全日学ベスト4が、まさかの予選敗退

卓球ダブルス

 何度も首をひねった。全日本大学総合選手権個人の部(全日学)から一週間明けて、迎えた全日本学生選抜選手権(全日学選抜)。佐藤風薫(スポ1=岡山・就実)は、格下相手に苦戦を強いられた。相手に攻め込まれる場面が多く見受けられ、「力が全然出せなかった」(佐藤風)とまさかの予選リーグ敗退。今年度、全日学ベスト4が、明日の決勝トーナメントを前に、早くも姿を消すこととなった。一方、全日学で惜しくもベスト16入りを逃した大島祐哉(スポ2=京都・東山)は、2勝1敗で予選リーグを通過。今大会に向けての順調な仕上がりを感じさせた。

相手の攻撃をカットする佐藤風

 攻撃面での課題が露呈した。全日学ベスト4の佐藤風は2試合目、同じくカット主戦型の原佳菜絵(高知工科大)と対戦。相手のラバーに対応できず、「ただ入れているだけの状態だった」(佐藤風)と攻めあぐねる展開が続く。攻撃の糸口を見いだせないまま、ゲームカウント1-3で敗れ、苦手とするカット打ちを攻略することはできなかった。続く3試合目でも、留学生相手に激しく打ち込まれ、敗戦。2試合を通して、先手を奪った攻撃ができず、悔しい予選リーグ敗退を喫した。また全日学ベスト8の小道野結(スポ2=神奈川・横浜隼人)も、今年度の関東学生選手権王者ら強豪が集うブロックを勝ち抜くことができず、決勝トーナメント進出はならなかった。

フォアハンドで仕掛ける大島

 一方、3名は順調に勝ち進んだ。全日学では結膜炎に苦しみ、ランク入りを逃した大島。「しっかり治して、練習を積んできた」(大島)と、万全のコンディションで予選リーグに臨んだ。3試合目で松下海輝(明大)にこそストレート負けを喫したものの、昨年同大会2位の藤木祥二(中大)をゲームカウント3-1で下すなど復調をアピール。フォアハンドを武器にラリーで相手を圧倒し、山本勝也(スポ2=石川・遊学館)と共に、決勝トーナメントへと駒を進めた。また、女子勢では高橋結女(スポ2=新潟産大付)が3勝0敗で唯一、予選リーグを通過。今年度全日学ベスト4の成本綾海(同志社大)をフルゲームの末に破り、接戦での強さを見せつけた。

 多くの者にとって、今年度最後の公式戦となる今大会。「見えてきたことが多かった」(小道野)と、全日本選手権(全日本)を前に各々、課題を見つけることができたようだ。明日からは負けたら終わりのトーナメント方式で決勝が行われる。勝ち残った精鋭たちと戦いを共にする中で、いかに弱点を見つけられるか。トップクラスの選手たちが集う大会だからこそ、より多くの収穫を得ることができるはずだ。

(記事 栗坂美祐、写真 加藤万理子)

結果

▽男子
予選Cブロック 2位(1勝1敗) 山本勝 予選通過
  Gブロック 2位(2勝1敗) 大島 予選通過

▽女子
予選Cブロック 4位(1勝2敗)佐藤風
  Dブロック 1位(3勝0敗)高橋 予選通過
  Eブロック 4位(0勝3敗)王雅潔
  Hブロック 3位(1勝2敗)小道野

コメント

大島祐哉(スポ2=京都・東山)

――きょうの出来はいかがでしたか

まぁ悪くはなかったと思います。最後の試合は相手も強かったのでしょうがなかったですがそれまでの2戦は悪くなかったのでまたあした良い試合ができればなと思います。

――元々、出場予定はありませんでしたがどういった経緯で出場されましたか

関東学生(関東学生選手権)でも優勝しているので東京の枠で推薦してもらって、運良く出場できたということでしっかり結果を残したいと思います。

――不調だった先週の大会から立ち直った様子がうかがえました

病気だったので試合に出る以前のところで問題があったのでそこをしっかり治してきて、練習もしっかり積めて挑めているので先週とは違った試合ができるんじゃないかと思います。

――幸先よく2勝することができました

計算通り2勝して、(3戦目は)勝つか負けるかで1位通過か2位通過かというところだったんですが、どちらにしても結局は全部勝たないと優勝できないのでそこは気にせずあすを迎えられたらなと思います。やはりそこを引きずってしまうとあした良くない試合になってしまうのでそこだけですね。気持ちを切り替えてあしたに臨みたいです。

――3戦目は最後まで攻めきれず敗戦しましたが敗因は

予選通過を決めている者同士でやっているので、やはり難しい部分もあるのですが、相手の方が思い切ってプレーしていたのでそこが攻めあぐねたところかなと思います。やはりプレッシャーがないので、通過が決まっているということで。そこがまた準決勝や決勝とはまた違ったところですね。

――来週にスウェーデンオープンを控えているということで今大会はどのような気持ちで臨みましたか

全日学であまりいい成績を残せなかったのでここではしっかり勝って結果を残せるようにしないと。やはりこのチームにいる以上結果が全てなので、しっかり結果を残してその調子でスウェーデンに向けていけたらスウェーデンでも結果が出せると思います。あしたの一戦というのは僕にとって大事な一戦になると思うので、この夜の過ごし方を気を付けていきたいと思います。

山本勝也(スポ2=石川・遊学館)

――きょうの試合を振り返って

とりあえずあしたに残ることができたので、よかったと思います。

――神(巧也、明大)選手との試合を振り返って

1ゲーム目が結構勝負だったんですけど、チャンスボールでミスをしてしまってというのが結構あって。それで相手が余裕を持って、そのあとラリーなどでやられてしまったかなと思います。

