うと、西が留学生を相手に果敢にドライブで攻め込み点差を広げる。そして試合時間残り53秒、西が放ったチーム19本目のスリーポイントがついに早大のリングを射抜いた。この得点が決定打となり、72-58で試合終了。準々決勝進出を決めた。

ジャンプシュートをする西

主力のファウルトラブルと、絶不調のシュートタッチ。難しいインカレ初戦であったが、これ以上ない逆境を見事にはねのけて見せた。次戦の相手は関東2位の東京医保大。リーグ戦では延長戦にもつれる熱戦の末に敗れた天敵である。「早稲田のバスケットで勝つ」。早くも迎える大一番に、今季の集大成をぶつける。

(記事 石澤直幸、写真 田中瑠花)

第76回全日本大学選手権 12月5日(vs大体大)

1Q2Q3Q4Q合計
早大2215102572
大体大1416161258

◆早大スターティングメンバー◆

Pos. # 選手名
F 1 菊地実蘭(スポ2=愛知・桜花学園)
F 7 西ファトゥマ七南(スポ3=千葉・昭和学院)
G 13 山宮好葉(スポ2=東京成徳大)
F 35 衣川璃来(スポ2=埼玉栄)
C 66 福王伶奈(スポ1=愛知・桜花学園)

コメント

F西ファトゥマ七南(スポ3=千葉・昭和学院)

――試合を振り返って

 序盤は結構自分たちの点数も取れていい入りはできたのかなと思いますが、後半は相手の粘り強いバスケやディフェンスに自分たちが引いてしまって相手のペースになる時間帯が多くなってしまいました。それを早くアジャストできなくて、第3Qはずっと相手のペースになってしまいましたが、最後みんなでディフェンスから声出して勝ち切れて良かったです。

――ドライブ中心のオフェンスをしていましたが、個人としてどのように考えていましたか

 自分のマッチアップが留学生だった時間帯が長くて、スピードのミスマッチとか、自分ドライブ が好きなのでいけるかなっていう風に思ったので、積極的にアタックしました。

――途中から留学生とのマッチアップになりましたが、意識していたことはありますか

 オフェンスのときは今回に限らず留学生が自分につくことが多いので、自分がボールを持ってアタックしたり、オフェンスの起点になれるように意識してやっていました。ディフェンスは自分だけじゃなくて実蘭(菊地、スポ2=愛知・桜花学園)や福王(伶奈、スポ1=愛知・桜花学園)とかとスイッチしながらつくっていう風に思ってるので、そこは協力してディフェンスしていくという感じでした。

――菊地選手や衣川選手などチームでファウルが重なってしまったことについて考えたことはありますか

 留学生やドライブが得意な選手についてる人たちのところをリバウンドや三線ヘルプなどをもっと周りがカバーできたら、ファウルにならなかった部分もあったと思うので、もっと1対1だけじゃなくて5人でディフェンスできるようにやっていけたら良かったと思います。

――1点差で迎えた第4Qが始まる前、チームでお話されたことはありますか

 アタックとかゴールに攻め続けようっていうのは 試合始まる前から(チーム内で)言っていて、シュートが入る人やドライブが得意な人が多いので、全員がしっかりゴールに攻める気持ちもって戦っていこうっていう風に話しました。

――第4Qでこの試合最初で最後のスリーポイントを決めましたが、そのときの心境は

 (スリーポイントが)試合通して入ってなくて、入ったらいいなっていう気持ちで結構後半はスリーを打っていたんですけど、入るって思ってなかったタイミングで投げたみたいな感じで、「あ、これ入ったんだ」ってびっくりしました。

――次の戦いに向けての意気込み

 リーグ戦のときも今の試合でもですが、やはりリバウンドとかディフェンスのところは課題で、 次の相手はリバウンドが強かったりインサイドのプレイヤーがいるので、そこはもう1回チームで リバウンドルーズボールで負けないようにしてやっていきたいと思います。

 

F衣川璃来(スポ2=埼玉栄)

――試合を振り返って

 早大はアウトサイドシュートを得意とするチームですが、なかなか誰も入らなかったです。でも全員でリバウンドを繋ぎ、ディフェンスを頑張ったりして、自分たちの流れが来ない中で耐えることができた試合だと思います

――オフェンスでチームを引っ張りました

 最初から自分が点数を取りに行くと決めていたので、ちゃんとシュートが入って良かったと思います。

――福王選手のピックを使ってのスコアリングが光りました

 今シーズンは自分がハンドラーとなり、ピックを使うことが多かったです。ずっと(福王)怜奈とのピックをやってきたので今日もそうですし、インカレではその得点を増やしたいと思います。

――ファウルトラブルに苦しみましたが

 前半で3回のファウルを犯してしまい、後半は1回もファウルをできないと思っていましたが、要らないファウルをしてしまい自分の中では反省しています。審判によって鳴る笛、鳴らない笛は変わってくるので、そこはもっと早くアジャストしていかないといけないと思います。

――次戦への意気込みをお願いします

 相手が誰であろうと自分がやること、チームがやることに変わりは無いと思います。自分は積極的にシュートを狙っていきますし、チームとしても今日は入りませんでしたがアウトサイドシュートを打っていき、早大のバスケで勝ちきりたいと思います。