3連続トライで猛追するも、帝京大Dに惜敗

ラグビー男子

 ラグビーの季節が到来したことを告げるような厳しい寒さの中、帝京大学百草グラウンドにて早大D対帝京大Dの一戦が行われた。この対戦カードは一カ月前にも行われており、その際は早大Dが31ー24と接戦をものにした。しかし、今試合はリベンジに燃える帝京大Dの勢いにのまれ、前半に4トライを献上。後半に追い上げるものの、一歩届かず33ー38で敗戦となった。

 前半6分、先制したのは帝京大D。フェーズアタックでディフェンスの穴を正確に突かれ、中央にトライを許した。しかし、その後再開のキックオフを獲得した早大Dはそのままの勢いで敵陣深くまで流れ込む。FL宮本大生(文構4=埼玉・早大本庄)からLO原田恒耀(スポ1=福岡・修猷館)、最後にFL野島信太郎(教1=東海大大阪仰星)とFWでボールをつなぎ、インゴールをたたき割った。試合を振り出しに戻し、流れを取り戻したい早大Dだったが、アタックでのミスが重なり、自陣での攻防の時間が多くなってしまう。17分には早い出足と鋭いタックルで堅守を見せたが、消耗戦で不利に立ち、追加点を献上。その後もディフェンスの時間が長く、主導権をつかむことができなかったが、30分に早大Dは強力な帝京大スクラムからペナルティーを獲得。一気に流れを引き寄せたと思われたのもつかの間、さらに2トライを追加され7ー24で前半を折り返した。

パスを出すLO原田

 後半開始早々、早大Dはアタックのミスからターンオーバーを許すと、そのまま失点。さらにリードを広げられるが、5分には早大Dがまたもスクラムでペナルティーを獲得し、ラインアウトモールからアタックを継続。FB山下一吹(教2=東京・早実)からラストパスを受け取ったWTB杉野駿太(政経3=東京・早大学院)がインゴールを駆け抜けた。11分には自陣深い位置まで侵入されたものの、フェーズを重ねられても一糸乱れぬディフェンスで帝京大Dの猛攻をしのぎ切った。しかし、15分に自陣ゴール前でスクラムを与えてしまい、失点を許す。差を26点にまで広げられ、万事休すかと思われたが「全員が勝てると心から思っていた」とPR勝矢紘史(スポ2=長崎北陽台)が語るように早大Dは勝負を諦めていなかった。18分には敵陣深い位置で得たペナルティーを素早く再開し、NO・8松永拓実(スポ3=埼玉・県浦和)がインゴールにねじ込む。さらに27分、NO・8米倉翔(スポ1=福岡・修猷館)のゲインでゴール前まで前進した早大Dはピックゴーで少しづつトライラインを目指し、最後はPR池田裕哉(スポ3=東京・明大中野)が決める。39分には自陣から積極的にボールを回し、早いテンポで帝京大Dのディフェンスを翻弄。3連続となるトライを宮本が挙げ、33ー38と5点差まで詰め寄った。ノータイムとなった40分、WTB小澤ジョージィ(スポ2=千葉・流経大柏)がラインをブレイクし、逆転なるかと思われたが、ボールを落としてしまい、猛追むなしく惜敗となった。

グラウンドを駆け抜けるNO・8米倉

 結果は敗北となってしまったが、今試合では早大Dの粘り強いディフェンスが光り、自陣での攻防が多かったにも関わらず大量失点を許さなかった。しかし、勝矢は「相手からボールを奪い取るためのディフェンスができていなかった」と評し、精度の向上に意欲を見せる。『荒ぶる』を歌うためにはチーム一丸となって戦うことが必要不可欠だ。シーズンも終盤を迎えた今だからこそ、早大Dのさらなる成長に期待したい。

(記事 村上結太、 写真 濵嶋彩加)

コメント

HO山野裕都ゲームキャプテン(教4=東京・早実)

――今日の試合のテーマと達成度を教えてください

 ゲインバトルがテーマでした。今週は練習で2人目、3人目の寄りを意識してやってきて、1人目のコリジョンももちろんですが、フォローの速さもチャンスをつくるのに必要なので全体で意識していました。しかし今日の試合では2人目の寄りが遅くてターンオーバーされる場面もあり、自分たちがやると決めていたことをできていなかったのが反省点になりました。

――チームとして帝京大Dに通用した部分は

 スクラムでリードできて、ペナルティーを取れた場面もあったところが良かったと思います。また後半からは縦にいくということを意識して、縦に続けて当ててトライを取れたことは収穫でした。しかし、それを前半からやれていればもっと良いスコアになったと思うと反省点でもあります。

