ミスが相次ぎ、明治学院大に完敗

ラグビー男子

 早大ラグビー蹴球部の菅平合宿10日目、早大Dは時折雨がぱらつく曇天の下、明治学院大との一戦に臨んだ。前半は明治学院大に主導権を握られ、思うように展開できない。どうにか終盤にトライを奪い、前半を7-40で折り返した。後半も追う展開となり、自陣で守る時間帯が続く。後半中盤に1トライを挙げたものの、14-69で敗戦となった。

先制トライを挙げたFB五十嵐

 明治学院大にリードを許す展開となった前半。開始早々、ディフェンスの隙を突かれ先制トライを許す。その後何度も自陣へ侵入され、立て続けに5トライを奪われてしまう。前半37分、マイボールラインアウトからBKを中心に素早くボールを展開。CTB田尻遥也(文3=埼玉・早大本庄)からパスを受けたFB五十嵐心之介(社3=埼玉・早大本庄)が右側を切り込みインゴールへと駆けた。SO茂木陸生(社3=埼玉・早大本庄)がコンバージョンゴールを確実に決め、7点を追加。だがその後にラインアウトからモールで押し込まれトライを献上し、7-47で試合を折り返した。

 後半の序盤も自陣でプレーする時間が続く。後半15分にはハーフウェーライン付近からWTB米重颯己(スポ4=北海道・函館ラサール)がビッグゲインしたが、パスが乱れチャンスを生かせず。しかし24分、相手ボールラインアウトから展開されたパスを、米重颯が中央付近でインターセプトし、そのままインゴールへ。その後は粘り強くディフェンスを固めるが、自らのミスで失点を重ねてしまう。そして相手の連続攻撃を阻めず、好機を得ることができないままノーサイドを迎えた。最終スコアは14-69で早大Dは敗戦を喫した。

ビッグゲインするWTB米重颯

 五十嵐が「バックスリーのキック処理の部分と、エリアマネジメント」での課題を挙げたように、今試合は自身の細かいミスから相手のアタックが長く続く展開となった。「この悔しさをバネにこれからの練習を頑張っていきたい」(吉松立志、スポ4=宮崎・高鍋)。今日浮き彫りとなった細かな課題を修正し、次戦は価値ある一勝を手にしたいところだ。ついに折り返しを迎えた菅平合宿。「厳しい練習が続いていますが、ここを乗り越えれば成長した自分が待っている」と吉松が話すように、秋に赤黒のチャンスをつかみ取るため、早大Dは日々奮闘している。

(記事 谷口花、写真 山田彩愛)

コメント

WTB吉松立志ゲームキャプテン(文4=宮崎・高鍋)

――夏合宿を折り返しとなりましたが、ご自身のコンディションはいかがですか

 結構厳しい練習が続いていて 体は結構きついのですが、ここを乗り越えれば成長した自分が待っていると思うので、なんとか乗り越えて、また次の試合に向けて頑張っていきたいと思います。

――今日の試合テーマを教えてください

 今日の試合テーマは、とにかく全力でやるということを言いました。(通常とは)違うポジションにいる人が結構いたんですね。そこで難しいことをやろうというのは絶対無理だと思っていたので、とにかく全力で走って全力で体当てていこうということを最初は言いました。

――今日の試合全体を振り返っていかがですか

 試合の出来としては全然良くなくて、 相手が強かったのですが、強いなりに自分たちが何をできるのかということを、試合の中で修正できなかったのが課題だと思いました。

――具体的に今日の敗因はどういった部分にありましたか

 自分たちがミスしたり、ラインを相手が抜いてきたりだとか、自分たちがボールをなくしたりという中で、誰かのミスを誰かがカバーするというような意識が足りなかったのかなと思います。そこができていれば、もっと点数を抑えられたというか、もっといい結果になったんじゃないかなと思います。

――反対に収穫はありましたか

 自分たちの立ち位置がどれだけ低いかということも確認できましたし、(今日の敗戦は)みんな悔しいと思っているので、この悔しさをバネに、またこれからの練習も頑張っていきたいと思います。

――本日ゲームキャプテンとして、意識されたことはありますか

 前半とにかくチームの雰囲気を下げちゃダメだと思って盛り上げるような声を出したのですが、僕自身もチームにどういう声をかけをしていいのかちょっとわからなくて、そこでまあ苦労しました。試合後いろいろな人の話を聞いて、誰かが誰かのミスをカバーするということをもっと言えたらよかったのかなと思います。

――最後に夏合宿を通した個人の目標を聞かせてください

自分のチームを一つでも上にあげるというのもそうなのですが、自分が出た試合は必ず勝つということを目標としてやっていこうと思います。

フランカー山下広一朗(創理1=東京・学院)

――今日の試合を振り返って

 今まで関東学院大と武蔵大と対戦して、チームとしてできていると感じていたのですが、やっぱり自分たちの足りない部分が明らかになって改善しなきゃいけないなと思いましたね。

