昨年は1年生ながら、秋季関東学生リーグ戦の優勝などに貢献した田中千秋(スポ2=愛知みずほ大瑞穂)、鳥屋真帆(社2=高知・明徳義塾)、加藤夏海(社2=秋田商)の3人。まだ2年生と下級生ではあるものの、求められるのは主力級の活躍だ。ルーキーイヤーの振り返りとともに、ことしに懸ける強い思いを伺った。
※この取材は4月22日に行われたものです。
「(昨年は)あっという間の一年」(田中)
左から田中、鳥屋、加藤
――同級生3人での取材となりましたが、この対談が決まった時の率直な感想はどのようなものでしたか
田中 レギュラーに同期で3人も入れたことはすごく光栄なことだとは思っています。
鳥屋 部内でも同期で練習することが多くて、一緒に切磋琢磨(せっさたくま)し合っていた仲だったので、部の全体としても選ばれたことはうれしかったです。また頑張ろうという気持ちにもなりました。
――加藤選手は初めての対談取材になりますが、緊張などはされていますか
加藤 はい、しています…。
田中・鳥屋 (笑)。
――お二人は昨年に続き2回目となりますが
田中 きょねんほどは(緊張)していないです。
鳥屋 経験しているので、どうやって(対談を)進めればいいかなという対策はできています(笑)。
――2年生ということで、卓球においても大学生活においても余裕というのは出てきましたか
田中 時間の使い方が、きょねんよりはうまくできるようになってきたかなと思います。
鳥屋 リーグ戦を経験して、自分の中では負けた試合もありました。悪かったところを生かして今回も(リーグ戦に)臨みたいと思っています。1年目より2年目の方が、いい状態で臨めると自分では思っています。
加藤 1年生の時は何もわからなくて、全て全力でやっていました。それで疲れも溜まってしまい、うまくできないこともありました。それもだんだん慣れてきて、練習でもうまく時間を使って考えて練習できるようになりました。授業の合間を縫ったりして効率良くできるようになったので、いい方向に向かえていると思います。
――昨年は1年生ながら秋季関東学生リーグ戦(秋季リーグ)で優勝されるなどいろいろな経験をされましたが、どのような一年でしたか
田中 あっという間の一年というのが強い印象です。気が付いたら春季リーグ(春季関東学生リーグ戦)が終わっていて、インカレ(全日本大学総合選手権団体の部)も終わり、秋季リーグも終わり、冬休みも入って、気が付けば進級して2年生になっている感じです。早かったです。
鳥屋 1年生の頃は先輩方などみんなについていく印象がありました。自分がこうしたいというより、先輩についていって迷惑をかけないようにとしていました。
加藤 1年目でリーグ戦などを経験して、先輩たちがチームをまとめて引っ張って行ってくれる姿がかっこよく、憧れを感じました。きょねんの一年間は、先輩がすごいんだなと、自分も上級生になったらそういう風にちゃんとできるようになりたいなと思いました。チーム力というか、まとめる力を学んだ一年でした。
――春季リーグ戦では田中選手は東京富士大戦で先鋒を務められましたが、その時のことを振り返っていかがでしたか
田中 対戦したのが東京富士大の主将でエースの選手で、強いということは聞いていました。実際にやってみると、技術や頭の面というより、気迫が違いました。プレーというより体で怖さを感じた試合です。自分のプレーが何もできずに終わってしまいました。そこで東京富士大の選手が、こういう選手なんだと実感させられ、強さを感じた試合でした。
――お二方はそんな田中選手を見てどう感じましたか
加藤 相手の気迫や勢いが止められなくて、ずるずると引きずられているというか、何もできていなかったようには見えました。
鳥屋 自分たちもどうすればいいのだろうという感じでした。
――その後の関東学生新人選手権では田中選手と鳥屋選手のペアで、ダブルスベスト4に輝きましたが、いかがでしたか
田中 結構ノリじゃない?
