ラストに追い上げをかけるも、リベンジ果たせず準決勝敗退

ラグビー男子

 冬を感じさせる冷たい空気が広がる中、関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)準決勝に挑んだ早大Bは、昨年優勝チームの帝京大Bと熱戦を繰り広げた。前半は両者譲らない展開となり、なかなか得点は動かない。帝京大Bが最初の得点を挙げるとすぐに早大Bも奪い返し、前半終了直前まで接戦となる。その後2トライを追加されるものの、逆転を狙う早大Bは集中力を切らさず、試合終了間際に2連続トライ。しかし、中盤での連続失点が響き、最終スコア24ー43で準決勝敗退となった。

 早大Bのキックオフで試合が開始すると、前半20分まで両チーム得点は生まれない。待望の先制トライを奪ったのは帝京大Bだったが、追いかける展開となった早大Bも23分に初トライ。敵陣22メートルライン付近右でのラインアウトから左へ展開すると、SO吉岡麟太朗(スポ3=東京・本郷)がグラバーキックで仕掛ける。このボールはターンオーバーされ帝京大Bボールとなってしまうが、WTB福島秀法(スポ2=福岡・修猷館)がすかさずジャッカルし、すぐに攻撃を再開。フェーズを重ねて再びSO吉岡がキックパスで仕掛けると、受けたCTB岡本大輝(スポ4=東京・本郷)がそのまま走り込んで今試合初得点を決めた。しかし前半終了間際、帝京大Bに2本の独走トライを決められ、5ー21で試合を折り返す。

パスを出すSO吉岡

 すぐに追いつきたい早大Bは、後半4分にハーフライン付近でのマイボールスクラムから、NO・8山本竜大(教2=東京・早実)が帝京大Bディフェンスを引きずりながらのビッグゲインを見せる。そのまま敵陣奥深くへ攻め込みフェーズを重ねると、帝京大Bのペナルティーを奪い、クイックスタートを切ったWTB福島が自らトライラインを割った。後半最初のトライを奪った早大Bが、このまま勢いに乗って逆転するかと思われたが、帝京大Bの3連続トライで点差を広げられる。しかし、ここで諦めなかった早大B。30分、帝京大Bボールのスクラムでペナルティーを奪うと、敵陣奥深くでのマイボールラインアウトから左に展開する。FB京山秀勇(人4=福岡・東筑)のビッグゲインでさらに左へフェーズを重ね、最後はSO黒川和音(人2=茨城・茗渓学園)が外にまわってインゴールへ飛び込んだ。この後、試合終了間際の41分にも敵陣左奥深くでのマイボールラインアウトからモールトライで得点。終盤の2連続トライで追い上げを見せた早大Bだったが、24ー43でノーサイドとなった。

ゲインするNO・8山本

 この試合の結果により、昨年に引き続きジュニア選手権準決勝敗退となった早大B。何度も敵陣奥深くまで攻め入り、要所で帝京大Bを寄せ付けないプレーも見せていたが、ゲームキャプテンを務めたCTB岡本大輝(スポ4=東京・本郷)は「ここぞの粘り、しつこさの部分が点差に響いた」と振り返った。今試合の反省点に挙げた「粘り」を忘れず、この後続く早慶戦、早明戦での勝利の糧にしてほしい。

(記事 濵嶋彩加、 写真 西川龍佑)

コメント

CTB岡本大輝ゲームキャプテン(スポ4=東京・本郷)

――今日のゲームテーマを教えてください

 今日はシンプルに自分たちが練習やってきたことを出し切るというところで、シンプルというワードを今言ったんですが、アタックでもディフェンスでもオプションを使うだったりゲインラインを切るだったり、ディフェンスであればしっかりコミュニケーションを取って前に出る部分だとか、本当にシンプルな事をやり切るというゲームテーマでした。

――試合全体を振り返っていかがでしたか

 点差でもあるように、取り切る差というか。ここぞの粘り、しつこさの部分が点差に響いたのかなと思います。

――後半、帝京大に3トライ奪われたあと、終盤早大が2トライ挙げましたが、なにかチームで話されたり修正されたりしましたか

 スコアの取られ方が、自分たちがやるべきことができてないというのが完全な原因だったので、まずやるべきことをやり切れば試合を通して崩すことはできていたので、とにかくシンプルにこだわった結果だと思います。

