手応え十分!課題を克服しいざ王座へ

男子アーチェリー

 関東最大のライバル日体大に敗れて2週間。関東学生リーグ戦(リーグ戦)の3位決定戦を迎えた。日体大には敗れたものの、リーグ戦を通して好調を維持している男子部は、この試合でも強さを発揮した。課題であった50メートルで目標点数を超えると勢いそのままに点数を重ねる。3956点を獲得し、今年度最後のリーグ戦形式での一戦は手応え十分の結果となった。

 前回の試合から2週間。大型連休の間に外部のコーチを招き、内容の濃い練習を積んだ男子部は、さっそくその成果を上げた。今リーグ戦では50メートルの出だしが悪いという課題が見つかっていたが、この日は各選手とも好スタートを切る。今リーグ戦初出場の小仲正高(教3=東京・早大学院)が本人も納得の317点を記録すると、ルーキーの棚田歩(スポ1=北海道・帯広三条)も試合新記録をマークした。50メートル終了時の獲得点数は1900点。今リーグ戦の50メートルで初めて1900点の大台に達し、「一つのカベを越えられたんじゃないか」(池田亮主将、人4=東京・国際)と自信に満ちた表情を浮かべた。

今リーグ戦初出場の小仲

 50メートルで波に乗った早大は、30メートルでもその勢いを止めることなく突き進む。前戦までの5試合で好成績を収め、東日本大会に選出された池田、野村翼(スポ3=愛知・岡崎北)、鬼塚聡(スポ2=千葉黎明)の3選手は期待通りの実力を発揮。各エンドとも高得点を挙げコールを行う3人に引っ張られるように、その他の選手も見事な活躍を見せた。最終得点は3956点。以前池田が語った目標の3960点にあと4点まで迫り、現体制で臨む最後のリーグ戦形式の試合をいいかたちで締めくくった。

ルーキーの棚田は多くの試合に出場し大きな成長を果たした

 約1カ月半に及ぶ長丁場で一回り強くなった男子部。昨年よりもリーグ戦を通しての平均得点が60点以上上がり、成長ぶりは著しい。また点数に加算される上位6人のメンバーは試合ごとに変わっており、層の厚さも増している。いよいよ次に控えるは現体制の集大成となる全日本学生王座決定戦(王座)だ。「総力戦で戦えるようにする準備をしたい」(池田)、「選手になれなかった人も全力で応援していかないと王座の舞台では絶対に勝てない」(小仲)。試合に出場できる選手は限られるが、応援を含め誰一人欠かせない戦力だ。このチームで最後に笑うために。創部史上初の悲願に向けて、残された時間はたった2カ月だ。

(記事、写真 吉田優)

結果

▽男子
○早大3955-3752学習院大

コメント

守屋麻樹監督(平3政経卒=東京・杉並)

――きょうの女子の試合をご覧になっていかがでしたか

実力の差がそのまま出た試合だったなというのが正直な感想です。

――去年と比べると高い点数が出ましたが、その点に関しては

よかった点としては、上の点数が出ていないにしても、下の人たちのレベルが上がっているので、チームとしての力が上がってきているというところかなと思います。

――関東学生リーグ戦(リーグ戦)全体を振り返って

ここ9年間、毎年リーグ戦5試合は負けなしできていて、最後の優勝決定戦で日体大さんとやって負けるというのを繰り返して、ある程度力があることは間違いないんだけれども、もう一皮もう二皮むけていかないといけないなと感じています。

――一方、男子部は振り返っていかがですか

男子の方も新戦力が加わって、さらにチーム力が上がってきていて、そういう意味では第5戦で負けたのが残念だったのですが、王座(全日本学生王座決定戦)に向けていいかたちで終えられたのではないかなと思います。

――全日本学生東日本(東日本)、王座ではどんなことを期待していますか

まず東日本に関しては、上位の人はインカレ(全日本学生個人選手権)の切符を取れる試合なので、チャレンジして全部出し切ってほしいです。去年は男子が準優勝だったのですが、ことしは男女そろって優勝を目指して頑張ってほしいです。王座の方式では、チームとして頑張ると勝てる試合でもあるので、自信を持ってやってほしいと思います。

池田亮主将(人4=東京・国際)

――リーグ戦最終戦からの2週間はどのような練習を積んできましたか

70(メートル)とショートハーフ(50メートル、30メートル)で距離が違うので練習を分けなくてはいけませんでした。それでもゴールデンウィークに入って9連休があったので、どちらも十分な練習量を稼げて、かつ外部のコーチに来ていただいたりもして内容の濃い9日間を送れたのかなと思います。

