早大Bが怒涛の追い上げ 開幕戦を36-36で引き分けに終える

ラグビー男子

 強い日差しが照りつける明大八幡山グラウンドにて、早大Bの関東大学ジュニア選手権(ジュニア選手権)初戦が行われた。観客席は大勢のファンで埋め尽くされ、注目の高まる中試合はスタート。前半、明大Bに先制点を許し、流れを奪われるものの、負けじと相手のミスを誘い、徐々に点差を縮める。14ー17で迎えた後半、相手ボールをFB久富連太郎(政経4=島根・石見智翠館) がインターセプトし、岡本大輝(スポ4=東京・本郷)が逆転トライに成功。その後も立て続けにトライを挙げた早大Bが、このまま逃げ切ると思われたが、試合間際に隙を突かれトライを献上。36ー36で開幕戦勝利とはならなかった。

 前半8分、自陣奥深くで明大Bにラインアウトを献上し、モールで押され先制トライを奪われる。相手の攻撃が続くが、早大Bはプレッシャーをかけ、簡単にゲインラインを割らせない。久富のキックやFW陣のフェーズアタックで好機を生み出し、敵陣深くに攻め入るものの、「ジャンパーと上手くコミュニケーションが取れていなかった」(HO安恒直人、スポ3=福岡 )とラインアウトの失敗が続き、うまく得点に結びつけることができない。24分、ディフェンスを突破した久富からCTB金子礼人(法2=福岡・西南学院)、WTB鈴木陽結(政経4=東京・早大学院)へと素早くパスが渡り、敵陣左22メートルラインまで前進。順目にボールは右へ展開され、最後はタッチライン際をWTB磯崎錬太郎(商4=徳島・城東) が駆け抜けトライを決めた。続く38分にもBK陣の華麗なパスワークで相手のギャップを突き、見事追加得点。両チーム点を取り合い、14ー17で前半を折り返した。

前進を図るHO安恒

 体力勝負となる後半、リザーブ選手のフレッシュな力も加わった早大Bが猛攻を見せる。11分、アタックを継続し、敵陣インゴール手前まで迫った早大B。相手の反則から、安恒がクイックスタートでそのままインゴールに飛び込んだ。続く13分、相手攻撃のパスを久富がカットし、つないだ岡本がトライに成功。会場のボルテージは上がり、流れが完全に早大に回った。前半相手に圧倒されていたスクラムでも後半は優勢になる場面も見られ、選手たちの雄たけびが響く。18分、金子がハーフライン付近からディフェンスを交わし、一気に敵陣へ前進。並走していた磯崎に、パスを出すと見せかけて相手を翻弄し、自らインゴールへ走り切った。早大の勢いは止まらず、34分にも再びクイックスタートからSH細矢聖樹(スポ3=国学院栃木)が明大のディフェンスの隙を駆け抜け、インゴールへ。ここまで36-29とトライを量産し、逆転に成功した早大B。しかし、油断できない点差のまま試合が終盤にかかると、ハーフラインで相手スクラムから素早くボールを展開される。ディフェンスが追いつかず、インゴールを受け渡してしまった。コンバージョンキックも決まり、両チーム36点で試合は終了した。

キック、ランで活躍が目立ったFB久富

 前半のミスが響き、試合に勝ちきることができなかった本試合。しかし、「フェーズアタックや相手に走り勝つという部分で夏の成果を感じられた」と安恒が語るように、厳しい暑さだったにも関わらず、後半に選手たちは粘り強い戦いを見せた。試合中も声を掛け合う様子が何度も見られ、チームの結束力は高まっているようだ。「Bチームの自分がチーム全体に対して何ができるのか」(久富)ーー。赤黒、そしてチームへの思いを背負って挑むBチームの選手たち。今日の試合を糧に次戦の帝京大B戦では夏のリベンジを期待したい。

(記事 川上璃々、写真 濵嶋彩加)

コメント

CTB岡本大輝ゲームキャプテン(スポ4=東京・本郷)

――今日どのようなテーマで挑んだのか教えてください

 80分間通して一貫性を持ったプレーをすることにこだわっていました。調子がいい時はいいプレーができるのですが、劣勢になる場面ではプレーの精度が落ちたり、流れが悪くなったりするシーンが今まで多かったので、そういうことがないように心がけました。

――試合全体を振り返っていかがでしたか

 セットプレーで劣勢になる部分が多かったのですが、ボールを継続した時にスコアできたことは収穫だったのかなと思います。ただ、勝ちきれなかったということは、プレー一つ一つの精度がまだ足りてないということだと思うので、そこは次戦以降に向けて修正していきたいと思います。

――チームの雰囲気や流れが変わった場面は

 これというのはあまりないですが、ボールを継続できた時にトライを取れたシーンが何回かあったので、そういう時はチームの流れが変わったなと思いました。それからディフェンスでいいタックルができてターンオーバーができたシーンは、チームの流れを取り戻す、いいシーンだったと思います。

