ついに春季関東学生リーグ戦(リーグ戦)が開幕する。最上級生となった山本勝也主将(スポ4=石川・遊学館 )、坂口紳悟副将(社4=東京・早実)、藤原康明(社4=埼玉・狭山ヶ丘)は、大一番を前に何を思うのか。目前に控えた負けられない戦いへの意気込みとは。そしてラストイヤーに懸ける思いとは。頂点を目指し、チームをけん引する三人に、いまの心境を語っていただいた。
※この取材は4月23日に行われたものです。
4年生としての覚悟
左から山本、坂口、藤原
――きょうはどのような練習をされていたのでしょうか
坂口 リーグ戦に向けて対策練習をメインに、あとは自分の実力を最大限に出すための練習をしていました。
山本 そうですね。あと風邪が流行っていて、体調不良者が多いのであまり無理しないように、各自コンディションを整えつつ練習しています。
――新体制になってから東京選手権などの大会がありましたここまでのご自身の戦いぶりを振り返って
山本 僕は3月からここまでずっと試合があったのですが、どの試合でも自分の納得いくプレーができたので収穫はかなりありました。
坂口 きょねんの秋のリーグ戦(秋季関東学生リーグ戦)は1回出て負けて終わってしまって。それからことしは最後の1年なので結果を残そうと頑張っているのですが、なかなか新体制になってから就職活動も始まり練習との兼ね合いが難しい部分もあって、東京選手権では予選で落ちたりして苦しい期間でしたね。3月に山本主将が海外に試合に行っていて、その間キャプテン代理を務めていたのですが、その時に少しチームがバラバラだなということを感じました。それで率先して自分も4年生として下の代を引っ張っていこうという意識を持ち始めて、いまは意識の高い練習をできていると思います。
藤原 個人的には1月2月とすごく調子が良くて。3月に就職活動が始まって、卓球だけに集中することができなくなって、少し気持ちが散漫になってしまったというか、自分の納得いくプレーがなかなかできなくなったこともあったのですが、いまは良い感じで練習できています。
――山本選手の納得いくプレーとは具体的にどのようなプレーでしょうか
山本 最近台上のプレーの練習をしていて、ラリーよりもそっちに重きを置いています。いままでは実際の試合でそれがなかなか出せなかったのですが、試合の中で徐々に出せるようになってきて勝ち星もついてきて、自信につながりました。
――坂口選手は「チームがバラバラだなということを感じました」とのことでしたが、いまの雰囲気はいかがでしょうか
坂口 そうですね。良くなってきています。4月に4年生で一人一人自らの役割が何なのか、主体的にどうしていくのかというテーマを決めたんです。4年生は勝たないといけないし、1年生には全力で仕事をやってもらいたいし。各自の役割があって、それを(リーグ戦)優勝に向けて全員が全力でやるようにということを、先週のミーティングで後輩にも伝えました。
山本 3月は僕とか大島(祐哉、スポ4=京都・東山)が抜けている期間が多くてその時に上の代がいなくてだらけてしまう後輩が多かったみたいで、それではまずいということで、帰ってきてから改めて締め直して。いまはすごく良い状態でみんな練習できていると思います。
藤原 そうですね。ミーティングをやってみんな課題を持って自分ができることを確認できたから、いま良い状態なのだと思います。
――最上級生になって、3年生までと比べて変わった部分はありますか
山本 僕はかなりありましたね。3年生の時は自分のことばか考えていて。リーグ戦でも自分が勝つことだけを考えて準備をしていたのですが、いまはやはり自分だけ勝ってもチームは勝てないので、チーム全体を見るようになりました。
坂口 自分は3月に海外に主将が行っていた時に副将として何もしていないなということを実感しました。3年生までは上に先輩がいたので自分の卓球を、勝つことだけを考えていたんですけど。後輩たちを引っ張っていかないとという意識に変わっていきました。