――対抗戦終盤となりましたが、チーム全体の雰囲気はいかがですか

 先週帝京大に負けて、今週は3連勝することを目標にしていたのですが、思うようにはいきませんでした。帝京大はフィジカルが強く、そこに勝たないと『荒ぶる』はないという考えで今季はやってきたので、もっと突き詰めていこうという雰囲気です。

――個人として通用した部分と足りていないと感じた部分は

 自分が苦手としているスローと、ボールをとりかえすプレーが今日はできていたと思います。その反面、キックオフのキャッチや1人目のタックルが不十分であると感じました。気持ちの部分ができていないと思うので、切り替えてあげていく必要があると思います。

――ラストイヤーも終盤となってきました。今後の意気込みをお願いします

 まずは『荒ぶる』を獲ることが絶対なので、それに向けてチーム一丸となってやっていきます。個人としてはまだ赤黒に近い存在ではないので、下のチームから押し上げていってチームの力になりたいです。

PR勝矢紘史(スポ2=長崎北陽台)

――後半から試合に出るにあたって、どのような心持ちでピッチに上がりましたか

 絶対に負けられない試合だったので自分のプレーで試合を決めたいと思って出ました。

――後半、連続トライで追い上げていましたが、チームの雰囲気はいかがでしたか

 一時は大きくついた点差でしたが、誰も諦めてはおらず、全員が勝てると心から思っていました。

――チームのディフェンスを振り返っていかがですか

 ただ守ることはできていましたが、相手からボールを奪い取るためのディフェンスができていませんでした。もっと攻撃的なディフェンスをすることが目標なので、そこを改善していきたいです。

――今後の意気込みをお願いします

  個人としては、結果を出し続け、上のチームで活躍できるようになることです。チームとしては、上井草から変えないといけないところが多くあると思っています。日頃から言い合って勝つべき試合で必ず勝てるよう際にこだわってやっていきたいです。

SO大賀雅仁(スポ1 =神奈川・桐蔭学園)

――今日の試合の個人コンセプトを教えてください

  10番としてチームを勝たせるということをコンセプトにプレーしました。

――その達成度はいかがでしたか

 前半、後半ともにいいシーンはかなりありましたが、最終的には5点差で負けという結果になってしまったので、やはり勝ちにこだわりたかったという部分はあります。

――キックオフでの再獲得に何度も成功していたが、ご自身のキックの感触はいかがでしたか

 キックオフは自分の中でも強みだったので、そこが上手くいって良かったです。

――フェーズアタックで意識していたことは何かありますか

 帝京大のディフェンスがあまり前に出てきていなかったので、仕掛けるところとパスするところを迷わずにすることを意識していました。

――今後の意気込みをお願いします

  学年関係なく、赤黒のジャージーを一日でも早く着れるように頑張っていきます。

 

 

ジュニア秋季オープン戦
早大D スコア 帝京大D
前半 後半 得点 前半 後半
26 24 14
33 合計 38
【得点】▽トライ 野島、杉野、松永、池田、宮本 ▽ゴール 大賀(3G)、鳥海
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
下間 元貴 スポ4 秋田
山野 裕都 教4 東京•早実
池田 裕哉 スポ3 東京・明大中野
鈴木 大和 国教1 東京・早実
原田 恒耀 スポ1 福岡・修猷館
野島 信太郎 教1 東海大大阪仰星
山田 凜太 法1 茨城・茗渓学園
松永 拓実 スポ3 埼玉・県浦和
井上 泰志 スポ3 福岡・東筑
10 大賀 雅仁 スポ1 神奈川・桐蔭学園
11 杉野 駿太 政経3 東京・早大学院
12 森田 倫太朗 スポ1 兵庫・報徳学園
13 丸橋 怜央 商1 埼玉・早大本庄
14 鈴木 陽結 政経4 東京・早大学院
15 山下 一吹 教2 東京・早実
リザーブ
16 佐々木 柊 スポ3 東京・本郷
17 勝矢 紘史 スポ2 長崎北陽台
18 成戸 風太 スポ2 埼玉・川越東
19 小野 史裕 法3 東京・早実
20 折戸健介 法3 東京・早実
21 渡辺 駿斗 商4 東京・早実
22 玉川 皇ー 創理2 東京・青山学院
23 宮本 大生 文構4 埼玉・早大本庄
24 米倉 翔 スポ1 福岡・修猷館
25 平塚 英一朗 法1 東京・早実
26 鳥海 雄図 教4 東京・早実
27 木村 晴 スポ4 北海道・函館ラサール
28 小澤ジョージィ スポ2 千葉・流経大柏
29 小澤アンディ 法2 千葉・流経大柏
※監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)