――サーブレシーブで先手を取れなかったのも敗因の1つとして挙げられますか

相手がサーブを1ゲーム目から2ゲーム目にかけて変えてきて、そのサーブに対してミスをしてしまいました。チキータをしようとても持ち上げるチキータになってしまったり、なかなかいいレシーブができなくて。自分がサーブの時はそこまで悪くなかったんですけど、コース配分だとかあらかじめ考えていったので。サーブ自体は良かったんですけど、3球目の準備が上手くできてなくて、あんまり良くなかったです。

――3球目の準備が上手くできなかった理由は

監督にも言われたんですけど、サーブを出した時に1回体が浮いてしまって。ストップされた時や、つっつきをされた時など、自分から打つ時に、なかなか攻めていけなくて。チキータされた時とかはいいんですけど、自分から打っていくときの展開がだめだったので、自分の中で乗れなかったですね。

――関東学生での神選手との試合と比べて、いかかですか

相手はその時とは戦術を変えてきて、距離を取ってフォアですごく動いてきたので、やりにくかったです。

――前回と比べて戦えるようになった、また戦えなかったと、力の差はどう感じましたか

今回はかなり相手の方が上だったと思うんですけど、次やった時はまた自分のレシーブからの展開をもっと考えたりして、そこから切り出していければいいと思います。

――あしたに向けて

まずは1回勝って、ベスト8に入って、そこからどんどんどんどん勝ち上がっていきたいと思います。

小道野結(スポ2=神奈川・横浜隼人)

――きょう一日を振り返って、調子はいかがでしたか

そうですね、全日学が終わって、1週間くらいしか日にちがなかったんで、コンディションは万全ではなかったんですけど、でもまあ、全日学の結果も良かったんで、悪くはないかなって感じです。

――実力者揃いのブロックで、どのように戦おうと臨みましたか

みんな強かったんですけど、一戦一戦相手を気にしないで自分のプレーができたらいいなと思って試合に入りました。

――1試合目は見事勝利しました

池上さんとは結構何回も試合をしていて、勝ったり負けたりで、でも最近伸びている選手だったので。あまり相手に圧倒されないように自分のやることだけをやって勝てたんで、やっぱり自信になりました。

――全日学の経験から何か生かせたことはありましたか

たぶん技術的にはそんなに変わっていないと思うんですけど、気持ちの面で結構自分に自信が持てたっていうことがあって、メンタル面で前より向上したかなって思うんで、それが良かったです。

――カットマンということで特に意識したことは

私はあまりドライブが上手い選手じゃないんで、そんなにドライブをがんがんいっても相手は普通に取れるなって思ったので、ドライブは結構ゆっくり、回転を多めにかけて、なるべくスマッシュを決められたらいいなと思って。スマッシュが結構入ったんで良かったかなと思います。

――続いて2試合目の印象はいかがですか

最初からずっと自分のペースで来れて、だから行けるかなと思ったんですけど、途中から相手ががらっと開き直ってきて、相手が変わったことに対して、あれ?と思ってそのまま崩されちゃったんで、そこがちょっと悔しいなと思います。

――具体的にどのように変えてきましたか

最初はずっときつそうな顔をしていて、無理に入れてくる感じだったんですけど、4ゲーム目ぐらいから、無理しないで入れてきて、ラリーに持ってくるような形になってきて、それで私が焦って打っちゃうというような展開になってしまったのでそこが悔しいです。

――3試合目はどのようなことを感じましたか

リュウ選手はレベルの差が全然あるので、最初思い切って攻めていって、と思ったんですけど、結局最初の勢いだけで、技術の差が出てしまったかなと思います。

――惜しくも決勝には進めませんでしたが、振り返っていかがですか

この厳しいリーグの中で自分の力は出せたなと思うんで、自分の課題とか見えてくるところが多かったんで、まあそんなに落ち込むこともなくこれからもっと向上していけたらなと思います。

――どのような課題が見えてきましたか

そうですね、自分の特徴をもうちょっと生かしたいです。私はドライブよりもスマッシュの方が得意なので、そのボールをもっと打てるように、前陣で速い攻撃が出来るのをもっと磨いていきたいなと思います。

佐藤風薫(スポ1=岡山・就実)

——先週を踏まえて、きょうを振り返っていかがですか

自分の本領が発揮できなかったかなという感じですね。多分普段の力が全然出せなかったかなと思います。

——2試合目はカットマンの原佳菜絵選手(高知工科大)に苦戦されました

相手のラバーに全然対応できなくて、ただ入れているだけの状態でそこが悪かったかなという感じです。相手のペースでずっと試合が流れていたので、そこが悪かったです。

——カットマン同士の対決は佐藤風選手としてはいかがですか

結構、苦手な方です。苦手なので、思い切っていこうと思っていたんですけど…。大森さん(玲奈、筑波大)の時は相手が先に結構打ってきてくれていたのでそこをしっかり拾うことができて良かったんですけど、原さんは自分も打たなくてはいけないし、相手のラバーにも引っかかってしまってという感じでした。

——3試合目は留学生の秦詩琪選手(大阪経済法科大)との対戦でしたが

カットが浅くなってしまったのが敗因かなと思いますね。1セットは取っていたので、そこがしっかりと深く入っていれば、もしかしたら勝てたんじゃないかなと思います。

——全日学、全日学選抜を改めて振り返って課題や収穫は

やっぱり攻撃力を身に付けなくてはいけないという課題が見つかりました。全日学では結構成績が良かったので、そっちでは自信がついたんですけど、今回の外国人の選手も含めての大会では、そういう場面が新たに発見できたので良かったと思います。

——今後に向けて意気込みをお願いします

次はもう全日本(選手権)になってくると思うので、そこでは悔いの残らないような試合ができたらと思っています。