藤原 僕も1個上の先輩とかとすごくつながりが深かったので、あまり自分から何かしようと言わなくても先輩が「こうしよう」と言ったことに「ああ、そうですね」みたいな、相づちを打つくらいの感じでした。でも先輩が抜けて自分が一番上になって、まとめていかなきゃいけないんだという実感みたいなものが湧いてきました。
――4年生としてチームを引っ張る上で大変なことはありますか
山本 大変だなと思う部分はかなりありますね。でもそれを大変だなと思ってしまうと周りにも嫌な空気が漂ったり、自分自身もナーバスになってしまうのであまり大変だなとは思わずに、自分たちの代で優勝できればすごくやりきった感があると思うので、それを味わえるようにいまは楽しく頑張っています。
坂口 自分も同じような感じですね。1年生の時に優勝して以来優勝していないのですが、その優勝をまたみんなで味わいたいなという気持ちの方が、不安や困難よりも上にあって。その為に積極的に動いているという感じですかね。
藤原 僕も同じような感じですね(笑)。やっぱり全力でやって悔いのないように終わりたいなと思います。
一人一人の役割
大島とダブルスエースとして活躍してきた山本
――坂口選手と藤原選手から見て、山本選手はどのような主将ですか
坂口 勝也は真面目ですね。
藤原 僕の印象としてはすごく合理的にものを考えているなっていう。主観があまり入っていなくて、チームを良くするためにどうすれば良いかということを常に考えているなという印象があります。
坂口 やはりいままでリーグ戦でずっと戦ってきた経験があるので、その経験を僕は持っていないので教えてもらったりしています。あとは勝つためにどういうことがチームとして必要かということをコミュニケーションを取っていて、頼りにしています。
山本 恥ずかしいですね(笑)。普段はそんなこと言われないので。
――では山本選手と藤原選手から見た坂口選手はどのような方ですか
藤原 真面目ですね(笑)。
坂口 みんな真面目(笑)。3年までは副将とかはなかったのですが、4年になって副将という立場になって、後輩を引っ張っていくんだという気持ちが表れていて、すごく頼りにしています。
藤原 すごく自分からチームを変えていこうという意志が強いなと思っています。頼りにしています!
坂口 真似するなよ(笑)。
――では山本選手と坂口選手から見た藤原選手はどのような方ですか
坂口 藤原はなんだろうな。
山本 藤原は最近就活もあって、もちろん授業も出ないといけなくて、卓球もしないといけなくてすごく大変なんですけど、それを感じさせないぐらいナーバスにならなくて、常に明るくて。みんな「大丈夫かな、藤原さん」という風には全然ならなくて、引っ張っていってくれています。ムードメーカーみたいなところがあります。
坂口 そうですそうです(笑)。藤原が部室に来ると空気が変わるんですよ。
藤原 そんなことないでしょ(笑)。
坂口 来た!藤原!みたいな(笑)。
――皆さんとても仲が良さそうですが、4年生全体はどのような代ですか
坂口 どういう代か…。仲良いと俺は思うんだけど。
山本 うん。いいね。あとは他の代に比べて強い人が集まっているので、かなり期待はされていると思います。男女アベック優勝とか。
――それはプレッシャーにもなりますか
山本 そうですね。もちろんありますけどそれを力に変えて頑張ります。
――チームをまとめる上で迷った時には4年生で相談することはあるのでしょうか
山本 そうですね。話し合いはかなり多くしていますね。
坂口 結構飲みに行ったりもします。3人だったり4人だったりで。
――部活以外でも仲が良さそうですが、坂口選手と藤原選手は同じ社会科学部ということで授業などはいかがですか
坂口 結構会ったりしますね。なるべく同じ授業を取るようにしているので(笑)。
藤原 僕はもう単位取れなすぎて(笑)。坂口と同じ授業を取っています。
山本選手はスポーツ科学部ですが、部員の方には同じ学部の方も多いですね――
山本 そうですね。だいたい一緒です。でも4年生になってあまり授業がないので、1年生とはあまり授業がかぶらないんですよね。
坂口 優秀だね。
藤原 優秀だね。
――後輩の選手たちの印象はいかがですか
山本 新入生はすごく真面目ですね。何人だっけ?4人?