鳥屋 二人で楽しくはやっていたよね。
田中 新人戦なので1年生が多いのはもちろんですが、始めたての時だったのでとにかく二人で声を掛け合いながらやっていったら、いつのまにかベスト4だったという感じです。
鳥屋 勝ち負けというより、一本を二人で取りに行く気持ちで挑んでいました。一本ミスしても、ごめんねみたいな感じでお互いコミュニケーションも取れていたので、負けていても勝っていてもあまり気持ちの面でぶれたりはしなかったのが、ベスト4まで進めた要因かなと思っています。
――みなさんは入学前から面識はあったのでしょうか
鳥屋 話したことはありました。
――ダブルスを組む際も、ゼロからのスタートというわけではなかったということですか
田中 それは大丈夫でした。入学式の時ぐらいには仲良くなれていました。入学前から早大卓球部で練習させてもらっていて、そこで同期と話すようになって、入学式時にはみんな仲良くなっていたと思います。
――秋季リーグは見事優勝されましたが、大会期間中のチームの雰囲気はいかがでしたか
田中 誰かが負けてもチームが落ち込むことのないリーグ戦だったのかなと。春季リーグの時は結構暗くなっちゃうこともあったような気がしますが、秋季リーグでは誰かが負けても誰かが裏でフォローしていたりしました。選手だけでなく、サポートの人たちも声をかけて、チーム全体が盛り上がっていたリーグ戦でした。
鳥屋 一人一人がそれぞれの役割にちゃんと責任を持って臨めていたのが、本番で力が出せていい試合ができた要因だと思います。
加藤 ベンチワークがいいなと思いました。試合している人がベンチに帰ってきて、アドバイスなどもみんなで出し合っていました。気持ちの面でもサポートできていたと思いますし、プレーする選手とサポート側の選手がうまくかみ合っていました。
――応援に関しても大きな声援が飛び交っていましたが、感じたことはありますか
田中 高校と大きく違うのは、高校ではベンチ入りは7人までしか入れなくて、レギュラー外の人は上からの応援になります。大学は15人ぐらいまで下から応援できるので、下からの応援の方がプレーしている側としてもとても心強くて、近いところからの応援なので、そこでの迫力が一番違うなと思います。
――春と秋で違ったということですが、夏の間はそういったサポート面などに関しても意識はあったのですか
田中 春季リーグで他の大学と何が違うのかということになった時、自分たちは勝利への執着心が足りないと。秋季リーグに向けては、勝利への執着心をもっと持ってみんなで臨もうというテーマはありました。サポート面的に特別何かをしたということは多分ないです。みんなが勝ちたいという気持ちがあったので、春季リーグより自然と締まっていました。リーグ戦前の合宿でも、誰かが洗濯をしたりなど、小さな積み重ねが秋季リーグにうまく生かされたのかなと思います。
鳥屋 秋季リーグの時にはプラスな声掛けなどをしていて、明るかったイメージがあります。
――秋季リーグを良い状態で臨めたことは、大学生活に慣れたことも関係しているのでしょうか
田中 それもあると思います。春は1年生からすると未経験で何もわからない状態で挑むので、いくら話に聞いてはいても実際にやるのとは印象が違います。春季リーグで経験してわかったことを、秋季リーグに生かせて臨めたので、秋季リーグの方がいろいろとスムーズにできました。
鳥屋 気持ちに余裕があったよね。
――秋季リーグを終えて、全日学(全日本大学総合選手権個人の部)がありましたが、いかがでしたか
鳥屋 全日学は悔しい思いをしました。ランク決定戦(4回戦)までは進みましたが、逆転負けした大会なので。全日学では自分の精神面の弱さを実感させられました。
加藤 2試合目で緊張していて、自分らしいプレーがなかなかできませんでした。一試合勝つことの難しさを感じました。2試合目はストレートで負けてしまいましたが、自分より少し格上の選手と戦って、競りはするけれどそれを自分のものにできないことが、普段の練習や試合の中で修正する力が足りないなということを感じさせました。
――3月に行われた立川オープンではその反省を生かせたということでしょうか
加藤 はい。自分は試合中も緊張してしまう方ですが、自分が格下ということを自覚して挑戦していかないと、力が入るしうまくできないよというアドバイスを先輩からいただきました。そのアドバイスを自分に取り入れました。カットマンに負けてしまい、試合中も苦手意識はありましたが、挑戦する気持ちで試合に臨みました。視野を広く試合ができたというか、試合中に修正もできたと思います。
――たくさん試合を経験されていると思うのですが、試合前はやはり緊張されますか
田中 そうですね。場面とかによっても(緊張)します。団体戦でも、3-1で(出番が)回ってくるのと1-2で回ってくるのでは心理状態が全然違います。
鳥屋 あと自分は朝の練習でやばいかもと思ったら、気持ちが落ち着かなくなります。試合をしていく中で調子を上げていくこともありますが、それでもやはり緊張する方ですね。
――朝起きたらもう緊張しているのですか
田中 朝起きて絶望することもあります(笑)。
鳥屋 ひどい時はなるかもね(笑)。最近は大丈夫です。
――一番緊張されやすいのは誰でしょうか
田中 間違いなく真帆ではない。
鳥屋 私ではないか、よかった(笑)。なっちょ(加藤)もあまりわからないなあ。千秋もわからない。私もしかしてあまり見てない?
