山本勝也(スポ2=石川・遊学館)が大金星を挙げた。石川県代表として出場した山本勝は、同グループの山口県代表、吉村真晴(愛工大)と対戦。第1ゲームを5−11とあっさり奪われるが、第2ゲームからは吉村のサーブに対しチキータで仕掛けるなど勝負に出た。強気なレシーブで、得意のラリーに持ち込むことに成功し、ゲームカウント3−1で勝利。昨年度の全日本選手権(全日本)覇者を封じ込めた。また、東京代表の松平健太(人4=青森山田)も相手を寄せ付けないプレーで大勢の観客を魅了した。
快進撃は止まらない。山口県との第2試合、1番手を任された山本勝は吉村と対戦。第1ゲームを先取されるものの、「すごく研究していた」と、まずは相手の武器であるサーブを攻略する。思い切ってチキータで攻撃に出ることで、自信のあるラリーに持ち込み、相手を圧倒。全日本王者の顔を歪めるほど、追い込んだ。また、ジュースにもつれ込んだ第2、第3ゲームでは、勝負どころで得点を決め、ゲームカウント3−1と快勝。試合後、「実力で勝ったとは思っていない」と語ったが、全日本王者に対し見事な試合運びを見せた。7月の関東学生選手権以降、格上相手に勝ち続けている山本勝が、ここでもまた大きな白星を挙げた。
吉村のサーブをチキータする山本勝
松平健太(人4=青森山田)は、東京代表として1次リーグに挑んだ。格下相手にも打点の速いドライブ攻撃で隙を与えず、3試合を全てストレート勝ち。「応援してくれている方が多いので、すごく力になっている」(松平)と言うように、立ち見が出るほど詰めかけた大勢のファンの声援に応えた。また、板倉健信(スポ4=福岡・希望が丘)、高田直騎(スポ1=福岡・希望が丘)は共に福岡県代表として出場。昨年度の学生王者、上田仁(青森大)らを擁する強敵揃いの青森県代表に苦しめられるなど、目標のベスト8には届かなかった。
バックハンドでラリーをする松平
全日本大学総合選手権個人の部(全日学)を前に、大きな勝利を収めた山本勝。「吉村選手に勝ったのを自信にしたい」と、チームは敗れたが、全日学につながる価値ある大会となった。これで1次リーグが終了し、最終日は準決勝、決勝が行われる。勝ち残ったチームの顔ぶれは、日本卓球界を代表する選手ばかり。ワセダ勢で唯一明日に駒を進めた東京代表の松平の戦いぶりに、注目したい。
(記事 栗坂美祐、写真 加藤万理子)
コメント
松平健太(人4=青森山田)
——きょうの試合を振り返っていかがでしたか
順調に勝てたかなという感じですね。まあ、思うようにいけたので良かったと思います。
——3日間やってみて体調はいかがですか
いたって普通ですね。良くもなく悪くもなくって感じなので。
——3日間やってみて新たな課題や収穫はありましたか
いや、そういうのは特にこの3日間では何も無いので、書き加えることは何も無いと思います。
——東京国体に東京代表として出場するということで、どういったことを感じていますか
やっぱり応援してくれる方々がすごく多いので、それがすごく力になっています。そういう中でできるというのはすごく幸せだと思います。
——東京代表はきょねん優勝しているということでプレッシャーは感じますか
プレッシャーは特に無くて、逆にそのプレッシャーが応援してくれる方々の声援で無くなっているので、そこはすごくありがたいです。
——あした2試合ありますが、それに向けて
あしたはもう最終日で準決勝と決勝なので、負けたら終わりなので、しっかりと1人1人が役割を果たして優勝したいです。
——東京チームの雰囲気はいかがですか
ナショナルチームの合宿などで常に一緒なので、仲が良く、ナショナルチームの時と同じようにできています。
板倉健信(スポ4=福岡・希望が丘)
——きょうの試合を振り返って
1番手で出させてもらって、1ゲーム目を取ってそれから、2、3と最後のゲームを簡単にやられてしまって。取られたゲームのときについていけなかったのが1番の敗因で、しれが結構チームの負けにつながったと思います。
——ついていけなかった部分というのは
相手のサーブの時に、レシーブしてからブロックの展開が左(利きの選手)に対して不安があったんですけど、そこがあまりうまくいかなかったところが悪かったです。
——勝負所での失点も目立っていた気がしますが
左の選手とやると、結構フォアを使っていかないといけないので、フォアのミスが多かったです。そうですね、大事なところで(ミスが)出ました。
——レシーブに苦しんでいる様子も何度か見受けられましたが
ワセダに左の選手がいなくて。きょうだけではなくて、毎回の課題というか、自分の弱いところなんで、前に比べると少し良くなったのかなという感じはありますけど、まだ相手が強くなるとうまくいかないことがすごく多いです。
——国体での目標は
福岡はおそらく成年男子は10年くらい入賞してないので、ベスト8を目標にしていたんですけど、少しきょう負けたことで厳しくなってしまいました。あしたの青森との試合を乗り切って、あとは他のチーム次第という感じです。
山本勝也(スポ2=石川・遊学館)
——まずはきのうの吉村選手との試合を振り返ってください
結構自分に運もありました。相手が1番で、別に自分が負けてもどうせ勝つだろうというのが(相手に)あって。あまり実力で勝ったとは自分では思ってなくて、流れとかそういう相手の気持ちの余裕にうまくつけこめたかなと思います。
——それでも相手に武器であるバックハンドが通用していました
ラリーになったら自分の方が強いという風に思っていて、そこまでいけたので勝てたと思います。
——チキータやサーブもすごく効いているように思えましたが
どういうのが嫌だとかすごく研究していたので、そこでうまくできました。
——どんな研究をしていたのですか
いつもみんな吉村のサーブに崩されて、サーブに自信が持てなくてというのが多いんですけど、レシーブの時に思い切ってチキータしにいったりしました。相手がいろいろやってくるんですけど、それに対しておそらくみんな惑わされていたので、自分は逆にチキータと決めたらとりあえず入れてラリーに持ってってという戦術が使えるのでその部分が良かったと思います。
——それでもまだ実力で勝ったいう気持ちはありませんか
まだ(相手の)すごいサーブとか見ていないですし、出していないサーブもあるので、逆に自分のサーブもそんなに効いた感じがしなくて。相手の凡ミスもあったので、実力で勝ったとは思ってないです。
——2度のジュースを制するなど勝負どころでポイントを決めていました
レシーブの時に強気でいけたというのが良かったと思います。やはりみんなレシーブがうまくいかないので、そこの部分が自分はうまくいきました。
——一方できょうはバックハンドのミスが目立ちました
(相手の)バックが表なんですけど、そのタイプがなかなか練習相手にいなくて。バック対バックをやってもいろんなボールが表だと飛んでくるので、全然対応ができなくて。しかも相手はフォアハンドがうまい選手なのでバックで負けていたらフォアハンドで勝てないので、全然だめでした。
——国体全体を振り返って
国体はお祭りみたいな感じで、楽しい気持ちで臨めて、強い選手にも勝てたので良かったです。
——これをどう全日学(全日本大学総合選手権個人の部)に生かしていきますか
次の大きな大会が全日学なので、そこで吉村に勝ったというのを自信に持ってどんどんどんどん勝ち上がっていきたいと思います。