今季を春季リーグ戦(春季関東学生リーグ戦)2位、インカレ(全日本大学総合選手権・団体の部)2位という成績で折り返した早大卓球部。今回お話を伺ったのは、来年から最上級生としてチームの中心となる高田直騎(スポ3=福岡・希望が丘)、1年生ながら団体戦で勝利を重ねた平野晃生(スポ1=山口・野田学園)だ。前半を振り返ると共に、7日に開幕する秋季リーグ戦に向けていまの心境を語っていただいた。
※この取材は9月1日に行われたものです。
「チームとしても自信がついた」(高田)
左から高田、平野
――まず、これまでのシーズンを振り返っていただきます。リーグ戦、インカレといった団体戦はいかがでしたか
高田 春リーグは結果的に明大に敗れてしまって、チームとしては2位という結果でした。この秋のリーグ戦は4年生最後の試合なので、もちろん1戦1戦が大事なのですが、春リーグで勝てなかった明大を倒して優勝するという目標があります。インカレでは明大には勝ったものの愛工大に負けてしまい2位だったのですが、大きなものを得られたのでチームとしても自信がついたと思います。逆に明大も秋リーグに対して気持ちを強く持ってくると思いますが、春リーグに(早大が明大に)負けているので、そこはチャレンジャー精神を持っていきたいです。
平野 もう言うことないですよ(笑)。もう(高田さんが)全部言いましたよ。
高田 個人的なことでいいんじゃない?
平野 自分は1年生で、初めてのリーグ戦ということで緊張しました。相手が丹羽さん(孝希、明大)という強い選手だったということもあるのですが、優勝が懸かった試合でもっと少し思い切ったプレーをして、良い負け方をできればよかったなと個人的には思います。インカレは結果的にはリーグ戦で負けた明大に勝って2位だったのですが、個人的なことを言えばしっかりしたところで勝てませんでした。秋は4年生最後(の試合)ということで、個人的な部分でしっかり勝って、明大戦という集大成に繋げていけたらなと思います。
――個人戦はどう振り返りますか
高田 関東学生(関東学生選手権)と全日学(全日本大学総合選手権個人の部)の予選がありました。自分の場合はケガなどもあり万全な状態で関東学生を迎えられませんでしたが、全日学予選の方ではだいぶ治ってきたので、また新たに気持ちを入れ替えられたところがよかったです。いま良い感じに(調子が)きているのでリーグ戦に持っていけたらなと思っています。
平野 関東学生など、シングルスではあまり成績が残せていないので、全日学で成績を残して今後に繋げていきたいと思います。
――高田選手は、以前「上級生らしく戦いたい」とおっしゃっていましたが、その点はいかがでしたか
高田 下に2学年いるので、やはり上の学年がしっかりしないと、という思いがありました。1年生は他の大学でも思い切って(向かって)くる選手が多く、そういったときの対応が春リーグではできなかったので、この秋リーグではしっかり対応していきたいです。逆に、自分もまだまだチャレンジャー精神を持っていかないといけないなと痛感しました。
――平野選手は「1年生らしいプレーがしたい」とおっしゃっていました
平野 思った以上に固くなってしまってできなかったのですが、秋が終わったら次の1年生が入ってくるので、そういうことも考えてプレーしていかないといけないなと思います。
――インカレでは強敵の明大に勝利しました。どう振り返りますか
高田 組み合わせを見た時に明大と当たることが分かって、やはり勝たないと優勝はできないと思いました。大島さん(祐哉、スポ4=京都・東山)を筆頭にチーム全体で勝ちにいって、結果的に勝利することができたのでよかったです。
