全日本選手権(全日本)3日目のきょうは男子シングルス1〜2回戦、男子ダブルス2〜3回戦、女子シングルス2〜4回戦、女子ダブルス2回戦が行われた。女子シングルスの佐藤風薫(スポ1=岡山・就実)は2、3回戦を順調に勝ち進み、4回戦でシードの社会人と激突。フルゲームの末に勝利をもぎ取り、あすはランク決めとなる5回戦に挑む。
ガッツポーズする佐藤風
女子シングルス2、3回戦を共にゲームカウント3―1で制した佐藤風。4回戦では実力ある社会人の野中由紀(十六銀行)と激突した。カットマン同士の対決ということもあり、一本一本長いラリーが続く。促進ルール適用後は、相手の強打を幾度となく拾った。第5、6ゲームは積極的な攻撃で11―4、11―3と突き放し、ゲームカウント4―2で勝利。強い精神力で、あすの5回戦へと駒を進めた。
渡辺由佳(スポ2=静岡東)は1回戦が相手の棄権による不戦勝で、きょうがシングルス初登場となったが2、3回戦共に快勝。目標としていた石川佳純(全農)との対戦が実現した。鋭い打球に1ゲーム目は圧倒されるも、2ゲーム以降は競った試合を展開。第3、4ゲームでは10―7、10―8まで追い込んだが、あと1点が奪えない。結局ゲームカウント0―4のストレート負けに終わった。しかし、日本トップレベルの選手を相手に健闘した試合と言えるだろう。小道野結(スポ2=神奈川・横浜隼人)は4回戦で根本理世(十六銀行)にフルゲームの末、敗北。3ゲーム先取していただけに、無念の敗戦となった。
健闘した渡辺
4日目となるあすは男子シングルス3〜4回戦、男子ダブルス4〜5回戦、女子シングルス5〜6回戦、女子ダブルス3〜4回戦が行われる。早大勢も順調に勝ち進んでおり活躍が期待される。優勝候補と呼び声の高い松平健太(人4=青森山田)も初登場とだけあり、全日本はこれからさらに熱い戦いが繰り広げられる。
(記事 加藤万理子、写真 栗坂美祐、久保田有紀)
結果
▽男子シングルス
1回戦
●板倉1―3塩入彬允(筑波大)
○平山3—2松井良樹(立命館大)
○坂口3―2福田修也(鎮西学院高)
○山本勝3―0有川直人(れいめい高)
○高田3―1伴和樹(慶大)
2回戦
●平山1—3鈴木大地(駒大)
○坂口3―1小川正悟(龍谷大)
●山本勝1―3花村尚弥(岡谷市役所)
○高田3―1中村祥吾(駒大)
▽男子ダブルス
2回戦
●阿部一道(TEAM☆ZERO―1)・山本直組2—3森本耕平・吉村真晴組(愛工大)
○山本勝・大島組3—0高橋秀太・鵜野弘之組(北陸大)
3回戦
○山本勝・大島組3―2久住昭博(専大)・後藤卓也(日大)組
▽女子シングルス
2回戦
○小道野3—2馬場麻裕(大成中)
○高橋3―0竹内嘉菜(JOCエリートアカデミー)
○渡辺3—1佐藤芽里(東奥学園高)
○栗原3—1永田彩夏(中大)
○佐藤風3—1市原芹菜(龍谷大)
3回戦
○小道野3—1林めぐみ(遊学館高)
●高橋0—3佐藤瞳(札幌大谷高)
○渡辺3—0伊藤みどり(十六銀行)
●栗原0—3松本優希(ミキハウス)
○佐藤風3—1田口瑛美子(正智深谷高)
4回戦
●小道野3―4根本理世(十六銀行)
●渡辺0—4石川佳純(全農)
○佐藤風4―2野中由紀(十六銀行)
▽女子ダブルス
2回戦
○中尾・小道野組3―0猪俣道乃(エレドック沖縄)・猪俣道世(沖縄国際大)組
●加藤充恵(COCCO)・渡辺組1―3瀬下真優・飯田実佳組(専大)
コメント
山本勝也(スポ2=石川・遊学館)
――きょうの試合を振り返って
初戦は相手がそんなに強い選手ではなかったので攻めずに3—0で勝つことができて。逆に2試合目は1セット目を悪い流れで取られてしまって、相手の流れになる前に自分達でしっかり2セット取ることができたのでそこで自分たちの卓球ができました。
――あすへ向けての意気込みを聞かせてください
大阪選手権という大会でこの前負けているのでその借りを返すつもりで頑張りたいと思います。
渡辺由佳(スポ2=静岡東)
――きょう一日を振り返って
点を取りたいところで取れなかったので、そこが一番悔しいところかなって思います。
――具体的にどの試合ですか
欲を言ったら石川佳純選手(全農)のときに、10対7や10対8で勝っていた時にあと一本が取れなくて、そこが取れないなら、それがいまの私の実力だと思いますし、そこから向こうが挽回するのも、向こうもさすがの実力だと思います。
――きのう不戦勝ということからきょうへ至るまでの不安などはありましたか
はい、ありました。きょうの一発目、本当は大庭咲陽子選手(広島日野自動車)っていう実業団の方の予定で、いろいろ対策してきたんですけど、高校生が勝ち上がってきたので。
――試合を見ていて、サーブが良かったように思えたんですが、どうでしたか
結構サーブは利いていたと思いますし、まあ頼っていた部分もありました。
――石川選手と戦って、改めて思ったことや感じたことはありますか
競った場面での1点の取り方も確実ですし、ラリー中に緩急をつけてくるのがとてもうまくて、それに対応することが今回はできなかったのでもし次やる機会があるとしたら、対応してもっと食らい付いていきたいです。
――石川選手と戦って得られたことはありますか
やっぱりサーブ3球目とか、競った時の点の取り方はすばらしいと思うので、そこを私も同じ左利きなのでできるようになったらいいと思います。