後半に巻き返しを図るも及ばず、新人明大に大敗

ラグビー男子

 30度を超える炎天下の中、明大・八幡山グラウンドにて新人早明戦が行われた。昨年のリベンジに燃える明大に序盤から走り負けし、大量得点を許した早大。セットプレーでも圧倒され守勢が続き、前半を0-61で折り返した。迎えた後半、フランカー松沼寛治(スポ1=東海大大阪仰星)によって早大待望のトライが生まれる。26分にもCTB池本晴人(社1=東京・早実)が追加点を挙げるが、前半のつけを返すことができず試合終了。伝統の一戦は14ー82で明大に敗北した。

粘り強く押し込みトライに成功するフランカー松沼

 厳しい試合展開となった前半。序盤、早大のペナルティーからの被トライを皮切りに、防戦一方の試合が続く。「体が小さい分たくさん走る必要があったが、それも相手に劣っていた」とNO・8山本竜大(教2=東京・早実)が語るように、明大のテンポの速い攻撃に追いつくことができず大量失点。また、体格が勝る相手のFWにセットプレーで圧力をかけられ、ボールロストが続発した。攻撃でも相手ディフェンスのプレッシャーに負けプレーを継続できなかった早大は無得点で前半を終える。9トライを奪われ、0ー61で試合を折り返した。

 ハーフタイムに順目への周りを早くすること、ユニットで動くことを確認して臨んだ後半。18分に明大のペナルティーから敵陣ゴール前に侵入すると、FWが順目に回り相手のディフェンスを崩して反則を誘う。3つのペナルティーを獲得しながら、全てクイックで攻撃を継続し、最後は松沼がインゴールをこじ開けた。1トライを奪い返された後の26分、FB小貫壮太(教1=東京・早大学院)がパスを受ける瞬間に体をずらし、ラインブレイクを生み出すと再びゴール前に侵入。ペナルティーを獲得すると、クイックで仕掛け、最後は池本がトライラインを割った。しかし、試合中にセットプレーを修正することはできず、スクラムとラインアウトのミスから1トライずつ献上しノーサイド。14ー82で大敗を喫した。

相手タックルをうまくずらして前進したFB小貫

 「後半はテンポが上がった時もみんなで走って得点することができた」と山本が振り返るように、ハーフタイムでの切り替えによって後半は相手に食らいついた早大。それだけに前半の大量失点が悔やまれる結果となった。本試合で明確になった、「明治というライバル校との現時点での差」(池本)をいち早く埋めていくことが求められる。未来の赤黒を担うルーキーたちの今後の成長に期待だ。

(記事 原旺太、写真 戸祭華子)

コメント

NO・8山本竜大(教2=東京・早実)

――今日の試合のテーマを教えてください

 今日のテーマは凸(とつ)スピードを意識して、速い起き上がりで相手に勝り自分たちのテンポでラグビーをすることでした。前半は後手に回ってしまいテーマを達成することができませんでしたが、後半はテンポが上がった時もみんなで走って、得点を重ねて自分たちのテンポを作ることができました。

――前半に失点が重なったことについて振り返りをお願いします

 前半はタレントぞろいの相手に気持ちの面で負けてて、最初の20分で後手に回ってしまったことが勝敗を分けたと思います。体が小さい分、たくさん走る必要がありましたが、それも相手に劣っていたことが大量失点の原因になったと思います。

――後半で切り替える上でハーフタイムで話し合ったことを教えてください

 凸スピードや今までやってきたアタックをやろうとみんなで意識し直しました。順目への回りを早くしたり、1年生として3か月間やってきたことを出そうと話しました。

――個人のプレーの振り返りをお願いします

 課題は前半に多くありました。タックルに入れなかったり、疲れて回れなかったり相手に気持ちの面で負けていました。良かったところは後半ボールが出そうだったり、アンストラクチャーの時にボールに寄っていってチャンスにつなげられたところです。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

 来週は帝京戦があります。去年は大差で負けていて絶対に負けられない試合なので、今回の修正点を直して絶対勝ちたいと思います。

フッカー清水健伸(スポ1=東京・国学院久我山)

――個人のテーマを教えてください

 ワークレートとタックルのインパクトです。

――では、そのテーマを踏まえ試合を振り返っていかがでしたか

 ワークレートのところは、暑さで後半バテてしまいました。もっと走るべきだったのですが、相手よりも走れず、そこが課題として残りました。タックルのインパクトは、タックルしてからの足の運びが足りなかったです。

