2019年秋ぶりとなる関東学生リーグ戦(リーグ戦)が12月1日、男女同時に開幕した。その初戦、男子は日体大と、女子は筑波大と対戦。試合は6単1複の7点制で行われ、男女ともに7番までもつれる接戦を繰り広げた。女子はダブルスで勝ち星を挙げた中島彩希(スポ3=福井・敦賀)が7番のシングルスでも実力を発揮し4勝3敗で勝利。男子はダブルス敗戦が痛手となり惜しくも開幕戦を落としたが、プレー外での声出しなど、リーグ戦の特有の雰囲気をつかんだ。
開幕戦の1番で登場したのは杉本和也(スポ2=福岡・希望が丘)。序盤から点の取り合いとなったが、勝負どころでラリーを制しチーム1勝目を持ち帰った。さらに2番の柏竹琉(スポ2=JOCエリートアカデミー)も両ハンドのドライブを駆使して得点を重ねて相手を突き放す。杉本に続き2試合連続となるストレート勝ちを収めチームを勢い付けた。3番の松本累(商3=東京・早実)が敗れ、2勝1敗で出番を迎えたのは岩永宜久主将(スポ3=福島・帝京安積)・杉本組。第1、第2ゲームをものにし、このままストレートで勝利するかと思われた。しかし相手ペアも譲らず「後半は自分たちの苦手なところを突かれてしまった」(岩永)と、2ゲームを取り返され苦しい展開に。最終ゲームも悪い流れを断ち切れず、最後は空いたスペースを打ち抜かれ、万事休す。その後、5番の荒井和也(スポ1=福岡・希望が丘)もフルゲームの末に敗れ、2勝3敗とチームは窮地に。6番の岩永が貫禄のストレート勝ちで7番の宮木宏輔(商3=京都・東山)つなぐいだが、宮木が相手の強打に押し込まれるかたちで敗戦。3勝4敗で、日体大にあと一歩及ばなかった。
シングルスでストレート勝ちを収めた岩永主将
一方、女子は序盤のシングルスで苦戦を強いられた。1番の顧琳婧(スポ1=愛知・桜丘)が相手の強打に押されゲームカウント1―3で敗戦。続く2番の里川奈優(スポ2=高知・明徳義塾)は、相手カットマンに対してツッツキからチャンスで強打し得点を重ねたが、試合が進むにつれ攻撃のミスを多発。ゲームカウント1-2で迎えた第4ゲームで促進ルールが適用されると、攻め手を欠いた里川が7連続で失点し、3ゲーム目を献上した。チームが0勝2敗と苦しい場面で出番を迎えたのが、黒野葵衣主将(スポ3=東京・武蔵野)。強みの変化に富んだカット打ちで相手のネットミスを誘い、ストレート勝ちを収め、主将自ら、貴重なチーム1勝目を挙げた。その後のダブルスも勝利し、勝負を振り出しに戻すと、後半のシングルス1人目で福岡乃愛(スポ1=兵庫・三田学園)が登場。相手のエース格に当たり「自分から向かって行くという気持ちで入った」(福岡)。ゲームカウント1-2と追い込まれたが、接戦でも「相手の焦りを見て自分の作戦を立てることができた」と福岡。カットマンでは珍しい裏裏ラバーを使用しており、早い打点のバックハンドも得点源になった。第4、第5ゲームを11―9で取り返し、逆転勝利。チーム3連勝に大手をかけた。その後、6番の真鍋雅(スポ3=岡山・山陽女子)が2ゲーム先取から逆転負けを喫したが、7番の中島がゲームカウント3―1で締め、早大に軍配。3年生の黒野と中島の手堅い勝利、そして1年生の福岡の活躍で開幕戦を白星で飾った。
接戦を制した福岡
男女ともにシングルスでは3勝3敗とし、リーグ戦初戦はダブルスが勝負の明暗を分ける結果となった。しかし、女子の黒野・中嶋組は3年間経験を積んでいるが、男子の岩永・杉本組はこの日が初めての実戦。それでも岩永が「団体戦はダブルスが大事になってくる」と話すように、団体戦においてダブルス強化は急務だ。初戦の課題を修正し、これからの試合に臨みたい。
(記事 鬼頭遥南、写真 岡すなを)
結果
男子
▽第1試合 対 日体大 ●3-4
○杉本3-0芦澤
○柏3-0平林
●松本1-3永田
●岩永•杉本2-3永田・立麻
●荒井2-3泊
○岩永3-0窪
●宮木0-3立麻
女子
▽第1試合 対 筑波大 ○4-3
●顧1-3中田絵
●里川1-3中田玲
○黒野3-0花木
○黒野•中島3-1平川•中田玲
○福岡3-2平川
●真鍋2-3米田
○中島3-1土本
コメント
岩永宜久主将(スポ3=福島・帝京安積)
――リーグ戦初日を振り返っていかがですか
敗因はダブルスで負けてしまったことだと思います。団体戦はダブルスが大事になってくるので明日からはダブルスで勝てるように修正していければと思います。
――今日の収穫はありますか
2年生以下にとっては初めてのリーグ戦でしたが、1番から声を出して、7番まであるギリギリの試合でしたが、緊張感がある中でみんながやるべきことをできたと思います。
――明日以降に向けて意気込みをお願いします
今日は負けてしまいましたが、明日以降も試合が続くので、切り替えて勝てるように頑張っていきます。
福岡乃愛(スポ1=兵庫・三田学園)
――今回、リーグ戦初出場となりました。今日の試合を振り返っていかがですか
日本リーグで1回団体戦を経験させてもらいましたが、そのときに思った反省点や団体戦ならではの反省点を、今回改善してできたので、気持ち的に良いメンタルで臨むことができたと思います。
――団体戦ならではの反省点とは
応援してくれる人を気にしすぎて熱が入りすぎてしまったり、逆にベンチに帰ってきたときに、いろいろな人の意見を聞きすぎて自分のプレーができなかったりしたので、自分の頭の中で思ったことを整理してベンチで言うようにして、それをチームでも共有でき、頭の中が整理できていたので勝てたのではないかと思います。
――チームとしては2-2の場面で出番が回ってきました。どのような気持ちで試合に入られましたか
相手のエース格ということもあり、自分から向かって行くという気持ちで入りました。
――内容としては第1ゲームから接戦となりましたが勝ち切ることができた要因は
今までだと1つミスをしたら連続で点を取られてしまうことがありましたが、相手の焦りを見て自分の作戦を立てることができたので、接戦でも勝ち切ることができたと思います。