※氏名に旧字体を含む場合は、原則として新字体に直して掲載しております。
２日間にわたって行われた関東学生新人戦。今年度初の公式戦となった今大会には、下級生を中心に９名が出場した。４種目のうち３種目でランク入り（ダブルスベスト８、シングルスベスト16）を達成するなど、新戦力の台頭を印象付けた。
１日目に行われたダブルスでは、荒井和也（スポ２＝福岡・希望が丘）・浜田一輝（スポ１＝愛知・愛工大名電）組が結果を残した。第１シードとして望んだ荒井・浜田組は、２、３回戦をストレート勝ち。４回戦は接戦となるが、最後は息の合った連続攻撃で突き放した。その後も順調に勝ち進み、ベスト４入りを決める。準決勝の中大戦ではミスでリードを広げられ、１－３で勝負あり。優勝を目標としていた荒井・浜田組としては悔しい敗戦となったものの、次戦以降に期待がかかる内容となった。
安定感のある試合運びを見せた荒井・浜田組
女子ダブルスには、深谷和花（スポ１＝愛知みずほ大瑞穂）・宮脇心和子（社１＝鳥取敬愛）組が早大から唯一出場した。初戦となった２回戦では、失点を各ゲーム４点以下に抑えストレート勝ちを収める。勢いそのままに３回戦もストレートで勝利し、ベスト16に名乗りを上げた。しかし、ベスト８入りを懸けた東京富士大戦は一転、苦しい展開となる。２ゲームずつ取り合い、迎えた最終第５ゲーム。先にマッチポイントを握ったのは深谷・宮脇組だったものの、10－９から３連続ポイントを許し逆転負け。目標のランク入りとはならなかった。
甚田翔風（スポ４＝東京・明大中野）・宮木宏輔（商４＝京都・東山）組は、初戦でゲームカウント０－２と追い込まれるも、そこから逆転勝利。３回戦で第２シードの専大ペアに敗れたが、存在感を示した。玉田隼大（人１＝兵庫・滝川）・田村真吾（基理１＝東京・早稲田）の１年生ペアは、１回戦でフルゲームの接戦に敗れたが、大学デビュー戦を堂々と戦った。
２日目には、男子シングルスで浜田が決勝進出を果たした。「（前日敗退した）ダブルスでの悔しさを晴らそうと思って気持ちを入れた」という浜田。初戦となった２回戦から準々決勝まで、７試合のうち６試合でストレート勝利し、怒濤（どとう）の勢いで４強入りを確定させる。準決勝では第２ゲームを落としたものの、高速ラリーを何度も制し、相手の攻撃にもしっかりと対応して見せた。最終的には３－１で勝利し、５月13日の決勝戦に向け、「ここまで来たので優勝しかない」と意気込んだ。
フォアハンドを放つ浜田
女子シングルスでは、深谷がシード選手を次々と倒し、見事にベスト４入り。カットマンの深谷は、相手の厳しいショットに対して丁寧にカットし、ミスを誘う。自分から仕掛ける場面も多くあり、自在な攻撃で相手を翻弄（ほんろう）した。準決勝では、フルゲームの末惜しくも敗れたが、最後まで自分のプレースタイルを貫いた。深谷と共に宮脇もベスト16に進出し、女子の戦力の充実ぶりを示した。
ガッツポーズを見せる深谷
シングルスに出場した早大勢では、他に荒井が４勝、甚田も３勝を挙げた。また、ダブルスでは初戦敗退に終わった田村も、シングルスではうれしい１勝を手にした。勝利とはならなかった、宮木、儀間望（スポ２＝東京・桐朋）、玉田も、久しぶりの実戦で多くの収穫を得たはずだ。関東の強豪を相手にしっかりと経験を積んだ選手たち。開幕まで２週間を切った春季関東学生リーグ戦に向けて、頼もしい存在となりそうだ。
（記事 是津直子、写真 横山勝興、是津直子）
結果
▽男子ダブルス
荒井・浜田組 ベスト４
２回戦 ○３－０新井・西川（流通経大）
３回戦 ○３－０西沢・山本（東海大）
４回戦 ○３－１神郡・竹中（大正大）
５回戦 ○３－０渡辺・笠井（日体大）
準々決勝 ○３－０板坂・広田（日体大）
準決勝 ●１－３小松・米倉（中大）
玉田・田村組
１回戦 ●２－３景山・高橋（東大）
甚田・宮木組
１回戦 ○３－２坂本・石川（神奈川大）
２回戦 ○３－０黒羽・和田（東京農工大）
３回戦 ●０－３門脇・星（専大）
▽男子シングルス
甚田
２回戦 ○３－０郷（工学院大）