田中 一番はなっちょかな。力が入っている感じがする。ガッチガチみたいな(笑)。
――大学と高校で違うなと感じた面はなんでしょう
田中 高校生は前半の段階でミスすることが多いです。大学生までやっている人はだいたい小さいころから続けていて、その積み重ねがあるので、簡単にミスしないですね。あと頭がいいので、1ゲームの中でも戦術の変化が激しいです。
鳥屋 高校生は3球目を豪快に打って点を取るんですけれど、大学生はコースやモーションをうまく使って点数を重ねる感じです。すごいボールがあるという印象が最近はあまりなくて、ただミスが少ないです。細かい技術もうまいのが、高校生と違うと感じます。それと、やはり大学生はどこも自分で考えてやっているので、戦術の転換も早い選手が強いのかなと思います。
加藤 大学では回転重視で、つないでミスを少なくする感じです。自分が結構いいボールを打ってもつながれて、自分が先にミスをするのを待つような。ミスが少なく、終盤までリードしていても、戦術を転換してうまく自分の卓球に持ち込んだりしてくるところが(高校生と)違うなと思いました。
――大学に入って新たに見つかった課題や成長した点はありましたか
田中 自分が一番変わったのはバックハンドだと思っています。自分は表ソフトでバックを打つのですが、高校まではあまり弾いていませんでした。でも大学の選手はそのラバーの特徴をよく生かしています。表の選手だとミートが一番の武器になってきます。身近だと小道野さん(小道野結主将、スポ4=神奈川・横浜隼人)が同じ戦型なんですけれど、間近で見ていて(自分の)バックの弾きが多くなっていて、そこが大学に入って変化した技術だと思います。
鳥屋 自分はフォアハンドでドライブしかあまり打てなかったんですけれど、最近はスマッシュも打てるようになりました。それをうまく戦術で組み合わせたら得点できることがわかったので、大学ではそのスマッシュを得られました。大学で自分が狙われるなと思っているのは、ナックル系のサーブです。大学生はこのサーブが結構多くて、回転系のサーブに対しては得意でしたが、ナックル系が苦手なので、もっとうまくなりたいです。
加藤 結構みなさん緩急を付けたりして練習しているので、その対応力というのはきょねんの一年間で身に付いたと思います。それと、自分は早いテンポの卓球なので、そういう面で落ち着いて緩急を取り入れながら狙えるボールをミートできるようになりました。
――鳥屋選手と加藤選手は同じ戦型ですが、意識し合うことはありますか
鳥屋 やはり右シェーク裏・裏は回転を生かして相手のミスを誘っていくスタイルなので、緩急は大事にしています。ドライブだけでなく、スマッシュもあるとより回転が効いてきます。ラリーでは緩急を使ってミスを誘うようにすることに気を付けています。
加藤 同じ戦型だと結構ラリーが続くので、そこで自分からミスしないように緩急を付けることも大事です。でもやはり3球目の段階でどれだけミスを少なくできるかというのも試合の中では重要だと思うので、そこを注意しています。
「(東京は)人が多い」(加藤)
昨季、ルーキーながらリーグ戦にレギュラー出場した田中
――みなさんはチーム内でどのような位置付けなのでしょうか
加藤 千秋は、いじられキャラ(笑)。
鳥屋 いじられるよね。それで笑っているよね。
田中 いじられるね。自分でも思う(笑)。
――田中選手はいまも結構積極的に喋ってくださり、いじられキャラなイメージはありませんが
田中 こういう場ではしっかり自分を作っておかないといけないので(笑)。入学式の頃にはもういじられていました。真帆は?