――70メートルとショートハーフはどのくらいの割合で練習していたのですか

ちょうど半分半分でしっかり分けてやっていました。

――きょうの試合は振り返っていかがですか

一応きょうが自分たち56代がやる最後のリーグ戦形式の試合だったのでそれが意識下にありました。その中でしっかり点数を出せて最後にいいかたちで終われたというのはうちの代の強みなのではないかと思います。

――以前3960点を狙いたいとおっしゃっていましたが、きょうは3956点まで点数を伸ばせました

しっかり目標に近い点数を達成できたのかなと思います。あとは結構気にしていたんですけど、うちはどうしても50メートルの序盤が悪いという話があって、今回初めて(50メートルで)1900点を超えられたのは一つのカベを越えられたんじゃないかなと個人的には思います。

――きょうは久々の有声応援でしたが、やはり応援があると気持ちの部分で違ってきますか

そうですね。まとめやすかったっていうのがあります。新しく1年生が入ってきてその中でも声を出せた分ちょっとずつまとまりが見られたんじゃないかと思いました。

――次の東日本大会はどのような位置づけで臨みますか

試合形式で70メートルの点取りをできるっていうのはなかなかないですし、全国レベルの人が集まってというのはすごくいい機会だと思っています。王座の前哨戦ということでどれだけ上位に入れるか、その中でもうちは男子がちょうど3人出られるので、3人の合計で他大と比べてどのくらいの位置にあるのかが分かるいい機会です。個人戦ではあるんですけど全力でやっていきたいなと思っています。

――王座まで約2ヶ月間、主将としてどのようにチームを引っ張っていきたいですか

まずは新しく1年生が入ってきたのでそこも含めて全員をまとめて、本当に2ヶ月間短いので、個人の技術力が他大と比べて低い分、総力戦で戦えるようにしていく準備をしたいと思います。

小仲正高(教3=東京・早大学院)

――今リーグ戦初のベストメンバー選出でしたが、メンバー決めはいつ行いましたか

先週の日曜日ときのうの午後ですね。2回の結果で行いました。

――メンバー入りを決めたときの心境はいかがでしたか

きょねんは結構リーグ戦に出させていただいて自分の中ではよくできたかなと思っていたんですけど、ことしは試合に出られなくてすごく悔しい思いはあったので、ひとまず順位決定戦ですけどそれに出られたことはうれしかったです。

――きょうの試合に臨むにあたってどのような目標を設定していましたか

とりあえずは上位6人に入れればいいかなくらいの気持ちで、そんなに高い点数を取ろうと意気込んだりはしていなかったです。

――実際の結果を振り返ってみていかがですか

50メートルは自分の中ではかなり良くて、きのうは逆に50メートルがあまり良くなくて30メートルが良かったんです。きょうは50メートルが当たってていい感じかなと思ってたんですけど、きょねんのリーグ戦と一緒で30メートルが全然当たらなくてそこで点数を落としてしまったので、すごくもったいないことをしてしまったなと思いますね。

――王座まで約2ヶ月空きますが、チームとしてはどのように練習を積んでいきたいですか

2ヶ月ってきょねんの経験からして長いようで短いと思います。結局選手になれるのは4人、決勝で射てるのは3人ですけど、全員が選手になるつもりで戦って、選手になれなかった人も全力で応援していかないと王座の舞台では絶対に勝てないと思うので、自分が選手になろうと応援になろうとしっかりサポートして全員で王座制覇をできるように頑張っていきたいです。

棚田歩(スポ1=北海道・帯広三条)

――きょうの試合の感想をお願いします

きょうは試合新記録が出て、第2戦から出てきたんですけどいままでの中で内容的には一番いい試合だったと思います。

――50メートル、30メートルはそれぞれ振り返っていかがですか

50メートルでいいスタートを切れて50メートルで試合新記録が出て、その流れで30メートルも落ち着いて射てたのでそれがベストにつながったのかなと思います。

――初出場の際は緊張したとおっしゃっていましたが、5試合出て慣れましたか

はい。先輩方のフォローとかもあってだいぶ慣れました。

――リーグ戦を総括して得た収穫はありますか

応援など含めて大学の試合の雰囲気とかを知れて経験値が上がったというか、5戦を通して自分の中で一回り強くなれたかなと思います。

――高校と大学では具体的にはどのような違いがあるのですか

大学は学校で一つになって応援するというかたちがあるなという感じがします。いままでは個人戦が多くて、団体として応援してもらう機会が少なかったので、そういう面で大学はみんなで応援して選手が頑張って一つになっていくっていうのが違いですかね。

――2ヶ月後の王座では70メートルでの行射になりますが、長距離は得意不得意などありますか

高校ではずっと70メートルで射ってきて70メートルの方が得意なので、王座の団体メンバーにも入りたいなと思っています。

――最後に王座への意気込みをお願いします

王座制覇をすることがこの部活での最大の目標なので、その目標に向けてしっかり練習して備えたいと思います。