決め手は「FWのスクラムとBKの決定力」(松下)!  東海大Cとの接戦を制す

ラグビー男子

 関東大学ジュニア選手権に続いて、早大Cと東海大Cの試合が早大上井草グラウンドにて行われた。「東海大さんの強いキャリーにやられてしまった」(PR門脇浩志、スポ3=神奈川・桐蔭学園)と相手の強いフィジカルにプレッシャーを受け、前半序盤は苦戦を強いられた早大C。しかし、その状況の中でもスクラムでは圧倒し、一つ一つの好機を着実に決めていく。12ー21で迎えた後半は、両者点を取り合うシーソーゲームに。終盤早大Cが猛攻を見せ、2連続トライを獲得すると、最終的に相手を突き放し、43ー31で見事逆転勝利を果たした。

 早大のキックオフで試合はスタート。序盤、何度も攻撃を図った早大Cだが、東海大Cの堅いディフェンスで、何度もペナルティーをとられてしまう。上手く攻撃が機能しないまま時間が過ぎ、前半16分にギャップを突かれ相手に先制トライを許す。直後の19分、早大Cはキックオフからすぐに攻撃を仕掛け、一気に自陣へ。スピードあるパスで、敵陣左へつなぐと、最後はFL西浦剛臣(社3=ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール) がタッチライン際へ周り、相手を交わしてトライを挙げた。続く35分、敵陣奥深くの右サイドでラインアウトを獲得。モールから左へ展開し、FL粟飯原謙(スポ2=神奈川・桐蔭学園)がゴールポスト前で粘り強く前進し、相手ディフェンスを引きつける。最後は左外に余ったBK陣で順目に素早くパスをつなぎ、FB高栁壮史(創理2=東京・早大学院) がインゴールへ飛び込んだ。しかし終了間際にトライを決められ、相手に9点のリードを許し、前半を終えた。

スピードある攻撃で、何度もディフェンス突破に成功したFB高栁

 迎えた後半、早大Cは4分にWTB鈴木寛大(スポ1=岡山・倉敷) の先制トライで勢いづくと、敵陣での攻撃時間が増える。13分、22メートル付近左サイドのスクラムから中央へ展開し、CTB仲山倫平(法2=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)がディフェンスを抜けると、サポートに入ったCTB黒川和音(人2=茨城・茗渓学園)へオフロードパスがつながり、そのままゴールポスト左へ飛び込み逆転に成功した。その後、両校トライを取り合い、31ー31の同点で後半終盤へ。緊張の時間が続く中、35分、早大Cは敵陣左インゴール手前でラインアウトのチャンス得る。モールからFW陣が連続でアタックし、最後はPR門脇浩志(スポ3=神奈川・桐蔭学園) が押し込んだ。さらに40分にも右サイドでラインアウトモールからトライを奪って点差を広げ、苦闘の末、見事白星を挙げた。

攻撃を仕掛けるCTB黒川

 「春から夏にかけて積み上げてきたタフな練習が自信となった」と仲山が語るように、体力勝負の後半で早大Cの粘り強さが顕著に表れる試合内容となった。ゲームキャプテン松下は「失点をしてもチームの中で士気は下がらず、活発にコミュニケーションを取ることができていた」と試合を振り返る。ピンチの時こそ、試されるチームの結束力。ベンチでも終始盛り上がりを見せた本試合の一勝が、早大全体に勢いをつけたことは間違いないだろう。約2週間後に控える帝京大との一戦へ、チーム伊藤一丸となって挑んでいく。

(記事 川上璃々、写真 清水浬央)

コメント

LO松下慶伍(商4=東京・早実)ゲームキャプテン

――まず、今日の試合のテーマを教えてください

 『セカンドマンファイト』をテーマに試合をしました。

――ではそのテーマの実行具合を教えてください

 後半になって相手にテンポよくボールを出され、トライされてしまった場面があったので、試合を通して実行できるように練習から意識づけを行っていきたいと思います。

――セットプレーに関していかがでしたか

 スクラムはかなり自分たちペースで組めていたので、試合中もFWの選手の中から「何本でも組んでやる」と声が出ていました。

――中盤は点を取り合うシーソーゲームでしたが、その時のチームの雰囲気を振り返っていかがですか

 失点をしてもチームの中で士気が下がると言うことはなく、活発に修正点などのコミュニケーションを取ることができていたと思います。

――ではその接戦の中で勝てた要因は何だと考えていますか

 スクラムで優位に立てた事がが大きかったと思います。また、BKが取り切るところで取り切ってくれたので、そこも勝てた要因だと思います。

――ご自身の中で課題や収穫点はありましたか

 個人としてはタックルミスをしてしまい、チームに迷惑をかけてしまいました。修正できるところは修正し、今後に生かしたいです。

――今後の意気込みをお願いします

 残り少ない日々を大切に、最後まで足掻き続けたいと思います。

PR門脇浩志(スポ3=神奈川・桐蔭学園)

