大事な一戦で悔しい黒星

男子アーチェリー

 空は雲に覆われ、4月とは思えぬほど冷え込む中、関東学生リーグ戦(リーグ戦)第4戦が行われた。今試合はワセダと同じく3戦全勝の専大と対戦。勝てばブロック優勝が決まるという大事な一戦だったが、終始相手に主導権を握られ、3873-3929で敗戦。56点差での手痛い今季初黒星を喫した。

ラストシーズンで安定した成績を残している根本

 昨シーズン悲願の昇格を果たし、今シーズンから1部での戦いとなるワセダは、次々と対戦相手を撃破し波に乗っていた。第4戦は昨季ブロック2位で全日本学生王座決定戦(王座)に出場した格上の専大戦。勝利を手にするためには選手全員がベストパフォーマンスをすることが求められていた。しかし試合は序盤から相手にリードを許す苦しい展開に。前半50メートルを47点ビハインドで折り返すと、その後もじわじわと点差を広げられ、大きく差をつけられての敗北となった。しかしワセダが不調だったわけではない。3873点はここまで戦ってきた4戦の中で、1番高い得点。「練習でもいつも通り出せている点数」(根本翔平、創理4=東京・早大学院)と大一番でも本来の実力を発揮した。だがそれでも相手が一枚上手だった。ワセダを上回る勢いで点を重ね続けた専大に、力及ばず涙をのむ結果に。敗れはしたものの「次につながる試合ができた」(根本)と収穫も得た。この悔しさを次週行われる第5戦にぶつけたい。

 今大会のヤマ場であったこの戦いで光っていたのが衣斐直也(スポ2=岐阜・大垣西)の活躍だ。「自分の中で何もかもがうまくいった」とチーム最高得点を挙げ、さらには自身試合新記録をマーク。部を引っ張る存在として期待を集める次世代のエースが大きく花開いた。昨年はルーキーながら学年で唯一リーグ戦に全試合出場し、1部昇格に貢献。しかし今季はここまで3試合中2試合で得点上位6人入りを逃すなど本調子ではなかった。だが勝負の一戦で本領発揮。「自分の思うように射てるように、ということを心掛けてやってきた」。衣斐の復調がワセダを王座へ導く波となる。

次戦でも活躍が期待される衣斐

 強豪校のカベを痛感する結果となった今試合。下を向いてはいられない、「1週間みっちり練習して、全力で臨みたい」(根本)と最終戦となる次戦での雪辱を誓う。宿願の王座出場を目指す戦いはまだ終わらない。

(記事、写真 谷田部友香)

★女子は上智大に勝利

 同日、埼玉・立大レンジで行われた対上智大戦は2535-2343で快勝。192点差と相手を圧倒した。次戦は明大と対戦。勝てば王座出場が決まるという大一番に臨む。

結果

男子●早大3873-3929専大

女子○早大2535-2343上智大

コメント

根本翔平(創理4=東京・早大学院)

――きょうの結果を受けて今の気持ちは

相手が格上だったのですが、自分たちは自分たちなりに実力が発揮できていい経験ができた試合というか、次につながる試合ができたんじゃないかと思います。

――きょうの敗因と課題は

個人的には試合となると点数のこととか、外してしまうこととか色々考えすぎてしまって、それがマイナスになって自分の体をうまく動かせなくなったりしていまいち点数が伸ばせなかったことが個人的な敗因だと思います。練習と試合の差をどうやって埋めていけるかが今後の課題だと思います。

――勝てばブロック優勝が決まるという大一番でしたが、どのような意識で臨みましたか

第一に勝つという気持ちで臨んでいたのですが、やっぱりどこかで弱気になってしまった部分もあったかなと思います。

――チームの雰囲気はいかがでしたか

いつも通り、今までやってきたこと通りよりも結構良くて、みんな声を出していて、選手もそれに応えて、いい雰囲気で試合ができたと思います。

――チームの3873点という点数についてはいかがですか

練習でもいつも通り出せている点数だったので、決して調子が悪いとは言い切れない点数だと思います。

――最後のリーグ戦ですが、どのような気持ちで臨んでいますか

自分が上として引っ張る立場としてやっていきたいという思いはあるのですが、それでも至らない部分は後輩たちを信じて、頑張ってほしいという思いもあります。

――次週の最終戦に向けての意気込みをお願いします

来週は王座(全日本学生王座決定戦)へつながる試合でもあり、個人的にも東日本(全日本学生東日本)へつながる試合なので、1週間みっちり練習して、全力で臨みたいと思います。

衣斐直也(スポ2=岐阜・大垣西)

――きょうの試合結果については

自分の中で何もかもがうまくいったという感じです。試合前にやると決めていたことがうまくいきました。

――チームの敗因と課題は

ミスしたときにリカバリーがしきれていなかったと思いました。課題は、コンフォートゾーンがもうちょっと上がれば、もっと高い点数の出るチームだと思うので、意識の改革をしていけばもっと強いチームになると思います。

――きょうの試合に向けてきのうの練習ではどのような準備をしましたか

とりあえず気持ちよく射つことだけを考えていました。

――普段の試合と気持ち的に違った面はありましたか

あまり変わっていなかったですが、いつもよりリズム良く射つということは意識していました。

――きょうはチーム最高得点を挙げ、試合新記録を出す活躍をされていましたが、先週から調子を上げてきたように見受けられました

今週の平日でしっかり自分の思うように射てるように、ということを心掛けてやってきたので、それがうまくいったかなと思います。

――2年目のシーズンを迎え、1年生も入ってきましたが、昨シーズンと気持ち的に違うところはありますか

後輩ができたので、しっかり後輩にいいところを見せていこうと思っています。

――最終戦に向けての意気込みをお願いします

ワセダで1番になって、勝利を飾りたいと思います。