坂口 4人だね。すごく真面目。
山本 4人ともみんなすごく真面目で、まだ本性を現していないかなという気もしますけど(笑)。
坂口 ちょっと距離を置いているというかね(笑)。
山本 これからどんどん近づいてくれればと思っています。
坂口 でも全力で仕事をしてくれている姿が結構見られるので、そこは2年生、3年生の良い刺激にもなっていると思います。結構いま重要な存在となってきましたね。
――2、3年生はいかがでしょうか
坂口 2年と3年でだいぶ違うんですよね。
山本 それぞれ特徴があるので。
坂口 2年生はフランクな感じです。話しやすいという意味では垣根がなくて良いのですが、逆に言えばオンとオフの切り替えがまだもう少しかなという部分が課題の1つですね。
藤原 そうですね。パワフルな感じがします。3年生は結構真面目です。1年も3年も4年もみんな真面目なんですけど(笑)。2年生も真面目なときは真面目なんですけど、はっちゃけるときははっちゃけていますね。
――後輩と接するときに気を付けていることはありますか
山本 そうですね、より厳しく接するようにしています。練習相手でも言葉でも両方でも。3年までは一緒に高めあっていこうという感じだったのですが、いまは上からでも良いのでどんどん厳しくいって持ち上げようと思ってやっています。
坂口 確かに言うべきところはちゃんと言わなくちゃいけない部分があるなとは思います。ただまだ1年とか2年とかなので、わからない部分があると思うので、自分の経験も踏まえた上で話すように、同じ目線に立つことを意識しています。自分も1年の時は仕事で失敗したという話から入って、お前も大変だけsど頑張れよという感じで、後押しするようなつもりで言っています。
藤原 僕は規範となるような行動をしなきゃなというのが一番です。背中で見せていこうと。
――ことしのワセダの強みは何でしょうか
山本 僕が思っているのは、いままでチームを引っ張ってきた僕らの代が一番上の代になったので、やはりみんなからも期待されますし、自分たちでも優勝できるという気持ちが例年よりも強くなりました。その気持ちで引っ張っていけば必ず後輩たちも付いてきてくれると思うので、僕たちが先頭に立って、頑張っていきたいと思っています。
坂口 自分たちの代は1年生の時から試合に出ている人が多いので、この学年が一番上になったということで、経験がありつつ実力も伴っているチームになっているかなという感じがします。可能性が一番高いのではないかと自分は感じていますね。結果を残せるようにワクワクしながらやっています。
藤原 試合に出る人がどこかの学年に固まっているというわけではなくて、例えば4年生なら大島とか勝也とかすごく経験のある存在で、1年なら平野(晃生、スポ1=山口・野田学園)のように新しいエネルギッシュな選手もいて、多様性があるかなと思います。本当に可能性のあるチームだと思います。
――今後目指すチームの理想像はありますか
坂口 自分はさっきも言ったように、一人一人が主体的になってくれたらなと思っていて。やはり仕事にしても何にしても、やらされてやるのは効果も生まれないし他の人にも良い影響を与えないと思いますし、一人一人が目標を持って、積極的に自分から自分からという気持ちで動いてくれるのが理想ですね。
山本 6人で試合に出るので、6人全員で戦うということがすごく大事だと思うので、上の2、3人に頼って他の人は負けてもいいやという気持ちが少しでもあるとチームは崩れてしまうと思います。下の人たちも含めて全員で戦うというのが理想ですね。
藤原 僕も全員で戦うというのはあるのですが、一人一人目的を持って、いまも持っていないことはないのですが、もっと具体的な目的を持って行動すべきかなと思います。
――皆さんがミーティングの時に話したご自身の役割とは何でしょうか