平野 明大に勝てたのですが、勝てたのは大島さんや勝也さん(山本主将、スポ4=石川・遊学館)といった4年生がいたというのが大きかった、というよりもほとんどを占めていて、その代が抜けた後に誰が勝っていくのかなということを考えると、もっと自分も(頑張って)やっていかないとと思います。
――明大に勝利しながらも、優勝は逃してしまいました
高田 愛工大も強いチームだとは分かっていました。大島さんがエース対決で勝ってしっかり2点取ってきてくださったのですが、2-3で負けてしまいました。結果的には負けたのですが、チームの勢いは今後に繋がるものだったので、悔しかったけれど次に切り替えることが出来そうかなと思っています。
平野 愛工大はエース対決で負けても最後は(総合スコアで)勝っていたので、そこの差が大きいのかなとは思います。(仮に)大島さんが負けた時に、他の人たちがどう支えて勝っていくのかというところも考えなければいけないな、というのはすごく感じます。
――優勝することができなかった要因は何だと考えていらっしゃいますか
高田 チームの雰囲気はそんなに悪くはなかったとは思うので、個人個人の戦術や技術面の見直しをもう少ししっかり調整していけたらな、と感じました。
平野 ひとりひとりがやってやるぞという気持ちを持つことが大事だなと思います。
上級生として、部をまとめる高田
――ここまでの収穫は何ですか
高田 前回のインタビューの時に「左利きの選手に対して苦手意識を持っている」と言ったのですが、この前の全日学予選の時に左利きの選手に勝てたということが、まだまだ足りないのですが少し自信になりました。
平野 1年生ということで、いろいろな環境に慣れないといけないところがあったのですが、徐々に慣れてきて自分のペースが少しずつ分かってきたので、それをもっとしっかり(確立)していって、結果を出せるようにしたいと思います。
――見つかった課題はありますか
高田 競った場面で緊張してしまうとなかなか強気の攻めができないので、レシーブなどの細かい技術が今後の課題になると思います。
平野 技術もそうなのですが、精神面が一番大きいかなと思うので、競った場面でどういった戦術でいくのかということや、思い切っていくことをもっと考えてやっていきたいです。
「勝ちに貪欲になって、がむしゃらに」(平野)
――秋季リーグに向けて、コンディションは
高田 ケガが治ってきているので、コンディションとしてはいい感じにもってきていると思います。
平野 さっきも言ったように自分のペースが分かってきたので、春リーグよりはいい感じで調整できていると思います。
――今の部内の雰囲気は
高田 先日まで合宿をやっていて、チームの雰囲気としては上がってきているので、(雰囲気が)明るいままだったらいいんですけど、悪ふざけの方向にいかなければいいかな、と思います。
平野 いつもと比べるとピリピリしていて、いいムードで練習できていると思います。
――試合を控えて、プレッシャーや緊張はありますか
高田 そうですね。でもプレッシャーというよりも、思い切ってプレーしないと勝てないと思っているので、そこは自分の中でしっかり気持ちをつくって試合に入ろうと考えています。
平野 春季と比べるとそこまで緊張はないんですけど、チームのために、自分のために勝ち星をつけていきたいなと思います。
――お2人のチーム内での役割は
高田 自分は、下の学年からも話しやすい印象があると思うので、気軽に話しかけてもらっています。逆に真面目にやるときは真面目にやってもらう感じなので、楽しくできています。
平野 僕は…なんですかね?よく分からないです(笑)。
一同 (笑)。
高田 真面目じゃない?お前(笑)。
平野 真面目そう?