――個人的に良かった点、反省点を教えてください

 良かった点に関しては、スペースを見てそこにうまく運べたのは良かったです。ですが、いざ抜けた後にボールをロストしてしまったり、ペナルティでターンオーバーされてしまったりという部分がかなり多かったので、そこは反省点かなと思います。

――ジュニア選手権が終わり、シーズンも佳境に入っていますが、ここからどう過ごしていくか、意気込みをお願いします

 Bチームとしての大会はもうないので、普段の練習で、いかに強度を高くできるかというのが大事だと思います。Bチームが強くないとAチームも絶対強くならないので、特に4年生中心にいい練習ができればいいなと思います。

SH細矢聖樹(スポ3=国学院栃木)

――今日の個人のゲームテーマを教えてください

 今週テーマにしてたコミュニケーションというところで、細かいところを詰めてプレーすることを意識しました。

――BK全体として掲げていたテーマはありますか

 BKでボールを下げず、前に出すというところを意識していました。

――それを振り返っていかがでしたか

 ボールを下げないという部分に関しては良かったですが、最後の22メートル入った後の取り切りの部分で取り切れず、ミスで自分たちのボールロスで終わるという部分は反省かなと思います。

――今後の意気込みをお願いします

 このまま負けたままでは終われないので、ジュニアはもうないですが、ここからAチームの試合に絡んでいけるように頑張りたいと思います。

NO・8山本竜大(教2=東京・早実)

――今日の試合をふりかえっていかがですか

 帝京の勢いに飲まれることなく最初からプレーし辛い時間帯も耐え早稲田ラグビーを体現しようとしました。しかしなんども諦めずに喰らいつく早稲田のラグビーができず、取りきれない場面が多く試合後半で修正したものの勝利できませんでした。

――大きくゲインしてトライに絡んだシーンがありましたが、ご自身のプレー振り返っていかがですか

 前に出てくるディフェンスに対しオプションを使えたことはとても良かったのですが、接点でのフィジカルでの相手との差を感じ、課題に感じました。

――FWとしてセットプレーを振り返っていかがですか

 スクラム、モール共にやってきたことを十分に発揮することはできなかったと思います。自分たちがこだわっていた部分を発揮できず押し込まれる場面が多かったです。

――今後に向けての意気込みをお願いします

 まだ試合は続くので、落ちることなく日々の練習からゲームを意識した上で取り組みたいと思います。

 

 

 

関東大学ジュニア選手権
早大B スコア 帝京大B
前半 後半 得点 前半 後半
19 21 22
24 合計 43
【得点】▽トライ 岡本、福島、黒川、山本 ▽ゴール 京山(2G)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
杉本 安伊朗 スポ1 東京・国学院久我山
清水 健伸 スポ1 東京・国学院久我山
亀山 昇太郎 スポ3 茨城・茗溪学園
栗田 文介 スポ2 愛知・千種
細川 大斗 社4 東京・早実
鈴木 風詩 社3 国学院栃木
中島 潤一郎 教2 神奈川・桐蔭学園
山本 竜大 教2 東京・早実
細矢 聖樹 スポ3 国学院栃木
10 吉岡 麟太朗 スポ3 東京・本郷
11 福島 秀法 スポ2 福岡・修猷館
12 岡本 大輝 スポ4 東京・本郷
13 金子 礼人 法2 福岡・西南学院
14 鈴木 寛大 スポ1 岡山・倉敷
15 京山 秀勇 人4 福岡・東筑
リザーブ
16 真田 稜大 教2 東京・早実
17 門脇 浩志 スポ3 神奈川・桐蔭学園
18 新井 瑛大 教1 大阪桐蔭
19 若松 泰佑 文構3 東京・早実
20 岡村 圭悟 スポ3 東京・本郷
21 清水 翔大 文3 東京・早実
22 黒川 和音 人2 茨城・茗渓学園
23 磯崎 錬太郎 商4 徳島・城東
※監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)