山本 まず学年別の役割があって、4年生はチームを引っ張っていく存在となるので自分たちのことだけではなく、周りも見て後輩の指導に当たるということが役目です。3年生はいままで真面目で、言われたことに関しては良くできるのですが、今度は上の学年になったのでやはりチームを引っ張る自覚が足りないと感じたので、3年生のうちからチームを引っ張るんだという気持ちを大切にしてほしいと伝えました。2年生は学年も上がって後輩もできたので、後輩に良い刺激を与えられるような行動を普段から取るようにと言っています。1年生はもうわからないことだらけだと思うのでコミュニケーションを欠かさず取って、わからないことがあればすぐ聞いて、自分たちの役割が何なのかを見出して行動してほしいです。僕自身の役割は4年生としての役割プラスキャプテンということがあります。他の大学とは違ってワセダは卓球面だけではなくて他の面でもしっかりしているからこそチーム力が発揮されると僕は思っています。なので卓球面だけではなくて普段の生活から後輩のことを見て指導していきたいと思っていますね。卓球の面ではさっきのように、練習相手をしたらより厳しく言って後輩の指導に当たるようにしています。
坂口 自分は卓球の面ではリーグ戦に出るか出ないかくらいの候補選手の中にいるので、自分の実力を上げて他の選手の競争力を上げてチームの底上げをするのがまず大事かなと思っています。あとは卓球以外の面ではやはり副将として、勝也とチームをこれからどうしていくのかを、具体的な作戦だとかチーム作りを話し合っていますね。
藤原 僕は卓球面では常に勝ちにこだわって勝つという役割があると思います。行動面ではさっきも言いましたが規範となるような行動をするということを意識しています。例えば部室を散らかさないとか、時間を守るとか、練習には集中するとか、当たり前のことを当たり前にやるという感じですね。
勝つために必要なもの
4年生としてチームをまとめる坂口
――リーグ戦で勝つためにこれから強化していきたいポイントは
山本 僕はボールがプラスチックボールに変わったので、その特性を生かして他の大学よりもよりプラスチックボールに合った戦略を組んでやることが大事だと思っています。また自分たちの実力を上げる練習もすごく大事だと思うのですが、さらにこれから対策練習をやっていくことが重要だと思っていて、各大学の対策となる練習を今後はやっていきたいと思っています。
坂口 ほとんど一緒で、プラスチックボールに変わって、その特性を生かして戦術を組み立てていくということが大事だと思います。あとは自分の強みを相手より先に出し切って少しでも先に先手を取っていくように仕掛けたいです。具体的に言うとサーブを変えて出したりとかラリーのコース取りを相手よりも少し厳しく狙ったりとかを意識してやっています。
藤原 ラリーになればあまり負けずに五分くらいでいけると思うので、サーブレシーブとかでいかに自分のプレーができるかというところに力を入れていければいいかなと思います。
――プラスチックボールの対策はどのようなことをしています
山本 具体的に言うと回転が前よりもかからなくなったんです。回転がかかっていないのをわかっていなくてネットミスしてしまうということがかなり増えたので、そこをカウンターだとか、以前は入らなかったボールでもいまは入るようになったので、そういうボールを生かすことが重要だと思います。わざと相手に打たせてカウンターを仕掛けるだとか、そういうことが大事になってくると思います。
――皆さんのプラスチックボール対策は万全ですか
山本 やはりメーカーによってかなり違いがあるので、あるメーカーでは満足のいくプレーができるのですが、他のメーカーではまだまだかなと思う部分もあったりしてなかなか難しいですね。
坂口 難しいですね。
――自分の技術を磨く練習だけでなくボールに合わせた練習も必要になるのですか
山本 そうですね。ボールに合わせた打ち方を最近は覚えるようにしています。感覚の部分なのですが結構変わりますね。
坂口 弾み方が変わりますね。このあたりに弾んでくるかなと思うと思ったり弾んだり逆に弾まなかったり。そういうのに慣れるようにしています。
――リーグ戦を戦っていく上で自分に求められる役割は何だと思いますか
山本 僕は前半も後半も両方とも経験してきて、どこに出ても自分のプレーができるという強みがあると思います。なのでどこで出してもらっても必ず勝ち星を挙げるというのが自分の役割だと思っています。
坂口 自分の役割は、まずは出るか出ないかわからないので、出る選手の練習相手だとかコンディショニング調整はこれからもやっていくことと、自分はこれまで2回出て2回負けているので、出たときに自分が初勝利を挙げたらチームの雰囲気も良くなると思うので、勝ちにこだわっていきたいと思います。
藤原 僕も試合に出させてもらったら思い切って声を出して、暴れるじゃないですけど積極的にやっていきたいなと思っています。
――お互いどんなプレーをしてほしいですか
