12月1日に開幕した秋季関東学生リーグ戦(リーグ戦)もついに最終日を迎えた。最後の一戦の相手は、これまで4勝1敗で2位を確定させた中大。強豪校と対峙した早大だが、前主将の五十嵐史弥(スポ4=石川・遊学館)の快勝で勢いに乗ると、続く2試合を制しいきなり王手をかける。その後のダブルスから中大に3連勝を許すも、ラストは岩永宜久主将(スポ3=福島・帝京安積)がゲームカウント3―1で手堅く勝利。リーグ戦最終節を白星で飾った。
学生最後のリーグ戦に臨んだ前主将の五十嵐が、気迫のプレーを見せた
早大からは、今リーグ戦最初で最後の出場となった五十嵐が1番に登場。初戦という緊張感もあり第1ゲームこそ落としたが、「自分で戦術を変えるなどして対応できるようになってきた」(五十嵐)と、豊富な経験値を武器に、落ち着いて自らのプレーを展開した。五十嵐はレシーブの変化や強烈なフォアドライブで得点を重ね、3ゲームを連取。学生最後のリーグ戦を勝利で終えた。続く2番の杉本和也(スポ2=福岡・希望が丘)は、相手カットマンに対してフォアドライブを中心に攻め切り、ストレートで勝利。3番の荒井和也(スポ1=福岡・希望が丘)もゲームカウント3-0の危なげない内容で続いた。早大の勝利まであと1勝という場面で、岩永・柏竹琉(スポ2=JOCエリートアカデミ)組に出番が回った。相手の小野寺翔平・浅津碧利組に対して、前回対戦時は3-0で勝利していたものの、「前回試合して効いていたことが全然効かなくなっていた」と柏。序盤から互角に打ち合ったが、相手に後陣で粘られてしまい決定打が出ない。「競った場面でポイントを取り切ることができなかったのが敗因だった」(岩永)と、第1、2ゲームは9オールまで持ち込んだが、一歩及ばず。ゲームカウント0-3で敗れ、勝敗は後半のシングルスに持ち越された。
その後、ダブルスから連戦となった柏が、JOCエリートアカデミー時代の先輩の浅津碧利(中大)とシングルスでも対戦。柏は1ゲーム目を落としたが、続く2ゲームを取り返し弾みをつける。第4ゲームも勢いは止まらず、チキータで連続ポイントを奪うと一気に6点リード。それから10-7とし、このまま勝ち切るかと思われたが、先輩の意地を見せつけられた。徐々に点差を詰めた相手に怒涛の追い上げを許し、この第4ゲームを落としてしまう。第5ゲームは形勢が逆転し、相手のペースで試合が進んだ。柏はなんとかデュースに持ち込むも、最後はレシーブが台からアウトし万事休す。「1回離したところで最後までリードを守れるようなプレーをしていかないといけないなと思った」(柏)。あと1点を取り切れず、惜しい敗戦となった。
中大に2勝目を許した早大は、6番の松本累(商3=東京・早実)が接戦を落とし、ついに3勝で並ばれてしまう。勝敗を託された7番の岩永は、中大戦では2人目のカットマンと対戦。団体戦のラストは初めてで緊張していたと振り返ったが「守りに入らず自分から攻撃できて、良い展開だった」(岩永)と、積極的なプレーで主導権を握った。ゲームカウント2-1で迎えた第4ゲームは9―3と突き放し、最後は強打を決めて11―6で勝負あり。主将自らが、激戦に決着をつけた。
勝利を手にし、笑顔でベンチに戻る岩永主将
最終戦に勝利し、通算2勝4敗とした早大男子部。勝敗数では4位タイとしたが、前半戦で下位校に敗れたため、最終順位は最下位の7位でリーグ戦を終えた。順位だけ見れば決して満足のいく結果ではないが、「前半戦の反省を生かして後半戦を戦うことができ、最終的には良いかたちで終わることができた」と岩永主将。来季に向けて「競った試合を勝ち切れる」チーム作りを目指す。今後は、12月19日から年内最後の個人戦を迎える男子部。開幕まで間もないが、リーグ戦で各々が得た課題を少しでも克服し、悔いなく1年を締めくくりたい。
(記事 鬼頭遥南 写真 鬼頭遥南、新井万里奈)
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結果
男子
▽第6試合 対 中大 ○4-3
○五十嵐3-0小野寺
○杉本3-0菊地
○荒井3-0小松
●岩永•柏組0-3小野寺•浅津組
●柏2-3浅津