加藤 真面目だけれど、何かおかしい。
田中 マイペースなところがありますね。
鳥屋 抜けているんです。
田中 いきなりどうした?ってなることがあります。
鳥屋 変なこと言い出すよね。流れをつかめないことがあるし、最近キャラが崩壊しています。
田中 なっちょは何を考えているかよくわからないですけれど、実はすごく考えています。ちゃんとした場を設けた時に、自分の意見がすごくはっきりしています。自分を持っているという感じかな。
――加藤選手はこれまで人をまとめる立場に立った経験などがあるのでしょうか
加藤 高校時代に主将はやっていました。
鳥屋 こちらの方(田中)もやっていました。
田中 真帆は違うの?
鳥屋 私は副キャプテンです。
――みなさん高校は地方ですが、現在一人暮らしなのでしょうか
加藤 私は一人暮らしです。
鳥屋 実家から通っています。
田中 寮です。
――一人暮らしは大変でしょうか
加藤 きょねんまで寮暮らしで、ことしから一人暮らしを始めました。大変ですが、楽しい面もあります(笑)。料理を作ったり、自分の部屋を作ったりなど。
田中・鳥屋 いいなあ。そろそろ行きたいんだけどね(笑)。
――寮では他の体育会の選手との交流もあるのでしょうか
田中 帰ったら勝手にご飯食べて勝手に寝るので、基本喋らないです(笑)。
鳥屋 悲しいなあ(笑)。
田中 一個下の新しく入ってきた寮生はグループがあったりするらしいんですけれど、自分らは同じ部で固まってしまいます。
――東京に来て、地元と違うなと感じたところはありますか
加藤 人が多いです。秋田はそんなに人もいないので、夜の電車は2両で1時間に1本とかなんですけれど(笑)。電車と人の多さに驚きました。 あとおいしいものが多いのもうれしいです。
鳥屋 元々の地元は関東で、中高で高知に行きました。高校時代は何もなくて、携帯もテレビも電子レンジも。大学に入って東京に戻ってきたら誘惑がたくさんありますね(笑)。なっちょがいま言ったようにおいしいものもあるし、便利なこともたくさんありました。
田中 高校は、学校と卓球場と寮の3カ所を自転車で行き来するだけの生活でした。電車を使うということがまずなかったです。大学に入って電車で通うようになって満員電車というものを経験して、こんなにもつらいものなのかと思いました。それが一番嫌だなと感じたことです。
鳥屋 私は絶対女性専用車両に乗るから。女の戦いがすごいですけれど(笑)。
田中 でもやっぱり、おいしいものがたくさんあるのはいいことです(笑)。
――どんな食べ物が好きなのでしょうか
鳥屋 甘いものです。食べ放題とか。
田中 同期の女子は6人いて、その6人で定期的にどこに行きたいか話し合って食べています。ヒルナンデス(日本テレビ系)を観て、近くにあるじゃん(笑)。みたいな感じで確認しています。
鳥屋 高田馬場だとどこにでも近いので、なんていい大学なんだろうと思いますね。
――話している際に訛りが出たりすることはありますか
田中 出る!「しゃっこい」。
加藤 冷たいという意味です…(笑)。
田中 触って冷たいと感じた時に「あっ、しゃっこっ!」と言ったりしていますね(笑)。
鳥屋 何がしゃっこいだよ~って思います(笑)。
――明徳義塾高は鳥屋選手のように全国から選手が集まってくるのですか
鳥屋 はい。青森から鹿児島ぐらいまでいました。関西弁も津軽弁も高知弁もあって、ぐちゃぐちゃで何が何だかわかりませんでした。ここはどこだ~みたいな。
「優勝に貢献できるよう自分の力を発揮する」(鳥屋)
ダブルスでの活躍も期待される鳥屋
――リーグ戦まで残り1カ月ほどとなりましたが、どのようなことに取り組まれていますか