３回戦 ○３－０鈴木（横国大）
４回戦 ○３－２横瀬（立正大）
５回戦 ●０－３村越（東洋大）
儀間
２回戦 ●０－３米田（明大）
浜田 決勝進出
２回戦 ○３－０近藤（駒大）
３回戦 ○３－０横尾（帝京大）
４回戦 ○３－０鈴木（国学大）
５回戦 ○３－１岩永（法大）
６回戦 ○３－０佐々木（大正大）
７回戦 ○３－０田原（筑波大）
準々決勝 ○３－０高橋（明大）
準決勝 ○３－１鈴木（筑波大）
荒井
２回戦 ○３－０大河原（横国大）
３回戦 ○３－０三橋（東京都立大）
４回戦 ○３－１長沼（駒大）
５回戦 ○３－２岡戸（国学大）
６回戦 ●２－３三浦（筑波大）
玉田
２回戦 ●０－３藤田（駒大）
田村
２回戦 ○３－０松山（駒大）
３回戦 ●０－３門脇（専大）
宮木
２回戦 ●０－３星（専大）
▽女子ダブルス
深谷・宮脇組
２回戦 ○０－３中武・遠藤（茨城大）
３回戦 ○０－３佐々木・湯川（東女体大）
４回戦 ●２－３原田・伊東（東京富士大）
▽女子シングルス
宮脇 ベスト16
２回戦 ○３－０大野（大正大）
３回戦 ○３－０前野（東京経大）
４回戦 ○３－１寺坂（日大）
５回戦 ●１－３甲斐（専大）
深谷 ベスト４
２回戦 ○３－０菊池（東女体大）
３回戦 ○３－０茅島（大正大）
４回戦 ○３－１山下（日体大）
５回戦 ○３－１川畑（中大）
準々決勝 ○３－０泉田（国学大）
準決勝 ●２－３香取（中大）
コメント
浜田一輝（スポ１＝愛知・愛工大名電）
――２日間を振り返っていかがですか
昨日のダブルスで優勝を狙っていたのですが、準決勝で負けてしまって、本当に悔しくて。翌日にシングルスがあるということで、気持ちを切り替えて、ダブルスの悔しさを晴らそうと思って、今日のシングルスは気持ちを入れてやりました。
――シングルスの目標も優勝ですか
優勝です。
――２日間を通して課題と収穫はありましたか
収穫は、試合を重ねていくごとに、相手を見て逆を突いたり、落ち着いたプレーができるようになってきたことです。最後は相手も疲れていたと思いますが、自分も気持ちで絶対に負けないという気持ちの強さも少し付いたのかなと思います。課題は技術的なことでいうと、僕のチキータが相手に狙われることが多かったので、それを春のリーグ戦までに修正してもっといいチキータをすることです。逆に相手にチキータされたときの攻め方をもう少し練習しようと思います。
――決勝に向けて意気込みをお願いします
ここまで来たので、優勝しかないです。頑張ります。
深谷和花（スポ１＝愛知みずほ大瑞穂）
――今大会を振り返っていかがですか
初めての大学の大会で、すごく緊張していました。ダブルスもシングルスも思い切って最後までやれたので、良かったです。
――何を目標としていましたか
ダブルス、シングルスどちらもランクに入ることを目標にしていました。
――シングルスは目標を達成できました
正直、実感が湧いていないです。先輩たちやコーチの方に教えてもらったことを実行できたのと、ダブルスでパートナーが一緒に頑張ってくれて調子が上がったおかげだと思います。
――シングルスの準決勝を振り返ってください
最後の最後で踏ん張り切れなかったというのがあるので、回転の変化のバリエーションが少なかったり、攻撃力が先輩たちに比べて少なかったりといった、技術的な課題もいくつか出ました。いいところまで行っても最後に決め切れないので、勝負所で決める技術力を付けたいです。
――最終ゲームのタイムアウトではどんな話をしましたか
カットのときにどんどん下がっていってしまうので、向かっていく気持ちで、前で上からカットしようということをこの２日間通してやっていたので、その振り返りです。下がってしまって流れが悪くなっていたので、１回リセットして前に入ろうという話をしました。
――今後に向けて意気込みをお願いします
まだまだ先輩たちに比べて弱いので、いつかちゃんと早大に貢献できるような選手になれるように、今回の反省を生かしてリーグ戦に向けて頑張りたいと思います。