早大上井草グラウンドにて、関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)の2回戦が行われた。序盤から帝京大Bに立て続けにトライを許したものの、着実に得点を挙げ12ー26で前半を折り返す。後半、帝京大Bの攻撃を封じ、連続トライで一時同点に追いつく。しかし、試合終了が迫った36分から2つのトライで突き放され、26ー40で試合を終えた。
早大Bは試合開始直後、自陣22メートルライン付近でラインアウトを与えてしまう。しかし、帝京大Bのモールを見事にFW陣が抑え込み、相手ボールをSH細矢聖樹(スポ3=国学院栃木)がジャッカルに成功。ゴール前でのピンチを守り切り、いい流れを作ったと思われたが、前半5分、帝京大Bに先制トライを献上。その6分後にも追加点を奪われ0ー14と苦しい立ち上がりに。早大Bの反撃は15分、敵陣ゴール前左のラインアウトから、先ほどいいデフェンスを見せたモールで、今度は攻撃を仕掛ける。モールが割れたところを見逃さず、HO清水健伸(スポ1=東京・国学院久我山)がインゴール左隅に飛び込んだ。そして、20分にはFB久富連太郎(政経4=島根・石見智翠館)がゲインラインを大きく突破。素早く出されたボールをLO若松泰佑(文構3=東京・早実)が押し込み、連続トライを奪った。その後は敵陣でのプレー時間が増え、有利な試合を展開した早大B。しかし、帝京大Bに2トライを許し、12ー26で前半を折り返した。
パスを放つCTB岡本
後半の早大Bは硬いディフェンスで帝京大Bの攻撃を封じ込め、攻撃でも最後まで粘り強さを見せる。後半9分、久富のゲインからボールを展開し攻撃を継続すると、SO吉岡麟太朗(スポ3=東京・本郷)からのパスを受けたPR亀山昇太郎(スポ3=茨城・茗溪学園)が勢いにのってゴールポスト左に押し込んだ。そして、34分敵陣ゴール前でのセンタースクラムで相手の反則を誘いフリーキックを獲得。NO・8粟飯原謙(スポ2=神奈川・桐蔭学園)が即座にリスタートし、ゴール5メートル前まで迫る。攻撃を継続し、右サイドのポイントから吉岡、CTB岡本大輝(スポ4=東京・本郷)、WTB三浦哲(文構3=東京・早実)とつながり、大外に走り込んだWTB磯崎錬太郎(商4=徳島・城東)が左隅に同点のトライを決めた。しかし、ここまでの追い上げも叶わず、試合終了が迫る36分に勝ち越しを許すと、さらに試合終了直前にだめ押しのトライを決められ、26ー40で試合を終えた。
相手を振り切り力強くゲインするNO・8粟飯原
春季オープン戦と夏合宿での対戦では、後半に大きく差をつけられての敗戦だったが、今回の試合では終了間際まで帝京大Bと互角の戦いを繰り広げ、思うように攻撃をさせなかった。特にFW陣がスクラムやモールなど、セットプレーで帝京大Bを圧倒。夏からの成長を感じられる試合となった。関東大学対抗戦を戦うAチームにも勢いをもたらす試合内容になったことだろう。また、『赤黒』を目指す選手たちの挑戦も続く。次戦以降の活躍にも期待だ。
(記事 西川龍佑、 写真 村上結太)
CTB岡本大輝ゲームキャプテン(スポ4=東京・本郷)
――今日どのようなテーマで挑んだのか教えてください
セットプレーでのアタックに関してはどのような状況であっても、自分たちの形をやり切る、ディフェンスに関しては横とのコミュニケーションを取り続けて常にワンラインで上がるということを意識していました。
――宿敵・帝京大を相手にどのような意気込みで試合に挑んでいましたか
ジュニアが試合に勝つことで、チーム全体にいい流れを引き寄せようと臨みました。
――試合全体を振り返って、テーマの実行具合などを教えてください
終始セットプレーで優位に立っていましたが、最後までアタックを継続してトライを取りきれない部分があったと思います。ディフェンスは崩れていなかったと思いますが、ペナルティーで陣地を下げられてしまうことが多かったです。
――後半の早大の追い上げシーンを振り返っていかがですか
アタックを継続すれば、トライを取れるという感覚はチーム全体であったので、焦らずにボールを継続できた結果だと思います。
――FW陣のセットプレーを見ていて、手応えなど感じたことをお願いします
チームの流れが良くない時にセットプレーでターンオーバーできたことは非常に大きかったと思います。しかしBKがセットプレーで優位に立てた状態で有効なアタックができなかったことが、敗因だと思います。
――最後に点差を付けられたシーンを振り返って
試合の勝敗を分ける時間や状況でのミスやペナルティが続いてしまったことが、被スコアにつながってしまったと思います。
――次回への意気込みをお願いします
直近2試合とも接戦を落としてしまっているので、試合の流れを左右するような状況でのプレーの精度や規律を高め、次の試合では修正したいと思います。
PR亀山昇太郎(スポ3=茨城・茗溪学園)
――スクラムで圧倒する場面が多々見られましたが、何を意識して臨みましたか