田中 自分はバックが良くなった分フォアが劣ってしまうというか、周りのコーチの方たちにもフォアを打てるようにと言われています。フォアから強いボールを打ち、チャンスを作って決められるスタイルを練習しています。
鳥屋 スマッシュが良くなってきたので、スマッシュとドライブを打ち分けられるように、練習中にバックもフォアもできるようにしています。あとラリーになったら中陣に下がることもあるので、中陣からも攻められるようにしています。
加藤 東京選手権を終えて試合で感じたり言われたりしたことが、自分から打って決められるボールがないと勝てないということです。守りだと勝てないので、ミドルに来たボールもバックでつなぐのではなく、回り込んで攻められるボールは自分から打つように練習しています。サーブからの3球目で回り込んで一発で決められるボールがないと、サーブとかも効かなくて相手に怖さを感じさせられないので、攻められるボールはミドルでも攻められるようにと気を付けています。
――得意なプレーや苦手なプレーというのは、いまおっしゃっていただいたことでしょうか
田中 そうですね。自分はバックが得意でフォアが苦手というところですね。
鳥屋 苦手なのは、態勢が崩された際に、ループでゆっくり回転のかかったボールをうまく使われたら苦しいなとは思います。
加藤 私は両ハンドを早いタイミングで打っていくのは得意ですが、相手の緩いボールやループ系のドライブで崩されるのが苦手です。あとレシーブからの展開も苦手です。
――春季リーグを前にしたいまのチームの雰囲気はどのような感じですか
田中 誰かが体調を崩したりして、全員が万全な状態ではまだないですね。授業とかもあってみんなでそろって練習することもまだないので、そういったことも感じてしまうだけかもしれませんが、まだまとまりきってない感じはします。
鳥屋 一人一人が自分の課題に取り組んでいるのはわかりますが、チームとして団結して、一つの目標に向かっているかと問われたら、まだ足りないなと思うところがあります。でも個人個人の力はあるので、あとは春季リーグまでの3週間でチーム力を磨くだけだと思います。
加藤 授業が始まってみんな疲れが出てきているなというのは目に見えてわかります。練習も春休みみたいにたくさんできるわけじゃなくて大変ですが、(リーグ戦)直前の合宿を通してみんなで盛り上げていけたらと思っています。
――個人的な調子の方はいかがですか
田中 いまの段階ではさすがに絶好調ではないです(笑)。不調でどうしようもないとかそういうことはないので、悪くないぐらいです。このまま上がっていけばいいです。
鳥屋 最近試合をしたのが立川オープンで、自分の持っている力を出せて手応えはすごく感じています。その手応えを生かして、小さい技でも工夫してもっと調子を上げていけたらいいです。
加藤 いまの調子は良くもなく悪くもなくという感じです(笑)。
――いまのチームの強みはなんでしょうか
田中 上に立っている方々が一番強いので、その人たちが引っ張っていければ。ことしは一人一人の個性が強いので、その個性も生かしながら付いていければ、それが持ち味かなと思います。
鳥屋 誰が出ても勝てるというか、いろいろな戦型(の選手)がいて、戦い方も違うので、誰が出ても勝てる可能性のあるチームです。4年生の方々が強いですし、上の方々を見て下も頑張らないといけないと思わせてもらっているので、上の方が強いチームですね。
加藤 ワセダの卓球部は雰囲気がいいなと本当に思います。みんな自分のことで頭がいっぱいになりがちですが、先輩方も話を聞いてくださったりします。そういう面でチームをまとめようといい雰囲気にしてくれたり、試合前のミーティングで気持ちを一つにしようとしてくれているので、雰囲気がいいです。
――小道野主将はどのような方ですか