高田 意外に(笑)。
平野 真面目だそうです(笑)。
――お2人はよくお話しされますか
高田 そうですね、よく話します。
――具体的にどのようなことをお話しされますか
平野 くだらないですよ(笑)。
高田 くだらないことばっかりです(笑)。
――卓球についてのお話しもされますか
高田 自主練のときなどは話しますけど、普段の生活ではあまり話さないです。違う話ばっかりです(笑)。
――最もライバル視している大学は
高田 どこの大学も強いんですけど、やっぱり、明大に負けているし明大の選手は全員強いので。他にも専大や中大の選手も平均して強いので、そこはチームでしっかり勝っていかなきゃいけないなと。
平野 明大がチームの中でも一番ライバル視していると思うんですけど、自分の中では今回から上がってきた筑波大学が強い選手が多くて。慎重に見てやっていかないと、と思います。
――インカレで明大に勝利したことで、リーグ戦に向けて弾みがついたのではないでしょうか
高田 インカレの場合、4人ずつしか出ないんですけど、今回のように6人出る、ってなったときに明大のほうが層が厚いので、そこは、下の選手がどれだけ戦えるかが重要になってくると思います。
平野 リーグ戦は6人なので、インカレみたいに5本だったら大島さんに2本取ってもらってあと1本、ってなるんですけど(笑)、リーグ戦になると大島さんに2本取ってもらってもあと2本取らなきゃいけないので、一人ひとりが技術力などを上げて臨まないといけないとすごく感じます。
インカレでも起用され、主力の一角を担った平野
――試合に向けて、どのような点に力を入れて練習していますか
高田 ボールがプラスチックボールに変わっているので、まずボールに慣れていくことですね。あとはサーブとレシーブの細かい技術に取り組んでいます。大きいラリーよりは細かいところで勝負になると思うので、そのあたりを重点的に練習しています。
平野 ストロングポイントというか、自分の長所を試合前はやりこんでいくタイプなので、今はその途中ですね。
――このリーグ戦でのキーマンは
平野 誰ですかね?
高田 4年生以外ですね。全員キーマンだと思います。4年生は自分の立場や使命を分かっているけど、自分たちは上の選手についていくばかりで。4年生がいなくなったときのことも考えて戦わないといけない、というのをこの秋リーグで考えておかないと来年きつくなるので、全員キーマンってことにしときます(笑)。
平野 自分でいうのも何なんですけど、自分自身ですね。
高田 おおっ!(笑)言っとけ言っとけ(笑)。
平野 1年生として、いい意味でチームを勢いづけられる存在だと思うので、4年生はもちろん、ちょっと図々しいけど僕なんじゃないかなと思います(笑)。
高田 いいんじゃない(笑)?
――4年生とのリーグ戦は最後となります
高田 簡単に言うと優勝させてあげたい、ですね。レギュラーに4人4年生がいるし、特に大島さんはほとんど全勝で帰ってきてくれて、残りの何本かが取れなくて負けたというケースが今までもあったので。優勝させてあげたいという気持ちは自分の中で大きいですね。
平野 4年生が最後っていうのもありますが、大島さんや山本主将が1年の秋リーグで優勝しているので、自分もそれに続いて優勝したい、という思いが強いです。
――高田選手は来季から最上級生となりますが、今のお気持ちは
高田 そうですね、不安でいっぱいです。チーム状況も下がるので、全ての1部リーグ校と互角な戦いになると思うので、自分が上手く指揮をとってやっていかないといけない、という実感があります。
――最後に、秋季リーグに向けての意気込みをお聞かせください
高田 優勝を目指してやるんですけど、一戦一戦チーム全員で戦うってことを自分は心に決めて臨みたいと思います。
平野 勝ちに貪欲になって、がむしゃらに。出る試合は一戦ごとに絶対に勝ってやる、という気持ちをもってやっていきたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 大浦帆乃佳、熊木玲佳)
勝利への熱い闘志が垣間見えます!
◆高田直騎(たかだ・なおき)(※写真左)
1995年(平7)3月16日生まれ。福岡・希望が丘出身。スポーツ科学部3年。部全体のこと、これからの卓球部のことも考えている高田選手。後輩の平野選手とも気さくに接する姿が印象的でした。部内の明るく楽しい雰囲気をそのままに、リーグ戦優勝目指して頑張ってください!
◆平野晃生(ひらの・こうせい)(※写真右)
1996年(平8)6月7日生まれ。山口・野田学園高出身。スポーツ科学部1年。質問に対し、終始丁寧に答えてくださった平野選手。言葉の端々や、ワセダのキーマンとして自身を指名する際に頼もしさがうかがえました。リーグ戦では、長所を存分に発揮して勝利を重ねていってください!