――次戦に向けた意気込みをお願いします

 個人としてはまだチームに勢いをもたらすということができていないので、試合の流れを決める場面でしっかり縦に出ることや、ゲインラインを超えるというところにこだわっていきたいと思います。

HO安恒直人(スポ3=福岡 )

――今日はどのような意気込みで試合に挑んだのか教えてください

 相手は明治ということで、FWで団結して圧倒しようという意気込みで臨みました。

――セットプレーのラインアウトとスクラムをそれぞれ振り返っていかがですか

 ラインアウトでは相手が高さのある中で、ジャンパーと上手くコミュニケーションが取れず、サインの選択なども良くなかったので、上手くいかなかったと思います。スクラムに関しては重い相手に対して自分たちのスクラムが組めずに、いい形ができなかったので修正していきたいです。

――後半スクラムで互角に戦えているように見えましたがいかがですか

 リザーブの選手がプロップで2人入ってきて、スクラムに対する気持ちが8人まとまったところが良かったかなと思います。

――夏の成果を感じられる場面はありましたか

 フェーズアタックや相手に走り勝つという部分で夏の成果を感じられました。自分たちがやってきたことは間違ってなかったなと改めて感じました。

――ご自身のアタックについて振り返って見ていかがですか

 アタックに関してはゲインすることは結構できたのですが、当たる時にたまに高くなったりして、強い相手に対して高くいったら持ち上げられることもあったので、常に低くということを次は意識したいと思います。

――次戦へ意気込みをお願いします

 自分の持ち味である低いプレーをさらに磨きかけられるように頑張ります。

FB久富連太郎(政経4=島根・石見智翠館)

――どのような意気込みで初戦に臨みましたか

 4年生になり最後のジュニア選手権ということで、勝つことはもちろんですが、一緒にやってきた4年生とラグビーを楽しむことを意識して臨みました。

――ご自身のプレーを振り返っていかがですか

 一つ一つのプレーを集中力高くできたと思っています。キックについては効果的なキックを蹴ることができたと思っています。しかし、コンバージョンを外してしまったこと、要所要所でのタッチキックであまりエリアを取れなかったことが今後の課題だと思います。

――赤黒への意気込みをお聞かせください

 僕よりいい選手が赤黒を着て出ていると自分でも分かっています。Bチームの自分がチームに対して何ができるのか考え、日々の練習に取り組みたいと思っています。最後は自分が赤黒を着ても着ていなくてもやり切ったと言えるような日々を過ごしたいと思っています。

 

関東大学ジュニア選手権
早大B スコア 明大B
前半 後半 得点 前半 後半
14 22 17 19
36 合計 36
【得点】▽トライ 磯崎、金子(2T)、安恒、岡本、細矢▽ゴール 久富(3G)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
後藤 良太 文4 埼玉・早大本庄
安恒 直人 スポ3 福岡
下村 勇貴 文3 東京・早実
鈴木 風詩 社3 国学院栃木
若松 泰佑 文構3 東京・早実
中島 潤一郎 教2 神奈川・桐蔭学園
田中 勇成 教2 東京・早実
粟飯原 謙 スポ2 神奈川・桐蔭学園
細矢 聖樹 スポ3 国学院栃木
10 吉岡 麟太朗 スポ3 東京・本郷
11 磯崎 錬太郎 商4 徳島・城東
12 岡本 大輝 スポ4 東京・本郷
13 金子 礼人 法2 福岡・西南学院
14 鈴木 陽結 政経4 東京・早大学院
15 久富 連太郎 政経4 島根・石見智翠館
リザーブ
16 真田 稜大 教2 東京・早実
17 門脇 浩志 スポ3 神奈川・桐蔭学園
18 新井 瑛大 教1 大阪桐蔭
19 萩原 武大 スポ2 茨城・茗渓学園
20 西浦 剛臣 社3 ニュージーランド・ハミルトン・ボーイズ・ハイスクール
21 井上 泰志 スポ3 福岡・東筑
22 京山 秀勇 人4 福岡・東筑
23 三浦 哲 文構3 東京・早実
※監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)
関東大学ジュニア選手権カテゴリー1星取表
  帝京大 早大 明大 東海大 慶大
帝京大

10/7 13:00

早大G

10/22 13:00

明大G

9/24 13:00

帝京大G

○61ー0

9T8G

早大

10/7 13:00

早大G

△36ー36

6T3G

10/22 13:00

早大G

10/15 13:00

慶大G

明大

10/22 13:00

明大G

△36ー36

6T3G

10/14 13:00

東海大G

10/29 13:00

慶大G

東海大

9/24 13:00

帝京大G

10/22 13:00

早大G

10/14 13:00

東海大G

10/8 13:00

東海大G

慶大

●0ー61

10/15 13:00

慶大G

10/29 13:00

慶大G

10/8 13:00

東海大G

※早大Gは早大上井草グラウンド、帝京大Gは帝京大百草園グラウンド、東海大Gは東海大湘南グラウンド、明大Gは明大八幡山グラウンド、慶大Gは慶大日吉グラウンド