全日本大学総合選手権・個人の部（全日学）は３日目を迎え、早大からは男女10人がシングルスの2回戦に挑んだ。前回大会優勝の黒野葵衣（スポ４＝東京・武蔵野）や今大会のダブルスを制した濵田一輝（スポ１＝愛知・愛工大名電）らが順調にベスト16入り。さらに、シード選手を続々と倒した福岡乃愛（スポ２＝兵庫・三田学園）など計5人が翌日の５回戦へと駒を進めた。
丁寧にラリーをする福岡
女子シングルスには、早大から６人が出場した。黒野、杉田陽南（スポ２＝大阪・香ヶ丘リベルテ）は前回に続いてランキング入りを達成。福岡は３回戦でシードを持つ谷渡亜美（愛知工大）との対戦となった。今大会女子ダブルスで優勝した谷渡を、カットと積極的な攻撃で崩し、ゲームカウント３－２で逃げ切った。続く４回戦でも「取りたいところで取り切れた」というように、チャンスボールを逃さずに得点。ゲーム後半に追い上げられる場面も見られたが、「応援席の人に応援されるような試合がしたいなと思って試合をした」と弱気になることなく、最終的にゲームカウント４－２（※）で決着をつけた。
最終ゲーム、連続得点を決める荒井
４人が出場した男子シングルスでは、荒井と濵田がベスト16入りを決めた。濵田は３試合で１ゲームも落とさずに４回戦を突破。荒井は３回戦で秋季関東学生リーグ戦で敗れていた相手に快勝し、月舘駿介（専大）との４回戦に臨んだ。序盤は相手のペースに飲み込まれ、ゲームカウント１－３とリードを許す。しかし、ここから「試合をやるにつれてテンポが合ってきた」と本領を見せつけた。ドライブ戦やサービス周りで得点を重ね第５ゲームを取り返すと、最終ゲームでは相手を圧倒。９連続得点で試合を決定づけた。
20日に開幕した全日学も残すところ最終日のみとなった。早大からは男女５人がベスト16に勝ち残り、23日は５回戦から決勝までを戦う。早大から学生王者誕生はなるか、最終日も選手たちの活躍から目が離せない。
（記事 是津直子、写真 鬼頭遥南、是津直子）
※４回戦以降は４ゲームスマッチで行われた
結果
▽男子シングルス
岩永宜久
２回戦 ○３－０阿部隆磨（東北福祉大）
３回戦 ○３－１金光将希（北陸大）
４回戦 ●１－４星翔太（専大）
杉本和也
１回戦 ○３－０鈴木生吹喜（東北福祉大）
２回戦 ●１－３芝優人（関学大）
荒井和也 準々決勝進出
２回戦 ○３－１川村康人（朝日大）
３回戦 ○３－０田原翔太（筑波大）
４回戦 ○４－３月舘駿介（専大）
濵田一輝 準々決勝進出
２回戦 ○３－０加賀美利輝（大正大）
３回戦 ○３－０吉田勝紀（関学大）
４回戦 ○４－０田原彰悟（愛知工大）
▽女子シングルス
黒野葵衣 準々決勝進出
２回戦 ○３－１津田菜穂（同大）
３回戦 ○３－０小野日花里（国学大）
４回戦 ○４－１伊藤希望（日大）
中島彩希
２回戦 ●０－３鶴岡美菜（神戸松蔭女学）
里川奈優
２回戦 ○３－２高田菜々美（愛知工大）
３回戦 ●１－３村田咲紀（関学大）
杉田陽南 準々決勝進出
２回戦 ○３－０井上鈴（神戸松蔭女学大）
３回戦 ○３－０佐藤南緒（青森大）
４回戦 ○４－１藤田奈子（中大）
福岡乃愛 準々決勝進出
２回戦 不戦勝 三上紗希（東北福祉大）
３回戦 ○３－２谷渡亜美（愛知工大）
４回戦 ○４－２枝広瞳（神戸松蔭女学大）
深谷和花
２回戦 ●河野凪紗（立命館大）
コメント
荒井和也（スポ２＝福岡・希望が丘）
――今日の試合を振り返って
３回戦の田原（翔太、筑波大）にはリーグ戦でぼこぼこにされたので、そこで勝つか負けるかが大きかったです。リーグ戦のリベンジをしに来たという感じだったので、そこを３－０でスムーズに勝てたのがすごく良かったです。次の試合はゆっくりやられて、それになかなか合わせられずに自分から打つのが難しくて。だんだん試合をやるにつれてテンポが合ってきて、そこで自分の中で対応できたのが良かったと思います。
――ご自身のプレーで良かったところは
月舘さん（駿介、専大）との試合は技術というよりも相手のゆっくりとした展開に対してメンタル面が良くて、田原との試合はプレーが良くて、あえて打たせてカウンターができたのでそこが良かったです。
――４回戦はゲームカウント１－３とされましたが、そこから意識したことはありましたか
相手どうこうではなく、自分の中である程度いい力を出せればと思っていたので、最後の方に自分のプレーが良くなって良かったです。
――明日に向けて意気込みをお願いします
準決勝で濵田とやりたいですね。その前に準々決勝で世界卓球の代表だった横谷（晟、愛知工大）と当たるのでそこで勝ちたいです。
福岡乃愛（スポ２＝兵庫・三田学園）
――今日の試合を振り返って
普段団体戦などに出ることがあまりなく、県大会でも応援してくれる人があまりいなくて誰も見ていない中でやる試合ばかりなので、応援席がいることを意識していました。応援席の人に応援されるような試合がしたいなと思って試合をしたら、自分のメンタルも良い感じで保てました。思い切るところは思い切って、１点取りたいところで取り切れました。
――試合中はどんなことを意識していましたか
相手の卓球に飲み込まれないように、自分の得意なところを出せるように意識していました。
――応援席の応援はどのように感じましたか
卓球面だけではなく私生活でもお世話になっている先輩方が応援してくれていたので、私もなかなか結果を出せずにいて、出してほしいと応援されていたので、その気持ちに応えられるようにやっていました。
――今大会の目標は
初めはベスト32と言っていたのですが、ベスト８に入ると１月にある全日本の推薦をもらえるので、それを目指してまずはもう１勝したいです。（ベスト32という）最低目標は達成できたのですが、全日本に出たいので。
――明日に向けて意気込みをお願いします
自分のプレーをして、あまり上位に残ったことがないので、その環境を楽しみながら、楽しんだ先に勝てればいいかなと思っています。