シーズンベストをたたき出し、見事王座出場を決める!

男子アーチェリー

 朝から降り続いていた雨が試合前にやみ、澄みきった青空の下行われた関東学生リーグ戦(リーグ戦)第4戦。勝てば全日本学生王座決定戦(王座)出場が決まるという大事なこの日の試合の相手は東大であった。重要な試合であるだけに緊張もあるかと思われたが、選手たちはいつも通りの行射を披露していく。そして、試合を通して東大を圧倒し続け、シーズンベストで王座への切符を手にした。

  この日の早大は序盤から好調だった。出だしの50メートル第1エンドから、一般的に高得点とされる45点以上を8人中7人がたたき出すと、第3エンドには8人全員が45点以上を記録。また、野村翼主将(スポ4=愛知・岡崎北)をはじめとする3選手は全6エンド全てで50点以上の得点をするなど、早大は安定的に高得点を重ねていく。そして、後半戦になってもその勢いは止まらない。30メートルが始まると雨が降り出すこともあったが、影響されることなく行射は続き、第5エンドでは野村と小仲正高(教4=東京・早大学院)がすべての矢を中心の10点に入れ、60点を記録した。これは相手校・東大がこの試合で1度も出すことができなかった点数であり、今の早大の強さがうかがえる場面だった。

 

60金コールが出た小仲

 

 「本当に同じ距離から打っているのか」。試合中、早大のエース・野村を見ながら東大の選手がふとつぶやいた。この日の野村は全て60点中54点以上という素晴らしい安定感を披露。東大の選手とも、早大の他の選手とも大きな差を見せつけた。今年の早大の強さは、個々の選手の奮闘はもちろんのことであるが、絶対的な存在である野村の活躍に裏付けられている。

野村の奮闘がチームを支えている

 この日の結果により、早大は4週目にして王座出場を決めた。しかし、今年の目標は『王座制覇』。棚田歩(スポ2=北海道・帯広三条)が「王座制覇がこの代の目標なので、王座に出られるのは第一歩」というように、出場のその先に目標が待っている。また、次週は伝統の早慶戦だ。慶大は、「雰囲気が良く、やはり実力を持っている大学」(野村)であり、少しも気を抜くことは出来ない。慶大戦も勝利し、リーグ戦全勝で優勝決定戦、そして王座に乗り込んでいきたい。

 
 

(記事、写真 金澤麻由)

結果

○早大3923-3711東大

コメント

野村翼主将(スポ4=愛知・岡崎北)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

まず個人の方から言っていくと、4戦目で、自分の中ではベストの点数で打つことができたので個人としては第5戦に向けていい結果があげられたのかな、と思いました。また、チームとしてもなかなか試合で点数をあげることができないという課題をきょうの試合できちんと克服できて、3923点を記録できたので良かったと思います。

――きょうはシーズンベストが出ました

点数が付いてきたのは、応援の雰囲気であったり、選手の雰囲気、そういう面でワセダの雰囲気作りがしっかりとできたので、全員が楽しんで試合に臨むことができたのが結構影響しているのかな、と思います。

――この試合で王座出場が決まりましたがいかがでしたか

4試合目で王座出場が決まったということで、とりあえず一安心できるということもあって、次の試合に少し余裕を持って臨めるという面ではすごくいいことだな、と思います。やはり、王座(出場)という目標が現実味を帯びてきたという面で、チームの士気を上げられたのが良かったと思います。

――今年の目標は『王座制覇』ということをお聞きしましたが、今後チームとしてはどのようにしていくおつもりでしょうか

そうですね、王座制覇というのはとても難しい目標ではあるのですが、このチームであれば絶対に取れると思うので、今年のスローガンである『昇華一心』というものをしっかり浸透させて、いいチームを作っていけば成し遂げられると思っているのでしっかりとやっていきたいと思っています。

――次週はリーグ戦最終週であり、伝統の早慶戦ですが、慶大の印象を教えてください

そうですね、慶應義塾大学さんも雰囲気が良いところと、やはり実力を持っている大学ですので、しっかりと気を抜かずに戦って行きたいと思います。(昨年の)11月にあった早慶定期戦ではうちのチームが敗れてしまっているので、そういう意味ではリベンジ戦ということでチームとしてはきっちりと気を引き締めて勝ちに行きたいと思っています。

小仲正高(教4=東京・早大学院)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

チームとしては試合新(記録)を出すことができましたし、雰囲気もすごく良かったので、いい試合ができたのかな、と思います。

――ご自身のプレーはいかがでしたか

今まで三試合に出場させていただいていたのですが、あまり自分としては納得できないプレーが多かったので、あまり満足できていなかったのですが、きょうは落ち着いて臨むことができ、結果もそこそこ点数を出すことができたので良かったと思います。

――この試合の結果によって王座出場が決まりましたが、いかがでしょうか

そうですね、ひとまず一安心というところです。決まりましたけど、次が慶大戦ということで、早慶戦で、秋に負けてしまっているので。もちろん王座が決まったことは嬉しいですけれども、ここで慢心することなく気を引き締めてやっていきたいと思っております。

――慶大の印象はいかがでしょうか

ケイオーはすごくプレッシャーに強いというか、点数を出せる強いチームかな、と思っているのですが、自分たちもその勢いに負けることなく自分たちの雰囲気をつくってやっていければ勝てると思っています。

棚田歩(スポ2=北海道・帯広三条)

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

50メートルで結構いい点数が出ていて、比較的リラックスして打てたのですが、後半の30メートルで結構点数を落としてしまったのでそこが反省点かな、と思います。

――チームとしてはシーズンベストが出ましたが、いかがでしたか

きょうはみんなが点数を出して、みんなでシーズンベストを出すことができたというのがとても印象的で、しかしライバルの慶応大学に勝つためにはもっと点数が必要だと思うので、この一週間でもっと練習をして、もっと点数を出すことができるように頑張りたいと思います。

――この試合で王座出場が決まりましたが、いかがでしたか

王座制覇がこの代の目標なので、王座に出られるのは第一歩で、これから王座に向けてしっかりと練習していきたいと思います。

――次週は早慶戦ですが、慶大の印象を教えてください

(慶大は)メンバーが強い人ばかりで、少しも油断することのできないチームなので、しっかり集中して。(慶大は)みなさん強いのですが、こっち(早大)も絶対勝つことのできる実力があり、相応の練習もしてきているので、それをしっかり本番で出せるようにしていきたいと思います。