山本 藤原が勝つとチームも盛り上がるので、藤原は実際はしているのかもしれませんが、見ていて緊張を感じないので、緊張せずにはつらつとしたプレーを期待しています。
坂口 藤原はいつも全力で、ビビった試合をしていないなというのがあるので。試合で活躍しているのを見ているだけでこっちも盛り上がるので、試合中もムードメーカーですね(笑)。
藤原 そんなに褒めても何も出ないよ(笑)。
――藤原選手は試合中緊張していますか
藤原 緊張はしますけど、試合前にアップしたら何も考えられなくなってしまって。適当にというか(笑)。
坂口 それがすごいんだよな(笑)。藤原にしかないです。
――では山本選手にはどのようなプレーを期待しますか
坂口 やはり秋に全勝しているので、これからも安定して確実に1試合ずつ勝っていってくれたら安心感もあるので、頼れるキャプテンかなという部分ですかね。
藤原 僕も安心して見ている部分があるので、そのままいってほしいなと思いますね。
――では坂口選手にはどのようなプレーをしてほしいですか
山本 坂口にはまず試合に出てもらいたいという気持ちがすごく強くて。もし坂口が出て、藤原、僕、大島が出たら4年生が四人出ることになるのでそれが夢というか、かなえたいなと思っています。そうすればチーム全体も盛り上がって良い雰囲気になるんじゃないかなと僕は思っています。
藤原 坂口の試合は結構毎回盛り上がるんです。なんか面白いので(笑)。この前も審判台にぶつかりに行ってて。
坂口 ぶつかっちゃったんだよ(笑)。
藤原 アグレッシブというか(笑)。坂口が勝てば本当にチームが盛り上がるので、のびのびやってほしいですね。
坂口 頑張ります。
――ここまで主にシングルスのお話でしたが、ダブルスはリーグ戦に向けて順調ですか
坂口 いま大島が世界選手権に出るのでこっち(部の練習)に顔を出せなくて、ダブルスの練習ができない状況なのですが、それでもダブルスは重要なポジションなので、大島たちだけに頼らずに他のペアも練習して全体的にレベルアップしていきたいなと思います。
――ダブルスのペアは昨年度から変わるのでしょうか
山本 変わらない予定ですが、新入生も入ってきたので変わる可能性もありますね。必ず昨年と同じペアがリーグ戦に出るとは限らないです。
――次にご自身のプレーの強み、長所はどこですか
山本 坂口から。考えとくから(笑)。
坂口 僕の長所はとにかく粘ることなんです。あまりボールのスピードに自信がないので、どちらかというと先にせめて、何本返ってきても何本でも攻め続けるというのがぼくの長所です。あとはなんだろうな。
藤原 クレバー。
坂口 賢い?そうですね…。戦術は結構考えてやってると思うので、自分の得意パターンに持っていこうとするのが長所というか個性というか。藤原はどちらかというとその場の雰囲気でプレーを決めているのですが、自分の場合はこういうときはこうやろうと考えてやっていますね。手堅いというか、確実な卓球が持ち味かもしれないですね。
――相手の研究はよくするのですか
坂口 しますします。結構動画とか見たりしますね。
――藤原選手の強みは何でしょうか
藤原 僕の強みは何ですかね…。当たらないことも多いのですが、当たるとそれなりに勝てるときは勝てるので、リスキーかもしれないですが、攻めたときに勝ちやすい卓球だと思います。あとはカウンターが僕の一番の武器です。
山本 勢いに乗ると藤原は止められないです。
両ハンドドライブで相手を翻弄する藤原
――山本選手はいかがですか
山本 僕は打点が他の人より高い卓球を意識していて、その部分で相手を振り回すのが一番の強みです。ですが最近は研究されてきてそれだけでは勝てないというのがわかってきたので、相手に適した戦い方をできるようになって、戦術の幅が広がったというのが強みですかね。
――東京選手権で納得いくプレーができたというのはそういった部分のことでしょうか
山本 そうですね。実際に左やカットマンや普通の右の選手などいろいろな選手とその時は対戦して、いろいろなタイプの選手に安定して勝つことができて。練習していたサーブやレシーブの戦術をすごく発揮できた試合でした。
――逆に自分のプレーの中の不安な部分や課題とする部分はどこですか
山本 プレーの中で不安な要素はないですね。自信を持っていまは全てにおいてやっているので。プレーというよりはメンタル面の方が不安はありますね。4年生としてチームを引っ張らなくてはいけないので、自分が負けたときだとか、逆に1年生が負けてナーバスになってしまったときにどうすればいいんだろうというのはすごくあります。