――足りなかった部分を具体的に振り返って

 ディフェンスの面では、個人としてのコリジョンの部分です。チームとしてはチームとしてのディフェンスをもう一度見直さなければいけないなと感じました。チームアタックについては、細かいミスが多くてそこで相手にボールを渡してしまっていたので、そういったミスをなくしていかなければいけないと思います。

――課題はディフェンスでしょうか

 そうですね。やはり強い相手に対して、相手より動いて相手よりタックルしてオープンに回る、ように相手よりたくさん動かないと勝てないことわかっているのですが…。やはり個人のコリジョンの部分であったり、ダブルタックルであったりそういったところのスキルがまだまだですね。

――セットプレーを振り返って

 スクラムについては、はじめは負けていたのですが、後半に入るにつれて修正してペナルティーも取れたのでそこは良かったかなと思います。ラインアウトは、もっとテンポを出して取りたいという思いはありますが、今回はボールキープをできたのでそこは良かったかなと思います。

――体を張ったプレーが印象的でしたが、ご自身のプレーについて振り返って

 前回の武蔵大戦で課題として、バインドをすることを自分の中で挙げていました。今回の試合では最後の場面で、バインドができずに相手にすかされてしまったので、そこは意識して練習をしていきたいなと思います。

――次の試合に向けての意気込みを

 個人のコリジョンの部分は、バインドと(タックルの際に)踏み込むことです。あとはチームとしてのディフェンスを再確認して、アタックはもっとBKと連携がとれるようにして試合に挑みたいと思います。

FB五十嵐心之介(社3=埼玉・早大本庄)

――今日の試合を振り返って

 自分たちのボールの時間が少なくて、自分たちの攻撃の時間を継続できなかったです。あとは、FWがディフェンスで粘ってくれていたのに、BKがキック処理でミスをしてしまって、BKのミスでボールを失う場面が多かったです。まずは課題として、バックスリーのキック処理の部分と、エリアマネジメントです。自陣(でプレーしているときに)無理に攻めないことなどのリスクマネジメントもできていなかったなと感じました。

――トライシーンを振り返って

 相手ディフェンスが1余りくらいだったのですが、早めにパスをもらえばスペースができるなと判断して、田尻(田尻遥也、文2=埼玉・早大本庄)に早く投げてと声掛けをして、自分で仕掛けました。プレーコールがうまくつながって生まれたトライだと思います。

――夏合宿を通しての自分のテーマや目標は

とにかくジュニアに戻ることです。そのためにできることは限られていると思うので、そこを突き詰めていきたいです。派手なプレーより、やはり堅実にボールキープすることと、ディフェンスのキック処理を堅実にやり続けたいと思います。

 

ジュニア夏季オープン戦
早大D スコア 明治学院大
前半 後半 得点 前半 後半
47 22
14 合計 69
【得点】▽トライ 五十嵐、米重颯 ▽ゴール 茂木(1G)、米重皓(1G)
※得点者は早大のみ記載
早大メンバー
背番号 名前 学部学年 出身校
後藤 良太 文3 東京・早実
武内 陸 法4 埼玉・早大本庄
門脇 浩志 スポ2 神奈川・桐蔭学園
飯田 開登 教3 愛知・千種
佐土原 脩 基理3 埼玉・早大本庄
折戸 健介 法2 東京・早実
山下 広一朗 創理1 東京・早大学院
廣川 凛太朗 スポ2 北海道・函館ラサール
井上 泰志 スポ2 福岡・東筑
10 茂木 陸生 社3 埼玉・早大本庄
11 ◎吉松 立志 スポ4 宮崎・高鍋
12 下原 一輝 文構4 東京・早大学院
13 田尻 遥也 文2 埼玉・早大本庄
14 米重 颯己 スポ4 北海道・函館ラサール
15 五十嵐 心之介 社3 埼玉・早大本庄
リザーブ
18 池田 裕哉 スポ2 東京・明大中野
19 小野 史裕 スポ2 東京・本郷
20 蜂谷 謙介 基理1 東京・早大学院
20′ 荒田 明彦 商1 北海道・函館ラサール
8′ 玉川 皇一 創理1 東京・青山学院
21 山田 航太郎 政経2 大阪・早稲田摂陵
21′ 清水 一志 社4 東京・早実
22 米重 皓己 商2 北海道・函館ラサール
22′ 北田 琢麿 スポ1 埼玉・川越東
23 渡邉 琉斗 法1 東京・本郷
23 荒田 明彦 商1 北海道・函館ラサール
23′ 石田 大貴 社4 埼玉・早大本庄
15′ 高栁 壮史 創理1 東京・早大学院
※◎はゲームキャプテン、監督は大田尾竜彦(平16人卒=佐賀工)