――今日の個人のテーマは何でしたか

 Bチームのジュニア選手権(関東大学ジュニア選手権)から1個チームが下がった試合に出ることになって、自分的にとても気合いが入っていました。セットプレーと接点のところをテーマにして試合に臨みました。

――そのテーマの実行具合はいかがでしたか

 東海大さんの強いキャリーにやられてしまったところはあるのですが、セットプレーはすごく良かったかなと思います。

――東海大のディフェンスと戦ってみていかがですか

 個々の力がすごく光っていて、僕たち自身もゲインを切れない部分はありました。

――今日の試合の課題と収穫はいかがですか

 収穫はセットプレーで前半から圧倒できた部分で、課題は1つのミスが1つのトライにつながってしまうことで、次回までに修正したいと思います。

――残すシーズン向けての意気込みをお願いします

 次は、ターゲットとしている帝京大学なので、今後もし赤黒ジャージーを着ることができる機会があれば、全力でプレーして大学選手権優勝まで頑張ります。

CTB仲山倫平(法2=ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ)

――今日の個人テーマを教えてください

 アタックプレッシャーを持つというのと、周りのプレーヤーとアタック面、ディフェンス面でシンクロしてプレーするというのを意識しました。あと、前回から引き続き思いっきりプレーするというのも一つのテーマでした。

――実行具合はいかがでしたか

 結構シンクロの部分でも、思いっきりプレーするという部分でも、いいパフォーマンスができたかなと個人的に思っています。前に行くときは前に出れましたし、ディフェンスもしっかり狙いを定めて自分から体を当てにいくことができたので、その評価になるかなと思います。

――BKの展開力について振り返っていかがでしたか

 相手WTBが被ってくるようなアンブレラのディフェンスに対して、ちょっとボールを後ろに下げすぎたなというのが一つの課題だなと思うし、それに対して縦に行くプレーで後半修正できたとは思うのですが、もう少し早い段階で強いプレーを入れたり、深い位置に立って早めにパスを回すとかの見極めがまだジュニアのレベルでしかなかったなと思うので、次回以降修正していきたいと思います。

――途中まで点を取り合う接戦でしたが、勝因がどこだと考えていますか

  やっぱり自分たちが春から夏にかけてタフな練習をこなしてきていたので、その自信が大きかったと思います。今日は2年生が多くいたので、その結束力も理由の一つになるのではないかと思います。でも一番大きかった要因はFWがスクラムを押してくれたし、ブレイクダウンでも勝ってくれたし、ラインアウトでも全部100パーセントでとってくれたしその面が大きかったと思います。そういう意味でBKはまだまだ課題があるかなと感じます。

――今後に向けて意気込みをお願いします

  どのチームで、どのカテゴリーでプレーするかはまだ分かりませんが、一つでも上のカテゴリーにいけるように練習から思い切ってファーストプレーの熱量、精度にこだわっていきます!

 

ジュニア秋季オープン戦
早大C スコア 東海大C
前半 後半 得点 前半 後半
12 31 21 10
43 合計 31
【得点】▽トライ 西浦(1T)、高栁(2T)、鈴木寛(1T)、黒川(1T)、門脇(1T)、真田(1T)▽ゴール 仲山(4G)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
門脇 浩志 スポ3 神奈川・桐蔭学園
真田 稜大 教2 東京・早実
池田 裕哉 スポ3 東京・明大中野
岡村 圭悟 スポ3 東京・本郷
◎松下 慶伍 教4 東京・早実
小池 航太郎 商4 東京・早実
西浦 剛臣 社3 ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール
粟飯原 謙 スポ2 神奈川・桐蔭学園
井上 泰志 スポ3 福岡・東筑
10 糸瀬 真周 スポ2 福岡・修猷館
11 小澤 ジョージィ スポ2 千葉・流経大柏
12 黒川 和音 人2 茨城・茗渓学園
13 仲山 倫平 法2 ニュージーランド・ウェリントン・カレッジ
14 鈴木 寛大 スポ1 岡山・倉敷
15 高栁 壮史 法創理2 東京・早大学院
リザーブ
16 佐々木 柊 スポ3 東京・本郷
17 下間 元貴 スポ4 秋田
18 下村 勇貴 文3 東京・早実
18’ 折戸 健介 法3 東京・早実
19 小野 史裕 スポ3 東京・本郷
20 野島 信太郎 教1 東海大大阪仰星
山田 凜太 法1 茨城・茗渓学園
21 桝谷 連太郎 スポ3 東京・本郷
10’ 大賀 雅仁 スポ1 神奈川・桐蔭学園
22 三浦 称児 人4 大分舞鶴
14 杉野 駿太 政経3 東京・早大学院
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)