坂口 自分は、1つはフォアの方が得意でバックはあまり得意ではないので、なるべく得意なフォアの連続攻撃に持っていくように戦術練習をしています。あとは精神面で、やはり藤原みたいにその場の雰囲気で思い切ってできないので、緊張すると視野が狭まっていって悩んで負けるということが多いので、練習の時から試合を想定して自分がうまくいかなかったときにも視野を広げるように練習しています。
藤原 僕はレシーブが課題なのですが、相手のサーブに対処できなかったときに、技の数を増やすというか、何でもできるようにしたいなと思っています。
――リーグ戦で警戒する大学は
山本 メイジがまず一番ですね。周りの声ではメイジがダントツで、ワセダ、専修大、中大が良い勝負だと言われているのですが、2位は最低ラインだと思っています。逆に出だしが大事だと思っています。きょねんの秋では第1戦で法大に負けてしまって、雰囲気が悪くなってしまって。今回は日大戦が第1戦なので、日大戦と最終戦のメイジが重要だと思っています。
坂口 自分も5日連続なので、1回負けると転がっていってしまう可能性もありえるので1試合目の日大戦に照準を合わせていくべきかなと思います。そこで勝てれば徐々に波に乗って最終戦のメイジに良いかたちで持っていきたいというイメージです。
藤原 僕もメイジに勝つために、それまでは全部勝っていきたいなと思いますね。
――リーグ戦だけでなくこの1年間、ラストイヤーに懸ける思いを教えてください
山本 全ての試合がもう最後の試合なので、気負わずに自分のプレーをすることだけを心掛けて、楽しくやっていきたいですね。あまり成績とか必ずランクに入らないといけないということは考えないようにして。とにかく自分のプレーができれば、いまの自分の実力なら必ず良い成績を残せると思っているので、その部分を心掛けていきたいです。
坂口 自分はワセダの卓球部に入りたくて高校も進学したので、それだけ早稲田大学卓球部が大好きで3年間過ごしてきて、やはり最後1年は自分の好きな卓球で恩返しをしたいなという思いが強いですね。その期待に応えられるように、頑張っていきます。
藤原 僕も坂口と同じで、ワセダの卓球部に憧れて入ってきたので、過去の自分を裏切らないような行動をしていきたいと思います。
リーグ戦での個人の目標を教えてください
山本 結果的には7戦全勝が個人的な目標なのですが、やはり僕はみんなから頼られることが多いと思うので、そういったときにうまく対応していきたいと思っています。
坂口 自分はリーグ戦でまず1勝。初勝利を挙げることです。
藤原 僕も勝つことですね。全勝です。
――チームとしてのリーグ戦での目標をお願いします
山本 ことしは本当に良いチームができたと思うので、春から優勝して春、インカレ(全日本大学選手権)、秋リーグと全ての大会で優勝していきたいと思っています。
坂口 目標が目標だけで終わらないように、ちゃんとそれを達成して結果を残すということにシビアになりたいです。
藤原 僕も優勝にこだわって頑張りたいです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 藤川友実子)
この1年に懸ける思いを書いていただきました
◆山本勝也(やまもと・かつや)(※写真左)
1993(平5)年12月22日生まれ。石川・遊学館高出身。スポーツ科学部4年。右シェーク裏・裏。主将となりこれまで以上に練習に気を遣うようになった山本選手。オフの日はその分何もせずゆっくり過ごして元気をチャージしているそうです!
◆坂口紳悟(さかぐち・しんご)(※写真中央)
1993(平5)年11月29日生まれ。東京・早実高出身。社会科学部4年。右シェーク裏・裏。温泉が大好きという坂口選手。疲れを感じたときには銭湯に行くのが定番のリラックス方法だとか。取材の前日も銭湯でリフレッシュしてきたそうです!
◆藤原康明(ふじわら・やすあき)(※写真右)
1992(平4)年4月3日生まれ。埼玉・狭山ヶ丘高出身。社会科学部4年。右シェーク裏・裏。オフの日も楽しく過ごそうと心掛けている藤原選手。「頭のネジが抜けている」とご自分について話していましたが「それが藤原の良いところ」と坂口選手。ムードメーカーらしい、みんなに愛されるキャラクターが垣間見えました。