熱戦が繰り広げられる関東学生リーグ戦(リーグ戦)も、この日で折り返し地点を迎えた。恵まれた天候の中行われた第3戦の相手は立教大。序盤では立教大に一歩リードされるも、後半で早大の意地を見せつけ逆転勝利。3840-3826で3つめの白星を獲得した。
1部リーグAブロックで全勝同士、どちらが今戦を制するのか注目が集まった。前半50メートル、早大は序盤から良い流れをつくりたいところ。しかし各選手思うように点を重ねることができず、立教大にリードを許す展開に。苦しい立ち上がりの中、いつもの良い雰囲気とは打って変わりチームには重苦しい雰囲気が流れていた。その状況について、「みんなチームの雰囲気がいつもと違うというのを肌で感じていた」と寺澤は語った。それぞれが射ちづらさを感じている様子も見られる中、前半は終了。
勝利の喜びを交わす寺澤(左)と山本(右)
迎えた後半30メートル。悪い雰囲気を断ち切りたい早大であったが、仲間の応援や声掛けでチームは徐々に盛り上げりを見せる。一点が命取りとなる状況の中、油断は一瞬たりとも許されない。「ワセダは30メートルが強いので、絶対に負けないという雰囲気が出ていた」と衣斐直也(スポ3=岐阜・大垣西)が話すように、得意とする30メートルで最後まで攻めの姿勢を崩さない早大。僅差の戦いの末、見事な逆転勝利を収めた。
3年生のエース的存在である衣斐
点数とチームの雰囲気、共に振るわない状況を打開し、なんとかチーム全員でつかみ取った勝利。今後のチームの自信にもつながる一試合であったことに違いないだろう。リーグ戦も残るはあと3戦。今回の経験を糧に、全日本学生王座決定戦(王座)優勝へとまい進していく早大に期待である。
(記事、写真 新庄佳恵)
結果
▽男子
○早大3840-3826立教大
コメント
寺澤紀彦(スポ4=東京・足立学園)
――きょうの試合を振り返ってみていかがですか
きょうは僕だけではなくチーム全体が感じていたと思いますが、50メートル前半でみんなチームの雰囲気がいつもとちがうというのを肌で感じていて、僕も違和感があって射ちづらかったです。いつもと違う心配だったり、緊張感がありました。後半はワセダのいつもの雰囲気で射つことができて、それによってギリギリ結果は勝てたのではないかなと思っています。
――前半でいつもと雰囲気が違った原因は何だとお考えですか
チームでは声を出したりする人、黙々と射つのが好きな人などとそれぞれ役割があります。でも、いま一度見直してみるというか、いままでは決めつけてやってきたので、もしかしたら誰かはいまの役割にあってない人がいるのかもしれないです。それが原因で雰囲気が変わってしまったのかなと思います。
――きょうのご自身の調子はいかがでしたか
正直にいうと、先週、先々週の試合に引き続いてここ最近調子があんまり良くないです。4年生になって圧倒的に変わったことは、就職活動が始まったりなどして、アーチェリーについて考える時間がすごい少なくなったのが原因なのかなと思っています。
――チームの中では最後には30金を出すなど、高得点を出されていたと思いますがチームの中では調子が良かったのではないでしょうか
チームの中では割と点数はよかったんですけど、先週先々週の点数と比べるとやはりみんな点数が低いので、全員が悪い雰囲気にのまれてしまったのではないかなと思います。のまれた量が僕の方が周りの比べて少なかったか、もしくは後半切り替えることができたのではないかと思っています。逆に言えばもう少し点を出すことができたと思います。
――これまで全勝同士、立教大との一戦はとても大切な一試合だったのではないでしょうか
僕らが残している相手が、立教大さんよりもランクが上なので、私たちワセダのチームとしては立教大にそこまで敵意識を向けたりしていなかったのですが、今回は接戦の中の勝利だったので、重要な一試合だったと思います。ただ試合前はチーム全体としてそういう意識はなかったですね。
――30メートルを終えた時点での、寺澤さんの心境はいかがでしたか
試合中に立教大とワセダの点数差を僕はわざと聞くようにしていて、ここで「どうでもいいや」となるのではなくて、自分の点数がチームの点数に繋がっているということを理解していました。30メートルは執念で射っていたという感じはありますね。
――後半で逆転勝ちをしたことはチームにとっても大きな自信となったのではないでしょうか
30メートルからもらっていくというチームのジンクスというか、チームの色や考えがあって、それをこの試合ではすごく体現できたのではないかと思っています。これまでもっていた自信が確実なものになりましたね。
――次戦までの1週間でどうチームを修正していこうとお考えですか
僕はチームの中でも真ん中の方で射っているのですが、特にチームに影響が出る場所に立っているのでムードメーカーとして、周りのみんなを気にするというよりは自分が点数を出していくということだけを意識して、来週の練習や試合でも点数を出すようにしていきたいです。
――最後に次戦へ向けて意気込みをお願いします
ここ3戦後輩に情けない姿を見せてしまっているので、来週、再来週、王座に向けて、最後のリーグ戦ということで先輩らしい姿を見せたいと思っています。
衣斐直也(スポ3=岐阜・大垣西)
――きょうの試合を全体的に振り返ってみていかがですか
チームで勝てたので良かったです。それも、最初は負けていたんですけど最後は勝てたので、チームの成長を感じられていい調子で上がってきていると思います。
――これまで全勝同士、この立教大との一試合はチームにとっても重要だったのではないでしょうか
そうですね。負けられないというのもありますし、立教さんともいい勝負で点数も競い合うのかなと思っていたので勝ててよかったです。
――きょうのご自身の調子はいかがでしたか
練習では調子が良かったのですが、試合では本調子ではなかったです。
――今季リーグ戦初出場ということで、どんな意気込みをもって臨みましたか
チームにとってプラスな点数になれるように頑張っていこう、という感じで練習から頑張っていました。
――前半と後半で、チームの雰囲気にちがいはあったのでしょうか
50メートルで負けていて、ワセダは30メートルが強いので絶対に負けないという雰囲気が出ていたので良かったです。
――衣斐選手は30メートルでの調子はいかがでしたか
最初はよかったのですが、後から失速してしまいました。
――雰囲気が良くなってきた30メートルで逆転勝ちをしたことは、チームにとっても大きなプラスとなったのではないでしょうか
やっぱりこの勝利は意味のある勝利であったと僕は思っています。
――今回の第3戦を通して、衣斐選手自身で何か課題は見つかりましたか
まだまだメンタル的にも体的にも未熟だなと思ったので、考え方だったり、射形とかだったりを改善していきたいなと思っています。
――新年度になりましたが、えび選手の一年の目標を教えてください
一番近い目標ですと、王座に出たいですしそこで優勝したいです。あとは全日やインカレにも出たいです。