●松本0-3坂田
○岩永3-1吉田
コメント
岩永宜久主将(スポ3=福島・帝京安積)
――チームとして、今回のリーグ戦を振り返っていかがですか
前半戦3-4で3試合負けてしまって、そこから後半戦では2勝できたので、前半戦の反省を生かして後半戦を戦うことができて、最終的には良いかたちで終わったと思います。
――前半戦の反省点はどういったところでしたか
一人ひとり競った試合が多かったのですが、競ったところを勝ち切れない試合が多かったです。勝った試合はストレート勝ちとかが多かったのですが、負けた試合は競ったところを落として結局負けてしまう試合が多かったので、競った試合を勝ち切れるようにしていきたいと思います。
――今日の試合について個人的に振り返っていかがですか
ダブルスは以前1回勝ったことのあるペアでしたが、1、2セット目を競って落としてしまったので競った場面でポイントを取り切ることができなかったのが敗因だったと思います。シングルスは最後回ってきて緊張していましたが、自分から守りに入らず攻撃できたので良い展開でした。カットマンは苦手ではないですが、団体戦のラストをやったことがなかったので緊張していました。
――最後に今リーグ戦の収穫と、今後への意気込みをお願いいたします
新チームで初めての試合でしたが、最終戦になるにつれてみんな良くなっていったので、最終戦みたいな戦い方ができればいいのかなと思います。今後はリーグ戦でそれぞれ多くの反省点があったので、それを克服してこれからの試合に臨みたいと思います。
五十嵐史弥(スポ4=石川・遊学館)
――今日の試合を振り返っていかがですか
相手は5試合経験していて僕は初戦だったので最初は少し緊張がありましたが、落ち着いてプレーできて最後は勝って終われたのでよかったです。
――2ゲーム目から3ゲーム連取して勝つことができた要因は
最近やれることが増えてきたので自分で戦術を変えるなどして、そういうときに対応できるようになってきたのでそれが良かったと思います。
――後輩の戦いぶりやチームの雰囲気を振り返っていかがですか
1、2年生はリーグ戦を経験できていなくて初めてのリーグ戦だったのですが、自分が思っていたより声を出して頑張ってくれていて良かったです。
――今回リーグ戦に出場された意図は
イタリアリーグに行っていて、全日学と選抜は出場できなかったので、最後早稲田のユニフォームを着てやりたいという気持ちで出場しました。
――最後に全日本選手権への意気込みをお願いいたします
早稲田でやってきた4年間の力を出すのもそうですし、これからプロになって卓球だけで生きていくので、それに恥じないような結果を出せるように頑張りたいと思います。
柏竹琉(スポ2=JOCエリートアカデミー)
――今日の試合を振り返っていかがですか
ダブルスは全国大会の予選で対戦したことのある相手で、その時は3-0で勝ちました。あのダブルスはけっこう強くて学生の中でもトップのペアですが、前回3-0で勝てて、今回もその流れで行けるかなと思ったんですけど、前回試合して効いていたことが全然効かなくなっていて、対策をすごいしてきたんだなと思いました。上手くやらせてもらえなくて負けてしまいました。
――競った内容に見えましたが、どういった点で勝敗が分かれたと思いますか
けっこう大きいラリーになることが多くて、相手は2人とも粘るタイプの選手で、相手が後ろに下がって粘ったところを決めきれなかったところで勝敗が決まってしまったのかなと思います。
――シングルスについてはいかがですか
浅津選手は僕の1個上なのですが、同じエリートアカデミー出身で、ダブルスも組んだり遠征も一緒に行っていたりした兄貴みたいな存在の人で。お互いの特徴とか癖は分かりきっている状態だったので絶対に競るだろうと思っていて、案の定競りました。ゲームカウント2-1の6-0で勝っていたところから、4ゲーム目と5ゲーム目をどっちもデュースを取られて負けてしまって、1回離したところで最後までリードを守れるようなプレーをしていかないといけないなと思いました。
――最後に、約2週間後の関東学生選手権に向けて意気込みをお願いいたします
優勝します!