非常に厳しい一戦だった。ここまで全勝で迎えた関東学生リーグ戦(リーグ戦)の第4戦。応援で圧倒する法大の勢いに飲まれ、なかなか自分たちのペースがつかめないまま試合は進んだ。しかしそんな中でも集中力を発揮し後半次第に調子を取り戻した早大。2504-2437でこの試合を制し、全日本学生王座決定戦(王座)進出を決めた。
リーグ戦も折り返し地点を過ぎ、王座出場権が懸かった一戦を迎えた。3試合を戦う中で見つかった課題は、立ち上がりの不安定さと、試合になると練習よりも点数が伸び悩むことの2点。この試合でもその課題を露呈してしまう。50メートル第1エンドでわずかにリードを許した早大は、第3エンドで逆転するも、各選手が納得のいく射をできず、なかなか点差を広げられない。さらに法大のパワフルな応援に圧倒され、いつもの明るさとはどこか違う重い空気のまま試合は進んだ。
積極的な声掛けでチームを盛り上げた渡辺
勝負の後半30メートル。この重い空気を変えようと奮闘したのが、メンバーを外れていた川部栞里(文3=千葉・船橋)、曽野りさ子(人2=茨城・水戸二)の2人だった。「ネガティブになりすぎなかったのも応援してくれてた子たちが頑張ってくれてるのがすごく伝わっていたからだと思う」と倉坪絢女子リーダー(スポ4=岐阜・高山西)が語ったように、思い思いの言葉を掛け、チームを盛り上げる。2人の声援に応えるように、得意の30メートルで調子を取り戻し、徐々に点差を広げた早大。終盤には各選手とも笑顔がこぼれる機会も増え、まさにチーム力で勝利をもぎ取った。接戦を戦い抜いた選手の表情はホッとした様子であった。
最終戦へ向けて応援との一体感も抜群だ
この勝利を受け、ことしも見事に王座出場を決めた。しかし渡辺香蓮(文構4=東京・共立女子二)は「(王座への出場権を)獲得できたけどみんな少し下を向いている」と、チームの重苦しい雰囲気を表現した。4試合を戦い課題が見えているだけに、それを克服できていないことに自信を失くしてしまっているという。ただ非常にタフな一戦を経験したことは、王座へ向けてプラスだと言えるだろう。リーグ戦は毎週コンスタントに試合が行われるため、修正も難しい。その中で倉坪は「どういう風に試合でやりたいかを明確にして、一週間でどうやって自信を付けるかっていうのを確立できるように」と最終戦までの決意を力強く語った。次週、どのような姿が見られるのだろうか。王座獲得という夢へ向けてカギを握る一戦となりそうだ。
(記事、写真 吉田優)
結果
▽女子
○早大2504-2437法大
コメント
倉坪絢女子リーダー(スポ4=岐阜・高山西)
――王座の出場権を獲得されましたがいかがですか
長年王座に出るっていうのを続けてきた中でことしも出場権を得ることができてよかったです。
――きょうのチームの点数を振り返ってみていかがですか
きょうは微妙な雰囲気のままずっと進んでしまったというのがあって、ネガティブな面が出たというよりは自信を持ち切れなかったっていうのがチームの雰囲気としてありました。全体的に最初から最後まで明るくないというか、暗い顔をしてしまう感じになってしまったので、そこはちょっと残念だったかなと思います。
――自信を持てていない原因はありますか
出だしがちょっと悪いっていうのがあって、出だしの点数が悪いと「きょうダメなんじゃないか」っていう考えを持つ人もいると思います。出場選手の選考のときに比べてだいぶ(点数が)落ちてしまってそれを見てるうちにだんだんと自信を失くしてしまうと思うので、そこの点数の受け入れ方だとかもっと上を目指す方法とかを見つけていかないといけないなと思います。
――応援の2人を中心に選手の皆さんの声もよく出ていたと思うのですが
ネガティブになりすぎなかったっていうのも応援してくれてた子たちが頑張ってくれてるのがすごく伝わっていたからだと思うので、応援の子たちのためにも頑張りたいっていうのはチーム全体としてあったと思います。
――最終戦まではどのように調整していきたいですか
いま自信が持てていないという課題があるので、きょうの反省でまずどういう風に試合でやりたいかを明確にして、一週間でどうやって自信を付けるかっていうのを確立できるようにしていこうと思っています。来週には全員が自信を持った状態で臨めるようにしたいです。
渡辺香蓮(文構4=東京・共立女子二)
――王座の出場権を獲得しましたけれども率直なお気持ちはいかがですか
獲得できたのはうれしいです。ただやっぱり獲得できたけどみんな少し下を向いているというか王座っていうものがはっきりと見えてない位置にいるかなと思っているので、5戦目でもっと高い点数を取ってその調子で王座までいきたいなと思います。
――きょうは接戦でタフな試合だったかと思いますが、戦っていていかがでしたか
相手の応援が多いっていうこともあって、こっちがコールをしていても雰囲気に飲まれてしまったりとか気になってしまう相手だったかなと思います。それでもやっぱりみんなが集中して自分たちでちゃんと雰囲気をつくって射とうとは思ってくれていたかなと思うので、それはよかったです。
――普段から積極的に声を出して盛り上げている印象があるのですが、それは常に意識してやっているのですか
私は周りの仲間がどう射っているかが結構気になってしまうので、いまはできるだけ抑えようとはしているんですけど、声は周りをもっと盛り上げようと思って出しています。
――最終戦まではどのように調整していきたいですか
自分自身としては試合になると点数が大幅に落ちてしまうので、そこをどうにかしたいと思っています。練習でも試合に近い状態で同じ時間に射ってみたりとかはしてるんですけど、そこをもうちょっと今週は詰めていきたいなと思います。