インカレが開幕! 激闘を制し青学大に勝利

男子バスケットボール

第76回全日本大学選手権 12月4日 神奈川・横浜武道館

 激動の入れ替え戦からおよそ1か月が経ち、全日本大学選手権(インカレ)が開幕した。偶然かはたまた必然か、初戦は今季4度目となる青学大との対決。関東大学リーグ戦2部では最後まで優勝争いをくり広げ共に1部昇格をつかんだ両チームが、シーズン最後の大舞台で激突した。早大は序盤からインサイドを支配されると、相手エースに大量得点を許し9点ビハインドで前半を終える。逆転を狙う後半、第4クオーター(Q)に早大オフェンスが爆発。試合終盤で同点に並んだ。互いに譲らない時間が続くなか、G岩屋頼(スポ3=京都・洛南)が勝負どころで得点を奪い見事勝利。インカレ初戦を突破した。

 試合は青学大エースの鋭いドライブで幕を開けた。やや固さが見られる早大に対し、グループリーグを全勝で勝ち抜いた青学大はドライブとキックアウトを中心に得点を重ねていく。追いかける展開となるなか、早大はG下山瑛司(スポ2=愛知・中部第一)がジャンパーから得点し負けじと食らいついた。第1Q終了間際、ボールを保持したのはG城戸賢心(スポ2=福岡第一)。センターライン付近から難しい体勢で放ったシュートがリングに吸い込まれ、貴重な追加点を演出し27-27で第1Qを終えた。同点で迎えた第2Q、先に一歩前へ出たのは青学大だった。警戒していたオフェンスリバウンドから得点を許し、試合の流れが相手に傾く。早大も外からのシュートで応戦するが勢いを止めることはできず、39-48で前半を終えた。

シュートを狙う下山

 なんとしてでも追いつきたい第3Q、スリーポイントでじわじわと離されついに点差が2桁となった。たまらずタイムアウトを要求すると、直後に相手のターンオーバーから下山が連続得点。F堀陽稀(スポ3=京都・東山)もフリースローを決め切り、55-64で食らいつき最終第4Qへ。出だしから岩屋がスリーポイントを射抜くと、G高田和幸(スポ3=京都・洛南)の長距離砲、城戸のバスケットカウントなどで早大が8-0のランをつくり同点に並ぶ。試合終了残りおよそ2分でスコアは70-70。手に汗握る展開が続くなか、残りおよそ20秒で岩屋が値千金のタフショットを決め早大のリードを4点に広げる。その後のフリースローも決め切り、ここで試合終了のブザー。激戦を制し、77-72で勝利を収めた。

盛り上がる早大ベンチ

 相手に先行される時間が続いたものの、激闘の末勝利をつかんだ早大。「今年取り組んできたことは間違っていなかった」と高田は満足げに振り返った。次戦の相手は1部リーグの強豪・白鷗大。この日チームを救う”やぱより”(「やっぱり頼」)の活躍を見せた岩屋は、「やることは変わらない」と意気込んだ。ベスト8進出を懸け、チーム一丸となり前回王者に挑む。

(記事 三浦佑亮 写真 権藤彩乃、石澤直幸)

第76回全日本大学選手権 12月4日(VS青学大)

1Q2Q3Q4Q合計
早大27211677
青学大2712162272

コメント

岩屋頼(スポ3=京都・洛南)

ーー今季4度目となる青学大との対戦でしたが、どのような準備をして臨みましたか
 今まで青学大と3回やってきて、やられていることは全部一緒で。ドライブからキックアウトみたいな。基本的に同じようなバスケットをしてくるので、そこは止めようと話して試合に臨みました。

ーー試合全体を振り返っていかがですか
 抑えようと思っていたリバウンドも最初は取れなくて、相手の時間になってしまって。自分たちがスカウティングしていた部分でやられてしまったことが反省点としてあります。それでも後半からはどんどん修正できて、自分たちの流れに持っていけたのでそこは良かったかなと思います。

ーー特に修正が見られたリバウンドの部分は振り返っていかがですか
 やられてはだめというのは分かっていたので、そこはクオーター間やハーフタイム、試合中でもずっと言い続けていました。意識して言い続けていた分、最後はリバウンドを取れるようになったのかなと思います。