田中 明るいし、チームのムードメーカー的存在です。でも本番の試合では、先頭で出て必ず一本取って戻ってきてくれる心強い先輩でもあります。精神的な面でも支えになってくれる主将です。
鳥屋 やる時はやって休む時は休むというメリハリのうまい主将です。厳しい時は練習中も本当に厳しいし、けれどチームのことも考えて気配りもできる方です。すごくあこがれの先輩です。
田中 うまくまとまったね(笑)。
鳥屋 よっしゃ(笑)。
――ダブルスに関しても昨年の4年生が卒業して一枠空きましたが、ダブルスについてどのようにお考えですか
田中 全力で取りに行きたいです。
――1年生も新しく入部してきました
田中 まず、強いですね。インターハイ(総体)で1位や2位を経験している選手なだけあって、練習中だけでなく試合の時にもうまいなと思う場面が何度もあります。最高に強い後輩が入ってきてくれました。
鳥屋 刺激をもらっています。
――ということは、チーム内で意識している選手は後輩になるのでしょうか
田中 自分は同期と後輩です。
加藤 同じです。
鳥屋 他大の高校の後輩には負けたくないですね。
リーグ戦初出場を目指す加藤
――リーグ戦は追われる立場になるわけですが、どのように戦っていきたいですか
田中 (秋季リーグの優勝は)優勝といっても、優勝するだろうなと思われての優勝ではなく、サプライズ的な優勝の方がイメージとして強いと思います。そこでてんぐになることなく、自分たちが(相手に)向かっていけるようにしたいなと思います。
鳥屋 チームのメンバーも変わり、他大のメンバーも変わって、チームとしてはどこも一からのスタートになると思います。挑戦していく気持ちで臨みたいです。
加藤 やっぱり挑戦していく気持ちで臨んだ方が、優勝を意識するよりも気持ちも楽にプレーできると思うので、みんなで挑戦する気持ちで向かっていきたいです。
――最後に、ことし一年間の目標を教えてください
田中 団体は、春秋のリーグ戦優勝とインカレ優勝です。グランドスラムを達成するのが目標ですね。でもことしは団体だけでなく個人でも、全日学はもちろん、関東学生選手権など小さな大会でもしっかり上位に食い込みたいです。先輩たちや後輩に負けないようにしていきたいです。
鳥屋 春秋リーグ戦とインカレの優勝に貢献できるよう自分の力を発揮することです。個人では、きょねんの全日学ではランク決定戦で負けてしまったので、ランクに入って表彰台に立つことが大きな目標です
加藤 団体はグランドスラムに貢献することです。個人では、全日学でランクに入れるよう頑張りたいです。
――ありがとうございました!
(取材・編集 谷口武)
フォーメーションもばっちりです!
◆田中千秋(たなか・ちあき)(※写真中央)
1996年(平8)2月14日生まれ。愛知みずほ大瑞穂高出身。スポーツ科学部2年。右シェーク裏・表。昨年度の秋季リーグ戦、全勝優勝がかかる場面で勝利を収めるなど、ここぞで力を発揮した田中選手。大好きなスイーツをご褒美に、ことしもどんな場面でも活躍してくれるはずです。
◆鳥屋真帆(とりや・まほ)(※写真左)
1995(平6)年8月1日生まれ。高知・明徳義塾高出身。社会科学部2年。右シェーク裏・裏。独特な話口調で、対談に笑いをもたらしてくれました。そんな鳥屋選手、平日の通勤ラッシュ時は女性専用車に乗るそう。その中では『女の戦い』が起きているらしいですが、一体どんな戦いなのでしょうか
◆加藤夏海(かとう・なつみ)(※写真右)
1995(平6)年6月8日生まれ。秋田商高出身。社会科学部2年。右シェーク裏・裏。初取材にもかかわらず、丁寧に応じてくださりありがとうございました!大学に入学して上京してきた加藤選手。まだ会話中などに思わず訛りが出てしまうらしいです。