「全てを出し切っていきたい」(相良)/大学選手権準々決勝前日練習レポート

ラグビー男子

 青く澄み渡る冬空の下、早大は明日に控えた明大との大一番に向けて約2時間の最終調整を行った。練習後には部員全員が大きな一つの輪になり、出場するメンバーが意気込みを共有した。昨年の悔しさ、同期への思い、決死の覚悟。それぞれが特別な思いを抱き、全てを懸けて挑む伝統の一戦を前にチームの結束はより強固になった。

 

最終調整に励むSO伊藤

 3週間前、早大は関東大学対抗戦最終節で明大と対戦し、敗北を喫した。それでも明日の試合は、フランカー相良昌彦主将(社4=東京・早実)やSO伊藤大祐(スポ3=神奈川・桐蔭学園)のスタメン復帰など、好材料も多い。80分間を通してセットプレーや接点の部分で精度を保ち、強力な明大FWを攻略できるか。厳しい時間帯も一人一人の献身的なプレーで勝利を手繰り寄せたい。

 

一人一人の決意表明

 昨年は明大に『年越し』を阻まれた。あの日の悔しさを忘れることなく、着実に歩んできた相良組の1年間。ついに、その答えが明らかになる。「全てを出し切っていきたい」(相良主将)。負けたら終わりの勝負を制するのは、紫紺の意地か、それとも赤黒の雪辱か。両校の矜持が問われる一戦は、明日11時30分、東京・秩父宮ラグビー場で幕を開ける。

(記事 安齋健、写真 谷口花)

コメント

フランカー相良昌彦主将(社4=東京・早実)

――明日は自身にとっても久しぶりの試合になると思いますが調子はいかがですか

 気持ちでコンディションを100%にしていきたいと思います。

――前回の東洋大戦はベンチからチームを見ていたと思いますが、勝てた要因はどんなところでしたか

 皆あの試合にかける思いが東洋大に勝てた要因だと思っていますし、4年生も紘 (吉村副将、スポ4=東福岡)を中心にしてまとまることができて、チームを引っ張っていってくれたことが良かったのかなと思います。

――東洋大戦を終え2週間ありましたが、明大戦までにどのようなマインドで練習に励んできたか

まずは去年のリベンジという気持ちの部分にプラスして、色々とポジション変更があったりした中で、アタックとかディフェンスのところの組織的な部分を精度を上げる練習はしてきました。

――その中で自身が促してきたことは何かありますか

 ブレイクダウンの接点でまずは負けないということと、こぼれ球に反応するであったり、そういう当たり前のところは去年負けて学んだことなので、その部分を今回の試合でできなかったら、この1年間何をしていたんだという話になるので、とにかくそういう誰もができる部分を一番大切にしていこうという話はしてきました。

――明大へのリベンジということで明日の意気込みをお願いします

 本当に全てを出し切っていきたいと思います。全員で気持ちのスイッチを入れるために、自分にできることを試合前から全てやっていきたいと思います。勝ちます。リベンジします。

ロック池本大喜(文構3=東京・早実)

――早明戦を明日に控えていますが、今のお気持ちはいかがですか

 ここで負けたら終わりということで、去年もここで負けてしまっているので絶対勝つという気持ちだけです。

――前回の東洋大戦は勝ちましたが、課題としてはどのようなことが挙げられますかよわ、

 チームとしては最初の入りは良かったのですが、中盤のところで相手のペースになって落ちてしまったことです。個人としては積極的にボールキャリーすることやボールに絡んでいくことが出来なかったので、そこが課題かなと思います。

――この2週間で特にFWがフォーカスしてきたことは何ですか

 セットプレーで勝たないと絶対に勝てないと思うので、スクラムやラインアウトのところです。

――明日はどのような自分の強みを発揮したいですか

 まずはセットプレーでスクラムとラインアウトを絶対に安定させるところと、ディフェンスで前に出てタックルすることです。

――明日への意気込みをお願いします

 出られない4年生たちのためにも死ぬ気で体を張って勝ちたいと思います。

SO伊藤大祐(スポ3=神奈川・桐蔭学園)

ーー後半から出場した前回の東洋大戦を振り返っていががですか

 何個かミスがあり、明大戦に向けて修正していくきっかけになったので、個人的にはすごくいい試合になったかなと思います。

ーー東洋大戦後の2週間、どんなことに意識して取り組んでこられましたか

 チームの中で重要なポジションなので、みんなと僕の不安を擦り合わせた上でワンチームになるために、10番としての役割をしっかりやってこれたかなと思います。

――夏以来の久々のSOでのスタメン出場ということですが、ご自身のコンディションも含めて心境はいかがですか

 100%で行けると思います。これまでの課題をしっかり見つめ直して、今自分ができることを全部出し切りたいと思います。

――明大に対して自分の強みをどう発揮していきたいですか

 とにかく明大のFWは大きいので、BKでスペースを前に出してトライに繋げられるようなシチュエーションを作ったり、ゲームコントロールをする中で自分もしっかり仕掛けたりできるようにしていきたいと思います。

――最後に明日に向けて意気込みをお願いします

 先週に早明戦(ジュニア冬季オープン戦)があったのですが、4年生の意地をしっかり見させてもらいました。先週の試合も昨年の大学選手権も明大に負けているので、その借りを返して次のステージに行けるように、僕の役割をしっかり果たしていきたいと思います。

CTB岡﨑颯馬(スポ3=長崎北陽台)

――明日に向けて今の心境はいかがですか

 楽しみっていうのと、やっとリベンジできる時ができたなっていう感じです。今週はいい準備ができていたので、すごく楽しみな部分が強いです。

――2度目の早明戦になります。両校共にBKを強みにしている中でどういったところが試合のカギになると思いますか

 エリアのマネジメントでいかにFWを楽にさせてあげるかが大事になると思います。明治大学さんのBKに右ランナーがいると思うのですが、1戦目でやられた外側のブレイクっていうのをどれだけ減らせるのかが早稲田にとっては大事になってくるのかなと思います。

――チームにどういう働きかけをしていきたいですか

 きつい時間帯がずっとあると思うのですが、しっかりとチームが一つになれるように動くようにして、とにかくディフェンスの面でチームを引っ張っていけたらなと思います。

――明日意識したいプレーは

 一つ一つのプレーを全て丁寧にやりたいです。先を見ることなく一瞬一瞬起こることに対して常に勝ちにこだわって、そこで一つずつ勝っていけば最後は絶対勝てると思います。

――最後に明日に向けて意気込みをお願いします

 明大には去年負けていますし、今年も2回負けています。ここで勝たないと年越しできないっていう状況でもある中で、先を見ることなく、とりあえずこの一戦に勝つために全力を尽くしたいなと思います。