――ハーフタイムで修正したこと、話し合ったことを教えてください

 チームとして前半焦って1人で行ってしまうことがありました。しっかりユニットを組んでグループで動くこと、そしてコミュニケーションをとって細かいところを意識していこうと話しました。

――今日の敗因はどこだと考えていますか

 ブレイクダウンの寄りと、前を見てコミュニケーションをとってセットアップするところが足りなかったのかなと思います。

――次戦に向けて意気込みをお願いします

 今回出た課題を意識して今日以上に良いワークレートを出せるように日々練習に励んでいきたいです。

CTB森田倫太朗(スポ1=兵庫・報徳学園)

――BKとして今回掲げていたテーマはありますか

 ディフェンスで相手よりも前に出ること、少しでも早くセットして仕掛けるというのをテーマにしていました。

―― 個人として掲げていたことはありますか

 横とのコミュニケーションを取りながらゲームをコントロールすることを意識していました。

――試合を振り返っていかがですか

 個人としても、チームとしても前半は相手のやりたいことをやられて、試合中に修正することができませんでしたし、BKもほとんどボールタッチすることができない状況でした。そこはチームとして試合中に修正する力をつけていかなければならないなと思いました。

――相手に報徳学園高校の選手が多かったですが、意識はしましたか

 プレースタイルは大体分かっていたので、自分のところに来たら絶対止めてやろうと思っていました。

――今日の試合を踏まえて今後の意気込みをお願いします

 この新人チームの差を4年と言わずに1年でも早く埋めていかなければならないと思います。日々、しっかりコミュニケーションを取りながら、話し合って練習に励んで行きたいです。

CTB池本晴人(社1=東京・早実)

――今日の試合の個人としてのテーマを教えてください

 前回と同じく、『ゲインラインバトル』をテーマにし、自分からチームを前に出すことが目標でした。

――BK全体を振り返っていかがでしたか

 FWのセットプレーが厳しい中で、BKにボールが出た時も、1人目がすぐに倒れてしまってターンオーバーされる場面があったように、練習してきたことがしっかりできなかったことがこの点数差に繋がったと思います。

――後半に挙げた自身のトライについてお聞かせください

 敵陣に入ったらセットプレーではなくクイックでどんどん攻めるというチームでの意思統一があり、FWが順目に回ってディフェンスを崩してくれたので、目の前にトライするだけでした。

――今日の試合の収穫はなんですか

 明治という一番のライバル校との現時点での差が分かったことです。この差を4年間でひっくり返すためには相当な覚悟が必要だということも分かりました。

――今後の意気込みをお聞かせください

 来週も練習試合が続くので、しっかり今日の試合のレビューをして、練習で改善していくことで次の試合につなげていきたいと思います。

 

新人戦
早大 スコア 明大
前半 後半 得点 前半 後半
14 61 21
14 合計 82
【得点】▽トライ 松沼(1T)、池本(1T) ▽ゴール 池山、池本
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
竹内 晴 文構1 東京・早実
清水 健伸 スポ1 東京・国学院久我山
成戸 風太 スポ2 埼玉・川越東
原田 恒耀 スポ1 福岡・修猷館
惟村 詠甫 基理1 神奈川・桐蔭学園
◎松沼 寛治 スポ1 東海大大阪仰星
野島 信太郎 教1 東海大大阪仰星
山本 竜大 教2 東京・早実
平塚 英一朗 法1 東京・早実
10 大賀 雅仁 スポ1 神奈川・桐蔭学園
11 狭間 大介 スポ1 福岡
12 森田 倫太朗 スポ1 兵庫・報徳学園
13 池本 晴人 社1 東京・早実
14 佐々木 豪正 文1 東京・早実
15 池山 昂佑 商1 東京・早実
リザーブ
16 真田 稜大 教2 東京・早実
17 杉本 安伊朗 スポ1 東京・国学院久我山
17´ 伊藤 和稀 文1 東京・早実
18 蜂谷 謙介 基理2 東京・早大学院
19 萩原 武大 スポ2 茨城・茗渓学園
20 髙橋 松大郎 スポ1 愛媛・松山東
21 早乙女 遼 人1 東京・国学院久我山
22 丸橋 怜央 商1 埼玉・早大本庄
23 足立 慎太郎 人1 大分舞鶴
23´ 佐々木 篤真 法1 福島
24 小貫 壮太 教1 東京・早大学院
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)