ダブルスでランク入りを逃す。全日学は波乱の幕開けに

卓球ダブルス

 ついに全日本大学総合選手権個人の部(全日学)が開幕した。リオ五輪出場者から国体優勝者まで、全国の猛者達がしのぎを削る今大会。初日のきょうは主にダブルスが行われた。早大からは男女合わせて7ペアが出場したが、ランク入りするペアは無かった。一方シングルスの1回戦では、男女5名が2回戦へと駒を進めた。

 男子ダブルスには3ペアが出場。優勝を狙う上村慶哉(スポ3=福岡・希望が丘)・平野晃生(スポ2=山口・野田学園)組は、強豪が顔をそろえたブロックでの出場だったものの、「結局優勝するなら、強い相手を倒さないといけない」(上村)と意気込んで試合に臨んだ。その言葉通り、2、3回戦では2人の動きがかみ合い、相手に1ゲームも奪われることなく快勝。続く4回戦で対戦したのは、愛知工大の藤村友也・吉村和弘組。第1ゲームからジュースとなり、一進一退の攻防が続く。そしてゲームカウント1―2で迎えた第4ゲーム。序盤は相手のチキータに苦しみ大きくリードされるも、5連続ポイントを奪って一時は逆転に成功する。しかし要所で早大ペアに先にミスが出る展開が続き、惜敗。ランク入りとはならず、優勝への道も途絶えた。また、竹岡純樹(スポ3=青森山田)・硴塚将人(スポ1=東京・エリートアカデミー/帝京)組は3回戦でフルゲームのジュースまでもつれ込む熱戦を繰り広げるも、13−15というスコアで敗戦。高田直騎(スポ4=福岡・希望が丘)・坂内拓也(スポ3=東京・実践学園)組は1回戦で姿を消した。

愛知工大のエースペアに敗れた上村主将(右)・平野組

 女子ダブルスでは、優勝候補の一角だった阿部愛莉(スポ2=大阪・四天王寺)・徳永美子(スポ2=福岡・希望が丘)組が3回戦で敗れるという不測の事態が起こった。第1ゲームをテンポ良く先取するも、第2ゲーム以降試合の主導権は相手へ。台上プレーからの展開で後手に回り、なかなか自分たちのペースで試合が進まない。最後まで粘ったものの、フルゲームの末に敗北。試合後、徳永は「ラリー以外での台上の技術が相手より悪かった」と悔しさをにじませた。一方で、ルーキー鎌田那美(スポ1=北海道・駒大苫小牧)・金子碧衣(スポ1=愛知みずほ大瑞穂)組はランク入りこそ逃したが、大健闘した。持ち味の思い切りのいいプレーでラリー戦を制し、2、3回戦を突破。4回戦で中大のエースペアにゲームカウント3―1で敗れたものの、ストレート負けを喫した秋季関東学生リーグ戦よりも成長した姿を見せた。残りの2ペアもランク入りを逃し、団体の部の覇者である早大女子部としては悔しい全日学初日となった。

鎌田・金子組は惜しくもランク入りを逃した

 「シングルスではランク入りを目指して頑張りたい」(鎌田)。いよいよあすからは男女共、シングルスが本格的に始まる。きょうの結果を受け、選手たちはより一層闘志を燃やしているはずだ。早大卓球部としての自覚と誇りを胸に、選手たちは少しでも多くの勝利を勝ち取るべく、戦いに挑む。

(記事 大島悠輔、写真 稲満美也)

結果

▽男子ダブルス

1回戦
◯竹岡・硴塚組3―0戸次・田原組(九産大)

●高田・坂内組2―3岡村・中村組(立命大)

2回戦
◯上村・平野組3―0小笠原・差波組(八戸工大)

●竹岡・硴塚組2―3田中・大西組(日体大)

3回戦
◯上村・平野組3―0八木橋・高杉組(中大)

4回戦
●上村・平野組1―3藤村・吉村組(愛知工大)

▽女子ダブルス

2回戦
◯佐藤風薫(スポ4=岡山・就実)・栗原加奈子(スポ4=北海道・札幌大谷)組3―1大田・村上組(愛知工大)

◯阿部・徳永組3―0長尾・菅野組(札幌国際大)

◯田中千秋(スポ3=愛知みずほ大瑞穂)・鳥屋真帆(社3=高知・明徳義塾)組3―1谷口・吉見組(岡山商大)

◯金子・鎌田組3―2長澤・青木組(中京学院大)

3回戦
●阿部・徳永組2―3原・向山組(日大)