ーーご自身のプレーを振り返っていかがですか
 前半はボールを触る時間が短くて、あまりオフェンスに貢献できていませんでした。ハーフタイムにコーチ陣や三原さん(三原学ヘッドコーチ、平15スポ卒=東京・安田学園)に「ボールもっと触れ」という言葉をかけていただいて、後半は1番ポジションとして使ってもらいました。チームを組み立ててオフェンスに力を入れる時間にできたので、後半からは特に点を取りにいこうという意識はしていました。

ーー次戦への意気込みをお願いします
 今シーズン初めてやる格上の白鷗大ですが、スカウティングもしてきました。やることは変わらないので、早稲田らしい速いバスケットで勝とうと思います!

堀陽稀(スポ3=京都・東山)

ーー接戦を制しましたが、今のお気持ちは
 すっごいうれしいです。気持ちいいです。(この勝利は)デカいです。

ーー前半から後半にかけてリバウンドが改善されましたが、リバウンドについていかがですか
 リバウンドでしかやられていなかったというか。負けていた時間帯はリバウンドでやられていて、1本目は守れていたけど、リバウンドを取られて、点を取られてしまうみたいな感じでした。なので、とりあえずリバウンドを絶対取ろうっていう話をして、みんなで頑張って取りました。

ーー堀選手自身も8リバウンドの活躍でした。リバウンドを意識してプレーしていましたか
 そうですね。オフェンスリバウンドは跳んだら(ボールに)触れたみたいなことが多かったですけど、ディフェンスリバウンドは自分が取るというよりも、ボックスアウトを頑張って他の人に取らせるという意識でやっていました。それでも、自分のマークマンに(ボールを)触られてしまうこともありました。明日はでっかいごっつい相手やから、明日はもっと頑張らないとなと思いました。

ーー得点面では15得点の活躍でしたが、ご自身のプレーについてはいかがですか
 入った瞬間から「何か今日いけそうやな」っていう感じがあったから、いける時にいっとこうっていう意識でやっていました。あとは、パスが上手くいかないところもありましたが、アシストもまあまあできたので、そこも良かったと思います。

ーー最後に明日への意気込みをお願いします
 今年は2部だったので、1部のめっちゃ強いチームとやるのは初めてで、 (早大は)チャレンジャーなので、チャレンジャー精神を忘れずにバチバチに。あと、(白鷗大に)友達もいるので。小川(瑛次郎)っていう1年生の、一緒にワールドカップに行った子がおるから、そこを頑張って倒して、4年生の引退をもうちょっと伸ばしたいと思います。

 高田和幸(スポ3=京都・洛南) 

――試合を振り返って
 青学大とは今年4度目の対戦でした。お互いやるべきことが分かっている中、意地と意地の対決だと思っていました。最後に競り勝てて、今年取り組んできたことが間違っていなかったと感じることができました。

――青学大とは4度目の対戦でしたが対策などは
 青学大はガード陣のドライブと進選手らのオフェンスリバウンドが強力で、対策していましたが最初はいいようにやられてしまいました。そこを試合が進むにつれて修正し、ちゃんと抑えて勝てたのは良かったと思います。

――大事な場面でスリーポイントを決め切りました
 良い場面で自分にボールが回ってきて、最後シュートが決まってくれたのはラッキーだなと思います。 

――後半にリバウンドを改善したがチーム全体での話は
 やることは変わっていなかったので、どれだけ強い気持ちをもってプレーできるか、それだけでした。試合が進んでいくにつれて、気持ちを高めていけたので最後競り勝てたと感じています。

――個人ではチーム内2番目の7リバウンドを獲得しました
 相手センターをこちらのビッグマンが抑えてくれていたので、こぼれ球を取ろうと思っていました。後半は良いところにボールが来てくれたので、それを取りきれたのは良かったと思います。

――白鷗大戦に向けての意気込み
 今シーズンの目標として、1部に勝てるチームを作ろうと頑張ってきました。入れ替え戦で山学大には勝利しましたが、1部で上位の白鴎大となるとまた話が違うと思います。チャレンジャーとしてアタックし続けて、ワンチャンスを掴めるようにみんなで頑張りたいと思います。