自分たちの姿勢を最後まで貫こうということを意識していました。また、スクラムに対してのこだわりを持つことは、どの相手に対しても必要なことだと考えています。横と後ろのつながりをしっかりと意識して、こだわった結果だと思います。
――では、その本日のスクラムを振り返って、いかがでしたか
横と後ろの選手が支えて、押してくれていたので、僕自身は、しっかり自分の姿勢を崩さないということを意識していました。練習で意識していた部分を実践できたので、全体的に良かったと思います。
――個人のフィールドプレーを振り返っていかがでしたか
ヒットにインパクトを与えられるプレーヤーが、Aチームに比べてBチームは少なかったので、一番大きい自分が身体を張らないといけないと思っていました。アタックに関しては、積極的にボールをもらいに行っていました。ディフェンスでは、身体の大きい相手に対して、ダブルタックルで仕留めて、またしっかり動くことを意識していました。きつい状態でも身体を動かすガッツが出せたと思います。
――次戦の意気込みをお願いします
次戦の慶大は、絶対に負けたくない相手です。今回の試合の内容を生かして、どんな相手にも勝ちきれるようなプレーをしていきたいと思います。
FB久富連太郎(政経4=島根・石見智翠館)
――どのような意気込みで宿敵・帝京大に臨みましたか
チャレンジャーとしてゲームに臨みました。
――ゲームメイクしていた印象ですが、どのようなことを意識してプレーしていましたか
アタックを継続するところとエリアを取って敵陣でディフェンスするところにメリハリを持たせるようなゲームメイクを心がけていました。
――ご自身のプレーを振り返って、課題点と収穫点があれば教えてください
効果的なキックは蹴れていたと思います。外側のブレイクダウンでボールロストが多かったのでBKの責任として修正したいです。
――最後に連続で点差を付けられてしまったシーンのBKのディフェンスを振り返っていかがですか
個人のタックルミスとインサイドワークの部分で抜かれたと思います。
――BK全体の課題と収穫はどう考えているか
被せてくるディフェンスに対してのアタックは、修正しないといけないと思いました。FWがいいボールを出してくれているのに、BKでボールをロストするシーンが多すぎました。責任を持ってBKが外でトライを取り切れるように、次戦に向けて改善していきたいと思います。
関東大学ジュニア選手権 | ||||
---|---|---|---|---|
早大B | スコア | 帝京大B | ||
前半 | 後半 | 得点 | 前半 | 後半 |
2 | 2 | T | 4 | 2 |
1 | 2 | G | 3 | 2 |
0 | 0 | P | 0 | 0 |
0 | 0 | D | 0 | 0 |
12 | 14 | 計 | 26 | 14 |
26 | 合計 | 40 | ||
【得点】▽トライ 清水、若松、亀山、磯崎 ▽ゴール 久富(3G) | ||||
※得点者は早大のみ記載 |
早大メンバー | |||
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背番号 | 名前 | 学部学年 | 出身校 |
1 | 門脇 浩志 | スポ3 | 神奈川・桐蔭学園 |
2 | 清水 健伸 | スポ1 | 東京・国学院久我山 |
3 | 亀山 昇太郎 | スポ3 | 茨城・茗溪学園 |
4 | 鈴木 風詩 | 社3 | 国学院栃木 |
5 | 若松 泰佑 | 文構3 | 東京・早実 |
6 | 萩原 武大 | スポ2 | 茨城・茗渓学園 |
7 | 中島 潤一郎 | 教2 | 神奈川・桐蔭学園 |
8 | 粟飯原 謙 | スポ2 | 神奈川・桐蔭学園 |
9 | 細矢 聖樹 | スポ3 | 国学院栃木 |
10 | 吉岡 麟太朗 | スポ3 | 東京・本郷 |
11 | 磯崎 錬太郎 | 商4 | 徳島・城東 |
12 | 岡本 大輝 | スポ4 | 東京・本郷 |
13 | 金子 礼人 | 法2 | 福岡・西南学院 |
14 | 鈴木 陽結 | 政経4 | 東京・早大学院 |
15 | 久富 連太郎 | 政経4 | 島根・石見智翠館 |
リザーブ | |||
16 | 真田 稜大 | 教2 | 東京・早実 |
17 | 杉本 安伊朗 | スポ1 | 東京・国学院久我山 |
18 | 新井 瑛大 | 教1 | 大阪桐蔭 |
19 | 松下 慶伍 | 教4 | 東京・早実 |
20 | 西浦 剛臣 | 社3 | ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール |
21 | 井上 泰志 | スポ3 | 福岡・東筑 |
22 | 京山 秀勇 | 人4 | 福岡・東筑 |
23 | 三浦 哲 | 文構3 | 東京・早実 | ※監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工) |