丸尾が善戦も決勝ラウンド進出ならず

男子アーチェリー

 今年初の全国大会である全日本学生室内個人選手権(インカレインドア)が東京・駒沢オリンピック公園屋内球技場にて開催された。18メートル先に3つ並んだ的を順番に射抜くインドアアーチェリーで争われる今大会。早大からは浦田大輔(基理4=東京・早大学院)、杉田蒼月(教4=東京・麻布)、中野勇斗(商4=東京・早大学院)、丸尾風瑛(スポ1=福岡・柏陵)の4人が出場した。チームトップの得点を記録した丸尾がシュートオフまでもつれる接戦を演じたが、決勝ラウンド進出はならず。早大勢は全員が予選ラウンド敗退となった。

 3年以下から唯一の出場となったのはエース候補筆頭の丸尾。「このごろ調子が良かった」という丸尾は前半、全てのエンドで27点以上を記録する安定した行射を見せる。上位32人が決勝ラウンドに進めるという条件下で丸尾は26位で後半を迎えた。しかし、後半第2エンド、0点を射ってしまい、まさかのブレーキ。順位を落とすも、その後は崩れずに持ち直し、得点を重ねる。徐々に順位を上げた丸尾は32位で60射をフィニッシュ。決勝ラウンド進出かと思われたが、同点で丸尾のほかに4人が並び、シュートオフにより決勝ラウンド進出者を決めることとなった。5人で1枠を争う熾烈(しれつ)な戦いで丸尾は10点を射抜くが、的の中心からの距離差で竹中悠人(近大)に及ばず。丸尾はあと一歩のところで決勝ラウンド進出を逃した。

シュートオフに臨む丸尾

 実力者揃いの4年生は今回が大学アーチェリー最後の公式戦となった。第1エンドでは浦田、杉田がすべての射を10点に入れ、中野も28点をマークする好スタートを記録する。その後も順調に点数を伸ばし、杉田はチームトップの23位、浦田が24位で続き、決勝ラウンド進出圏内で前半を折り返した。後半は「後半の最初の方は体力がきつくなった」と杉田が苦笑したように3人とも疲れからか徐々に失速する。それでも「最後の方は楽しんで、自分の射ができた」と振り返った杉田を始め、3人ともエンド間には笑顔を浮かべるなど、最後の舞台を堪能。60射を射ち切り、万感の思いで大学アーチェリー生活を締めくくった。

試合の合間に笑顔を見せる中野

 「Mを射ってしまったこと以外は自分としては良い射ができた」と振り返ったように丸尾が上位進出者と遜色ない行射を披露し、新エースへ独り立ちの兆しを見せた。一本勝負のシュートオフでもしっかり10点を的中させるなど勝負強さも十分だ。「2023年は自分がチームを引っ張って、上に行けるように頑張っていきたい」と昨年の早慶明新人戦で語った丸尾。ルーキーとしては最後の公式戦となった丸尾の活躍を刺激に、早大男子は王座制覇に向け、牙を磨き続ける。

競技終了後、60射を射ちこんだ的を手に笑顔を浮かべる4人

(記事 星野有哉 写真 加藤志保、齋藤汰朗)

関連記事

園田が3位獲得! 実り多き大会に/全日本学生室内個人選手権(2/18)

結果

▽リカーブ男子

◇予選ラウンド ※上位32名が決勝ラウンドへ進出

丸尾 35位 562点

浦田 44位 557点

杉田 45位 557点

中野 63位 531点

コメント

杉田蒼月(教4=東京・麻布)

――今日の調子はいかがでしたか

 練習では10(点)ばかり入るというわけではなかったのですが、流れ良く自分の射ができていて、今日は割と(調子が)良い日だなと思いました。自分は射線に入る時、的が大きく見える日と小さく見える日があるんです。大きく見える日は割と当たりやすいのですが、今日はめちゃくちゃ大きかったので、今日は当たるなと思いながら臨みました。

――得点がチームトップだった前半を振り返って

 途中まで290点ペースで、残り5射の時点で全て10点に入れたら290点という感じでした。290点を練習でも射ったことがないので、射ちたくなってしまいまして(笑)。そこで緊張してしまい、6点を射ってしまい、崩れてしまいました。そこは反省ポイントだと思います。崩れたエンドの後はすぐに修正できたので、そこは前半の良かった点かなと思います。

――後半を振り返って

 後半の最初の方は体力がきつくなってきて(笑)。点数がボロボロになってしまいました。最初は点数は気にせずに楽しもうという気持ちだったのですが、点数が出ていたので、欲が出てしまい、当たるけど面白くなくなってきてしまいました。途中から当たらなくもなってしまったので、切り替えて楽しもうと思いました。最後の方は楽しんで、自分の射ができたと思います。

――今後の競技予定は

 4月から就職するので、やりたい気持ちはありつつ、できるのかなというところです。仕事の様子を見ながら、全日社会人(全日本社会人ターゲット選手権)を目指してやれたらやりたいなという気持ちです。

――大学アーチェリー最後の大会となりましたが、その点はいかがですか

 自分は緊張しいタイプなので、試合の度に緊張するのが嫌だと思っていました。今日射っていて、「緊張するのも最後か」と思うと、少し名残惜しい気持ちになりました。嫌だなと思っていたのですが、あれも大切な時間だったのだなと思いました。

丸尾風瑛(スポ1=福岡・柏陵)

――初のインカレインドアはいかがでしたか

 今回は予選通過を目標にしていました。そのためにインドア(の距離)を射ってきて、このごろ調子が良かったので、自分自身に期待がありました。1本M(0点)を射ってしまったので、それがなければなと思いました。

――予選ラウンドの60射を振り返って

 前半の1ラウンド目とMを射ってしまったこと以外は自分としては良い射ができたと思います。

――高校時代、公式戦でのシュートオフの経験はありましたか

 今日のような予選通過ができるできないかというのがかかったシュートオフはしたことがないです。

――公式戦初のシュートオフが決まった時の気持ちは

 緊張しても仕方ないので、自分の射ち方ができたら点数は気にしなくていいかなと思いました。自分の良い射ち方ができるかどうかだけ考えていました。

――シュートオフを振り返って

 セットアップしている時に前の選手が8点を射ったので、そっちに意識を取られてしまったので、少し緩んでしまいました。それでも10点には入れられたので、そこは良かったのかなと思います。

――今回の結果について丸尾選手自身ではどのように評価されますか

 すごく感覚的に良かったし、気づけたことがあったので、次はもっと高い成績を出せるのではないかという手応えがありました。

――アウトドアシーズンへの意気込みをお願いします

 自分はインドアに比べて、アウトドアの点数が低いので、アウトドアでもインドアくらい上のレベルで戦えるように頑張ります。