●佐藤・栗原組2―3佐藤・徳住組(立命大)

◯田中・鳥屋組3―1谷本・代田組(神戸松蔭女子学院大)

◯金子・鎌田組3―2島津・中岡組(淑徳大)

4回戦
●田中・鳥屋組2―3楠川・石田組(愛知工大)

●金子・鎌田組1―3明神・山本組(中大)

▽男子シングルス

1回戦

◯坂内3―0新山(志学館大)

◯硴塚3―0笠井(立命大)

◯竹岡3―2髙橋(東北福祉大)

◯高田3―0山本(近畿大)

▽女子シングルス

1回戦
●板尾1―3工藤(金城大)

◯栗原3―1尾島(東北福祉大)

コメント

▽男子

上村慶哉主将(スポ3=福岡・希望が丘)・平野晃生(スポ2=山口・野田学園)組

――今大会のダブルスの組み合わせが発表された時、どのように感じましたか

上村 確かにきついなとは思っていたのですが、結局優勝するなら強い相手を倒さないといけないので、それほど意識はしなかったです。

――今大会に向けて、どのような準備をされてきましたか

平野 どこも強いので、細かいところや簡単なミスをしないことを意識したつもりでした。

――出場した3ペアともランク入りできなかったことについて、主将としてどのように感じていますか

上村 チーム戦で勝つにはみんなの力が高くないといけないので、今回1ペアも入れなかったというのはだめだったと思っています。

――シングルスの目標は

上村 丹羽さん(孝希、明大)のところまではしっかり上がって、目標は優勝なのでしっかりと頑張りたいと思います。

平野ランク入りをとりあえずの目標として、それを達成してからまた次の目標を立てたいと思います。


▽女子

徳永美子(スポ2=福岡・希望が丘)

――優勝を目指していたダブルスでしたが、3回戦敗退という結果についていかがですか

試合内容も勝っているところが多かった中で挽回負けしたので、優勝を目指していただけに悔しいです。

――3回戦を振り返っていかがですか

対戦したことのない相手でしたが、試合を見ていると粘ってから原選手が的確に打ってくるという戦術だと分かっていました。ですが、レシーブだったり、ラリー以外での台上の技術が相手より悪かったと思います。

――改めてシングルスに向けて意気込みをお願いします

去年はベスト16で負けてしまいました。今回は一回一回、相手が強いので、目の前の相手に勝つという気持ちで上を目指したいです。

金子碧衣(スポ1=愛知みずほ大瑞穂)・鎌田那美(スポ1=北海道・駒大苫小牧)組

――初めての全日本大学総合選手権個人の部でしたが、雰囲気はいかがでしたか

鎌田 初めてだから緊張するということは、あまりなかったです。

金子 私も、そんなに緊張するという感じではなかったです。

――ランク入りを逃すかたちとなりましたが、結果についていかがですか

鎌田 ランクに入るのと入らないのとでは成績自体も違いますし、来年度の試合のシードでも大きな差があるのですごく悔しいです。

金子 すごく悔しいです。それまでの試合よりもランク決定戦は、相手がやることをしっかりやってきて、そういう相手に勝たないとランクには入れないと思いました。そういうところがまだ足りないなと感じました。

――きょうは初戦から苦しい試合が続いていましたが、振り返っていかがですか

鎌田 私が崩れた時に金子さんがしっかりフォローしてくれたので、感謝しています。

金子 初戦はゲームカウント0―2とリードされて、いま思うとやっぱり緊張していたのかなと思います。もうちょっと良い準備ができたんじゃないかと思います。

――組み合わせが発表された時からランク決定戦で中大の山本・明神組と対戦することは想定されていたと思いますが、どんな準備をしましたか

鎌田 前回のリーグ戦(秋季関東学生リーグ戦)でストレート負けしていたので、相手のやることは分かっていたのですが、それに対して自分たちがミスしてしまったので、その部分をもっとしっかりできればよかったと思います。

金子 相手はミスが少なくて、しっかりゆっくりボールを入れてくるので、そのボールに対して突っ込まないでやろうと二人で意識しながらやっていました。

――試合の中で実践することはできましたか

金子 どうしても一本欲しいときに突っ込んでしまうこともあったのですが、前の試合に比べればできたのかなと思います。

――あす以降に向けて意気込みをお願いします

鎌田 きょうはランク入りを逃してしまったので、シングルスではランク入りを目指して頑張りたいと思います。

金子 優勝目指して頑張ります。