園田がユニバの混合団体で金メダルを獲得!

女子アーチェリー

 今年の4月に行われたFISUワールドユニバーシティゲームズ日本代表選考会で代表に選出された園田は、中国・成都で開催されているFISUユニバーシティゲームズ(ユニバ)に出場した。ユニバは選考会を勝ち抜いた世界中の学生が参加する、いわゆる「学生のオリンピック」。今大会は新型コロナウイルスの影響で4年ぶりの開催となった。リカーブ女子団体(団体)、リカーブ女子個人(個人)、リカーブ混合団体(ミックス)の3種目に出場した園田は、最後に出場したミックスで見事金メダルを獲得。その実力を世界に見せつけた。

今年の王座で行射する園田。早稲田の頼れるエースはユニバでも変わらぬ強さを見せた

 はじめに行われた予選ラウンドでは、70m先の的を36射ずつ2回射ち、その合計点を競う。この予選ラウンドの結果は個人、団体、ミックスの予選全てで採用され、大会を通して重要になる。園田は前半331点、後半334点と大舞台でも抜群の安定感を見せ、計665点。個人4位に入り、「すごく自信につながった」と上々のスタートを切った。

 団体は3人1組のチーム戦。予選では3人の予選ラウンドの結果を足した点数がチームの得点となり、日本は5位で通過した。その後行われたイリミネーションラウンドは出場選手がそれぞれ2射ずつ射ち、その合計点が相手を上回っていたら2点、同点であれば1点がセットごとに与えられる。日本は予選を4位で通過したフランスと対戦。第1セットは55点と好得点を残すも、フランスがそれを上回る56点を獲得し、セットを先取されてしまう。第2セットは同点で、迎えた第3セット。再び1点差でセットを奪われ、1-5で惜敗。結果は8位で園田は「思ったよりも当てられず後悔が残った」と振り返った。

 2日後の個人戦は予選ラウンドの結果に基づいたトーナメント方式で行われた。初戦のベスト16決定戦となる1/16イリミネーションラウンドではイタリアの選手と対戦。第1セットは同点とするが、その後園田はほとんどの射を10点に入れ、7-1で勝利した。次戦も勢いそのままに6-0のストレート勝ちを収め、ベスト4決定戦へ。相手はリオデジャネイロオリンピックの団体戦で金メダルを獲得したこともある強敵。一進一退のセットの取り合いとなるが、3-7で敗れ、準決勝進出とはならなかった。最終結果は6位で、日本の女子の出場選手の中では最も高い順位となった。

 同日に行われたミックスに、園田は日体大の青島鉄也選手とペアで出場した。それぞれの予選ラウンドの合計点で予選の順位が決定し、園田・青島ペアは韓国、中国に続く3位で予選を通過した。迎えたイリミネーションラウンドでは次々とストレート勝ちを収める。危なげない戦いで翌日行われる決勝進出を決めた。

 迎えた決勝戦は予選を1位で通過した韓国のペアとの対戦。第1セットは2点差で相手にセットを先取される。しかし第2セットは相手の点数が下がったこともあり、2点差で取り返し、同点とする。第3セットは1射目で2人とも10点を決め、幸先の良いスタートを切ると、そのまま1点差でセットを奪取。金メダルに王手をかけた。勝利がかかる第4セットははじめ韓国ペアが9点と10点を射ち、プレッシャーをかけるが、園田らはそれに動じずこれまで通りの射を見せる。最後勝負が決まる一射を青島選手が見事に決め、37-37の同点とし、5-3で韓国ペアに勝利した。優勝が決まった瞬間は「韓国に勝ったことが信じられなかった」と語った園田だったが、試合後笑顔で青島選手と喜びを分かち合った。

 今回のユニバで世界を相手に自分の射で挑み、その結果金メダルを含む素晴らしい成績を収めたことは園田にとって必ず自信となったであろう。この経験でさらなる進化を遂げた園田の、早稲田大学アーチェリー部女子主将としての活躍に期待したい。

(記事・写真 梶谷里桜)

結果

▽予選ラウンド

園田 4位 665点

▽団体

予選 日本 5位 1914点

準々決勝 ●日本1-5フランス

▽最終成績 8位

▽個人

予選 園田 4位 665点

2回戦 ○園田7-1DEGANI N(イタリア)

3回戦 ○園田6-0ROLANDO A(イタリア)

準々決勝 ●園田3-7CHOI M(韓国)

▽最終成績 6位

▽ミックス

予選 園田・青島 3位 1332点

2回戦 ○園田・青島6-0TSOGTBAYAR T・GANBAYAR A(モンゴル)

準々決勝 ○園田・青島6-0BHOGE YS・SANGEETA(インド)

準決勝 ○園田・青島6-0BILISARI M・ROLANDO A(イタリア)

決勝 ○園田・青島5-3SEO M・LEE G(韓国)

▽最終成績 1位

コメント

園田稚(スポ3=エリートアカデミー)

――今回の大会はどんな気持ちで臨みましたか

 3種目全てでメダルを獲得して帰ることが目標でした!楽しく自信を持ってアーチェリーすることも目標でした。

――会場の雰囲気はいかがでしたか

 たくさんのボランティアの子たちが歓迎してくれて嬉しかったです。天気も曇りが多く、暑すぎずいい天気で試合を行うことができて良かったです。

――はじめの団体を振り返って

 思ったよりも当てることができず後悔が残りました。10点もあまり射つことができなかったのでそこで相手に差をつけられたかなと思います。

――予選ラウンドでは個人4位の好成績を残されました。それについてはいかがですか

 すごく自信につながりました。自分のプレーが世界に通用すると思うことができたし、この感じで個人戦も試合を作れたらメダルマッチまで行くことができると思えました。同じ的が強い国である韓国だったので間近でプレーをすることができて勉強になりました。

――個人を振り返って

 すごくいい感じで試合ができました。トーナメントの山が悪かったと正直思います。1/4(準々決勝)で当たったのがオリンピックで金メダルを取っている私の憧れの選手だったので、負けて悔しいですが、いい試合ができて良かったと思います。点数的には悪くなかったので次当たったときは絶対に倒したいと思うことができました。

――ミックスを振り返って

 ペアである日体大の青島選手にすごく助けられた試合でした。青島選手の安心感と「絶対に決めてくれる」という強さで私も落ち着いてプレーすることが出来ました。ゴールドメダルマッチでも緊張したのですが、青島選手が決めてくれると落ち着いて試合を進めることができました。

――金メダルが決まった時はどんな気持ちでしたか

 すごく嬉しかったですし、韓国に勝ったということが最初は信じられなかったです。今までお世話になった方に感謝したいなと思ったのと、たくさん応援してくれている人達にいい報告が出来るなと思いました!

――この大会で得られたことを今後にどう活かしていきたいですか

 これからはシニアでのワールドカップに出場して、このような成績を残したいです。また、9月には早稲田大学として出場するインカレがあるのでそこで優勝してさらに成長した姿を見せたいです。